訂正有価証券報告書-第18期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループでは、次の4つを経営の指針として事業活動を行っております。
① コアビジネスの強化とグループの連携
当社グループが有する複数の事業のシナジーを高める成長にフォーカスし、金融、システム、再生可能エネルギーの各コアビジネスを強化し、その専門性を深めながら、各事業の特長・事業領域を融合させ、相乗効果を高める取組みを推進することで、他社には真似できない総合カンパニー企業としての複合的な事業展開とブランディングを推し進めます。
また、再生可能エネルギー関連事業を早期に成長軌道に乗せることに注力し、エネルギー・環境ビジネス分野における諸課題に、金融・テクノロジーの事業特性を活かした取組みに注力することで、持続可能な社会・環境の実現と、我が国の低位なエネルギー自給率の向上に貢献するビジネス展開によって、グループとしての企業価値向上を図ります。
② 新しいビジネスドメインの獲得による将来のさらなる発展に向けた種まき
当社グループは、アクセラレーターとしての機能を強化させ、次世代の成長が期待できる技術革新(イノベーション)企業の掘り起しとその成長を支援する活動を通し、大企業との連携(協業)の橋渡し役機能を拡充し、様々な業界において、ベンチャー企業や特殊技術を有する企業によるイノベーションを導くことで、業界内の地位を入れ替えるアロー効果をもたらす企業集団として、当社グループの認知度を向上させ、その地位を確立します。
また、当社グループにおいても、社会的要請(潜在ニーズ)の変遷と技術的な環境変化をいち早く見定め、次世代のデファクトスタンダード(基準)となる特色のある国内外の企業・団体等との協業事業化や戦略的提携、M&Aの実施等により、将来の成長期待分野へ積極的に参入し、その需要を取り込んだグループ事業活動を推進します。
③ 経営スタンスの再設定(社会的課題をビジネスに)
グループ経営や子会社による各事業の遂行及び個々の営業活動等において、これまで以上にCSR(企業の社会的責任)を意識した取組みを全社的に実践することとし、将来的に、当社がESG銘柄として高い評価を受けられる企業体になることを目指し、そうした取組み・諸施策を順次、企画・実施します。
また、メディアや国内外の投資家等への当社CSR経営に基づく各種活動の広報・PRの強化を図ります。
④ 経営としての目標(座標軸の設定)
平成32年3月期までの3か年を、将来の当社の東証2部そして1部への指定替えへ向けた準備期間として位置づけ、将来に向けた足場固め(土台づくり)を図るべく、グループ全体の営業体制の拡充(安定的な事業基盤の構築)、財務基盤の安定化と内部管理態勢の強化(企業経営の健全性の充実)により、グループ経営基盤をより一層強固なものに変革します。
(2)経営戦略等
当社グループにおける各主要事業の戦略、並びに財務戦略及びブランド戦略は、以下のとおりであります。
① 金融商品取引事業
(コアビジネスの強化)
当社グループの主軸事業である金融商品取引事業においては、既存の2系統あるFX取引システムを引き続き早期に統合(1本化)することに注力し、平成30年3月期中を目途としたシステム統合を完了させることによって、その後のシステム関連費用の大幅な削減を図り、金融商品取引事業のセグメントとして黒字体質の安定化実現を図ります。中核子会社トレイダーズ証券においては、これまで国立研究開発法人産業技術総合研究所と、ヒトの為替取引についての認知行動モデリングに関する共同研究を積み重ね、一部ディーリング機能のAI化(自動化)を実施してまいりました。今後はAIによるノウハウ集積を活かしたディーリングの収益性をさらに向上させるとともにマーケティングへの応用展開によって、事業の採算性の改善を目指します。
また、営業体制の強化策として、収益力が高いBtoBビジネスの強化による大口顧客との取引量(比率)を高め、デリバティブ金融商品取引のリクイディティ提供で業界No.1を目指すべく、国内外で需要が見込める多様な商品ラインナップを順次追加していくことで競争優位性と収益力を高めます。
(グループの連携)
証券取引事業においては、当社グループ事業やネットワークを活用した国内外の外部企業・団体等による各種プロジェクト案件の資金調達ニーズ(ファイナンスニーズ)に対して、金融グループとしての特長を活かし、当該プロジェクト案件のファンド化を手掛け、そのスキーム組成・販売等を通して、プロジェクト事業者の資金調達ニーズを支援する取組みを強化します。特に、再生可能エネルギー関連事業のファンド化については、企業のみならず地方自治体(地域住民含む)と協調・連携しながら、地域再生・地方復興支援の後押しとして持続可能な開発、社会発展と環境問題に金融事業者としてアプローチしていきます。
② システム開発事業
(コアビジネスの強化)
当社グループのシステム戦略の中核を担うNextop.Asiaは、トレイダーズ証券におけるFX取引システムの開発(システム統合)を重点的に実施し、平成30年3月期中のシステム統合作業を完遂させることにリソースを集中的に投入いたします。平成31年3月期以降は、完成したシステムを金融取引プラットフォームとして、外部企業への販売やホワイトラベル形式でのシステム提供等の営業活動を加速させる予定です。同社は、従前、国内大手FX会社に取引プラットフォームを提供してきた豊富な実績があり、高機能版の金融取引プラットフォームを軸に、外販とその後の長期保守管理受注に向けたBtoBビジネスを強化します。
(グループの連携)
金融商品取引事業とシステム開発事業を一体化させた取組みを強化し、リクイディティマーケットにおけるシステム開発・導入や今後大きなマーケットへ成長する可能性が高いビットコイン取引等の仮想通貨事業者向けのバックエンドシステム・同取引システムの開発・販売・運用保守等によって、金融取引システム分野における事業領域の拡大を図ります。開発した金融取引システムの外販による直接的な収益化と外部提供するシステムを通じた取引(リクイディティ)をトレイダーズ証券に還流させることで、トレイダーズ証券におけるBtoBビジネスの拡充(取引量の増大化)をシステム面からサポートします。
