有価証券報告書-第81期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/21 15:00
【資料】
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【項目】
160項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①取締役・取締役会
取締役会は、重要な業務執行を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督する責務、適切な内部統制システムを構築する責務等を負います。各取締役は、取締役会がこれらの責務・機能を十分に全うできるよう努めます。
取締役の員数は定款上20名以内とします。取締役の任期は1年とし、再任を妨げないものとします。本有価証券報告書提出日現在、取締役会は2名の社外取締役を含む12名の取締役で構成されています。
取締役会の構成員は、「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役です。議長は取締役会長が務めています。
取締役会は、法令、定款および取締役会規則に基づき、株式または株主等に関する重要事項、取締役および取締役会ならびに執行役員に関する重要事項、経営に関する重要事項、職制、機構等に関する重要事項、人事に関する重要事項、損害保険業務等に関する重要事項、資産等に関する重要事項ならびに損益管理および決算に関する重要事項等の重要な業務執行の決定を行うとともに、取締役の職務の執行を監督します。
加えて、当社は、会社の持続的な成長や中長期的な企業価値の向上に向けた経営戦略を検討・策定するに際し、社外取締役や社外監査役の見識を十分に活かしていきたいと考えています。そのために、取締役会において、経営課題や経営環境をテーマにした論議を「戦略論議」と称し、実施します。テーマは、取締役および監査役からのアンケートの回答や「独立役員会議」の議論を基に選定します。
2023年度は、上記に従い、法令、定款および取締役会規則に基づき重要な業務執行の決定および取締役の職務の執行の監督を行うとともに、次期中期経営計画について「戦略論議」を実施しました。
当社は、取締役会規則において、取締役会はすべての取締役で組織する旨および監査役は取締役会に出席し必要があると認めるときは意見を述べなければならない旨を定めており、取締役および監査役は原則として取締役会に毎回出席します。2023年度は、取締役会を13回開催しました(このうち1回は臨時取締役会です)。このほか、書面決議を1回行いました。各取締役および各監査役の出席状況は以下のとおりです。
氏名
(役職名)
取締役会への出席状況
小宮 暁
(取締役会長)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
広瀬 伸一
(取締役社長)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
岡田 健司
(専務取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
山本 吉一郎
(専務取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
北澤 健一
(専務取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
柿木 一宏
(常務取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
石井 喜紀
(常務取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
井上 登紀子
(常務取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
崎山 裕司
(常務取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
國廣 正
(社外取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
三毛 兼承
(社外取締役)
2023年度に開催した13回の取締役会のうち12回に出席しました。
大場 肇
(常勤監査役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
半田 禎
(常勤監査役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
武石 恵美子
(社外監査役)
2023年度に開催した13回の取締役会のうち12回に出席しました。
西川 郁生
(社外監査役)
2023年度に開催した13回の取締役会の全てに出席しました。
漆 紫穂子
(社外監査役)
2023年度に開催した13回の取締役会のうち12回に出席しました。

(注)役職名は、2024年3月31日現在のものです。
②監査役・監査役会
監査役は、株主の負託を受けた独立の機関として、企業の健全で公正な経営に寄与し、社会的信頼に応えることを目的に、取締役の職務執行を監査します。監査の実施にあたっては、監査役会で定めた監査役会規則、監査役監査基準、監査方針および監査計画等に従い、質の高い監査を実施するよう努めます。
監査役の員数は、定款上6名以内とします。監査役の任期は4年とし、再任を妨げないものとします。本有価証券報告書提出日現在、監査役会は社外監査役3名を含む5名の監査役で構成されています。このうち、半田禎および西川郁生の両氏は、財務・会計に関する相当程度の知見を有しています。
監査役会の構成員は、「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の監査役です。議長は半田禎氏が務めています。
2023年度の監査役会の活動状況については、「(3)監査の状況 ①監査役監査の状況」に記載のとおりです。
③指名委員会・報酬委員会
親会社である東京海上ホールディングス株式会社は、「東京海上ホールディングスコーポレートガバナンス基本方針」に基づき、指名委員会および報酬委員会を設置しています。両委員会は、原則として、委員の過半数を社外委員とし、委員長は社外委員から選出します。両委員会は、当社に関して次の事項を審議し、東京海上ホールディングス株式会社取締役会に答申します。
a)指名委員会
イ)社長の選任・解任
ロ)社長の選任要件・解任方針
b)報酬委員会
イ)社長の業績評価
ロ)取締役・執行役員の報酬体系および報酬水準
④役員報酬の内容
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額
(百万円)
対象となる
役員の員数
(人)
定額報酬業績連動報酬株式報酬
取締役3511741057011
取締役(社外取締役を除く)321150105659
社外取締役2924-52
監査役112112--5
監査役(社外監査役を除く)6767--2
社外監査役4545--3
4642871057016

