訂正有価証券報告書-第108期(2024/04/01-2025/03/31)

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2026/05/13 12:11
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(2) 人的資本
「人的資本」に関する指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属するすべての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する及び実績は当社のものを記載しております。
《基本方針》
当社は、中期経営計画(2022-2025)で目指す姿に「未来にわたって、世界のリスク・課題の解決でリーダーシップを発揮するイノベーション企業」を掲げており、目指す姿を実現するため、「改革にチャレンジする風土」と「言える企業文化」への変革に取り組んでおります。これらの実現に向けて、従来の「年功的」「会社主導」「ゼネラリスト志向」な評価軸から、「スキル重視」「社員主導」「プロフェッショナル志向」な評価軸の人事制度・運営に移行する人事改革の取組みを進めております。スキル型人事制度の導入を通じ、年齢・性別等を問わず、部門や役職等の壁を超えて多様な人財がスキルでつながり、成長・活躍できる環境を整備し、組織全体のエンゲージメントを高めてまいります。また、スキルを共通言語として、全員参加で「個の力」「つながる力」「組織の力」を最大発揮することで、イノベーションを促進する企業文化を醸成し、真の「お客さま本位」を実現してまいります。
なお、スキル型人事制度の導入に伴い、今後、スキル単位での人財ポートフォリオの可視化が可能となる見込みであります。事業戦略の遂行に必要な人財ポートフォリオと現状とのギャップをより精緻に認識し、スキルをベースとした適所適財の人財配置や、より高次元で事業戦略とマッチした人財育成の実現を目指してまいります。
0102010_006.png
*ニュースリリース:~スキルを通じた相互につながる力でお客さま本位を実現~[人事改革]「スキル型人事制度」の導入(https://www.ms-ins.com/news/fy2025/pdf/0401_1.pdf)
こうした当社の人的資本経営の軸となる人財育成及び社内環境整備の基本方針は次のとおりであります。
人財育成
基本方針
・当社には、国内外の連結会社に約2万人の社員がおり、グループの最大の財産は人財と考えております。人財はグループの企業価値向上の原動力であり、人財育成に積極的に投資してまいります。
・当社グループが目指す人財像は、「自律的に行動し、変革にチャレンジし、新たな価値を創造する人財」であります。このような人財を継続的に輩出するよう、人財育成に取り組んでまいります。
・当社グループの強みである多様性を活かして組織を牽引することができる、多様なリーダーの育成に取り組んでまいります。経営をリードする人財、女性リーダーなどの育成を、グループ共同で進めてまいります。
社内環境
整備基本
方針
・経営戦略を実行するのは、社員一人ひとりであります。社員の能力・スキル・意欲を最大限発揮できる職場環境を整備することで、エンゲージメントを高め、経営戦略の実効性を高めてまいります。
・中期経営計画の目指す姿である「未来にわたって、世界のリスク・課題の解決でリーダーシップを発揮するイノベーション企業」の実現にあたっては、多様な人財の意見やアイデアを引き出し、活かすことが重要であります。意思決定層の多様性を確保することで、当社グループの特長である多様性のメリットを最大化してまいります。
・社員がいきいきと活躍し、グループの多様性を企業価値向上に結びつける環境を整えてまいります。

《主なKPI・指標の進捗状況》 *下表以外の人財関連データ(https://www.ms-ins.com/company/diversity/data/)
0102010_007.png(注1)能力KAIKA率とは、 必修研修以外の自己学習(研修受講、資格取得、通信講座、eラーニング等)をしている社員の比率
(注2)設問:私の職場は、年齢・経験・国籍・性別・障がいの有無等で差別されることなく、多様な価値観や意見が受け入れられ、人権を尊重し、いきいきと活躍できる環境にある(最高6点、最低1点とする6段階評価の平均)
*グラフ内の破線は、2025年度末の目標値であります。
①持続可能なビジネスモデルを支える人事改革 ~時代に即した人財育成~
人事改革では、時代の変化に柔軟に対応できるプロフェッショナル集団の育成を目指しており、人財育成を持続可能なビジネスモデルを支える成長戦略の中心と位置付けております。2025年4月から開始した「スキル型人事制度」の運用を通じて、“スキルを共通言語に全ての社員が日々のチャレンジを通じた成長を実感”し、“スキルを手段として希望する仕事やキャリアを自ら掴み取ることができる”基盤を確立します。また、一人ひとりの社員が発揮するスキルのベクトルを組織の目指す姿と一致させることで、個の成長を最大限に組織の競争力へと反映させてまいります。
人事改革では次の3つの点を重視し、人財育成を中心に人事考課、報酬、異動・昇進運営など、全ての人事制度・運営において、スキルを軸とした改革を進めております。
・全員で、正解を創る
「スキル型人事制度」は、事業戦略と連動したスキルを社員が習得・発揮し続ける環境とすることを目的にしております。事業環境の変化を踏まえながら、各事業部門が「目指す姿」を常に見直し、スキル定義や水準もそれに合わせて常に見直すサイクルを仕組化することで、人事部だけではなく全社一丸となって、継続的に変革を進めてまいります。
・誰ひとり取り残さない
「スキル型人事制度」は、特定の部門、職種、役職・年次の社員だけを想定したものではなく、全ての社員に成長・貢献の機会を提供することをねらいとしております。2025年1~3月には全ライン部課長向けの研修を毎月実施し、また、同年3月にはライン部課長を除く全ての社員を16のセグメントに分けたフランクミーティングを実施しました。2025年度も社員との対話を重視し、誰ひとり取り残さず、全ての社員に成長・貢献の機会を提供してまいります。
・スキルでつながる
スキルは、組織目標と個人目標のベクトルを一致させる共通の指標となります。組織目標と個人目標の連動性を高めることで、一人ひとりの力をより大きな価値としてお客さまや社会に提供することが可能となります。また、当社では国内・海外の多様な地域・部門で、さまざまな年齢・性別・役職の社員が働いております。これらの社員にとっての共通言語である「スキル」を通じ、地域・部門や年齢・性別・役職等の壁を超えてスキルでつながることで、持続的なイノベーションによる新たな価値の提供に挑戦してまいります。
a.スキルアップや新たなチャレンジを評価する人事制度・運営への見直し
「スキルアップに対する手当を拡充してもリスキル・アップスキルに取り組むのは意欲のある社員に限られる」という課題に対し、全ての社員が日々の業務を通じて成長実感できる人事制度・運営への見直しを行っております。
以下の取組みの結果、リスキル・アップスキルへの社員の意識は着実に高まっており、2024年度の任意受講の自己研鑽プログラム(リスキル講座、オーディオブック、通信講座)への参加は、若手社員だけでなく管理職層の利用も増えて前年比約3倍の2,630件(2023年度934件)となりました。2025年4月にスタートした人事改革に先駆けて、社員の行動変容が始まっており、今後さらにスキルとの連動性を高めた研修等の機会提供を進めてまいります。
(a)スキルの可視化による成長実感
人事改革では給与制度の見直しも行っており、複数年単位で昇給する階段式の昇給制度であった「給与ランク・ゾーン」方式から、人事考課の結果が毎年の処遇に反映する「メリットインクリース」方式へと変更しました。考課(スキル・行動評価)は、約800種類のスキルから、一人ひとりに求められる7~8個のスキルが職務に応じて設定され、一つ一つのスキルの定義に沿って行う運営としております。2025年度の本番運用に向けて実施した2024年度の「スキル・行動評価トライアル」に関して実施したアンケート(2回実施)では、全体の約8割の社員が「従来の制度よりも自身の成長につながると感じた」(2024年9月時点)、非管理職の約9割が「業務の中で、スキルを意識するようになったと感じた」(2025年2月時点)と回答しております。
(b)公募異動
2024年度に公募による異動の制度を刷新し、本社等の一部の部門だけでなく、損害サポート部門や営業部門を含めた全ての部門に応募可能としました。募集に際しては、全国の部支店が「自組織の目指す姿の実現に向けて求める人財像」や「自部支店の魅力」を見つめ直す機会となり、東名阪といった大都市だけでなく地方部支店への手挙げも多数行われました。2024年度の実績は、前年の401件を大幅に上回る1,567件の応募があり、2025年4月異動における公募者の人数は2023年度対比で約2.5倍に増加しました。2025年度以降は、少なくとも4年に一度は原則として公募に手挙げを行う運営を開始し(プロフェッショナル社員が対象)、自律的なキャリア形成を推進してまいります。
(c)経営戦略と連動した人財育成・採用
持続的な成長に必要となる、グローバル人財・デジタル人財・マーケティング人財を育成するとともに、部門毎のプロフェッショナルの育成に取り組んでおります。また、経営の基盤となる「お客さま本位の業務運営の実施」と「コンプライアンス意識向上」のための人財育成も強化しております。取組みの全体像及び具体的な取組みは次のとおりであります。また、2025年度には、M&A人財認定制度を新たにスタートし、世界トップ水準の保険・金融グループを目指すために今後も増加することが見込まれるM&Aの検討を担う人財を育成してまいります。
イ.2024年度の人財育成取組の全体像
0102010_008.pngグローバル海外事業及びグローバル本社を牽引する海外人財(グローバル人財)になるためのキャリア形成と自己研鑽
デジタルお客さまのリスクや課題を基点に、ソリューション提案やデータ分析支援によりイノベーションを創造できる人財を育成
マーケティングお客さま視点をもとにマーケティングによる課題解決を牽引する人財を育成
部門共通5つの重点施策※でスキルを磨き、キャリアが輝く人財を育成
損害サポート
部門
本社と第一線協働での人財育成体制の構築による『お客さま本位につながる個の強化』を推進
営業部門「これからの営業の姿」の実現に向け「基礎力」「戦略実行力」の醸成を企図する人財育成施策を展開

