有価証券報告書-第17期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
有報資料
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月28日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢・市場動向
当年度の我が国の景気は、一進一退で推移しました。年度初は新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした政府のまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発令を受け、サービス消費が弱めの推移となりました。夏場から秋にかけては、部品の供給制約から自動車生産が落ち込み、国内の乗用車販売や自動車輸出が悪化しました。その後、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の解除により、10月以降はサービス消費が大幅に増加し、部品の供給制約の緩和で自動車生産も持ち直すなど、年末にかけて景気は回復基調となりました。年明け以降は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府はまん延防止等重点措置の適用を再開し、景気は再び弱めの推移となりました。
株式市場では、29,441円でスタートした日経平均株価が、27,821円で終了しました。年度初はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発令を受け、夏場にかけて低下基調となりましたが、新規感染者数の減少や政府の大型経済対策発動への期待などから、9月には一時30,795円まで上昇し、およそ31年ぶりの高値を付けました。その後は、原油価格上昇に伴うインフレ懸念の高まりや米国の長期金利の上昇などから再び低下基調となりました。更に、年明け以降は、ロシアによるウクライナ侵攻も加わり、3月には一時24,681円まで低下しましたが、ウクライナとロシアの和平交渉進展への期待などから、年度末にかけて株価は持ち直しました。
債券市場では、長期金利(新発10年国債利回り)が0.12%で始まり、0.21%で終了しました。日本の長期金利は日銀の緩和的な金融政策運営が続く中、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発動などから金利低下圧力が増したほか、米国の長期金利の低下に合わせて低下基調が続き、8月上旬には一時0.01%を下回りました。その後は、米国のインフレ懸念の高まりや米国の長期金利の上昇に合わせて上昇基調となり、3月下旬には0.25%まで上昇しました。年度末にかけては、日銀が0.25%での指値オペの実施を通知したことを受け、一段の上昇に歯止めがかかり、0.20%台前半で推移しました。
(2) 経営方針
当社グループを含むMUFGグループは、2021年4月1日に経営ビジョンを改定し、「MUFG Way」へと改称しました。「MUFG Way」では、環境・社会課題解決とMUFGの経営戦略の一体化を進める中、社会における「存在意義(Purpose)」を明確化しました。「世界が進むチカラになる。」は、「社会やお客さまなどのステークホルダーが次に、前に進むために、MUFGグループが『チカラになりたい』」との思いを込めたものです。
当社グループは、MUFGグループ全体で共有する「MUFG Way」に基づき、お客さまに最適なソリューションをご提供するとともに、リスク管理、コンプライアンス、情報管理を徹底し、ステークホルダーのご期待に応え続けていきます。そして、「MUFGの中核として業界No.1のクオリティを有し、お客さま満足度No.1の証券会社」としての地位を確立していくことをめざします。
(3) 対処すべき課題
当社グループの財政状態、経営成績等は、他の業種に比べ、その業務の性格上、経済情勢・市場動向により影響を受けることは避けられません。2020年以降続いている新型コロナウイルス感染症による世界経済やお客様一人ひとりの生活への影響は、依然として不確実性があります。こうした中、当社グループでは、MUFGグループの有する、本邦最大のお取引先数やネットワーク、および強固な財務基盤と、当社グループ各社が有する質の高い商品、サービス、ネットワークを有機的に結びつけることで、法人、個人のお客さまに質の高い証券サービスを提供してまいります。
2021年度よりスタートした中期経営計画では、過去の延長線上に止まらない「チャレンジ」、「プロ」人材の育成、国内外・銀信証をはじめとする「コミュニケーション」の強化を軸に、「MUFGの中核として業界No.1のクオリティを有し、顧客満足度No.1の証券会社」を目指す方針を掲げております。新型コロナウイルス感染症を契機とした世界の価値観やお客さまの行動様式を含む経済社会の変容、デジタル・イノベーションの加速といった大きく変化する経営環境も踏まえ、お客さまとの接点のあり方や社員の働き方を含む、会社運営そのものの革新も検討してまいります。
また、ロシア・ウクライナ情勢悪化による地政学リスクに対しては、経済や当社グループ業績に与える影響を慎重に見極め、必要な対応をとると同時に、社会機能の維持に必要な金融インフラとしての役割を果たしてまいります。
業務別の重点課題、取り組みは以下のとおりです。
① 業務別の課題