さらに将来的には、CO2削減等の環境課題に関連して、ネガワット取引市場や各種電力取引系システム、プラント遠隔自動制御システム等、事業参入することで再生可能エネルギー関連事業と連携したシナジー効果が発揮でき、かつ収益性の観点から事業化が可能かどうか調査研究も開始する予定です。
③ 再生可能エネルギー関連事業
(コアビジネスの強化)
ZEエナジーによる既存の各製造現場で発生した技術的諸課題に対する追加改良工事が完了し、完成引き渡しを行った後は、上記の課題解決の過程で蓄積できた技術ノウハウを今後の新規案件に活用していくことが可能となります。このことは、工事プロセスと発電装置の標準化が実現することを意味し、今後の設計・建設の効率化・最適化によって、部材等の原価抑制と工期の短縮が可能となり事業セグメントとしての利益率向上に結びつきます。国土の約7割を占めている森林率を有する我が国の林業において、現在、国内木材の利用が進まず高齢化し、未利用間伐材は年間約2,000万㎥も発生している状況の下、ZEエナジーはこうした未利用間伐材のみを燃料とし、山間部でも採算性がある小規模型のバイオマスガス化発電設備の建設に特化した強みを活かした事業展開を強化します。
バイオマス資源の特長を熟知した唯一無二の炭化装置技術・木質バイオマスのガス化発電技術を有するZEエナジーは、それぞれの地域における特性や環境課題に見合った、海外製品にはできない最適な小規模型のバイオマスガス化発電設備を全国各地に加速度的に普及させていく営業活動の強化と、電力会社による20年間の長期に渡る有利な固定買取価格制度(売電におけるFIT制度)を活用し、これまで期ズレしていた複数の見込み案件の事業化(着工〜完成)を繰り返し、事業年度毎に利益を着実に積み上げていくことで、ZEエナジー単体として平成32年3月期を目途に株式公開(上場)を目指してまいります。ZEエナジーにおける具体的な事業戦略としては、今後、以下のとおり、開発型(フロー)ビジネスとストック型ビジネスの複合展開を行い、コア分野(ハード面)の強化からソフト面(関連周辺分野)への進出によって付加価値を高めたビジネスモデルの拡大(リスク分散)を図ります。
a. 川上から川下へと事業領域を展開し、再生可能エネルギー関連事業の総合カンパニーとしての取組みの強化
・発電燃料の輸入貿易・国内のバイオマス発電事業者への販売
・ペレット燃料の製造・販売
・ボイラーやペレタイザー等の販売(外国有力メーカーとの連携)および保守
b. 長期的な安定収益源・キャッシュフローの確保(時間軸)
・発電設備建設(請負)と、その後の長期間に渡る保守・運用メンテナンス契約の受注
c. 自社発電・売電事業への参入
・自社プラントの建設と電力会社への売電、ZEエナジーの子会社による地域への生成電力の小売
d. 大手企業や地方公共団体等との合弁事業化・協力関係の強化
・効率的な営業展開による見込み案件・新規案件のさらなる獲得
e. 許権・知的財産権ビジネスによる収益確保と海外展開(アジアネットワークの活用)
・保有する炭化装置等の特許技術をベースとした海外へのライセンス供与・技術支援によるビジネス化と将来的なODA案件採用への取組みの強化
f. 海外事業展開を目指した基盤整備
・ZEエナジーの再生可能エネルギーを利用した発電装置等の豊富な商品ラインナップを、海外各国の実情や課題に合わせた最適なソリューションとして提供(特に東南アジア、南アジア諸国の多種多様な環境問題(ゴミ処理、大気汚染、資源廃棄物、旺盛な小型発電装置の需要)への対策として、当該国政府団体や民間企業等への技術供与、関連設備装置等の輸出入・製造販売等により、多角化戦略を推進)
(グループの連携)
製造した自社発電設備とその後の売電事業をファンドとして組成・販売することによって、将来(20年間のFIT制度における長期売電による)獲得キャッシュフロー(利益)の一部を早期に回収することで短期間での利益計上を選択することも可能となります。ファンド組成による自社発電設備の売却(営業権譲渡)によって、投下資金の早期回収を図ることで、事業セグメントとして短期間での急成長を実現できるため、当社グループにおけるキャッシュフローを大幅に改善する財務的効果と、プロジェクトとしてのEXITを早期化させることで、次の案件や、より大規模な案件へ早期に連続した再投資・開発を進めることも可能となり、他の事業者からの発注を待たずに、独自に自社案件として開発を推進でき、さらなるグループ成長のペースアップに貢献することとなります。
また、金融商品取引事業と連携して、再生可能エネルギー関連事業を推進する他の事業者(事業主体)等が計画するプロジェクト案件のファンド化ニーズの取り込みを図ることや、将来大きな成長が見込まれる我が国の「グリーンボンド」取扱い開始による地球温暖化防止対策や地域活性化への貢献活動に向けた準備も開始します。
④ 投資事業(投資戦略)
投資事業を営むトレイダーズインベストメントを中心として、アクセラレーターとしての活動を通して、大企業のベンチャー技術導入ニーズや新事業創出ニーズと、成長性の期待できるベンチャー企業・経営者のビジネス加速化ニーズとをマッチングさせるベンチャーサポート機能を拡充させていくことで、投資事業による出資者メリットの享受や当社グループ既存事業との連携(共同事業化)によるグループ収益極大化を模索します。
⑤ 財務戦略(目標とする経営指標等)
