有価証券報告書-第104期(2024/04/01-2025/03/31)
② 戦略
事業活動により自然環境に与えるネガティブな影響を最小化し、ポジティブな影響を最大化す
るためには、事業と自然との関わり、関連するリスク、機会を把握する必要があります。そこで、2024年度よりTNFDフレームワークに沿って当社グループセグメントごとの依存、影響度およびリスク、機会の特定、評価を実施しています。2024年度における分析は、当社グループの事業と自然との関連性を網羅的に把握するために、主要セグメントである交通業、不動産業、生活サービス業および、これら事業の調達品生産、製造過程(上流)を対象としました。生活サービス業は多様な事業を含むため、飲食料や衣類などの調達品の観点で自然との関連性が強いと想定された百貨店業、ストア・小売業、ホテル業、レストラン飲食業を対象としました。TNFDフレームワークで自然関連課題の評価を行う分析手法として推奨されている、LEAPアプローチに沿って自然資本との関連性およびリスク、機会を分析、評価しています。
(LEAPアプローチ)
ア 自然資本への依存、影響項目の把握
事業と自然との接点の把握においては、TNFDで推奨されている分析ツールの1つであるENCORE※1を用いて評価しています。分析結果を踏まえ、交通業、不動産業では、重機等を用いる建設やメンテナンスのプロセスが自然への影響が大きく、生活サービス業では食品や飲料などの調達物生産過程が自然への依存が大きいと認識しています。
※1 ENCORE:国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)
他が開発した、経済活動と自然との関わりである依存、影響関係を分析するツール(2024年
6月分析)
「自然資本に関連する事業プロセスの特定とヒートマップ評価」の詳細はHPをご確認ください。
https://www.odakyu.jp/sustainability/carbon-neutral/tnfd/
ENCORE分析の結果から、特に依存、影響度が大きい(High、Very High)と評価された
項目を、当社グループの事業が依存している重要な自然資本および、事業を通じて自然に及ぼす重要な影響と評価しました。重要な依存、影響項目と当社グループ事業の関係性をまとめた結果は、以下の図に示す通りです。
(当社グループ事業における生物多様性と自然資本との関わり)

イ 優先地域
TNFDにおける優先地域とは、自然の脆弱性が高く、生物多様性にとって重要な「要注意地
域」および、事業にとって重要な自然への依存、影響、リスク、機会が存在する「マテリアルな
地域」の集合とされています。
要注意地域を把握するため、自社操業拠点および鉄道路線を対象に地域分析を実施しました。
TNFDガイダンスを参考として、生物多様性の重要性、水ストレスの観点から分析を行いまし
た。生物多様性の重要性が高い地域は、IBAT※2、QGIS※3を用いて、操業拠点1km圏内および鉄道路線上に、生物多様性重要地域(KBA)および世界保護地域データベースに登録されている保護地域に位置しているかを分析しました。また、Aqueduct Water Risk Atlas※4を用いて、操業拠点の水ストレスを評価しました。
※2 IBAT(Integrated Biodiversity Assessment Tool):UNEP-WCMCなどが開発
した生物多様性評価ツール
※3 QGIS:地理空間データを扱うためのGISソフト
※4 Aqueduct Water Risk Atlas:世界資源研究所が開発した水関連リスク評価のツール
分析の詳細はHPをご確認ください。
https://www.odakyu.jp/sustainability/carbon-neutral/tnfd/
分析の結果、生物多様性の重要性が高い地域として、神奈川県の箱根、江の島、大山、東京都の多摩川周辺に位置する鉄道や宿泊施設、レストランがKBAまたは保護区、あるいはその両方に位置していることを特定しました。一方で、国内拠点はいずれにおいても、水ストレスが高い地域には位置していないことを確認しています。
マテリアルな地域としては、自然資本である景観や緑地等を観光資源として活用しながら事業展開している箱根、江の島が該当すると考えています。
今後は、これら重要な優先地域を考慮して自然関連課題解決の取り組みを推進していきます。
ウ リスクと機会
特定した依存・影響関係から想定される事業リスク・機会を検討した結果は次の通りです。なお、自然関連リスク・機会の特定にあたって、TNFDシナリオガイダンスを参照して当社グループ事業にとって重要な要素が将来的にどのように変化する可能性があるかを検討し、極端な二つの将来世界であるシナリオを想定しました。想定したそれぞれのシナリオでどのようなリスク、機会が顕在化するのか、影響がどう変化するのかを評価しました。
参照:TNFDシナリオガイダンスv1.0
https://tnfd.global/wp-content/uploads/2023/09/Guidance_on_scenario_analysis_V1.pdf?v=1695138235
シナリオ①:保全推進シナリオ(気候変動や自然保全に関する規制が進み、市場の関心も高ま
った結果、自然劣化が抑制され、当社グループでも自然関連課題に対する取り組
みを促進する。)
シナリオ②:劣化進行シナリオ(気候変動や自然保全に関する規制は既存の取り組み以上に発
展せず、市場の関心も薄い結果、自然劣化が進み、当社グループの取り組み状況
も発展しない世界)