※5つの重点施策は以下の通りであります。
ⅰスキル習得を後押しする「スキル・行動評価」/ⅱキャリア自律・将来展望を描く「トレーニー制度・越境学習」/ⅲエンゲージメントサーベイと紐づいた「マネジメント層向けスキル研修」/ⅳ言える企業文化を醸成する「心理的安全性と360度フィードバック」/ⅴ基礎知識の習得と多様性を育む「新卒・キャリア採用向け育成体系」
ロ.具体的な取組み
・法令遵守の徹底
全職場を対象としたコンプライアンス職場ミーティング及び全社員を対象とした必須研修を実施しました。また、全代理店が2024年11月までに「独占禁止法を踏まえた留意点及び情報入手・提供ルール」に関する研修を受講しました。2025年度以降も「独占禁止法」や「個人情報保護法」を中心としたカリキュラムを用意して全社員・全代理店への定期的な教育を進め、正しいルールの浸透・コンプライアンスマインドの醸成を図ることにより、お客さま本位の業務運営の定着につなげてまいります。
・保険本来の提供価値・リスクマネジメント力の底上げと定着
アンダーライティング力※1及びリスクマネジメント力※2の高度化に向けた各種研修を実施しました。アンダーライティング研修は多くの社員が受講した他、2024年度における企業営業分野における社内リスクマネジメント資格(初級・中級)の取得率は100%となり、上位資格であるマイスター・上級取得者も増加傾向にあります。引き続き、リスクリテラシー向上取組を推進してまいります。
※1:保険の契約を引き受ける際、引受けの可否や引受条件を適切に判断する力
※2:リスクを特定・分析・評価し、適切に対処する力
2022年度2023年度2024年度
Production Underwriter研修上級(ハンズオン)--69
中級(Web研修)--836
社内リスクマネジメント資格マイスター204218239
上級640669836

(注)各年度末時点の累計人数を記載しております。
・提供価値の向上・リスクソリューション力のさらなる高度化・充実化
補償前後の提供価値※に関する研修等に延べ約4,670名が参加しました。また、全社員が、お客さまや社会のリスクや課題を把握し、デジタル技術やデータを活用して解決を図るためのスキル習得を目的とした「デジタル(DX)人財」認定制度、及び、業界外でも通用するイノベーティブな業務改革や新価値創出につながる課題解決に必要となるスキル習得を目的とした「マーケティング(CX)人財」認定制度を運営し、全社員を対象にこれらの認定制度への挑戦を促し、DX人財及びCX人財の育成を推進しております。DX人財の育成にあたっては、東洋大学情報連携学部・京都先端科学大学等との連携による社内外での人財育成プログラムを展開し、多数の社員が体系的に学ぶことが可能な環境を整備しております。
※事故発生時の補償に加えて、その前の「予防」や後の「リカバリー」に関するサポートを行うことをいいます。
2022年度2023年度2024年度
DX人財1,6674,0574,289
CX人財1925411,110