当社グループは、平成30年3月期から平成32年3月期までの3か年において、足下の各事業の取組みを確実に成就させていくことで、まずは安定した黒字化を確保・継続しうる事業基盤を構築し、着実に利益を積み増してグループとしての成長(EPS増加)と、グループ間内部の資金貸借取引関係の解消を図ります。(特に、中核子会社であるトレイダーズ証券の自己資本規制比率を安定的な水準(300%超)へ早期に回復させます。)その後は、ROEの向上を目指し、各事業の事業採算性の向上と資本効率化を推進し、リスク対応(投資と財務の健全性のバランス)を図りながらさらなる成長投資に結びつけてまいります。
また、株主還元については、できるだけ早期に、安定的な利益体質へと転換させることで、株主還元としての配当の再開や機動的な自己株取得と消却ができるよう取組んでまいります。
⑥ ブランド戦略
当社グループは『イノベーションカンパニーとしてのDNA』を掲げ、ブランディング活動を強化します。当社グループが創業以来、金融業界に革新をもたらした先駆的な取組み、インターネットによるFX取引や日経225のインデックス先物投資といった金融サービスの仕組みの構築と提供は、当時における、Fintech(フィンテック)の先駆けとして、大いに注目を浴びることとなりました。企業として、また個々の役職員の中に深く刻み込まれている「イノベーション」のDNAをより一層研ぎ澄まし、今後のグループの飛躍を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、株主資本の効率性を示す株主資本利益率(ROE)を重視しております。現状ではエクイティ・ファイナンスの必要性及び業績の低迷が続いているため、目標の達成状況を判断する客観的な指標として機能しているとはいえませんが、早期に経営再建に目途をつけ、中長期的に株主資本利益率を高めることを実践し、株主の皆様に報いることができるよう努めてまいります。
(4)経営環境
当社グループを牽引してきたトレイダーズ証券が営む外国為替取引事業は、FX市場の成熟化と業界競争の激化に伴い収益の伸び悩み及び収益率の低下などがみられ、また外国為替市場の相場変動状況により顧客の取引量が増減する傾向にあることから、継続的な安定成長(収益の経常的な増加)が見通しにくい事業環境となっています。そのため、同事業では、新FXシステムの当社グループにおける自社開発を行うことでシステム関連費用の削減を図るとともに、自社開発したシステムの外部販売強化やそれに伴うトレイダーズ証券との取引量を増加させる取組みを行うことで、グループ全体としての収益率向上を図っております。
一方、ZEエナジーが営む再生可能エネルギー関連事業を取り巻く環境は、我が国の再生可能エネルギーの固定価格買取制度開始から5年を経てみえてきた課題解決に向けた取組みが始まり、平成29年4月1日に改正固定価格買取制度(改正FIT法)が施行されました。同改正は、主に太陽光発電に関する規制強化及び固定買取価格を引き下げる内容となりましたが、ZEエナジーが営む木質バイオマス発電に関しては、特段の規制強化はなく、買取価格も据え置きとなったことで、他の再生可能エネルギーによる発電に比し有利な事業環境が継続しております。経済産業省資源エネルギー庁が推奨する地産地消型の発電モデルは、ZEエナジーが製造する木質バイオマスガス化発電装置の需要拡大を勢いづけるものであり、その需要に応えられるよう、さらなる技術の向上と供給体制の整備を図ってまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、下記の課題について重点的に取組み、収益力の強化並びに経営体質の強化に努めるとともに、法令を遵守する内部管理体制を強化し、企業体質の健全性をより一層高めてまいります。
① 主力事業の競争力強化
トレイダーズ証券が提供する外国為替証拠金取引『みんなのFX』、外国為替オプション取引『みんなのバイナリー』及び『みんなのオプション』、さらにシステム・トレード機能を搭載した『みんなのシストレ』について、各取引システムの統合後も継続的な機能強化と利便性向上に取組み、スプレッド競争だけではないサービス面での付加価値により他社との差別化を図ってまいります。また、外国為替取引のカバーディーリングの収益性を高めるため、ビッグデータ解析を利用した人工知能(AI)研究に基づくディーリング手法(トレイダーズAI)を開発し、平成28年11月より導入しております。今後もトレーディング収益の収益率を高めるよう図ってまいります。また、商品ラインアップの拡充とリクイディディ提供によるBtoBビジネスの強化による取引量(比率)の増加を図り、収益力の向上に努めてまいります。
② 新規事業への取組み
トレイダーズ証券が主力とする外国為替取引事業を取り巻く環境は、業者間による顧客獲得・シェア拡大のため熾烈な競争により低スプレッド化が進み、十分な利益を確保することが容易でない状況となっております。そのため、外国為替取引事業のみに依存した事業構造では、中長期的に成長拡大を続けていくことが益々難しくなると想定しております。当社グループが再び業容を拡大し収益力の強化を図るために、新たな成長の柱となる事業分野への進出が必要不可欠と判断し、木質バイオマスガス化発電装置の製造・販売事業を営むZEエナジーを株式交換により完全子会社化いたしました。ZEエナジーは、将来的に大きな成長が見込まれる再生可能エネルギーの一つである木質バイオマスガス化発電装置製造において独自の技術を有しており、『かぶちゃん村森の発電所』及び『安曇野バイオマスエネルギーセンター』において、同発電装置の製造を行い、現在は出力規模の最大化・常態化に向け改良工事と運転調整を行っている状況です。
また、『もがみまち里山発電所』における木質バイオマスガス化発電装置の検収はすでに完了しましたが、より安定的な連続稼働を目的に調整運転を継続して、売電を開始する予定です。今後は、これらの案件の製造過程で習得した知識・経験・技術を活かし、木質バイオマスガス化発電装置製造の汎用化に向けた取組みを強化し、効率的な製造技術工程の確立、製造工期の短縮を図ってまいります。