(リスク・機会一覧)

リスク、機会の検討を通じて、自然劣化が進行することで箱根や江の島など観光地で展開している事業がリスクに晒されることが分かり、要注意地域にも該当する地域であることから、これら操業地域での事業の重要性が高いと捉えています。当社は環境ビジョンの取り組みの一つとして自然資源の保全・活用を掲げており、植林や美化清掃活動を通じた土地再生への貢献や、環境保全活動への寄付など、優先地域における自然保全活動の取り組みを進めており、持続可能な共生圏を目指しています。今回特定したリスク、機会の対応策については、今後グループ全体の事業戦略で検討すべき事項と認識しています。
なお、影響項目である「気候調節機能」「GHG排出」に紐づくリスク、機会は「(2) 気候関連財務情開示タスクフォース(TCFD) ② 戦略」に記載のとおりです。
事業活動により自然環境に与えるネガティブな影響を最小化し、ポジティブな影響を最大化す
るためには、事業と自然との関わり、関連するリスク、機会を把握する必要があります。そこで、2024年度よりTNFDフレームワークに沿って当社グループセグメントごとの依存、影響度およびリスク、機会の特定、評価を実施しています。2024年度における分析は、当社グループの事業と自然との関連性を網羅的に把握するために、主要セグメントである交通業、不動産業、生活サービス業および、これら事業の調達品生産、製造過程(上流)を対象としました。生活サービス業は多様な事業を含むため、飲食料や衣類などの調達品の観点で自然との関連性が強いと想定された百貨店業、ストア・小売業、ホテル業、レストラン飲食業を対象としました。TNFDフレームワークで自然関連課題の評価を行う分析手法として推奨されている、LEAPアプローチに沿って自然資本との関連性およびリスク、機会を分析、評価しています。
(LEAPアプローチ)
ア 自然資本への依存、影響項目の把握事業と自然との接点の把握においては、TNFDで推奨されている分析ツールの1つであるENCORE※1を用いて評価しています。分析結果を踏まえ、交通業、不動産業では、重機等を用いる建設やメンテナンスのプロセスが自然への影響が大きく、生活サービス業では食品や飲料などの調達物生産過程が自然への依存が大きいと認識しています。
※1 ENCORE:国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)
他が開発した、経済活動と自然との関わりである依存、影響関係を分析するツール(2024年
6月分析)
「自然資本に関連する事業プロセスの特定とヒートマップ評価」の詳細はHPをご確認ください。
https://www.odakyu.jp/sustainability/carbon-neutral/tnfd/
ENCORE分析の結果から、特に依存、影響度が大きい(High、Very High)と評価された
項目を、当社グループの事業が依存している重要な自然資本および、事業を通じて自然に及ぼす重要な影響と評価しました。重要な依存、影響項目と当社グループ事業の関係性をまとめた結果は、以下の図に示す通りです。
(当社グループ事業における生物多様性と自然資本との関わり)