(注)各年度末時点の累計人数を記載しております。
・社会課題解決に向けたチャレンジ
お客さま・社会・当社グループの三方良しを実現している取組みを表彰するサステナビリティコンテストの累計応募数は2,553件※1となりました。2024年度のコンテストでは「業界初の卵子凍結事業への保険提供」や「持続可能な次世代の部活動の実現に向けたブカツ・サポート・コンソーシアムの設立」が表彰されました。社会の課題解決に資する新たなビジネスアイデアを募集する「チャレンジプログラム」の累計応募者数は約6,800件※2となり、応募アイデアの中から「冷凍貨物事故を防ぐソリューション」が実際に開発されました。
※1:グループ内の事業会社の壁を越えた連名での応募も多いため、MS&ADインシュアランスグループホールディングス全体での応募総数を記載しております。
※2:MS&ADインシュアランスグループホールディングス全体としての取組みでありますが、当社からの応募数を記載しております。
・海外人財
中期経営計画における海外人財※数の目標2025年度730名に対し、2024年9月末時点で海外人財数は739名となっております。一方、海外経営人財の候補者の不足が今後の経営におけるボトルネックとなる可能性を認識しており、海外経営人財に求める要件を明確化するとともに、サクセッションプランの実現に向けた人財育成に取り組んでおります。
※海外駐在経験を有する社員数(1年以上の海外研修経験を有する社員を含み、研修中社員は含まない。)
<海外経営に求められる3要件の明確化>・海外経営・管理スキル:領域別(経営管理、経理財務、商品再保険等)の知見・経験
・リージョンに対する専門性:各地域戦略の理解・実行、現地人脈の形成
・現地法人経営層との対話・折衝力:現地のCxOクラスと対等に渡り合える高い次元でのコミュニケーション力
<サクセッションプランの実現に向けた人財育成>海外経営人財の育成に向けて、海外事業部・海外拠点・人事部が共同で育成プログラムを策定・運営する仕組みの構築に取り組んでおります。階層ごとに育成プログラムを策定し、人事異動を通じた経験付与と組み合わせることで、効果的な育成の実現を目指しております。
また、海外勤務を希望する人財を増やし、海外経営人財候補のすそ野を拡大するために、以下の取組みも実施しております。
-海外素養のある人財を採用するため、海外大学正規留学生(日本から海外の大学に留学している学生)採用コース、国内学生向け海外専門コースを新設
-海外人財のエントリー施策として、従来のグローバル人財講座、グローバルトレーニーに加え、プロジェクトチャレンジ等を活用した海外経営に求められる3要件を体験する場を創出
ハ.キャリア採用・地方採用の強化
経営戦略の実行において必要となる人財を獲得するため、キャリア採用及び地方採用を強化しております。
・キャリア採用
2024年度は、経理・財務人財10名、IT人財17名、法務人財5名・セキュリティ人財10名、内部監査人財3名等の高度専門人財も採用しております。キャリア採用全体の実績は以下のとおりであります。
プロフェッショナル・スペシャリスト社員合計
転居可(注1)転居可(ワイド)(注2)転居不可(注3)
2022年度43名25名34名102名
2023年度95名37名180名312名
2024年度70名67名111名248名

(注1)国内外問わず、転居転勤あり。スペシャリスト社員含む。
(注2)地域限定、期間限定の転居転勤あり
(注3)原則、転居転勤なし
また、キャリア採用比率※の推移は以下のとおりであります。
※当年度のキャリア採用人数÷当年度の採用人数(新卒・キャリア全体)
年度当社
2021年度28%
2022年度54%
2023年度68%
2024年度73%

・地方採用
全国各地において高品質なサービスを安定的に提供するため、地方採用の強化に取り組んでおります。「地元LOVE&PRIDE」を掲げた配属地確約コース専用の採用ホームページを開設し、全国各地の社員が地方拠点の魅力を発信することで、有効求人倍率の高い地域においても、当社採用ページへの登録を多数いただいております。また、採用ページの登録者に内定予想倍率を公表することで、希望勤務地を検討する機会を提供しております。Uターン就職等の地方応募を促し、地方活性化につながっております。
都道府県有効求人倍率(注1)当社採用ページ登録倍率(注2)
福井1.8711.70
山口1.7211.10
香川1.618.10
島根1.604.10
富山1.5715.00
東京1.1276.70

(注1)厚生労働省「一般職業紹介状況」より2024年7月時点の上位5県及び比較対象として東京都を記載
(注2)[当社採用ページの登録者のうち当該都道府県を希望勤務地にしている人数×全国調整係数]÷当該都道府県の採用計画数
b.年功的な人事制度・運営からの脱却
2022年度、社員意識調査の結果分析等を通じて、「現行人事制度(当時)において処遇・昇進を決定づける『給与ランク・ゾーン』が年功的な運営をベースとしているため、実力に応じた処遇や昇進における制約となってしまっている」ことが課題として明らかになりました。そこで、2023~2024年度の2か年にわたり、経営会議での複数回の論議や労使協議を経て、2025年4月より、課長代理や主任といった役割区分を廃止しジョブグレード制度に移行するとともに、スキルの習得・発揮を評価する目標管理・人事考課制度へと刷新しました。評価の対象とするスキルは、全社員に共通して習得・発揮が求められる「共通スキル」と部門や担当業務の特性に合わせた「職務スキル」に分類しております。職務スキルは、当社の事業戦略をベースに全ての社員が自身の業務を通じてよりスキルアップし成長できるよう、2023年度に約40部支店、約80人の多様な年齢・性別・役職の社員が知恵を出し合い、担当役員とも協議の上で約9か月をかけて独自に作成しました。2024年度に国内外全店での「スキル・行動評価トライアル」を通じて、社員・役員の意見を踏まえてブラッシュアップした後、2025年4月より、28のジョブ区分(部門)、74種類のプロ人財、816種類のスキルにて運用を開始しております。
<スキルの全体像>
スキルの種類スキルの設定単位含まれるスキル(例)
共通スキル全社員コミュニケーション(進言力、傾聴・対話力、人財育成力等)
思考力(変革チャレンジ力、戦略立案力、リスクの芽感知力等)
プロフェッショナリズム(マネジメント等)
職場環境改善(チームワーク等)
職務スキルジョブ区分・プロ人財成果実現力(保険提案、代理店指導、事案対応 等)
知識(代理店・業界、商品・ソリューション)