今後も、当社グループが創業以来培ってきた金融事業、ベンチャー企業ビジネスのノウハウと国内外で築いたネットワークを活用し、特に成長性の高いアジア地域を中心としたグローバルな事業展開を目指してまいります。
③ 外部からの資金調達による財務基盤の安定化
当社グループが注力する外国為替取引事業は、カバー先金融機関に預託する証拠金や日々の取引損益の値洗いに伴う決済金、顧客区分管理信託の受払に伴う立替資金など多額の運転資金が必要となるため、事業を安定化させるためには多額の長期安定資金の確保が必要となります。収益は相場動向に強く影響を受けるため、業績見通しを予測することが難しいばかりでなく、資金繰りにおいては顧客の取引損益の増減により生じる日々のカバー先金融機関との決済、分別金信託の受払に関する必要額が予見しづらく、時として多額に上ることも想定されるため、手許の待機資金を十分厚く保持することが必要になります。
また、木質バイオマスガス化発電装置の製造・販売に取組むZEエナジーでは、現在は顧客から注文を受けて設備を製造・納入する受注生産・販売に注力しており、並行して関連会社であるZEデザインとの合弁事業として売電開始を計画しておりますが、今後、当社グループが自社所有する木質バイオマスガス化発電装置を全国及び海外に展開し売電事業を行うことで、当社グループの売上規模及び利益水準を長期にわたり安定的に増加させることができるため、その建設用資金の確保は重要であると認識しております。
平成28年10月31日付で第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債450百万円及び新株予約権10百万円を発行しましたが、今後も、当社グループの財務基盤の安定化、事業の発展のために資金調達が必要と判断した場合、第三者割当増資又は新株予約権等のエクイティ・ファイナンス及び社債等のデット・ファイナンス等、可能な限りの資金調達方法を検討し、実行を図ってまいります。
④ 低コスト体制の徹底
トレイダーズ証券の外国為替取引事業におけるサービス・ラインナップとシステム構成は2つのプラットフォームに分かれており、レベニューシェアで収益増加に比例してシステム利用料が計算される『みんなのFX』及び『みんなのバイナリー』とシステム費用が主に固定費になっている『みんなのシストレ』及び『みんなのオプション』が別々のプラットフォームによって並列して稼働しております。これらのシステム関連費用(システム利用料・システム保守料、サーバー費用等)は、当社グループの販売費及び一般管理費全体の約3割以上を占める重要な費目となっており、今後、当社グループが安定的な利益体質への転換を図るためには、『みんなのFX』等のシステム及び『みんなのシストレ』等のシステムを一つのプラットフォームに統合し、システム面の効率性を一層高め、システム関連費用を全体として引き下げることが非常に重要であると認識しております。
そのシステム統合を早期かつ確実に実現するため、Nextop.Asiaを株式交換により完全子会社化しました。Nextop.Asiaは、外国為替取引システムの開発に関して高い技術力を有しており、さらに中国・大連市に設立された同社子会社によって開発力がより一層強化されました。今後、完全子会社化したNextop.Asiaの開発力をベースとしてシステム統合を平成30年3月期の第4四半期中に実現し、システム関連費用の大幅な削減と抜本的な損益構造の改善に取組んでまいります。
⑤ 人材の確保・育成
当社グループが、業容の拡大及び経営体質の強化を実現していく上で、人材の確保・育成は不可欠であります。
当社グループでは、新規プロジェクトへの登用、社員研修制度の充実、公正な人事制度の確立などに取組むことで、将来、当社の核となる優秀な人材の確保・育成を図ってまいります。
⑥ コーポレート・ガバナンスの充実
当社グループは、「金融サービスを通じて、社会・経済の発展に貢献する」「金融サービスにおける革新者を目指す」「健全な事業活動を通じて、関わる全ての人を大切にする」ことをグループ経営理念として掲げています。この経営理念を踏まえ、当社は、企業価値を向上させ、株主利益を最大化するとともに、ステークホルダーと良好な関係を築いていくためには、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。
当社では、当社グループのコーポレート・ガバナンスのあり方について、外部有識者を招き情報共有及び意見交換を行う場としてコーポレートガバナンス委員会を設置するとともに、独立役員2名(いずれも当社社外監査役)及び社外取締役1名を選任して客観的かつ中立的な視点からの経営監視をお願いすることなどにより、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。また、証券取引所の上場規則に基づき平成27年6月1日に適用が開始された「コーポレートガバナンス・コード」については、基本5原則を遵守するとともに、その趣旨・精神を踏まえて今後も引き続き、当社に相応しいコーポレート・ガバナンスのあり方を追求してまいります。
⑦ 内部管理体制の強化
当社グループは、コンプライアンスが企業価値を支える骨格であるとの強い確信のもと、コンプライアンス体制の強化に取組み、企業活動の健全性を高め、あらゆるステークホルダーから、より一層信頼されるよう努めております。特に、当社グループの中核を担うトレイダーズ証券においては、法令等遵守に係る取締役会の諮問機関としてコンプライアンス委員会を設置するとともに、「コンプライアンスの基本方針」に基づき、「コンプライアンス・マニュアル」「倫理コード」を制定し、「コンプライアンス・プログラム」に従い、内部管理統括責任者の監督の下、金融商品取引法その他の法令を遵守することはもとより、高い倫理観をもって業務運営を行ってまいります。また、当社グループは、金融商品取引法に対応した内部統制システムを整備・運用しており、財務報告の信頼性の確保、法令の遵守、及び資産の保全に努める一方、更なる業務効率の改善を行ってまいります。
