有価証券報告書-第17期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
① 価値創造の4つのテーマの推進
当社グループでは、グループ企業理念として「私たちの約束」を掲げております。この企業理念に基づき、2019年4月に策定した中長期経営計画『New Value , Real Value』において、当社グループが目指す価値創造の4つのテーマを設定しております。この4つのテーマに基づく事業の推進を通じて、社会的責任を果たすとともに、当社グループの企業として持続的な成長を実現してまいります。

<価値創造の4つのテーマ>
② サステナビリティの推進
グループ企業理念「私たちの約束」は、当社グループで取り組む街づくりや不動産に関連する様々なサービスの提供を通じて、社会課題を解決し、新しい社会価値を創造するという当社グループのサステナビリティの推進に対する決意でもあります。
当社グループでは、「安心・安全」「環境」「コミュニティ」「健康・快適」をサステナビリティの重点テーマに掲げ、また「人材」と「マネジメント体制」を推進基盤として位置付け、それぞれのテーマに事業活動と紐づけた定量・定性目標を設定し、PDCAサイクルを着実に回しながら事業を推進してまいります。

2015年9月に国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に盛り込まれている17の目標は、世界共通で取り組むべき目標であり、当社グループとしてもその達成に貢献していくことが重要であると認識しています。当社グループは、「安心・安全」、「環境」、「コミュニティ」、「健康・快適」の4つの重点テーマおよび重点項目における取り組みを通じて、SDGsの達成に貢献していきます。
特に、当社グループが取り組む不動産業には、建物の完成まで、また、完成の後も、長い年月をかけて街づくりに携わっていくべき使命があります。今後も、高品質な不動産開発と不動産関連サービスを通じて社会とお客さまに向けたさまざまな価値を提供することにより、企業価値を高めてまいります。

③ ウェルネス経営の推進
当社グループは、企業が事業を継続し持続的に成長していくためには、役職員の心身の健康と安全が不可欠であると認識しております。このため、当社グループ行動指針において、「活き活きと働く、ウェルネスの実現」を掲げ、従業員が心身ともに健康で、活き活きと仕事に取り組むことができるよう「ウェルネス経営」を推進しております。また、従業員やサプライヤーの安全衛生と健康の確保を重要な経営課題と位置づけるとともに、新たな価値を創造し続けるためには多様性がもたらすイノベーションが不可欠であると認識し、さまざまな視点・考え方を持った人材が、属性にかかわらず、個性や能力を十分に発揮できるよう、ダイバーシティの推進と公正で働きがいのある職場づくりに努めております。
<ウェルネス経営の概念図>
(2) 経営環境
経営環境に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 外部環境
国内外における様々な社会課題、新型コロナウイルス感染症の影響による当社事業を取り巻く環境の変化、人々の住まいや働き方等に関する価値観・志向の変化等を踏まえ、特に注視する外部環境は以下のとおりです。
② 当社グループの競争優位性
長年にわたる豊富な事業実績を通じて培ってきた、当社グループの競争優位性は以下のとおりです。
<競争優位性を発揮した商品・サービス等の事例>











(3) 経営戦略
外部環境の認識及び当社グループの競争優位性を踏まえ、事業ポートフォリオ戦略と事業別の成長に向けた基本方針を策定しております。
① 事業ポートフォリオ戦略
各事業の特性を活かし、高い資産効率と利益安定性を両立する事業ポートフォリオを追求していきます。
(※) 事業利益=営業利益+持分法投資損益+企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費
② 成長に向けた部門別の基本方針
③ 海外における事業の拡大