(a)共通スキル
経営理念(ミッション)を実現するための行動指針(5つのバリュー)及び「コーポレートメッセージ」「三井住友海上 行動憲章」そして三井・住友の歴史をベースとして、スキルの形としたものであります。全ての部門・全ての社員に共通して求められる5つの力として、定義しております。
<共通スキル ~全社員に求められる5つの力~>
考え抜く力想像力を働かせて、常に疑問を持ち考え抜くことができている。
①課題解決力:お客さまニーズを理解・分析し、目的や課題を特定し、信頼と期待に応え続けるために最善の解決策を見出すことができている
②リスクの芽感知力:想像力を働かせ、施策・業務の遂行により生じる可能性があるリスクを特定し、共有できている
伝える力・聴く力倫理観を持ち、忖度のない意見を発信し、最後まで話を聞いた上で対話することができている。
①進言力:倫理観を持ち、正しい行動ができているだけでなく、自分の意見や疑問に思ったことを忖度せずに、分かりやすく説明できている。
②傾聴・対話力:相手の立場や視点を尊重しながら最後まで話を聞き、互いの価値観や意見の違いを受け入れ合いながら対話をすることができている。
チームで働く力互いに高め合いながら、協働することができている。
①コミュニケーション力:メンバーの心理的安全性を確保し、前向きな姿勢・態度・言動で協働できている。
②教え合う力:組織に、教え合う風土が浸透するよう、組織内の人財育成に取り組むことができている。
変える力・変わる力環境変化に柔軟に対応し、自身や組織を変革することができている。
①創造力:社内外の環境変化に迅速かつ柔軟に適応し、従来の枠組みに捉われず新しい視点やアイデアを主体的に発信、具体化することができている
②チャレンジ力:常に学び続け、過去の経験・知識に安住せず、チャレンジすることができている。
やり遂げる力ゴールから逆算して業務に取り組み、粘り強くやり遂げることができている。
①計画準備力:ゴールに向けたプロセスを明らかにし、専門性を強化しながら、状況に応じた複数のプランを具体的に計画し、準備することができている
②スピード実行力:目的を設定後、スピード感を持って実行し、最後までやり遂げるだけでなく、失敗や経験から学んだことを振り返り、次の行動に繋げることができている。

<共通スキル ~全てのマネージャーに求められる3つの力~>
目標を考え、
実行する力
お客さまや社会の信頼と期待に応え続けていくために、目先の利益に捉われることなく、組織の目標を描き、実行できている。
①ビジョン構築力:自社内の経験や勘といった定性的なデータだけでなく、他社の定性的・定量的なデータを分析し、その結果をもとにメンバーにとって魅力的な組織の目標を立案し、実現に向けたプロセスを設計できている
②実現力:組織の目標と、MVVやSXとのつながりについて、メンバーに納得感のある説明と道筋を示すことができている。
個を活かす力戦略的な育成や役割付与等を行い、一人ひとりが最大のパフォーマンスを発揮できるように成長を支援できている。
①任せる力:メンバー一人ひとりの個性や強み等を把握して、やる気を引き出し、適切な業務をアサインした上で、信頼し任せることができている
②成長支援力:メンバー一人ひとりに対して、スキル開発に向けた継続的なフィードバックやキャリアビジョン実現に向けた支援ができている
組織を動かす力目標達成に向けて、ヒト・モノ・カネ・情報などのリソースを効果的に活用し、組織の効率性と成果を最大化できている。
①職場牽引力:組織全体の方向性を決め、取り組んだ結果に責任を持ち、時間管理や健康管理、適切な業務管理等を通じて組織を適切に機能させることができている。
②職場改善力:より良い職場づくりに向けて、360フィードバックやエンゲージメントサーベイ等の結果を分析・解釈して、自身や組織の課題を特定し、改善アクションを実行している。

(b)職務スキル
当社組織における部門(ジョブ区分)ごとに、当社の目指す姿に基づくそれぞれの部門の目指す姿を定めた上で、目指す姿の実現に必要となるプロ人財を定義しました。各プロ人財のミッション・業務遂行にあたって必要となるスキルを明確化したものが、職務スキルであります。事業環境の変化を踏まえて絶えず「目指す姿」を見直すことで、職務スキルについても継続的にアップデートしていく仕組みとしております。
<職務スキルの概要>0102010_009.png
<プロ人財と職務スキルの例(ジョブグレード4)>
ジョブ区分プロ人財スキルの概要
企業営業企業マーケット
プロ人財
社会課題の発見・解決提案力
イノベーションに資する戦略を発案し、必要に応じて新たな着想・発案なども交え、社内外の関係者を巻き込み、お客さまに的確な提案を行うことができている。
①お客さまの事業を広く見渡す視座に基づき潜在的な社会課題を深く研究・分析し、多角的な視点で仮説を立て、イノベーティブなソリューション戦略を発案できている。
②社内外の関係者と連携し対応スキームの全体像を描き、必要に応じて新たな着想・発案なども交え、お客さまに的確な提案を行うことができている。
損害サポート
(自動車)
自動車
損害サポート
プロ人財
適正認定・説明力
前例が少ない事案対応であっても適切な損害調査のもと過不足のない適正認定ができているとともに、信頼いただける事故対応を実践できている。
①前例が少ない事案対応であっても、卓越した専門性のもと知識ノウハウを応用し、的確な損害調査を実施した上で、入手した情報の十分性を精査・判断でき、過不足のない適正認定を実践できている。
②難易度の高い事案であっても、周囲の模範となる特に高品質な応対により、事案関係者の心情や感情に寄り添いながら説明責任を履行でき、事案関係者の信頼を獲得する事故対応を実践できている。
ビジネス
デザイン
アジャイル開発
プロ人財
クリエイティブシンキング力
担当領域において、上位職に意見具申しながら、ビジネスモデルの変革などの経営戦略の実現に資する課題解決に向けた仮説立案ができている。
①担当領域において経営戦略を理解し、市場環境やビジネスモデルの課題に対し、経験やネットワークを活用して洞察を深め、上位職に意見具申しながら複数の解決仮説を立案することができている。
②担当領域において立案した仮説の正当性を自身のチーム中心に他組織と連携して検証し、可能性の高い仮説に基づき、上位職に意見具申しながらステークホルダーとの協力体制を築き、プロジェクトを立ち上げることができている。

c.ライン層のマネジメント力強化
2022年度、社員意識調査の結果分析等を通じて、「マネジメント層の『会社方針を整理して部下に伝える力』が不足している」ことが課題として明らかになりました。そこで、2023~2024年度の2か年にわたり、ライン部課長層のマネジメント力強化の取組みについて検討を重ねてきました。スキルベースの人事制度運営によって、社員の成長を促すためには、組織目標と個人目標のベクトルを一致させることが極めて重要と考えており、ライン層のマネジメント力強化に取り組んでおります。
(a)マネジメントスキルに応じた研修体系
上記、「b.年功的な人事制度・運営からの脱却」(a)共通スキルに記載している「共通スキル ~全てのマネージャーに求められる3つの力~」の通り、当社のライン層に求められるスキルを定義しております。これらのスキルに応じたマネジメント研修を整備し、育成を行っております。
研修の種類概要
ライン部長向け研修「戦略立案」「ストーリーテリング」「顧客基点データドリブン経営プログラム」等のテーマでマネジメントスキルの向上を目的に行う任意参加型の研修。
ライン課長向け研修「エンゲージメント結果の分析・活用」「キャリア対話」「権限委譲」等のテーマでマネジメントスキルの向上を目的に行う任意参加型の研修。
新任ライン課長向け研修職場メンバーとの対話、面談、1on1ミーティングに活かせるスキルを体系的かつ実践形式で育成する必須参加型の研修。