(1)経営方針
当社グループでは、次の4つを経営の指針として事業活動を行っております。
① コアビジネスの強化とグループの連携
当社グループが有する複数の事業のシナジーを高める成長にフォーカスし、金融、システム、再生可能エネルギーの各コアビジネスを強化し、その専門性を深めながら、各事業の特長・事業領域を融合させ、相乗効果を高める取組みを推進することで、他社には真似できない総合カンパニー企業としての複合的な事業展開とブランディングを推し進めます。
また、再生可能エネルギー関連事業を早期に成長軌道に乗せることに注力し、エネルギー・環境ビジネス分野における諸課題に、金融・テクノロジーの事業特性を活かした取組みに注力することで、持続可能な社会・環境の実現と、我が国の低位なエネルギー自給率の向上に貢献するビジネス展開によって、グループとしての企業価値向上を図ります。
② 新しいビジネスドメインの獲得による将来のさらなる発展に向けた種まき
当社グループは、アクセラレーターとしての機能を強化させ、次世代の成長が期待できる技術革新(イノベーション)企業の掘り起しとその成長を支援する活動を通し、大企業との連携(協業)の橋渡し役機能を拡充し、様々な業界において、ベンチャー企業や特殊技術を有する企業によるイノベーションを導くことで、業界内の地位を入れ替えるアロー効果をもたらす企業集団として、当社グループの認知度を向上させ、その地位を確立します。
また、当社グループにおいても、社会的要請(潜在ニーズ)の変遷と技術的な環境変化をいち早く見定め、次世代のデファクトスタンダード(基準)となる特色のある国内外の企業・団体等との協業事業化や戦略的提携、M&Aの実施等により、将来の成長期待分野へ積極的に参入し、その需要を取り込んだグループ事業活動を推進します。
③ 経営スタンスの再設定(社会的課題をビジネスに)
グループ経営や子会社による各事業の遂行及び個々の営業活動等において、これまで以上にCSR(企業の社会的責任)を意識した取組みを全社的に実践することとし、将来的に、当社がESG銘柄として高い評価を受けられる企業体になることを目指し、そうした取組み・諸施策を順次、企画・実施します。
また、メディアや国内外の投資家等への当社CSR経営に基づく各種活動の広報・PRの強化を図ります。
④ 経営としての目標(座標軸の設定)
平成32年3月期までの3か年を、将来の当社の東証2部そして1部への指定替えへ向けた準備期間として位置づけ、将来に向けた足場固め(土台づくり)を図るべく、グループ全体の営業体制の拡充(安定的な事業基盤の構築)、財務基盤の安定化と内部管理態勢の強化(企業経営の健全性の充実)により、グループ経営基盤をより一層強固なものに変革します。
(2)経営戦略等
当社グループにおける各主要事業の戦略、並びに財務戦略及びブランド戦略は、以下のとおりであります。
① 金融商品取引事業
(コアビジネスの強化)
当社グループの主軸事業である金融商品取引事業においては、既存の2系統あるFX取引システムを引き続き早期に統合(1本化)することに注力し、平成30年3月期中を目途としたシステム統合を完了させることによって、その後のシステム関連費用の大幅な削減を図り、金融商品取引事業のセグメントとして黒字体質の安定化実現を図ります。中核子会社トレイダーズ証券においては、これまで国立研究開発法人産業技術総合研究所と、ヒトの為替取引についての認知行動モデリングに関する共同研究を積み重ね、一部ディーリング機能のAI化(自動化)を実施してまいりました。今後はAIによるノウハウ集積を活かしたディーリングの収益性をさらに向上させるとともにマーケティングへの応用展開によって、事業の採算性の改善を目指します。
また、営業体制の強化策として、収益力が高いBtoBビジネスの強化による大口顧客との取引量(比率)を高め、デリバティブ金融商品取引のリクイディティ提供で業界No.1を目指すべく、国内外で需要が見込める多様な商品ラインナップを順次追加していくことで競争優位性と収益力を高めます。
(グループの連携)
証券取引事業においては、当社グループ事業やネットワークを活用した国内外の外部企業・団体等による各種プロジェクト案件の資金調達ニーズ(ファイナンスニーズ)に対して、金融グループとしての特長を活かし、当該プロジェクト案件のファンド化を手掛け、そのスキーム組成・販売等を通して、プロジェクト事業者の資金調達ニーズを支援する取組みを強化します。特に、再生可能エネルギー関連事業のファンド化については、企業のみならず地方自治体(地域住民含む)と協調・連携しながら、地域再生・地方復興支援の後押しとして持続可能な開発、社会発展と環境問題に金融事業者としてアプローチしていきます。
② システム開発事業
(コアビジネスの強化)
当社グループのシステム戦略の中核を担うNextop.Asiaは、トレイダーズ証券におけるFX取引システムの開発(システム統合)を重点的に実施し、平成30年3月期中のシステム統合作業を完遂させることにリソースを集中的に投入いたします。平成31年3月期以降は、完成したシステムを金融取引プラットフォームとして、外部企業への販売やホワイトラベル形式でのシステム提供等の営業活動を加速させる予定です。同社は、従前、国内大手FX会社に取引プラットフォームを提供してきた豊富な実績があり、高機能版の金融取引プラットフォームを軸に、外販とその後の長期保守管理受注に向けたBtoBビジネスを強化します。
(グループの連携)
金融商品取引事業とシステム開発事業を一体化させた取組みを強化し、リクイディティマーケットにおけるシステム開発・導入や今後大きなマーケットへ成長する可能性が高いビットコイン取引等の仮想通貨事業者向けのバックエンドシステム・同取引システムの開発・販売・運用保守等によって、金融取引システム分野における事業領域の拡大を図ります。開発した金融取引システムの外販による直接的な収益化と外部提供するシステムを通じた取引(リクイディティ)をトレイダーズ証券に還流させることで、トレイダーズ証券におけるBtoBビジネスの拡充(取引量の増大化)をシステム面からサポートします。