中長期経営計画における成長ドライバーとして、国内で培ったノウハウを活かして投資・開発事業、資産運用事業、仲介事業等を海外で展開し、海外における事業の事業利益比率を2028年3月期に15~20%まで拡大します。

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
① 利益目標に関する指標(2019年4月に策定した中長期経営計画にて掲げる指標であり、新型コロナウイルス感染症による影響は考慮されておりません(以下②も同様)。)
国内における事業に加え、現地パートナー企業との共同投資を基本とする海外における投資・開発事業の利益及び戦略投資(M&A)の成果を適切に反映させるため、利益目標に関する指標を「事業利益」(※)とし、段階的な成長を図るべく以下のとおり中長期的な指針を掲げております。
(※) 事業利益=営業利益+持分法投資損益+企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費
② 財務・資本政策に関する指標
30%水準の自己資本比率を維持しながら、事業活動を通じた付加価値の創造により持続的な企業価値向上を図り、高い資本効率と安定的な株主還元を実現するため、財務・資本政策に関する指標を「ROA」・「ROE」・「総還元性向」とし、以下のとおり中長期的な指針を掲げております。
※ROA=(営業利益+営業外収益)/期中(平均)総資産
※ROE=親会社株主に帰属する当期純利益/期中(平均)自己資本
※総還元性向=(配当金総額+自己株式取得の総額)÷親会社株主に帰属する当期純利益
③ 気候変動関連の目標指標
当社グループでは、「環境・気候変動」を経営上の重要課題と捉えており、2031年3月期までに2020年3月期比で温室効果ガス(CO₂)排出総量スコープ1・2およびスコープ3(※1)を各々35%削減する目標を設定し、2020年11月に温室効果ガス排出量削減目標に関する国際的イニシアチブ「SBT」の認定を取得いたしました。
※1 スコープ1:燃料の燃焼などの直接排出量、 スコープ2:自社で購入した電気・熱の使用に伴う間接排出量
スコープ3:スコープ1・2以外の間接排出量(カテゴリー1:建物の建設時など、カテゴリー11:販売した商品の使用時)
(5) 重点的に取り組む経営施策
◇ 新型コロナウイルス感染症による影響への対応
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大が国内及び世界経済に深刻な影響を与えました。当社においても、商業施設・ホテル・フィットネス事業等で一定の影響を受けましたが、2022年3月期においても、緊急事態宣言の再発令に伴い、一部事業の営業活動を自粛する等、依然として、新型コロナウイルス感染症が、事業活動へ一定の影響を与える状況が続いております。
今後も引き続き、お客様・お取引先様・役職員とその家族の安心・安全と健康の確保を最優先にしながら、社会活動の維持に必要な商品・サービスの提供責任、企業としての社会的責任を果たし続けるべく、必要な対策を講じて感染拡大の防止に努めるとともに、事業活動を継続してまいります。具体的には、住宅部門、仲介・CRE部門等におけるリモート営業の積極的な活用、都市開発部門におけるシェアオフィス事業の拡大等、コロナ環境下で加速した顧客ニーズの変化に適応した事業活動を推進し、一定の影響を受けた個別の事業においては、事業ごとに、課題・リスクの抽出、方針・戦略の再構築等に取り組むとともに、アフターコロナを見据えた新たな付加価値の検討・模索に努めてまいります。
◇ ウィズコロナ・アフターコロナに適応した事業ポートフォリオの構築
コロナ環境下で加速したライフスタイル・ワークスタイルの変化が、当社グループのビジネスに中長期的にどのような影響を与えるかを見極め、適切な施策を実行し、最適な事業ポートフォリオを追求していくことが重要な経営課題であると認識しております。各事業において、重点的に取り組む施策は以下のとおりです。