注:いずれもMS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社主催で行っている研修に参加しております。
なお、今後はマネジメント層におけるスキルの充足率等を定点観測し、マネジメント力の指標としていくことを考えております。
(b)組織目標の達成に向けた、多様な個の力の最大化
当社の目標管理制度では、ライン部課長が会社方針や部門方針を踏まえて自組織の目指す姿を策定し、職場メンバーに自らの言葉で語るとともに、管下社員一人ひとりに期待する役割と発揮して欲しいスキルを説明する運営としております。また、全ての社員が腹落ちした個人目標を設定し、実現に向けて取り組むことができるよう、最低年3回のキャリア・目標対話を行うとともに、1on1ミーティングの活用を推進しております。これら制度運営を、マネジメント層が適切に遂行できるように、実務で活用しやすい実践型の研修を必須参加型で行っております。
(c)アシスタントマネージャーの設置
部支店長が部支店経営に専念するとともにライン課長がプレーイングマネージャーから脱却しより質の高いマネジメントに専念できるよう、権限委譲による適切な管理スパンの確保を進めております。従来からグループリーダー等への権限委譲を可能としておりましたが、2025年5月からは新たに、アシスタントマネージャーを設置しました。アシスタントマネージャーは、ライン長から職場メンバーの目標管理及び評価業務について権限委譲を受け、職場メンバー全員の主体的な行動やチャレンジによるスキルアップを後押しする役割を担います。
なお、2025年5月1日時点において、アシスタントマネージャーの約半数が女性社員となっております。研修や実際のマネジメント業務を通じて、管下社員の能力を向上させるために必要な知識やスキルを習得する機会とし、女性活躍の推進にもつなげてまいります。
研修の種類概要
ライン部課長向け人事改革研修スキルを軸とする目標管理制度の運営において、ポイントとなる年初、中間、期末のタイミングで、全ライン部課長を対象に実践型のワークを取り入れた研修を行い(参加必須)、適切な運営の支援を行っております。
アシスタントマネージャー研修新設するアシスタントマネージャーが担う、人財育成や評価面談等のマネジメント業務について、参加必須型研修を行いマネジメント力の底上げを図っております。

②イノベーションを生み出す組織文化への変革 ~多様な社員がつながり、活躍できる環境の整備~
人事改革のコンセプトである「スキルの発揮を軸とした全ての社員の成長」を将来にわたって推進し続けるためには、定時以降のスキルアップや私生活の充実に高い価値観を置き、心身ともに健康な状態であること、また、多様な社員が活発に交流し互いに認め・教え合う風土醸成が不可欠であります。全ての社員が、働きやすさと働きがいの両方を高めていけるように、次の取組みを進めております。
a.残業を前提とした働き方からの脱却
当社では、2016年より働き方改革の取組みを開始し、2017年以降「遅くとも19時前退社」を原則として残業削減に取り組んでまいりました。一方、育児や介護の両立社員を中心に「当社の定時は17時であるはずが、定時で退社しにくい」との声がありました。育児や介護との両立環境を整備するとともに、人事改革の趣旨を踏まえた社員のリスキル・アップスキルを後押しするため、「17時退社」を前提とした働き方への変革に取り組んでおります。
以下の取組みの結果、2024年度の1日あたり平均PC操作時間(休憩1時間を含む)は9時間40分となり(これまでは10時間前後で推移)、労働時間を約20分短縮することができております。
《プロフェッショナル社員の1日あたり平均PC操作時間(休憩1時間を含む)の推移≫
年度202020212022202320242025目標
1日あたり平均PC操作時間10:0610:0710:039:579:409:59

