有価証券報告書-第23期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/28 12:24
【資料】
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【項目】
135項目

金融商品関係

(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
①金融商品に対する取組方針
当社グループは、中核子会社トレイダーズ証券において、主として金融商品取引法に基づく店頭デリバティブ取引(通貨関連店頭デリバティブ取引、暗号資産関連店頭デリバティブ取引)、並びに金融商品仲介業者と連携し、個人顧客を対象とした債券等金融商品の募集業務を行っております。店頭デリバティブ取引は、顧客とトレイダーズ証券による相対取引でありますが、顧客に対するトレイダーズ証券のポジションのリスクをヘッジするために、カウンターパーティーとの間でカバー取引を行っております。
このほか、顧客から受け入れた預り金、店頭デリバティブ取引に係る証拠金等を顧客分別金信託又は区分管理信託として、当社固有の資産と区分して信託銀行及び信託会社に預託(預託金)しております。これら預託された信託財産は、主に国債を中心とした債券、有担保コール貸付又は銀行預金等により運用しております。
上記の他、投資有価証券として、匿名組合への出資を行っております。
②金融商品の内容及びそのリスク
当社グループが保有する金融資産は、顧客からの預り金等を信託銀行及び信託会社へ預託した顧客分別金信託、区分管理信託、カウンターパーティー(カバー先)である金融機関に差し入れた短期差入保証金が主なものとなります。短期差入保証金は、差入先の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されております。
③金融商品に係るリスク管理体制
a.全般的リスク管理体制
当社グループにおける信用リスク、市場リスク及び流動性リスクを含む各種リスクについての管理体制等は、当該リスクの発生確率及び重要度が高いトレイダーズ証券を中心に行われています。トレイダーズ証券はリスク管理規程において明確化すると共に、現状把握やリスク管理の方策、手続き及び手法の評価等についてはリスク管理委員会を月次で開催し、報告・審議・決議を行っております。リスク管理委員会の内容については、翌月の取締役会において報告をしております。金融商品取引法に基づきそのリスク相当額自己及び資本規制比率を定量的に管理しており、経理部が金融庁告示に基づき毎営業日に算定し、全取締役、内部管理統括責任者に報告しております。
b.信用リスク(取引先の契約不履行に係るリスク)の管理
立替発生の防止及び発生時の処理などについては社内規程・ガイドラインを定め、個別貸倒の発生を極小化するための管理体制を構築しております。トレイダーズ証券における店頭デリバティブ取引においては、カバー取引の為にカウンターパーティーとの相対取引を行い保証金を差し入れております。したがって、取引先カウンターパーティー等の選定については、その財務状況、格付け等の評価等を十分勘案しております。また、毎月、当該金融機関の株価情報及び各付け情報等により信用リスクのモニタリングを行っており、定期的に財務情報等も入手しております。また、取引先リスク相当額及び自己資本規制比率は経理部が金融庁告示に基づき毎営業日に算定し、全取締役、内部管理統括責任者に報告しております。また、立替金の状況については毎月、取締役会において全取締役、内部管理統括責任者に報告しております。
c.市場リスク(為替等の変動リスク)の管理
トレイダーズ証券では証券事業におけるプロップ取引は行わず、店頭デリバティブ取引においてもプロップ取引は行いません。店頭デリバティブ取引における取引はリスク管理規程に基づきポジションの保有限度額及び損失上限額を設定し、毎営業日取引の執行状況を管理することとしております。また、市場リスク相当額を含む計数的なリスク及び自己資本規制比率については、経理部が金融庁告示に基づき毎営業日に算定し、全取締役、内部管理統括責任者に報告を行い、取締役会に対しても毎月報告をしております。
d.資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)の管理
当社グループでは、当社財務部及びトレイダーズ証券経理部が各部署からの報告等に基づき適時に資金管理を行い、手許流動性を維持しております。トレイダーズ証券の流動性リスクについては、逐次リスク管理担当役員に報告を行い、銀行借入等による資金調達が必要な場合には、取締役会決議又は稟議による決裁に基づき、実施することとしております。日々の資金繰りの状況は、経理部から全取締役、内部管理統括責任者に対して毎営業日報告をしております。
e.「金融商品取引業等に関する内閣府令」に基づく決済リスク管理強化に向けた対応
当社グループでは、金融商品取引事業を行うトレイダーズ証券において、2019年10月より顧客及び取引先に対して、リスク情報を提供するため「店頭FX取引に係るリスク情報」の開示を実施しております。リスク管理部にて月末最終営業日の定点における、未カバー率、カバー取引の状況、平均証拠金率を計測し、その計測結果はトレイダーズ証券ホームページにて速やかに公表するとともに、リスク管理委員会において全取締役、内部管理統括責任者と情報を共有することにより、リスク管理態勢の維持・強化を図っております。
また、2020年1月より「金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第21号の4」に基づく、ストレステストを実施しております。外国為替相場等の過去の相場変動率から算出した最大想定損失額に対するトレイダーズ証券の自己資本の充足度を毎営業日、リスク管理部が計測し、全取締役及び内部管理統括責任者への報告を通じて、経営の健全性を確保するための措置を講じております。
さらに、2021年4月からは「取引データ保存・報告制度」への対応を開始し、日々の取引データ(約定・注文データ、顧客に提示した価格等)を毎営業日、金融先物取引業協会に報告することを通じて、取引の透明性を高め、決済リスクの管理に繋げております。
④金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することがあります。また、注記事項「デリバティブ取引関係」におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
連結貸借対照表
計上額(百万円)
時価(百万円)差額(百万円)
(1)社債500500-
(2)長期借入金3963960
負債計8968960

