有価証券報告書-第115期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 11:51
【資料】
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【項目】
110項目

対処すべき課題

今後の見通しにつきまして、わが国経済においては、当面は景気回復基調により、大企業を中心に業績の改善が継続すると思われますが、消費税増税と物価上昇傾向による家計の実質所得の減少により、個人消費の大幅な縮小が懸念され、当社の経営環境は依然として不安定な状況で推移するものと思われます。当面はその推移を注視しながら、社会的使命を果たすとともに、利益を確保し、経営理念の具現化による継続した発展を目指すべく、経営方針で掲げる「顧客創造企業」として、全社をあげて事業を推進してまいります。
運輸事業の鉄道事業においては、今後も施設の老朽化更新、バリアフリー化対応工事、沿線安全対策、ICカード(パスモ)システムに係るソフトウェア改修並びに駅務機器の改修等を推進してまいります。営業面では、「台湾平渓線」との観光提携を継続し、インバウンド旅客の誘客を図るとともに、国内同業他社等とのタイアップにより全国に沿線エリアの魅力を発信してまいります。併せて、江の島島内の各種イベント開催が鉄道へのリピート率向上にも寄与しており、引続き広告宣伝活動の強化により、収益確保に努めてまいります。また、従業員の安全意識及び接遇・サービスの向上に努め、ハード・ソフト両面での「安全・安心・快適」の更なる向上に努めてまいります。また、乗合業においては、少子高齢化並びに原油価格の高騰と消費税及び地球温暖化対策税増税による燃料費の増加を余儀なくされる等、引続き厳しい経営環境に置かれることが予想されております。しかしながら、更なる安全管理体制の確立を図りつつ、お客様の利便性向上や採算性を重視したダイヤ編成に取組むとともに、Nox・PM法規制対応とノンステップ車両への代替を計画的に優先実施し、人と環境にやさしいバスとして地域社会に貢献してまいります。貸切業においては、「貸切バス事業者安全性評価認定制度」二ツ星認定事業者として、関係法令を弛まず遵守し、安全の確保を最優先に営業に取組み、増収に努めてまいります。都市間高速バスにおいても、関係法令の遵守、安全の確保を最優先に営業に取組むとともに、利便性の更なる向上も図ってまいります。一方、人材育成においては、継続的な社員の技能、接遇教育体制を一層強化し、利便性の向上に資するサービスの提供及び接遇の向上を図り、更なる「安全・快適運行」を目指してまいります。
不動産事業においては、JR東海道線辻堂駅・「テラスモール湘南」の開業以降、依然として藤沢駅周辺の入居環境が大変厳しい状況にありますが、藤沢市による「藤沢駅周辺地区再整備構想・基本計画」を見据え、引続きテナント誘致に取組んでまいります。また、藤沢第1ビル屋上のフットサル事業では、好立地を活かした広報活動と、フットサルスクールの拡充開催により、新規顧客を開拓し稼働率アップに努め増収を図ります。
レジャー・サービス事業においては、江の島サムエル・コッキング苑の指定管理者として、施設の安全管理体制の確立及びお客様満足度の更なる向上を図るとともに、藤沢市及び藤沢市観光協会等の地元関係機関と一体となった誘客活動と、夜間営業の継続により、首都圏からのリピート率向上と増収に努めてまいります。また、「イルキャンティ カフェ 江の島」、「江の島ゆうひ茶屋」においては、江の島サムエル・コッキング苑の年間来場者増加による相乗効果を更に発揮させ、観光地としての競争力強化及び収益確保に努めてまいります。
その他の事業におきましても、運輸事業の鉄道事業の沿線エリア来訪者増に向けた各種施策と相乗した営業活動の展開及び販路の拡充とコストの削減に努め、収支の安定を図ってまいります。
当社グループといたしましては、引続き国内外を対象に、沿線の観光資源を活用した誘客策を地元関係機関との協働により企画・実施するとともに、全社をあげて経営目標の実現に取組んでまいります。また、さまざまな諸課題への着実な取組みにより経営基盤の強化と業績の向上を図るとともに、公共交通・観光サービス事業の社会的使命を再度認識し、安全管理体制の維持やリスクマネジメント体制の充実を図りつつ、事業活動における全役員・全従業員の行動指針に沿った行動により、地域社会に貢献し、共存する企業を目指していく所存でございます。