有価証券報告書-第120期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 13:35
【資料】
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【項目】
134項目

対処すべき課題


文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループを取巻く経営環境は、訪日外国人旅行者増加による新規顧客の獲得や、東京オリンピック・パラリンピック開催にむけた道路整備等による更なる新規顧客獲得の機会を有する一方で、近未来において当社グループの事業エリアの人口減少が見込まれることや、地震、津波等の自然災害の発生リスクが高まる等、脅威も内在している状況にあります。
このような状況のもと、当社グループは、湘南・鎌倉地域に集う人々の、「かけがえのない時間」、「やすらぎの心」、「ゆたかなくらし」の実現に貢献することを経営理念に掲げ、その実現を通じて地域とともに発展することが当社グループの社会的責任であると捉え、地域に密着した事業を行っております。
当社グループといたしましては、鉄道をはじめとする事業の社会的使命を認識し、事業活動の誠実な遂行と「安全・安心・快適」、「社会・地域貢献活動」、「リスクマネジメント」など、多岐にわたる取組みにより社会的責任を果たすとともに、経営方針で掲げる「顧客創造企業」として企業価値の向上を図るために、全社をあげて事業を推進してまいります。また、江の島でセーリング競技が行われる東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、関係行政機関との協議はもとより、施設整備や輸送サービス向上施策を継続的に推進し、訪日外国人旅行者を含むお客様の受入体制の強化に引続き努めてまいります。
運輸事業の鉄道事業では、安全管理体制の強化と従業員の安全意識、接遇及びサービスの向上に努め、ハード、ソフト両面で「安全・安心・快適」の更なる向上に努めてまいります。また、「絵はがきになる江ノ電へ」をサービスコンセプトに、各駅が周辺環境と調和した沿線観光地への玄関口となるとともに、更に機能性を高めるべく、藤沢駅・長谷駅・鎌倉駅においてホーム設備をはじめとするお客様施設の改善を進めてまいります。合わせて本コンセプトを踏まえ、今後も引続き行政や沿線地域と連携した諸施策を進め、沿線地域活性化と回遊性の向上による混雑緩和に努めてまいります。更に、近年大きな被害をもたらしている自然災害の対策ならびに保安設備の充実化を図るべく、各種安全対策工事についても計画的に推進し、事業基盤の強化に努めてまいります。
自動車事業では、少子高齢化の進展等引続き厳しい経営環境に置かれておりますが、2019年4月に新たに設置した「研修センター」を核に、運転士のスキル向上による安全管理体制の一層の強化を図り、「安全・安心」の更なる向上に努めてまいります。また、湘南営業所所属車両において一般路線バスの運賃機を代替したことで、乗降者数のデータを取得することが可能となりました。今後も新運賃機の導入を順次進め、乗降者数のデータ分析を踏まえたより利用実態に即したダイヤ編成を検討してまいります。加えて、車両の代替を計画的に推進し、ノンステップ車両や環境に配慮した車両の導入を更に進め、快適性向上はもとより人と環境にやさしいバスとして地域社会に貢献してまいります。
不動産事業では、各賃貸ビルの機能維持に引続き努めてまいります。また、各施設における更なる活性化策や有効活用策についても鋭意検討し、賃貸ビルや「江ノ電クローゼット鵠沼」の稼働率向上に努めてまいります。
レジャー・サービス事業の「湘南藤沢スーベニールズ」では催事の開催や更なる取扱い商品の拡充による収益力の強化に取組んでまいります。また、江の島島内をはじめとする各施設についても、補修・改修を行い、引続き「安全・安心・快適」な運営を行うことにより、好調な利用者数を維持してまいります。加えて、行政及び観光協会等の地元関係機関と一体となった各種イベントを拡充させ、リピート率向上と増収に努めてまいります。
その他の事業におきましても、従業員の教育体制強化によるサービスの品質向上を図るとともに、新規媒体の検討を含めた営業体制を強化し、収益力の強化に努めてまいります。
当社グループといたしましては、これらの諸課題を着実に遂行していくことにより、経営基盤の拡充と業績の向上を図り、経営理念の実現を目指してまいります。また、安全管理体制の強化やリスクマネジメント体制の充実を図りつつ、事業活動を通じて地域社会に貢献することで企業価値向上に努めてまいります。