(a)経営目標としての定時退社推進
2024年4月に経営目標として「定時退社を前提とした働き方への変革」を掲げました。組織長服務基準においても「組織長は、社員の心身の健康、ワークライフバランス、自己学習のための時間の確保に努めること。そのために、非効率な慣行をやめ、業務削減・効率化を推し進め、全員が定時退社できることを前提とする組織運営を行うこと。」と定めております。
(b)全社的な業務の見直し
生産性向上に向けた取組みとして、業務をゼロベースで見直し、残業ゼロを実現する「ワークスタイル変革・00(ゼロゼロ)」を全社一丸となって推進しております。社員一人ひとりがその日の退社時間を決め、振り返りを行うことで、日々の業務の生産性を高め続けることを目指しております。また、個人では解消できない定時退社の阻害要因について、組織・会社で解消を図っております。具体的な取組みは以下のとおりであります。
・阻害要因把握のために、残業時には上司への申請を行う運営としており、この基準時刻を従来の19時から18時へと段階的に前倒ししました。
・全社で一致団結して前向きに取り組むとともに、社外の関係者にも本取組を知っていただけるようロゴを作成し、全社員へのステッカー配布や名刺への印字を行っております。
・時間に対するマインドセットやすぐに使える業務効率化のテクニックを学ぶセミナーを実施しております。2024年度は3回開催し、手挙げにより約3,500名の社員が参加しました。
・「社内標準ルール」の新設により、社員に負荷がかかる古い慣習等の見直しを進めております。(例:社内メールの宛名及びあいさつ文の省略、異動時における社員間の手土産廃止 等)
(c)AIの活用による業務効率化
専用環境上に構築した、社員向け生成AIチャットツール「MS-Assistant」を導入しており、全ての社員が情報検索、質問応答、要約、ブレインストーミング等で活用できる環境を整備しております。本ツールを基盤として、「商品マニュアルや経費精算等の社内事務に関する応答」や「事故対応における経過記録業務の自動化」を実現しております。
*ニュースリリース:事故対応に生成AIの文章要約技術を導入
(https://www.ms-ins.com/news/fy2024/pdf/0527_1.pdf)
b.上意下達の打破
2024年度に実施した社内の意識調査において、3割弱の社員が上司に対して意見することをためらう傾向があることが分かりました。この割合をゼロに近づけていくことが、お客さま本位の業務運営及びイノベーション創造に必要となることから、以下の取組みを進めております。
(a)「伝える力・聴く力」を全社員の必須スキルに設定
上記a.で示した共通スキルに「伝える力・聴く力」を定めており、全社員に求められる共通スキルとし、評価制度に組み入れております。「伝える力・聴く力」は、倫理観を持ち、正しい行動ができているだけでなく、自分の意見や疑問に思ったことを忖度せずに、分かりやすく説明できる“進言力”と、相手の立場や視点を尊重しながら最後まで話を聞き、互いの価値観や意見の違いを受け入れ合いながら対話をすることができる“傾聴・対話力”の2つで構成しております。さらに、人事改革で定めた共通スキルには、「考え抜く力」「変える力・変わる力」を定めており、お客さま本位の業務運営を全社員で徹底してまいります。
また、年功的な人事制度・運営から脱却し、高い専門性やスキルを習得・発揮する者が年次や役職を超えて尊重される風土としていくことにより、多様な人財が活発に意見を言い合える組織づくりを進めてまいります。
(b)心理的安全性が高い職場づくり
2024年2月に「組織長服務基準」を制定し、当社の組織の長のスタンスや最低限遵守すべき基準を明確化しました。5つの基準のうちの2つに、以下の内容を定めております。
・働きやすく、心理的安全性が確保された職場をつくる
組織長は、オープンかつ率直に意見が言い合える、働きやすい職場の雰囲気の醸成に努め、社員の心理的安全性を確保します。情報が適切・迅速に共有され、正しく事実認識ができる透明性を確保し、失敗を恐れないチャレンジを奨励します。
・一人ひとりの社員を尊重し、可能性を引き出す
組織長は、全ての社員の人権と多様性を尊重し、公平・公正・誠実に接します。社員の個性や価値観を理解し、能力・スキル・自主性を最大限引き出すことで、社員本人の仕事のやりがいとキャリアビジョンの実現につなげます。
c. 第一線と本社の壁の打破
現在、信頼回復に向けて「お客さま本位の業務運営」に取り組んでおりますが、多様なニーズや社会の変化に柔軟に対応していくためには、部門を超えたチームワークを発揮することが重要と考え、部門間の風通しの向上に取り組んでおります。
(a)社内トレーニーによる社内交流の活性化
2024年度より全員参加の「社内トレーニー制度」を開始し、全国約300か所の職場が相互にトレーニーの受け入れを行いました。2025年3月末時点で1,494人が参加し、従来にはなかった規模での部門間交流を実現しました。毎年2,000人規模の部門間交流を継続し、5年間でプロフェッショナル社員全ての人数に相当する1万人の交流を目指すとともに、公募異動による自律的なキャリア形成を後押しします。
(b)社員投稿による全社的な業務の見直し
2023年7月に、部門を問わず全国の社員が自由に意見を投稿することができる“ブラッシュアップボックス”を設置しました。ムリ・ムダ・ムラの改善提案等の投稿に対する共感を賛成ボタンで示すことが可能となっており、投稿内容や社内の反響を踏まえて、優先的に解消すべき課題を認識することに活用しております。
2023年7月から2025年3月までに1,867件の投稿があり、このうち186件のアイデアを実現しております。なお、投稿案件の実現性向上に向けた「第一線モニター社員へのアンケート」(27件)や、第一線の生の声を本社が確認して課題の解消や業務効率化につなげるための「協働プロジェクト」(7件)を展開し、部門間の壁の打破を進めております。
d.組織を超えたコラボレーションの強化
国内損保事業の構造変革のための重点施策として「社会課題の解決に資する新商品・サービスの開発と新たなマーケットの創出」に取り組んでおります。イノベーションを実現するため、組織の枠を超えた繋がりの機会の拡充に取り組んでおります。以下の環境整備により、次々と新たな商品・サービス等を実現しております。
<2025年3月に発信したニュースリリースの例>
タイトル掲載URL
食品関連事業者向け「フードロス削減特約」の販売開始https://www.ms-ins.com/news/fy2024/pdf/0324_2.pdf
「車両水没緊急アラート」の実証実験を開始https://www.ms-ins.com/news/fy2024/pdf/0324_1.pdf
体験型防災教育コンテンツ「HIRAQ(ヒラク)」を
提供開始
https://www.ms-ins.com/news/fy2024/pdf/0311_1.pdf
水上ドローン向け船舶保険を販売開始https://www.ms-ins.com/news/fy2024/pdf/0303_1.pdf

(a)部門や地域を跨ぐ異動の活性化
会社主導の異動においても部門間異動を拡大していることに加えて、公募異動(詳細は、上記①a(b)を参照)により、新たな部門への意欲的なチャレンジを後押ししております。また、入社時点では転居を前提としていなかった社員においても、「近隣県への転勤可」「国内外全地域への転勤可」への変更を可能としており、社員の自律的なキャリア形成が可能な環境を用意しております。
(b)部門を超えた共創機会の創出
第一線と本社各部の社員が協力し合い、特定の目的のもと成果物を創出する1~6ヶ月間のプロジェクト(プロジェクトチャレンジ)を展開しております。2024年度は、23のプロジェクトに512人が参加しました。2025年度は本社各部が年1つ以上のプロジェクトを立ち上げる運営とし、更なるイノベーション創出を目指してまいります。
(c)商品部門の組織改編
種目別だった商品部門を2025年度よりマーケット別に再編し、個人及び中小企業向けの「パーソナル・SME商品部」、大企業向け「コマーシャル商品部」に改編しました。パーソナル・SME商品部では、パーソナル・データを活用した商品・料率戦略の高度化、コマーシャル商品部では、リスクサーベイの高度化やグローバルインシュアランスプログラムに関する任意再保険を含めた国内外一体となった引受を可能とし、マーケット慣行の変化に応じた商品・サービス提供態勢を構築してまいります。
e.多様な社員全員の成長と活躍(意思決定層の多様化と障がいや育児介護など制約を抱える社員の活躍)
多様な意見や価値観が組織の意思決定に反映されるよう、若手、女性社員のライン長登用等を進めております。また、全ての社員にとって働きやすさと働きがいが両立された環境整備に取り組んでおります。
(a)意思決定層の多様性確保
当社グループの特長である多様性のメリットを最大化するため、意思決定層の多様性確保に取り組んでおります。社外カルチャーを体験する越境機会の拡充やキャリア採用社員の活躍等に伴い社外カルチャー経験者は年々増加しております。
また、女性管理職比率・女性ライン長比率の2025年度末目標は達成を見通していることに加えて、アシスタントマネージャー(約半数が女性社員)の育成により、さらなる意思決定層の多様化を推進してまいります。
2023年4月時点2024年4月時点2025年4月時点2025年度末目標
管理職に占める
社外カルチャー経験者比率(注1)
26.8%28.1%29.9%
女性管理職比率21.4%23.7%25.0%23.0%
女性ライン長比率15%19%20%20%
(参考)
アシスタントマネージャー
46%
(2025年5月時点)