<住宅事業>住宅分譲事業において、コロナ環境下以前より、住まい・生活に関する価値観の変化を受け、「プラウド」ブランドの理念・体系の再構築、戦略的な用地取得・商品企画の推進等に取り組んでおりましたが、コロナ環境下でより加速した顧客ニーズの多様化へ適応するとともに、サステナビリティ推進やデジタルテクノロジー活用への取組みも強化し、引き続き、良質な住まいの提供に努めてまいります。
<都市開発事業>オフィス事業において、業種・企業別にアフターコロナのオフィスの在り方に関する価値観が多様化していくことを見据え、大規模オフィスやPMOの開発に加え、サービス付き小規模オフィスの「H10(エイチワンオー)」やサテライト型シェアオフィスの「H1T(エイチワンティー)」等、戦略的な商品展開を加速・推進してまいります。
<サービス・マネジメント事業>資産運用事業において、多様化する投資家ニーズを取り込むべく、商品ラインナップの拡充等により、資金調達マーケット・不動産マーケット環境の変化に柔軟に対応できる事業体制の構築を目指してまいります。不動産の仲介・コンサルティング事業においては、2021年4月に新会社として発足した野村不動産ソリューションズ㈱にて、高度な専門性とデジタル領域での先進性を融合させ、法人・個人を問わず、多様化する顧客ニーズにワンストップで対応し、高品質かつ充実したサービスを提供してまいります。運営管理事業においては、管理物件における感染防止・安全確保に向けた取り組みを継続するとともに、中長期的な課題である人材不足への対応として、デジタルテクノロジーを活用した高効率なサービスの提供に取り組んでまいります。
<海外事業>量から質を求めるフェーズに移行するアジア諸国での開発事業を中心に、事業参画機会は着実に広がってきております。引き続き、現地のニーズを把握しながら、当社グループがこれまで国内で培ってきたノウハウや強みを活かした価値創造により、良質な商品・サービスの提供をグローバルに展開してまいります。
◇ 賃貸資産ポートフォリオの戦略的入替の継続・強化
当社グループにおいては、中長期的な視点で、賃貸資産の戦略的な入れ替えを実施し、良質な賃貸資産ポートフォリオの構築に努めるとともに、適切な時期での売却により開発利益・含み益の実現化を図り、回収した資金を再度不動産開発事業に投資することで、高い資産効率と持続的な成長を実現させる方針としております。
当連結会計年度においては、新駅が誕生し街の変化が急速に進む虎ノ門エリアのオフィスビル「東京虎ノ門グローバルスクエア」や、武蔵小金井駅前の複合再開発の商業施設である「SOCOLA武蔵小金井クロス」が開業しております。
2022年3月期においても、期中に竣工予定の商業施設「KAMEIDO PROJECT」、2025年3月期以降に竣工予定となる芝浦・日本橋等の大型複合開発プロジェクトを着実に推進するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響による国内外の不動産市況の動向を踏まえた戦略的な売却を実践し、引き続き、競争力のある賃貸資産ポートフォリオの構築に努めてまいります。
◇ DX戦略の推進・活用による競争優位性の確立
当社グループが関係する様々な事業分野においては、お客様への商品・サービスの提供におけるデジタルテクノロジーの活用が必要不可欠となってきており、急速な技術革新や革新的な新規参入企業の出現による顧客ニーズの変化等への対応が遅れた場合には、当社グループの競争優位性が低下し、業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
当社においては、当連結会計年度まで、経営会議の下部組織である「ICT戦略委員会」にてICTに関する方針やICT投資の審議等を行ってきましたが、2022年3月期からは同委員会を「DX戦略委員会」に改称し、イノベーションによる競争力向上によりビジネスモデル変革を推進する「DX 領域」の審議を強化してまいります。また、DX・イノベーション推進部にて、新領域事業の研究・開発、イノベーション創発、DX戦略等の企画・推進・支援等を行っております。今後も、加速度的に進化するテクノロジーとそれに伴う顧客ニーズの変化を的確に把握のうえ、各部門のDXに関する重点実行テーマを選定し、デジタル技術を活用した既存ビジネスモデルの深化を進めるとともに、業態変革・新規ビジネスモデルの創出に向けた取り組みを強化することにより、当社グループの競争優位性の向上に努めてまいります。