さらに将来的には、CO2削減等の環境課題に関連して、ネガワット取引市場や各種電力取引系システム、プラント遠隔自動制御システム等、事業参入することで再生可能エネルギー関連事業と連携したシナジー効果が発揮でき、かつ収益性の観点から事業化が可能かどうか調査研究も開始する予定です。
③ 再生可能エネルギー関連事業
(コアビジネスの強化)
ZEエナジーによる既存の各製造現場で発生した技術的諸課題に対する追加改良工事が完了し、完成引き渡しを行った後は、上記の課題解決の過程で蓄積できた技術ノウハウを今後の新規案件に活用していくことが可能となります。このことは、工事プロセスと発電装置の標準化が実現することを意味し、今後の設計・建設の効率化・最適化によって、部材等の原価抑制と工期の短縮が可能となり事業セグメントとしての利益率向上に結びつきます。国土の約7割を占めている森林率を有する我が国の林業において、現在、国内木材の利用が進まず高齢化し、未利用間伐材は年間約2,000万㎥も発生している状況の下、ZEエナジーはこうした未利用間伐材のみを燃料とし、山間部でも採算性がある小規模型のバイオマスガス化発電設備の建設に特化した強みを活かした事業展開を強化します。
バイオマス資源の特長を熟知した唯一無二の炭化装置技術・木質バイオマスのガス化発電技術を有するZEエナジーは、それぞれの地域における特性や環境課題に見合った、海外製品にはできない最適な小規模型のバイオマスガス化発電設備を全国各地に加速度的に普及させていく営業活動の強化と、電力会社による20年間の長期に渡る有利な固定買取価格制度(売電におけるFIT制度)を活用し、これまで期ズレしていた複数の見込み案件の事業化(着工〜完成)を繰り返し、事業年度毎に利益を着実に積み上げていくことで、ZEエナジー単体として平成32年3月期を目途に株式公開(上場)を目指してまいります。ZEエナジーにおける具体的な事業戦略としては、今後、以下のとおり、開発型(フロー)ビジネスとストック型ビジネスの複合展開を行い、コア分野(ハード面)の強化からソフト面(関連周辺分野)への進出によって付加価値を高めたビジネスモデルの拡大(リスク分散)を図ります。
a. 川上から川下へと事業領域を展開し、再生可能エネルギー関連事業の総合カンパニーとしての取組みの強化
・発電燃料の輸入貿易・国内のバイオマス発電事業者への販売
・ペレット燃料の製造・販売
・ボイラーやペレタイザー等の販売(外国有力メーカーとの連携)および保守
b. 長期的な安定収益源・キャッシュフローの確保(時間軸)
・発電設備建設(請負)と、その後の長期間に渡る保守・運用メンテナンス契約の受注
c. 自社発電・売電事業への参入
・自社プラントの建設と電力会社への売電、ZEエナジーの子会社による地域への生成電力の小売
d. 大手企業や地方公共団体等との合弁事業化・協力関係の強化
・効率的な営業展開による見込み案件・新規案件のさらなる獲得
e. 許権・知的財産権ビジネスによる収益確保と海外展開(アジアネットワークの活用)
・保有する炭化装置等の特許技術をベースとした海外へのライセンス供与・技術支援によるビジネス化と将来的なODA案件採用への取組みの強化
f. 海外事業展開を目指した基盤整備
・ZEエナジーの再生可能エネルギーを利用した発電装置等の豊富な商品ラインナップを、海外各国の実情や課題に合わせた最適なソリューションとして提供(特に東南アジア、南アジア諸国の多種多様な環境問題(ゴミ処理、大気汚染、資源廃棄物、旺盛な小型発電装置の需要)への対策として、当該国政府団体や民間企業等への技術供与、関連設備装置等の輸出入・製造販売等により、多角化戦略を推進)
(グループの連携)
製造した自社発電設備とその後の売電事業をファンドとして組成・販売することによって、将来(20年間のFIT制度における長期売電による)獲得キャッシュフロー(利益)の一部を早期に回収することで短期間での利益計上を選択することも可能となります。ファンド組成による自社発電設備の売却(営業権譲渡)によって、投下資金の早期回収を図ることで、事業セグメントとして短期間での急成長を実現できるため、当社グループにおけるキャッシュフローを大幅に改善する財務的効果と、プロジェクトとしてのEXITを早期化させることで、次の案件や、より大規模な案件へ早期に連続した再投資・開発を進めることも可能となり、他の事業者からの発注を待たずに、独自に自社案件として開発を推進でき、さらなるグループ成長のペースアップに貢献することとなります。
また、金融商品取引事業と連携して、再生可能エネルギー関連事業を推進する他の事業者(事業主体)等が計画するプロジェクト案件のファンド化ニーズの取り込みを図ることや、将来大きな成長が見込まれる我が国の「グリーンボンド」取扱い開始による地球温暖化防止対策や地域活性化への貢献活動に向けた準備も開始します。
④ 投資事業(投資戦略)
投資事業を営むトレイダーズインベストメントを中心として、アクセラレーターとしての活動を通して、大企業のベンチャー技術導入ニーズや新事業創出ニーズと、成長性の期待できるベンチャー企業・経営者のビジネス加速化ニーズとをマッチングさせるベンチャーサポート機能を拡充させていくことで、投資事業による出資者メリットの享受や当社グループ既存事業との連携(共同事業化)によるグループ収益極大化を模索します。
⑤ 財務戦略(目標とする経営指標等)
当社グループは、平成30年3月期から平成32年3月期までの3か年において、足下の各事業の取組みを確実に成就させていくことで、まずは安定した黒字化を確保・継続しうる事業基盤を構築し、着実に利益を積み増してグループとしての成長(EPS増加)と、グループ間内部の資金貸借取引関係の解消を図ります。(特に、中核子会社であるトレイダーズ証券の自己資本規制比率を安定的な水準(300%超)へ早期に回復させます。)その後は、ROEの向上を目指し、各事業の事業採算性の向上と資本効率化を推進し、リスク対応(投資と財務の健全性のバランス)を図りながらさらなる成長投資に結びつけてまいります。