(注1)社外カルチャー経験者比率は、管理職に占める「キャリア採用者+副業・兼業や社外出向等の経験者」の比率であります。目標値は設定しておりませんが、今後も当社の勤務年数に関わらずスキル重視の登用を行ってまいります。
(b)全ての社員にとって働きやすさと働きがいが両立された環境の整備
今後さらに育児や介護と仕事の両立を行う社員が増加することが見込まれております。当社では、両立に直面している社員だけでなく、両立に直面していない社員に目を向けることで、全ての社員にとって働きやすさと働きがいが両立された環境整備を進めております。
イ.育休職場応援手当(祝い金)
当社では、「出産・育児を職場全体で心から祝い・支える企業風土の醸成」を目的として、社員が育児休業を取得する際にその同僚全員に3千円~最大10万円の一時金を給付する育休職場応援手当(祝い金)を2023年より開始しております。社員アンケートでは、「育休期間中を支えている職場メンバーに対し、会社が寄り添ってくれたと感じた」との回答が約7割となっております。なお、2024年4月~2025年3月の育休職場応援手当の給付実績は、受給社員数:延べ11,559人、総給付額:371百万円となっております。
*ニュースリリース:~育休を取得したら同僚に応援手当 最大10万円~育休職場応援手当(祝い金)の創設~(https://www.ms-ins.com/news/fy2022/pdf/0317_1.pdf)
ロ.定時退社を前提とした働き方への変革
2024年度からは、育児や介護等との両立社員に限らず、全ての社員が定時退社を前提とした働き方への変革に取り組んでおります。限られた時間内での生産性・提供価値を最大化するとともに、社員それぞれのプライベートの充実(自己研鑽、副業・兼業、育児・介護、趣味、地域とのつながり等)を互いに尊重し、いきいきと働ける風土醸成に取り組んでおります。
これらの取組みにより、男性労働者の育児休業取得率は100%を維持しており、2024年度における1カ月以上連続での取得率は4割超となりました。
<男性労働者の育児休業の取得状況>
年度2022年度(注2)2023年度2024年度2025年度目標
取得率(注1)100%100%100%100%
1カ月以上連続取得率(注2)27.7%28.0%40.2%
平均取得日数37.8日37.2日41.6日28日以上

(注1)KPIの取得率は、以下の算式により算出しております。
取得率=対象期間中に養育する子の出生日から1年を経過し
その間に1日以上(1ヵ月以上)の育児休業を取得した男性労働者数
対象期間に養育する子の出生日から1年を経過した男性労働者数

取得日数暦日は、「配偶者が出産した男性労働者による育児休業(有給)又は出生時育児休業(有給)計5日間及び有給休暇を含めた育児を目的とする休業・休暇日数(これらと連続する休日・祝日の日数を含む)」であります。
(注2)男性労働者に対し1カ月以上の育児休業取得推奨を開始した2021年6月以降にこどもが誕生した社員を対象として計算しております。
(c)ワークライフバランス向上のための柔軟な働き方
在宅勤務と出社を効率的に組み合わせ、リモートワークを活用した業務運営を進めております。2024年度からは分割勤務も導入しました。また、2025年度より旧:総合社員(現:プロフェッショナル社員)のコース区分(グローバル(全国転勤型)、エリア(地域限定型))を廃止しました。キャリアビジョンやライフイベント等に応じて、本拠地(都道府県)や転居転勤の可否を変更可能としております。
(d)障がい者の活躍
障がいの種別に関係なく、健常者と同じ立場で勤務しております。障がいのある社員とともに働く環境を支援する「チームWITH」のメンバーを中心に、入社後のフォローや研修、個別相談等を行っております。また、聴覚障がいのある社員の声をきっかけに当社の社名を表現する手話の作成プロジェクトも進めております。2025年4月現在、全国で約327名の障がいのある社員が活躍しております。
(e)LGBTQ
人権啓発研修等を通じて、全社員がLGBTQ等の性的マイノリティへの正しい理解を深め、SOGIハラスメントやアウティングが発生しない環境を構築しております。また、社員の配偶者に適用している福利厚生制度の一部を同性パートナーへも適用したり、ALLY(LGBTQの権利と平和を指示し積極的に支援する人々)によるコミュニティを組成するなど、さらなる環境整備に向け、取組みを進めております。こうした取組みにより、一般社団法人work with Pride(社外サイト)によって策定されたLGBTQ+に関する取組みの評価制度である「Pride指標」では2021年~2024年まで4年連続「ゴールド」を受賞しております。
f. 健康経営
社員が自律的にいきいきと働き、その能力を最大限発揮するためには、社員の「心身の健康」「働きがい」「働きやすさ」の維持・向上が不可欠であります。労働時間や休暇等の時間管理の徹底、メンタル不調への対策強化・復帰支援などにより、社員の心身の健康を保持・増進するとともに、働きがいや働きやすさの向上につながる各種施策に取り組み、社員のWell-beingを推進しております。
(a)心身の健康に関するデータ観測
当社は「健康診断(がん検診項目を含む)」の受診率100%を毎年維持しております。また、「ストレスチェック」では90%以上の社員が受検しており、これらのデータを基に社員の心身の健康の保持・増進、健康リテラシーの向上を図っております。また、以下のKPIを設定し、社員の心身の健康状態を観測しております。
イ.休暇取得を推進し、社員の心身の健康保持に取り組んでおります。
ロ.「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」の運動習慣のある社員の比率をKPIに設定し、健康保持・増進への意識を高めております。
ハ.上記のような環境整備を進め、以下の設問に対する回答スコアを社員のエンゲージメントを測る指標として、KPIを設定し、環境整備等の進捗を確認しております。
2023年度2024年度目標
年次有給休暇取得日数(イ)(注1)16.9日17.7日前年同水準以上
運動習慣者比率(ロ)29.8%30.9%30%
社員意識調査
(ハ)
設問:私は今の仕事に誇りと働きがいを持っている4.3pt4.5ptスコア4.4以上
設問:私の職場は、年齢・経験・国籍・性別・障がいの有無等で差別されることなく、多様な価値観や意見が受け入れられ、人権を尊重し、いきいきと活躍できる環境にある4.7pt4.8ptスコア4.6以上