◇ サステナビリティの戦略的な取り組みの推進
当社グループが持続的な企業価値の向上を実現していくためには、事業を通じて社会課題を解決し、同時にお客様のニーズにお応えすることが必要不可欠です。また、パリ協定やSDGsなどの国際的コンセンサスや、資本市場におけるESG投資の拡大といった動きは、社会課題に対する世界的な関心の高まりを示しています。
当社においては、地球温暖化等の気候変動に伴う諸課題、人権・労働問題等の社会課題、ガバナンス体制の充実・強化等、様々な課題・テーマに対する取り組みを強化しており、2022年3月期においては、当連結会計年度に賛同表明した「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言」に基づいた情報開示を実施するとともに、サステナビリティビジョンや人権方針の策定に取り組んでまいります。
また、不動産開発を中核ビジネスとする当社グループにおいては、環境面への配慮が重要であると認識しており、温室効果ガス(CO2)排出量削減目標に関する国際的イニシアチブである「SBT(Science Based Targets)」の認定を当連結会計年度に取得しておりますが、認定取得にあたって掲げた2030年におけるCO2排出量削減目標の達成、そして脱炭素社会の実現に貢献するために必要な施策を検討・実行してまいります。
(1) 経営方針
① 価値創造の4つのテーマの推進
当社グループでは、グループ企業理念として「私たちの約束」を掲げております。この企業理念に基づき、2019年4月に策定した中長期経営計画『New Value , Real Value』において、当社グループが目指す価値創造の4つのテーマを設定しております。この4つのテーマに基づく事業の推進を通じて、社会的責任を果たすとともに、当社グループの企業として持続的な成長を実現してまいります。

<価値創造の4つのテーマ>| ◆豊かなライフスタイル・ワークスタイルの実現 ・お客様のニーズの一歩先を行く商品・サービスを提供し、豊かなライフスタイル・ワークスタイルを実現します。 ・「PROUD」「PMO」「OUKAS」など、独自のマーケティングとポジショニングで創造してきた価値を新たな事業分野でも展開します。 ◆「利便性」「快適性」「安心・安全」に優れた多機能な街づくり ・多機能な街づくりを通じて、「利便性」・「快適性」・「安心・安全」に優れた暮らしを提供します。 ・都市型コンパクトタウン、駅前再開発等、様々なエリア・形で多機能な街づくりを推進します。 ◆地球環境・地域社会の未来を見据えた街づくりとコミュニティ形成 ・環境に配慮し、また地域社会と共に繁栄するサステナブルな街づくりやコミュニティ形成を実現します。 ・デジタルテクノロジーを活用し、より一層便利で快適な未来を創造します。 ◆良質な商品・サービスのグローバル展開 ・国内で培った良質な商品・サービスを、アジアを中心にグローバル展開します。 ・マーケットインの発想を海外でも徹底し、現地パートナーとともに、各国のライフスタイル・ワークスタイルに向き合った事業を展開します。 |
② サステナビリティの推進
グループ企業理念「私たちの約束」は、当社グループで取り組む街づくりや不動産に関連する様々なサービスの提供を通じて、社会課題を解決し、新しい社会価値を創造するという当社グループのサステナビリティの推進に対する決意でもあります。
当社グループでは、「安心・安全」「環境」「コミュニティ」「健康・快適」をサステナビリティの重点テーマに掲げ、また「人材」と「マネジメント体制」を推進基盤として位置付け、それぞれのテーマに事業活動と紐づけた定量・定性目標を設定し、PDCAサイクルを着実に回しながら事業を推進してまいります。