また、株主還元については、できるだけ早期に、安定的な利益体質へと転換させることで、株主還元としての配当の再開や機動的な自己株取得と消却ができるよう取組んでまいります。
⑥ ブランド戦略
当社グループは『イノベーションカンパニーとしてのDNA』を掲げ、ブランディング活動を強化します。当社グループが創業以来、金融業界に革新をもたらした先駆的な取組み、インターネットによるFX取引や日経225のインデックス先物投資といった金融サービスの仕組みの構築と提供は、当時における、Fintech(フィンテック)の先駆けとして、大いに注目を浴びることとなりました。企業として、また個々の役職員の中に深く刻み込まれている「イノベーション」のDNAをより一層研ぎ澄まし、今後のグループの飛躍を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、株主資本の効率性を示す株主資本利益率(ROE)を重視しております。現状ではエクイティ・ファイナンスの必要性及び業績の低迷が続いているため、目標の達成状況を判断する客観的な指標として機能しているとはいえませんが、早期に経営再建に目途をつけ、中長期的に株主資本利益率を高めることを実践し、株主の皆様に報いることができるよう努めてまいります。
(4)経営環境
当社グループを牽引してきたトレイダーズ証券が営む外国為替取引事業は、FX市場の成熟化と業界競争の激化に伴い収益の伸び悩み及び収益率の低下などがみられ、また外国為替市場の相場変動状況により顧客の取引量が増減する傾向にあることから、継続的な安定成長(収益の経常的な増加)が見通しにくい事業環境となっています。そのため、同事業では、新FXシステムの当社グループにおける自社開発を行うことでシステム関連費用の削減を図るとともに、自社開発したシステムの外部販売強化やそれに伴うトレイダーズ証券との取引量を増加させる取組みを行うことで、グループ全体としての収益率向上を図っております。
一方、ZEエナジーが営む再生可能エネルギー関連事業を取り巻く環境は、我が国の再生可能エネルギーの固定価格買取制度開始から5年を経てみえてきた課題解決に向けた取組みが始まり、平成29年4月1日に改正固定価格買取制度(改正FIT法)が施行されました。同改正は、主に太陽光発電に関する規制強化及び固定買取価格を引き下げる内容となりましたが、ZEエナジーが営む木質バイオマス発電に関しては、特段の規制強化はなく、買取価格も据え置きとなったことで、他の再生可能エネルギーによる発電に比し有利な事業環境が継続しております。経済産業省資源エネルギー庁が推奨する地産地消型の発電モデルは、ZEエナジーが製造する木質バイオマスガス化発電装置の需要拡大を勢いづけるものであり、その需要に応えられるよう、さらなる技術の向上と供給体制の整備を図ってまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、下記の課題について重点的に取組み、収益力の強化並びに経営体質の強化に努めるとともに、法令を遵守する内部管理体制を強化し、企業体質の健全性をより一層高めてまいります。
① 主力事業の競争力強化
トレイダーズ証券が提供する外国為替証拠金取引『みんなのFX』、外国為替オプション取引『みんなのバイナリー』及び『みんなのオプション』、さらにシステム・トレード機能を搭載した『みんなのシストレ』について、各取引システムの統合後も継続的な機能強化と利便性向上に取組み、スプレッド競争だけではないサービス面での付加価値により他社との差別化を図ってまいります。また、外国為替取引のカバーディーリングの収益性を高めるため、ビッグデータ解析を利用した人工知能(AI)研究に基づくディーリング手法(トレイダーズAI)を開発し、平成28年11月より導入しております。今後もトレーディング収益の収益率を高めるよう図ってまいります。また、商品ラインアップの拡充とリクイディディ提供によるBtoBビジネスの強化による取引量(比率)の増加を図り、収益力の向上に努めてまいります。
② 新規事業への取組み
トレイダーズ証券が主力とする外国為替取引事業を取り巻く環境は、業者間による顧客獲得・シェア拡大のため熾烈な競争により低スプレッド化が進み、十分な利益を確保することが容易でない状況となっております。そのため、外国為替取引事業のみに依存した事業構造では、中長期的に成長拡大を続けていくことが益々難しくなると想定しております。当社グループが再び業容を拡大し収益力の強化を図るために、新たな成長の柱となる事業分野への進出が必要不可欠と判断し、木質バイオマスガス化発電装置の製造・販売事業を営むZEエナジーを株式交換により完全子会社化いたしました。ZEエナジーは、将来的に大きな成長が見込まれる再生可能エネルギーの一つである木質バイオマスガス化発電装置製造において独自の技術を有しており、『かぶちゃん村森の発電所』及び『安曇野バイオマスエネルギーセンター』において、同発電装置の製造を行い、現在は出力規模の最大化・常態化に向け改良工事と運転調整を行っている状況です。
また、『もがみまち里山発電所』における木質バイオマスガス化発電装置の検収はすでに完了しましたが、より安定的な連続稼働を目的に調整運転を継続して、売電を開始する予定です。今後は、これらの案件の製造過程で習得した知識・経験・技術を活かし、木質バイオマスガス化発電装置製造の汎用化に向けた取組みを強化し、効率的な製造技術工程の確立、製造工期の短縮を図ってまいります。
今後も、当社グループが創業以来培ってきた金融事業、ベンチャー企業ビジネスのノウハウと国内外で築いたネットワークを活用し、特に成長性の高いアジア地域を中心としたグローバルな事業展開を目指してまいります。