・ウェルス&ミドルマーケット業務においては、ウェルスマネジメント領域では、前中期経営計画期間に構築したアドバイザリー型ビジネスを完成するとともに、MUFGグループの顧客基盤を最大限に活用し、MUFGグループが一体となってさらなる強化を図ります。また、リモート領域では、アドバイス機能を有するリモートチャネル「MUFGテラス」も活用し、デジタルとアドバイスを融合した独自のビジネスモデルの確立をめざします。加えて、子会社のauカブコム証券株式会社(以下「auカブコム証券」といいます。)においては、au経済圏からのお客さまニーズにしっかりと対応し、商品・サービスのさらなる強化を図ることで収益力を向上してまいります。
・グローバルマーケッツ業務においては、お客さまとの取引に立脚したビジネスモデルと高度なリスク管理体制を基盤として、MUFGグループが一体となって、国内外クロスセルの推進やマーケット知見の活用により、機関投資家のみならず国内の個人・法人のお客さまに対しても競争力の高い商品・サービスを提供することで、国内外およびMUFGのビジネスにおいて確固たるプレゼンスを確立してまいります。
・インベストメントバンキング業務においては、国内ではMUFGグループの顧客基盤とモルガン・スタンレーのグローバルな商品力、情報力を活かし、M&Aアドバイザリー業務、エクイティおよび債券の引受業務においてお客さまのニーズに応える質の高いソリューション機能を提供してまいります。海外では、銀証一体となって債券引受の総合提案力をさらに高度化し、グローバルベースでのビジネス強化に取り組んでまいります。
・また、MUFGグループの一員として、社会に対して負う金融機関の責任を常に高く意識すると共に、G-SIFIsに相応しいグローバル業務運営を担保するガバナンス態勢の定着と進化を目指し、以下の重点課題にも取り組んでまいります。
② 経営管理上の課題
・MUFGグループでは、前述の「MUFG Way」の下に、役職員の具体的な判断基準・行動基準を示す「グループ行動規範」を定めております。当社グループにおいても、本行動規範の社内への一層の浸透を図ることで、社員一人ひとりが「正しい行動」を実践し、信頼されるグローバル金融機関としての責務を果たしてまいります。
・グループ全体のガバナンス態勢では、海外拠点も含め、証券・市場業務を行う拠点軸管理と国内外に跨る業務・機能軸管理からなるグローバル・ガバナンス態勢を導入しており、グローバル・ヘッド体制のもと、各拠点が現地法令規制等を遵守し、一企業としての完結性を引き続き確保したうえで、拠点横断・統合的な業務戦略の策定、リスク管理、業務インフラ統一化等の取り組みを加速させてまいります。
・当社は、2016年6月に、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しており、取締役会の監督機能とコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を図るとともに、経営の健全性と効率性を高めてまいります。
(1) 経済情勢・市場動向
当年度の我が国の景気は、一進一退で推移しました。年度初は新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした政府のまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発令を受け、サービス消費が弱めの推移となりました。夏場から秋にかけては、部品の供給制約から自動車生産が落ち込み、国内の乗用車販売や自動車輸出が悪化しました。その後、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の解除により、10月以降はサービス消費が大幅に増加し、部品の供給制約の緩和で自動車生産も持ち直すなど、年末にかけて景気は回復基調となりました。年明け以降は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府はまん延防止等重点措置の適用を再開し、景気は再び弱めの推移となりました。
株式市場では、29,441円でスタートした日経平均株価が、27,821円で終了しました。年度初はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発令を受け、夏場にかけて低下基調となりましたが、新規感染者数の減少や政府の大型経済対策発動への期待などから、9月には一時30,795円まで上昇し、およそ31年ぶりの高値を付けました。その後は、原油価格上昇に伴うインフレ懸念の高まりや米国の長期金利の上昇などから再び低下基調となりました。更に、年明け以降は、ロシアによるウクライナ侵攻も加わり、3月には一時24,681円まで低下しましたが、ウクライナとロシアの和平交渉進展への期待などから、年度末にかけて株価は持ち直しました。
債券市場では、長期金利(新発10年国債利回り)が0.12%で始まり、0.21%で終了しました。日本の長期金利は日銀の緩和的な金融政策運営が続く中、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発動などから金利低下圧力が増したほか、米国の長期金利の低下に合わせて低下基調が続き、8月上旬には一時0.01%を下回りました。その後は、米国のインフレ懸念の高まりや米国の長期金利の上昇に合わせて上昇基調となり、3月下旬には0.25%まで上昇しました。年度末にかけては、日銀が0.25%での指値オペの実施を通知したことを受け、一段の上昇に歯止めがかかり、0.20%台前半で推移しました。
(2) 経営方針