2015年9月に国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に盛り込まれている17の目標は、世界共通で取り組むべき目標であり、当社グループとしてもその達成に貢献していくことが重要であると認識しています。当社グループは、「安心・安全」、「環境」、「コミュニティ」、「健康・快適」の4つの重点テーマおよび重点項目における取り組みを通じて、SDGsの達成に貢献していきます。
特に、当社グループが取り組む不動産業には、建物の完成まで、また、完成の後も、長い年月をかけて街づくりに携わっていくべき使命があります。今後も、高品質な不動産開発と不動産関連サービスを通じて社会とお客さまに向けたさまざまな価値を提供することにより、企業価値を高めてまいります。

③ ウェルネス経営の推進
当社グループは、企業が事業を継続し持続的に成長していくためには、役職員の心身の健康と安全が不可欠であると認識しております。このため、当社グループ行動指針において、「活き活きと働く、ウェルネスの実現」を掲げ、従業員が心身ともに健康で、活き活きと仕事に取り組むことができるよう「ウェルネス経営」を推進しております。また、従業員やサプライヤーの安全衛生と健康の確保を重要な経営課題と位置づけるとともに、新たな価値を創造し続けるためには多様性がもたらすイノベーションが不可欠であると認識し、さまざまな視点・考え方を持った人材が、属性にかかわらず、個性や能力を十分に発揮できるよう、ダイバーシティの推進と公正で働きがいのある職場づくりに努めております。
<ウェルネス経営の概念図>

(2) 経営環境
経営環境に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 外部環境
国内外における様々な社会課題、新型コロナウイルス感染症の影響による当社事業を取り巻く環境の変化、人々の住まいや働き方等に関する価値観・志向の変化等を踏まえ、特に注視する外部環境は以下のとおりです。
■ 全社
■ 各部門 ※下線部:新型コロナウイルス感染症の影響により、変化がより加速したと認識している事項 <住宅事業>・国内の人口減少、ファミリー世帯の減少 ・単身世帯・共働き世帯・シニア世帯の増加 ・ライフスタイルの変化に伴う、住まいに対するニーズの多様化 ・地方中核都市におけるコンパクトシティ化の進展 |
| <都市開発事業>・働き方の多様化やオフィスに対する価値観の変化 ・デジタルテクノロジーの進化 ・e-コマースの拡大 ・消費や余暇に関する志向の変化 <資産運用事業>・投資家のオルタナティブ投資(不動産投資)に対するニーズの拡大 ・投資家のグローバル投資ニーズの拡大と多様化 ・急拡大するESG投資ニーズ <仲介・CRE事業>・優良な既存住宅ストックの増加 ・事業承継・相続対策ニーズの高まり ・デジタルテクノロジーの進化 <運営管理事業>・管理の質や充実したサービスに対するニーズの高まり ・老朽化建物の増加や大規模修繕工事適齢期マンションの増加 ・デジタルテクノロジーの進化 ・定年延長等によるシニア人材の確保難 <海外事業>・アジア諸国における良質な住宅に対するニーズの高まり ・投資対象国における政治・経済等の社会情勢や為替の変動 |
② 当社グループの競争優位性
長年にわたる豊富な事業実績を通じて培ってきた、当社グループの競争優位性は以下のとおりです。
| ◆ 幅広いアセットタイプでの開発実績・ノウハウ ◆ マーケットイン発想に基づく開発力 ◆ モノ・サービスに関する品質へのこだわり ◆ グループ連携・総合力 |
<競争優位性を発揮した商品・サービス等の事例>












(3) 経営戦略外部環境の認識及び当社グループの競争優位性を踏まえ、事業ポートフォリオ戦略と事業別の成長に向けた基本方針を策定しております。
① 事業ポートフォリオ戦略
各事業の特性を活かし、高い資産効率と利益安定性を両立する事業ポートフォリオを追求していきます。