(*1)「現金及び預金」「預託金」「トレーディング商品」「短期差入保証金」「預り金」「受入保証金」「短期借入金」「未払法人税等」については、現金であること、及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しております。
(*2)以下の金融商品は、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから、上記の表には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
区分前連結会計年度(百万円)
非上場株式15
匿名組合出資金117
非上場転換社債0

当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
連結貸借対照表
計上額(百万円)
時価(百万円)差額(百万円)
(1)社債700698△1
(2)長期借入金512512△0
負債計1,2121,211△1

(*1)「現金及び預金」「預託金」「トレーディング商品」「短期差入保証金」「預り金」「受入保証金」「短期借入金」「未払法人税等」については、現金であること、及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しております。
(*2)市場価格のない株式等は、上記の表には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
区分当連結会計年度(百万円)
非上場株式2
匿名組合出資金117

(注)1.金銭債権の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
1年以内
(百万円)
1年超5年以内
(百万円)
5年超10年以内
(百万円)
10年超
(百万円)
現金及び預金4,420---
預託金58,362---
短期差入保証金3,181---
65,963---

(*) 長期立替金は回収時期を合理的に見込むことができないため、上表には記載しておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
1年以内
(百万円)
1年超5年以内
(百万円)
5年超10年以内
(百万円)
10年超
(百万円)
現金及び預金5,227---
預託金61,352---
短期差入保証金4,558---
71,138---

(*) 長期立替金は回収時期を合理的に見込むことができないため、上表には記載しておりません。
(注)2.短期借入金、社債、長期借入金の決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
1年以内
(百万円)
1年超
2年以内
(百万円)
2年超
3年以内
(百万円)
3年超
4年以内
(百万円)
4年超
5年以内
(百万円)
5年超
(百万円)
短期借入金800-----
社債350150----
長期借入金31934171471
1,469184171471

当連結会計年度(2022年3月31日)
1年以内
(百万円)
1年超
2年以内
(百万円)
2年超
3年以内
(百万円)
3年超
4年以内
(百万円)
4年超
5年以内
(百万円)
5年超
(百万円)
短期借入金849-----
社債-100600---
長期借入金5438327282834
904138927282834

3.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性に応じて以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価値により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
・時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
当連結会計年度(2022年3月31日)
区分時価(百万円)
レベル1レベル2レベル3合計
1年以内返済予定の長期借入金-54-54
社債-698-698
長期借入金-458-458
負債計-1,211-1,211

(注)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
長期借入金、社債
これらの時価は、元利金の合計額と、当該債務の残存期間及び信用リスクを加味した利率を基に、割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しております。