③ 外部からの資金調達による財務基盤の安定化
当社グループが注力する外国為替取引事業は、カバー先金融機関に預託する証拠金や日々の取引損益の値洗いに伴う決済金、顧客区分管理信託の受払に伴う立替資金など多額の運転資金が必要となるため、事業を安定化させるためには多額の長期安定資金の確保が必要となります。収益は相場動向に強く影響を受けるため、業績見通しを予測することが難しいばかりでなく、資金繰りにおいては顧客の取引損益の増減により生じる日々のカバー先金融機関との決済、分別金信託の受払に関する必要額が予見しづらく、時として多額に上ることも想定されるため、手許の待機資金を十分厚く保持することが必要になります。
また、木質バイオマスガス化発電装置の製造・販売に取組むZEエナジーでは、現在は顧客から注文を受けて設備を製造・納入する受注生産・販売に注力しており、並行して関連会社であるZEデザインとの合弁事業として売電開始を計画しておりますが、今後、当社グループが自社所有する木質バイオマスガス化発電装置を全国及び海外に展開し売電事業を行うことで、当社グループの売上規模及び利益水準を長期にわたり安定的に増加させることができるため、その建設用資金の確保は重要であると認識しております。
平成28年10月31日付で第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債450百万円及び新株予約権10百万円を発行しましたが、今後も、当社グループの財務基盤の安定化、事業の発展のために資金調達が必要と判断した場合、第三者割当増資又は新株予約権等のエクイティ・ファイナンス及び社債等のデット・ファイナンス等、可能な限りの資金調達方法を検討し、実行を図ってまいります。
④ 低コスト体制の徹底
トレイダーズ証券の外国為替取引事業におけるサービス・ラインナップとシステム構成は2つのプラットフォームに分かれており、レベニューシェアで収益増加に比例してシステム利用料が計算される『みんなのFX』及び『みんなのバイナリー』とシステム費用が主に固定費になっている『みんなのシストレ』及び『みんなのオプション』が別々のプラットフォームによって並列して稼働しております。これらのシステム関連費用(システム利用料・システム保守料、サーバー費用等)は、当社グループの販売費及び一般管理費全体の約3割以上を占める重要な費目となっており、今後、当社グループが安定的な利益体質への転換を図るためには、『みんなのFX』等のシステム及び『みんなのシストレ』等のシステムを一つのプラットフォームに統合し、システム面の効率性を一層高め、システム関連費用を全体として引き下げることが非常に重要であると認識しております。
そのシステム統合を早期かつ確実に実現するため、Nextop.Asiaを株式交換により完全子会社化しました。Nextop.Asiaは、外国為替取引システムの開発に関して高い技術力を有しており、さらに中国・大連市に設立された同社子会社によって開発力がより一層強化されました。今後、完全子会社化したNextop.Asiaの開発力をベースとしてシステム統合を平成30年3月期の第4四半期中に実現し、システム関連費用の大幅な削減と抜本的な損益構造の改善に取組んでまいります。
⑤ 人材の確保・育成
当社グループが、業容の拡大及び経営体質の強化を実現していく上で、人材の確保・育成は不可欠であります。
当社グループでは、新規プロジェクトへの登用、社員研修制度の充実、公正な人事制度の確立などに取組むことで、将来、当社の核となる優秀な人材の確保・育成を図ってまいります。
⑥ コーポレート・ガバナンスの充実
当社グループは、「金融サービスを通じて、社会・経済の発展に貢献する」「金融サービスにおける革新者を目指す」「健全な事業活動を通じて、関わる全ての人を大切にする」ことをグループ経営理念として掲げています。この経営理念を踏まえ、当社は、企業価値を向上させ、株主利益を最大化するとともに、ステークホルダーと良好な関係を築いていくためには、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。
当社では、当社グループのコーポレート・ガバナンスのあり方について、外部有識者を招き情報共有及び意見交換を行う場としてコーポレートガバナンス委員会を設置するとともに、独立役員2名(いずれも当社社外監査役)及び社外取締役1名を選任して客観的かつ中立的な視点からの経営監視をお願いすることなどにより、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。また、証券取引所の上場規則に基づき平成27年6月1日に適用が開始された「コーポレートガバナンス・コード」については、基本5原則を遵守するとともに、その趣旨・精神を踏まえて今後も引き続き、当社に相応しいコーポレート・ガバナンスのあり方を追求してまいります。
⑦ 内部管理体制の強化
当社グループは、コンプライアンスが企業価値を支える骨格であるとの強い確信のもと、コンプライアンス体制の強化に取組み、企業活動の健全性を高め、あらゆるステークホルダーから、より一層信頼されるよう努めております。特に、当社グループの中核を担うトレイダーズ証券においては、法令等遵守に係る取締役会の諮問機関としてコンプライアンス委員会を設置するとともに、「コンプライアンスの基本方針」に基づき、「コンプライアンス・マニュアル」「倫理コード」を制定し、「コンプライアンス・プログラム」に従い、内部管理統括責任者の監督の下、金融商品取引法その他の法令を遵守することはもとより、高い倫理観をもって業務運営を行ってまいります。また、当社グループは、金融商品取引法に対応した内部統制システムを整備・運用しており、財務報告の信頼性の確保、法令の遵守、及び資産の保全に努める一方、更なる業務効率の改善を行ってまいります。