| <分譲・売却事業>(関係するセグメント:住宅部門、都市開発部門、その他(海外事業等)) 国内・海外を問わず、分譲住宅事業及び収益不動産開発事業を積極的に展開し、開発利益の拡大と高いROAを実現 <保有・賃貸事業>(関係するセグメント:都市開発部門、その他(海外事業等)) 優良な賃貸資産の開発と戦略的な物件入替により、競争力の高い賃貸資産ポートフォリオを構築し、安定した賃貸利益を実現 <サービス・マネジメント事業>(関係するセグメント:資産運用部門、仲介・CRE部門、運営管理部門) 既存事業の成長に加え、M&Aや戦略的なパートナーシップの構築により事業を拡大し、資産リスクを負わない利益の拡大と高いROAを実現 |
(※) 事業利益=営業利益+持分法投資損益+企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費② 成長に向けた部門別の基本方針
| 部門 | 成長に向けた基本方針 |
| 住宅 | ・多機能でサステナブルな街づくりとコミュニティの提供 ・顧客ニーズの多様化に応える良質な住まいの提供 ・安心・安全な暮らしを支え続けるサービスの提供 |
| 都市開発 | ・独自性の高い企画力と利用者の満足度向上を追求した運営の実践 ・デジタルテクノロジーなどを活用した新たなサービスによる付加価値の高い事業の実践 |
| 資産運用 | ・「賃貸バリューチェーン」を活かしたコアビジネスであるREIT事業の確実な成長 ・REIT事業に続く成長エンジンとしての私募ファンド事業の強化 ・グローバルネットワークの構築 |
| 仲介・CRE | ・デジタルテクノロジーを活用した高品質かつ充実したサービスの提供 ・顧客の課題解決型ソリューション営業の強化 ・提携金融機関の拡大など幅広い顧客基盤の構築 |
| 運営管理 | ・顧客満足度の高い提案型管理の強化 ・管理領域とサービスメニューの拡大 ・デジタルテクノロジーを活用した高効率かつ高品質な管理サービスの提供 ・大規模修繕工事をはじめとする受注工事の拡大 |
| その他(海外等) | ・国内で培ったノウハウの活用と、現地デベロッパーとの強固なパートナーシップを 通じた、海外における品質・サービスに対する期待への対応や新たな価値の提供 |
③ 海外における事業の拡大
中長期経営計画における成長ドライバーとして、国内で培ったノウハウを活かして投資・開発事業、資産運用事業、仲介事業等を海外で展開し、海外における事業の事業利益比率を2028年3月期に15~20%まで拡大します。

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
① 利益目標に関する指標(2019年4月に策定した中長期経営計画にて掲げる指標であり、新型コロナウイルス感染症による影響は考慮されておりません(以下②も同様)。)
国内における事業に加え、現地パートナー企業との共同投資を基本とする海外における投資・開発事業の利益及び戦略投資(M&A)の成果を適切に反映させるため、利益目標に関する指標を「事業利益」(※)とし、段階的な成長を図るべく以下のとおり中長期的な指針を掲げております。
(※) 事業利益=営業利益+持分法投資損益+企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費
| 2022年3月期 | 2025年3月期 | 2028年3月期 | |
| 事業利益 | 850億円 | 1,000億円 | 1,200~1,400億円 |
② 財務・資本政策に関する指標
30%水準の自己資本比率を維持しながら、事業活動を通じた付加価値の創造により持続的な企業価値向上を図り、高い資本効率と安定的な株主還元を実現するため、財務・資本政策に関する指標を「ROA」・「ROE」・「総還元性向」とし、以下のとおり中長期的な指針を掲げております。
| 2020年3月期~ 2022年3月期 | 2023年3月期~ 2025年3月期 | 2026年3月期~ 2028年3月期 | |
| ROA | 4~5%程度 | 5%以上 | |
| ROE | 8~9%程度 | 10%以上 | |
| 総還元性向 | 40%~50%程度 | ― | |
※ROA=(営業利益+営業外収益)/期中(平均)総資産
※ROE=親会社株主に帰属する当期純利益/期中(平均)自己資本
※総還元性向=(配当金総額+自己株式取得の総額)÷親会社株主に帰属する当期純利益