(注)株式報酬には、報酬等として付与した株式交付信託のポイントに係る費用計上額を記載しています。
⑤責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、社外取締役および社外監査役と会社法第423条第1項の責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく責任限度額は、金1,000万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額となります。なお、当該責任限定が認められるのは、責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。
⑥役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、自らが保険契約者となる形で、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社と締結していませんが、完全親会社である東京海上ホールディングス株式会社が締結する役員等賠償責任保険契約の記名子会社になっており、当社の取締役、監査役および執行役員は当該契約の被保険者に含まれています。当該契約は、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うことまたは当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害賠償金および争訟費用等をてん補するものです。当該契約には免責金額を設定しており、被保険者に一定の自己負担を求める内容となっています。
⑦株主総会決議に関する事項
a)取締役選任の決議要件
取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数で行う旨定款に定めています。
b)監査役選任の決議要件
監査役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数で行う旨定款に定めています。
c)株主総会決議事項のうち取締役会で決議することができる事項
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により決定する旨定款に定めています。これは、親会社である東京海上ホールディングス株式会社の資本政策に従って、機動的な配当等を行うためです。
当社は、会社法第202条第3項第2号に基づき、取締役会の決議により株主割当てによる募集株式の発行を行うことができる旨定款に定めています。これは、株主割当てによる募集株式の発行手続を簡略化し、資本政策を機動的に遂行するためです。
⑧業務の適正を確保するための体制
a)業務の適正を確保するための体制の整備についての決議の内容の概要
当社は、業務の適正を確保するための体制(以下「内部統制システム」といいます)の整備について、取締役会決議により、「内部統制基本方針」を定めています。
内部統制基本方針
当社は、会社法および会社法施行規則ならびに東京海上ホールディングス株式会社(以下、「東京海上HD」という。)との間で締結された経営管理契約および東京海上HDが定めた各種グループ基本方針等に基づき、以下のとおり、内部統制基本方針を定める。
1.東京海上グループにおける業務の適正を確保するための体制
(1)当社は、東京海上グループ経営理念、東京海上HDとの間で締結された経営管理契約、「東京海上グループ グループ会社の経営管理に関する基本方針」をはじめとする各種グループ基本方針等に基づき、業務運営を行う。
a.当社は、事業戦略、事業計画等の重要事項の策定に際して東京海上HDの事前承認を得るとともに、各種グループ基本方針等に基づく取り組み、事業計画の実施状況等を取締役会および東京海上HDに報告する。
b.当社は、各種グループ基本方針等に基づき、子会社の経営管理を行う。
(2)当社は、「東京海上グループ 資本配分制度に関する基本方針」に基づき、当社の資本配分制度の運営体制を整備する。
(3)当社は、「東京海上グループ 経理に関する基本方針」に基づき、当社の財務状態および事業成績を把握し、株主および監督官庁に対する承認および報告手続ならびに税務申告等を適正に実施するための体制を整備する。
(4)当社は、「東京海上グループ 財務報告に係る内部統制に関する基本方針」に基づき、財務報告の適正性と信頼性を確保するために必要な体制を整備する。
(5)当社は、「東京海上グループ 情報開示に関する基本方針」に基づき、企業活動に関する情報を開示するための体制を整備する。
(6)当社は、「東京海上グループ ITガバナンスに関する基本方針」に基づき、ITガバナンスを実現するために必要な体制を整備する。
(7)当社は、「東京海上グループ 人事に関する基本方針」に基づき、社員の働きがい、やりがいの向上、透明公正な人事および成果実力主義の徹底により、生産性および企業価値の向上の実現を図る。
2.職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(1)当社は、「東京海上グループ コンプライアンスに関する基本方針」に基づき、以下のとおり、コンプライアンス体制を整備する。
a.役職員が「東京海上グループ コンプライアンス行動規範」に則り、事業活動のあらゆる局面においてコンプライアンスを最優先するよう周知徹底を図る。
b.コンプライアンスを統轄する部署を設置するとともに、年度アクションプランを策定して、コンプライアンスに関する取り組みを行う。また、コンプライアンスに関する事項について取締役会に提言・勧告等を行う機関として、社外委員を過半数とする業務品質委員会を設置する。
c.コンプライアンス・マニュアルを策定するとともに、役職員が遵守すべき法令、社内ルール等に関する研修を実施して、コンプライアンスの周知徹底を図る。
d.法令または社内ルールの違反が生じた場合の報告ルールを定めるとともに、通常の報告ルートのほかに、社内外にホットライン(内部通報制度)を設け、その利用につき役職員に周知する。