当社グループを含むMUFGグループは、2021年4月1日に経営ビジョンを改定し、「MUFG Way」へと改称しました。「MUFG Way」では、環境・社会課題解決とMUFGの経営戦略の一体化を進める中、社会における「存在意義(Purpose)」を明確化しました。「世界が進むチカラになる。」は、「社会やお客さまなどのステークホルダーが次に、前に進むために、MUFGグループが『チカラになりたい』」との思いを込めたものです。
当社グループは、MUFGグループ全体で共有する「MUFG Way」に基づき、お客さまに最適なソリューションをご提供するとともに、リスク管理、コンプライアンス、情報管理を徹底し、ステークホルダーのご期待に応え続けていきます。そして、「MUFGの中核として業界No.1のクオリティを有し、お客さま満足度No.1の証券会社」としての地位を確立していくことをめざします。
| [Purpose(存在意義)] 世界が進むチカラになる。 [Values(共有すべき価値観)] 1.「信頼・信用」2.「プロフェッショナリズムとチームワーク」3.「成長と挑戦」 [Vision(中長期的にめざす姿)]世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ |
(3) 対処すべき課題
当社グループの財政状態、経営成績等は、他の業種に比べ、その業務の性格上、経済情勢・市場動向により影響を受けることは避けられません。2020年以降続いている新型コロナウイルス感染症による世界経済やお客様一人ひとりの生活への影響は、依然として不確実性があります。こうした中、当社グループでは、MUFGグループの有する、本邦最大のお取引先数やネットワーク、および強固な財務基盤と、当社グループ各社が有する質の高い商品、サービス、ネットワークを有機的に結びつけることで、法人、個人のお客さまに質の高い証券サービスを提供してまいります。
2021年度よりスタートした中期経営計画では、過去の延長線上に止まらない「チャレンジ」、「プロ」人材の育成、国内外・銀信証をはじめとする「コミュニケーション」の強化を軸に、「MUFGの中核として業界No.1のクオリティを有し、顧客満足度No.1の証券会社」を目指す方針を掲げております。新型コロナウイルス感染症を契機とした世界の価値観やお客さまの行動様式を含む経済社会の変容、デジタル・イノベーションの加速といった大きく変化する経営環境も踏まえ、お客さまとの接点のあり方や社員の働き方を含む、会社運営そのものの革新も検討してまいります。
また、ロシア・ウクライナ情勢悪化による地政学リスクに対しては、経済や当社グループ業績に与える影響を慎重に見極め、必要な対応をとると同時に、社会機能の維持に必要な金融インフラとしての役割を果たしてまいります。
業務別の重点課題、取り組みは以下のとおりです。
① 業務別の課題
・ウェルス&ミドルマーケット業務においては、ウェルスマネジメント領域では、前中期経営計画期間に構築したアドバイザリー型ビジネスを完成するとともに、MUFGグループの顧客基盤を最大限に活用し、MUFGグループが一体となってさらなる強化を図ります。また、リモート領域では、アドバイス機能を有するリモートチャネル「MUFGテラス」も活用し、デジタルとアドバイスを融合した独自のビジネスモデルの確立をめざします。加えて、子会社のauカブコム証券株式会社(以下「auカブコム証券」といいます。)においては、au経済圏からのお客さまニーズにしっかりと対応し、商品・サービスのさらなる強化を図ることで収益力を向上してまいります。
・グローバルマーケッツ業務においては、お客さまとの取引に立脚したビジネスモデルと高度なリスク管理体制を基盤として、MUFGグループが一体となって、国内外クロスセルの推進やマーケット知見の活用により、機関投資家のみならず国内の個人・法人のお客さまに対しても競争力の高い商品・サービスを提供することで、国内外およびMUFGのビジネスにおいて確固たるプレゼンスを確立してまいります。
・インベストメントバンキング業務においては、国内ではMUFGグループの顧客基盤とモルガン・スタンレーのグローバルな商品力、情報力を活かし、M&Aアドバイザリー業務、エクイティおよび債券の引受業務においてお客さまのニーズに応える質の高いソリューション機能を提供してまいります。海外では、銀証一体となって債券引受の総合提案力をさらに高度化し、グローバルベースでのビジネス強化に取り組んでまいります。
・また、MUFGグループの一員として、社会に対して負う金融機関の責任を常に高く意識すると共に、G-SIFIsに相応しいグローバル業務運営を担保するガバナンス態勢の定着と進化を目指し、以下の重点課題にも取り組んでまいります。
② 経営管理上の課題
・MUFGグループでは、前述の「MUFG Way」の下に、役職員の具体的な判断基準・行動基準を示す「グループ行動規範」を定めております。当社グループにおいても、本行動規範の社内への一層の浸透を図ることで、社員一人ひとりが「正しい行動」を実践し、信頼されるグローバル金融機関としての責務を果たしてまいります。
・グループ全体のガバナンス態勢では、海外拠点も含め、証券・市場業務を行う拠点軸管理と国内外に跨る業務・機能軸管理からなるグローバル・ガバナンス態勢を導入しており、グローバル・ヘッド体制のもと、各拠点が現地法令規制等を遵守し、一企業としての完結性を引き続き確保したうえで、拠点横断・統合的な業務戦略の策定、リスク管理、業務インフラ統一化等の取り組みを加速させてまいります。
・当社は、2016年6月に、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しており、取締役会の監督機能とコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を図るとともに、経営の健全性と効率性を高めてまいります。