③ 気候変動関連の目標指標
当社グループでは、「環境・気候変動」を経営上の重要課題と捉えており、2031年3月期までに2020年3月期比で温室効果ガス(CO₂)排出総量スコープ1・2およびスコープ3(※1)を各々35%削減する目標を設定し、2020年11月に温室効果ガス排出量削減目標に関する国際的イニシアチブ「SBT」の認定を取得いたしました。
※1 スコープ1:燃料の燃焼などの直接排出量、 スコープ2:自社で購入した電気・熱の使用に伴う間接排出量スコープ3:スコープ1・2以外の間接排出量(カテゴリー1:建物の建設時など、カテゴリー11:販売した商品の使用時)
(5) 重点的に取り組む経営施策
◇ 新型コロナウイルス感染症による影響への対応
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大が国内及び世界経済に深刻な影響を与えました。当社においても、商業施設・ホテル・フィットネス事業等で一定の影響を受けましたが、2022年3月期においても、緊急事態宣言の再発令に伴い、一部事業の営業活動を自粛する等、依然として、新型コロナウイルス感染症が、事業活動へ一定の影響を与える状況が続いております。
今後も引き続き、お客様・お取引先様・役職員とその家族の安心・安全と健康の確保を最優先にしながら、社会活動の維持に必要な商品・サービスの提供責任、企業としての社会的責任を果たし続けるべく、必要な対策を講じて感染拡大の防止に努めるとともに、事業活動を継続してまいります。具体的には、住宅部門、仲介・CRE部門等におけるリモート営業の積極的な活用、都市開発部門におけるシェアオフィス事業の拡大等、コロナ環境下で加速した顧客ニーズの変化に適応した事業活動を推進し、一定の影響を受けた個別の事業においては、事業ごとに、課題・リスクの抽出、方針・戦略の再構築等に取り組むとともに、アフターコロナを見据えた新たな付加価値の検討・模索に努めてまいります。
◇ ウィズコロナ・アフターコロナに適応した事業ポートフォリオの構築
コロナ環境下で加速したライフスタイル・ワークスタイルの変化が、当社グループのビジネスに中長期的にどのような影響を与えるかを見極め、適切な施策を実行し、最適な事業ポートフォリオを追求していくことが重要な経営課題であると認識しております。各事業において、重点的に取り組む施策は以下のとおりです。
<住宅事業>住宅分譲事業において、コロナ環境下以前より、住まい・生活に関する価値観の変化を受け、「プラウド」ブランドの理念・体系の再構築、戦略的な用地取得・商品企画の推進等に取り組んでおりましたが、コロナ環境下でより加速した顧客ニーズの多様化へ適応するとともに、サステナビリティ推進やデジタルテクノロジー活用への取組みも強化し、引き続き、良質な住まいの提供に努めてまいります。
<都市開発事業>オフィス事業において、業種・企業別にアフターコロナのオフィスの在り方に関する価値観が多様化していくことを見据え、大規模オフィスやPMOの開発に加え、サービス付き小規模オフィスの「H10(エイチワンオー)」やサテライト型シェアオフィスの「H1T(エイチワンティー)」等、戦略的な商品展開を加速・推進してまいります。
<サービス・マネジメント事業>資産運用事業において、多様化する投資家ニーズを取り込むべく、商品ラインナップの拡充等により、資金調達マーケット・不動産マーケット環境の変化に柔軟に対応できる事業体制の構築を目指してまいります。不動産の仲介・コンサルティング事業においては、2021年4月に新会社として発足した野村不動産ソリューションズ㈱にて、高度な専門性とデジタル領域での先進性を融合させ、法人・個人を問わず、多様化する顧客ニーズにワンストップで対応し、高品質かつ充実したサービスを提供してまいります。運営管理事業においては、管理物件における感染防止・安全確保に向けた取り組みを継続するとともに、中長期的な課題である人材不足への対応として、デジタルテクノロジーを活用した高効率なサービスの提供に取り組んでまいります。