(2)当社は、「東京海上グループ 内部監査に関する基本方針」に基づき、被監査部門から独立した内部監査担当部署を設置するとともに、内部監査に関する規程を制定し、効率的かつ実効性のある内部監査体制を整備する。
3.リスク管理に関する体制
(1)当社は、「東京海上グループ リスク管理に関する基本方針」に基づき、以下のとおり、リスク管理体制を整備する。
a.リスク管理基本方針を定め、当社の事業遂行に関わる様々なリスクについてリスク管理を行う。
b.リスク管理を統轄する部署を設置するとともに、リスク管理基本方針において管理対象としたリスク毎に管理部署を定める。
c.リスク管理についての年度アクションプランを策定する。
d.取締役会直属の委員会としてリスク管理委員会を設置し、同委員会での論議を通じて全体的・総合的なリスク管理を推進する。
(2)当社は、「東京海上グループ 統合リスク管理に関する基本方針」に基づき、統合リスク管理方針を定め、格付けの維持および倒産の防止を目的とした定量的リスク管理を実施する。また、グループ全体の統合リスク管理の一環として、保有リスク量とリターンの状況を定期的にモニタリングする。
(3)当社は、「東京海上グループ 危機管理に関する基本方針」に基づき、危機管理方針を定め、危機管理体制を整備する。
4.職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)当社は、経営管理契約に基づき、グループの経営戦略および経営計画に則って、事業計画(数値目標等を含む。)を策定し、当該計画の実施状況をモニタリングする。
(2)当社は、業務分担および指揮命令系統を通じて効率的な業務執行を実現するため、職務権限に関する規程を定めるとともに、事業目的を達成するために適切な組織機構を構築する。
(3)当社は、経営会議規則を定め、取締役、業務執行役員等で構成する経営会議を設置し、経営上の重要事項について協議・報告を行う。
(4)当社は(1)~(3)のほか、当社および子会社において、職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制を整備する。
5.取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
当社は、文書等の保存に関する規程を定め、重要な会議の議事録等、取締役および執行役員の職務の執行に係る情報を含む重要な文書等は、同規程の定めるところに従い、保存および管理を行う。
6.監査役の職務を補助すべき職員に関する事項
(1)当社は、監査役の監査業務を補助するため、監査役直轄の監査役室を設置する。監査役室には、監査役の求めに応じて、監査業務を補助するために必要な知識・能力を具備した専属の職員を配置する。
(2)監査役室に配置された職員は、監査役の命を受けた業務および監査を行う上で必要な補助業務に従事し、必要な情報の収集権限を有する。
(3)当該職員の人事考課、人事異動および懲戒処分は、常勤監査役の同意を得た上で行う。
7.監査役への報告に関する体制
(1)役職員は、経営、財務、コンプライアンス、リスク管理、内部監査の状況等について、定期的に監査役に報告を行うとともに、当社またはグループ会社の業務執行に関し重大な法令もしくは社内ルールの違反または会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに監査役に報告を行う。
(2)当社は、子会社の役職員が、当社またはグループ会社の業務執行に関し重大な法令もしくは社内ルールの違反または会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときに、これらの者またはこれらの者から報告を受けた者が、当社の監査役に報告を行う体制を整備する。
(3)当社は、当社および子会社において、監査役に(1)または(2)の報告を行った者が、当該報告を行ったことを理由として不利な取扱いを受けることがないよう、必要な体制を整備する。
(4)役職員は、ホットライン(内部通報制度)の運用状況および報告・相談事項について定期的に監査役に報告を行う。

8.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査役は、取締役会に出席するほか、経営会議その他の重要な会議または委員会に出席し、意見を述べることができるものとする。
(2)監査役は、重要な会議の議事録、取締役および執行役員が決裁を行った重要な稟議書類等については、いつでも閲覧することができるものとする。
(3)役職員は、いつでも監査役の求めに応じて、業務執行に関する事項の説明を行う。
(4)内部監査担当部署は、監査に協力することなどにより、監査役との連携を強化する。
(5)当社は、監査役の職務の執行に係る費用等について、当社が監査役の職務の執行に必要でないことを証明したときを除き、これを支払うものとする。
9.改廃
本方針の改定および廃止は、取締役会において決定する。ただし、軽微な修正は経営企画部 ディパートメントヘッドが行うことができる。
2024年4月1日改定

b)内部統制システムの運用状況の概要
当社は、以上のとおり、内部統制基本方針を定め、これに沿ってグループ会社の経営管理、コンプライアンス、リスク管理、監査役監査の実効性確保等を含む内部統制システムを整備のうえ、業務の適正を確保するとともに企業価値の向上に努めています。また、内部統制システムの整備および運用状況については、モニタリングを実施し、取締役会がその内容を確認しています。さらに、モニタリングの結果等を踏まえ、内部統制システムの改善および強化に継続的に取り組んでいます。
また、当社は、金融庁から、独占禁止法に抵触すると考えられる行為および同法の趣旨に照らして不適切な行為ならびにその背景にある態勢上の問題が認められたとして、2023年12月26日付で保険業法に基づく業務改善命令を受けました。当社は深く反省するとともに再発防止策の策定等に取り組み、2024年2月29日付で金融庁に業務改善計画書を提出しました。当社は、業務改善計画書に則り各改善策を着実に実行していくとともに、改善策を実行する中で、必要な場合は、内部統制システムの見直しを行っていきます。