(注1)2024年度より時間単位休暇を含めてカウントしております。
(b)データを踏まえた健康増進取組
具体的には重症化予防支援や生活習慣改善促進のため、運動習慣の定着を目指したウォーキングイベントや、健康意識を高めるための健康フェスタを東京と大阪で開催しております。また、健康保険組合と連携し、禁煙支援プログラムも実施しております。こうした取組みの結果、本格的に取組みを開始した2019年度との比較において運動習慣比率は7.4ポイント、喫煙率は2.0ポイント改善しました。また、これらの健康経営、健康保持増進取組は社外からも高く評価され、「健康経営優良法人 ホワイト500」・「健康優良企業 金の認定」を取得しております。
*健康経営主要項目取組内容と効果検証(https://www.ms-ins.com/company/diversity/pdf/data_kensyou.pdf)
<参考>人事改革スタートまでの歩み
<人事改革スタートの背景>当社は、「未来にわたって、世界のリスク・課題の解決でリーダーシップを発揮するイノベーション企業」の実現を目指し、2022年度に4か年の中期経営計画(以下「中計」)を開始しました。しかし、既存の人事制度の枠組では、中計で目指す姿の実現には不十分であることが、社員意識調査の結果分析等を通じて明らかになってきました。例えば、「現行人事制度は年功的で、実力に応じた処遇や昇進の制約となっている」「手当を拡充してもリスキル・アップスキルに取り組むのは意欲のある社員に限られる」「社員が会社の目指す変革と自分の業務を紐づけできていない」「中高年層が変革に適応できていない」「マネジメント層の『会社方針を整理して部下に伝える力』が不足している」等の「社員の課題」がありました。さらに、「職場の課題(部支店経営戦略の実現を担う人財を職場で選ぶことができない)」「経営の課題(中計を達成する人財ポートフォリオが可視化できていない/本社と第一線のコミュニケーションの壁が依然として高い)」「中長期的な採用環境・労働力減少の課題(中長期的に労働力は減少傾向であり、特に地方部における人手不足は深刻化)」等も中計の目指す姿の実現の阻害要因になると認識し、これらの課題を抜本的な人事改革の推進によって解決することとしました。
<人事改革検討 初期~中期>上記の背景のもと、2023年4月より人事部において、人事改革の具体的な検討を開始しました。人事部が、会長・社長、本社各部・関連役員との論議を計28回実施し、現行のメンバーシップ型の良さ(チームワーク・協働等)を活かしつつ、各分野・職種ごとの経営戦略との連動性が高い「ジョブ型」、及び環境変化への対応が容易で、社員の目指す姿や自己研鑽すべき内容が明確である点などメリットが多い「スキル型」(職務をスキルで定義する方式)の考え方を取り入れた、当社独自の「スキルを重視したジョブ型」人事制度の方向性を策定しました。その後、2023年7月に、改革の肝となるスキルの定義化作業を行うため、人事部以外の様々な部門の兼務者を含む専門チーム(人事部人事改革推進チーム)を16名体制で発足しました。多様な考え方を改革に活かすため、若手、女性、キャリア採用入社者等を積極的に登用し、まず、社員数の8割を占める損害サポート部門及び営業部門(以下「第一線」)の職務で必要とされるスキルの定義化作業を開始しました。単に現在の業務に必要なスキルを文言化するのではなく、部門の目指す姿(2030年度目途)を描き、目指す姿の実現に必要となる「プロ人財」を定義し、その「プロ人財」に習得・発揮が期待されるスキルを定義するという方法を採用しました。同年10月から本社部門のスキル定義作業を開始するとともに、イノベーションに繋がる新規要素や他部門のスキル(越境スキル)を社外専門家の知見も借りて追加し、社員がワクワクし自主的に身に付けたいと思えるスキル内容にアップデートしました。約40部支店・約80人の多様な年齢・性別・役職の社員が9か月間知恵を出し合い、それぞれの部門の担当役員とも協議して完成させた25のジョブ区分(部門)、72種類のプロ人財、912種類のスキル定義・水準が2024年3月の経営会議に報告され、2024年度に同スキルを用いた人事改革のトライアルを国内外全店で全総合社員と担当役員(約9千人)が参加し実施することとしました。
<人事改革検討 中期~後期>2024年4月、国内外の部支店で部支店人事改革推進担当を約200人選任し、目標管理・人事考課にスキルを用いる「スキル・行動評価トライアル」を開始しました。同年5月に全国14部支店で先行実施し、総合社員約1,000名、役員13名が参加した他、役員・ライン部課長とのフランクミーティングを57回実施しました。そこで出た課題を改善の上、同年7月から先行14部支店を除く国内外全店でトライアルを行い、総合社員約7,600名・役員35名が参加しました。スキルを軸とした新たな等級・評価・報酬制度、人事異動・昇進運営、人財育成・キャリア支援策についても、イントラネットや研修等を通じて繰り返し周知しました。2024年9月、「スキル・行動評価トライアル」の中間アンケートで、全体の80%が、スキルに基づく目標設定や上司との対話で、従来の制度の面談と比較して自身の成長に繋がると感じたと回答しました。一方、ライン部課長層では「評価を悩みながら実施した」との声が過半数を占めたため要因を深掘りした結果、「組織規模が大きいほど社員一人ひとりの業務状況を適切に把握し評価することが難しい(管理スパンの課題)」、「新たな取組みであり実務面での適切なやり方が分からない」ということが理由と判明しました。これを踏まえ、適切な管理スパンの確保に向け、ライン部課長から権限委譲を受けて管理業務を一部担う「アシスタントマネージャー」を新設しました(2025年5月に約800人、選任・発令)。また、スキル・行動評価への適応を目的とした実践型の研修を、国内外のライン部課長約1,000人を対象に2025年1月に実施し、その結果、ライン部課長のスキル・行動評価への理解が大きく向上しました。スキル単位での人財ポートフォリオの可視化も可能になり、部支店での人財育成取組の高度化等につながることが今後期待されております。2025年2月のトライアル総括アンケートでは、総合社員8,173名のうち、93%が本トライアルを通じてスキルに取り組む目的・意義の理解が深まったと回答し、中間よりも大きく改善しました。また、ライン層の80%が社員の評価を従来の制度よりも適切に行うことができると実感したと回答しました。非管理職は87%が業務の中でスキルを意識するようになり、そのうち3割がやりがい向上、1割がお客さまへの価値提供を実感したと回答しました。また、アンケートを通じて約18,000件の新制度への改善意見が寄せられ、スキル選択数の見直しなど、社員の納得感を高める制度・運営設計につながりました。こうして社員の声を取り込みながら社員の理解促進も同時に図り、2025年4月より本格的に人事改革を開始しました。

<将来に向けた有形・無形の人的投資>上記のとおり、2023年度から2024年度の2か年にかけて、スキル型人事制度を軸とする人事改革の本格開始(2025年4月)に向けて、社長から一般の社員まで、多くの役職員が新たな人事制度・運営の構築に時間と労力を費やしてきました。
これを具体的な金額に数値換算することは難しいものの、将来にわたって当社の目指す姿実現を支える基盤となるスキル型人事制度の構築に向けた大きな有形・無形の人的投資であったと考えております。当社は引き続き、真のお客さま本位を実現するため、全員参加でスキル型人事制度・運営をブラッシュアップし、アップスキルに努めてまいります。
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*ニュースリリース:「キャリアオーナーシップ経営 AWARD 2025」 最優秀賞(マネジメントの変革部門)を受賞
(https://www.ms-ins.com/news/fy2025/pdf/0514_1.pdf)

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