<海外事業>量から質を求めるフェーズに移行するアジア諸国での開発事業を中心に、事業参画機会は着実に広がってきております。引き続き、現地のニーズを把握しながら、当社グループがこれまで国内で培ってきたノウハウや強みを活かした価値創造により、良質な商品・サービスの提供をグローバルに展開してまいります。
◇ 賃貸資産ポートフォリオの戦略的入替の継続・強化
当社グループにおいては、中長期的な視点で、賃貸資産の戦略的な入れ替えを実施し、良質な賃貸資産ポートフォリオの構築に努めるとともに、適切な時期での売却により開発利益・含み益の実現化を図り、回収した資金を再度不動産開発事業に投資することで、高い資産効率と持続的な成長を実現させる方針としております。
当連結会計年度においては、新駅が誕生し街の変化が急速に進む虎ノ門エリアのオフィスビル「東京虎ノ門グローバルスクエア」や、武蔵小金井駅前の複合再開発の商業施設である「SOCOLA武蔵小金井クロス」が開業しております。
2022年3月期においても、期中に竣工予定の商業施設「KAMEIDO PROJECT」、2025年3月期以降に竣工予定となる芝浦・日本橋等の大型複合開発プロジェクトを着実に推進するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響による国内外の不動産市況の動向を踏まえた戦略的な売却を実践し、引き続き、競争力のある賃貸資産ポートフォリオの構築に努めてまいります。
◇ DX戦略の推進・活用による競争優位性の確立
当社グループが関係する様々な事業分野においては、お客様への商品・サービスの提供におけるデジタルテクノロジーの活用が必要不可欠となってきており、急速な技術革新や革新的な新規参入企業の出現による顧客ニーズの変化等への対応が遅れた場合には、当社グループの競争優位性が低下し、業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
当社においては、当連結会計年度まで、経営会議の下部組織である「ICT戦略委員会」にてICTに関する方針やICT投資の審議等を行ってきましたが、2022年3月期からは同委員会を「DX戦略委員会」に改称し、イノベーションによる競争力向上によりビジネスモデル変革を推進する「DX 領域」の審議を強化してまいります。また、DX・イノベーション推進部にて、新領域事業の研究・開発、イノベーション創発、DX戦略等の企画・推進・支援等を行っております。今後も、加速度的に進化するテクノロジーとそれに伴う顧客ニーズの変化を的確に把握のうえ、各部門のDXに関する重点実行テーマを選定し、デジタル技術を活用した既存ビジネスモデルの深化を進めるとともに、業態変革・新規ビジネスモデルの創出に向けた取り組みを強化することにより、当社グループの競争優位性の向上に努めてまいります。
◇ サステナビリティの戦略的な取り組みの推進
当社グループが持続的な企業価値の向上を実現していくためには、事業を通じて社会課題を解決し、同時にお客様のニーズにお応えすることが必要不可欠です。また、パリ協定やSDGsなどの国際的コンセンサスや、資本市場におけるESG投資の拡大といった動きは、社会課題に対する世界的な関心の高まりを示しています。
当社においては、地球温暖化等の気候変動に伴う諸課題、人権・労働問題等の社会課題、ガバナンス体制の充実・強化等、様々な課題・テーマに対する取り組みを強化しており、2022年3月期においては、当連結会計年度に賛同表明した「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言」に基づいた情報開示を実施するとともに、サステナビリティビジョンや人権方針の策定に取り組んでまいります。
また、不動産開発を中核ビジネスとする当社グループにおいては、環境面への配慮が重要であると認識しており、温室効果ガス(CO2)排出量削減目標に関する国際的イニシアチブである「SBT(Science Based Targets)」の認定を当連結会計年度に取得しておりますが、認定取得にあたって掲げた2030年におけるCO2排出量削減目標の達成、そして脱炭素社会の実現に貢献するために必要な施策を検討・実行してまいります。