イ 優先地域
TNFDにおける優先地域とは、自然の脆弱性が高く、生物多様性にとって重要な「要注意地
域」および、事業にとって重要な自然への依存、影響、リスク、機会が存在する「マテリアルな
地域」の集合とされています。
要注意地域を把握するため、自社操業拠点および鉄道路線を対象に地域分析を実施しました。
TNFDガイダンスを参考として、生物多様性の重要性、水ストレスの観点から分析を行いまし
た。生物多様性の重要性が高い地域は、IBAT※2、QGIS※3を用いて、操業拠点1km圏内および鉄道路線上に、生物多様性重要地域(KBA)および世界保護地域データベースに登録されている保護地域に位置しているかを分析しました。また、Aqueduct Water Risk Atlas※4を用いて、操業拠点の水ストレスを評価しました。
※2 IBAT(Integrated Biodiversity Assessment Tool):UNEP-WCMCなどが開発
した生物多様性評価ツール
※3 QGIS:地理空間データを扱うためのGISソフト
※4 Aqueduct Water Risk Atlas:世界資源研究所が開発した水関連リスク評価のツール
分析の詳細はHPをご確認ください。
https://www.odakyu.jp/sustainability/carbon-neutral/tnfd/
分析の結果、生物多様性の重要性が高い地域として、神奈川県の箱根、江の島、大山、東京都の多摩川周辺に位置する鉄道や宿泊施設、レストランがKBAまたは保護区、あるいはその両方に位置していることを特定しました。一方で、国内拠点はいずれにおいても、水ストレスが高い地域には位置していないことを確認しています。
マテリアルな地域としては、自然資本である景観や緑地等を観光資源として活用しながら事業展開している箱根、江の島が該当すると考えています。
今後は、これら重要な優先地域を考慮して自然関連課題解決の取り組みを推進していきます。
ウ リスクと機会
特定した依存・影響関係から想定される事業リスク・機会を検討した結果は次の通りです。なお、自然関連リスク・機会の特定にあたって、TNFDシナリオガイダンスを参照して当社グループ事業にとって重要な要素が将来的にどのように変化する可能性があるかを検討し、極端な二つの将来世界であるシナリオを想定しました。想定したそれぞれのシナリオでどのようなリスク、機会が顕在化するのか、影響がどう変化するのかを評価しました。
参照:TNFDシナリオガイダンスv1.0
https://tnfd.global/wp-content/uploads/2023/09/Guidance_on_scenario_analysis_V1.pdf?v=1695138235
シナリオ①:保全推進シナリオ(気候変動や自然保全に関する規制が進み、市場の関心も高ま
った結果、自然劣化が抑制され、当社グループでも自然関連課題に対する取り組
みを促進する。)
シナリオ②:劣化進行シナリオ(気候変動や自然保全に関する規制は既存の取り組み以上に発
展せず、市場の関心も薄い結果、自然劣化が進み、当社グループの取り組み状況
も発展しない世界)

(リスク・機会一覧)

リスク、機会の検討を通じて、自然劣化が進行することで箱根や江の島など観光地で展開している事業がリスクに晒されることが分かり、要注意地域にも該当する地域であることから、これら操業地域での事業の重要性が高いと捉えています。当社は環境ビジョンの取り組みの一つとして自然資源の保全・活用を掲げており、植林や美化清掃活動を通じた土地再生への貢献や、環境保全活動への寄付など、優先地域における自然保全活動の取り組みを進めており、持続可能な共生圏を目指しています。今回特定したリスク、機会の対応策については、今後グループ全体の事業戦略で検討すべき事項と認識しています。
なお、影響項目である「気候調節機能」「GHG排出」に紐づくリスク、機会は「(2) 気候関連財務情開示タスクフォース(TCFD) ② 戦略」に記載のとおりです。