有価証券報告書-第39期(2025/04/01-2026/03/31)
(3) 人的資本
当社グループの成長の原動力は「社員一人ひとりの力」です。
事業運営体制の見直しと人財戦略を連動させながら、「働きがい」と「働きやすさ」を高めることで「社員一人ひとりの力」を最大化させ、社員の成長をグループの成長の原動力とする好循環を実現する取組みを進めています。
当社グループでは、この好循環を「社員と会社の新たなエンゲージメント」と位置づけ、社員一人ひとりがそれぞれの活躍フィールドで「主役」として成長を実感できる企業グループとなるべく構造改革を推し進めることによりグループ経営ビジョン「勇翔2034」を実現していきます。
① ガバナンス
当社グループのガバナンスを強化するためには、人的資本の充実による内部統制の強化が重要です。
2026年3月には、グループガバナンスの改善に向けた取組みを制定しました。「健全な企業風土」、「必要な体制やルール」、「活発なコミュニケーション」を軸にグループガバナンスの確立に向けて改善策を実行し、グループ社員の日々の真面目で誠実な業務遂行により「信頼」を築き上げ、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を進め、安心と感動を持続的に生み出し、すべての人の心豊かな生活を実現します。
健全な企業風土の醸成に向けて、グループ社員が法令・企業倫理等を遵守し、誠実に行動するための「よりどころ」として「JR東日本グループの『決意と約束』」を制定しました。グループで働くすべての社員がこの「決意と約束」を意識し、所属する会社や職種、立場の違い等にかかわりなくお互いを尊重し合うとともに、心理的安全性の高い職場づくりを進めていきます。そして、社員一人ひとりが安心して提案や相談を行える環境を整備することで、社員がエンゲージメント高く目標達成・価値創造に挑戦する風土を創っていきます。
活発なコミュニケーションに関しては、社内・グループ内のコミュニケーションを活性化するとともに、グループ全体で連携しながらその取組みや働きかけを改善・強化していきます。
さらに、当社グループにおける内部統制は、コンプライアンス、事故・災害の発生に備えた体制整備、財政上の損失の防止、財務諸表の健全性の確保などの観点だけに留まりません。社員一人ひとりがその発意や意欲に基づき主体的に業務を変革し事業フロンティアを拡げていくことがグループの成長と構造改革につながるという考え方のもと、社員の果敢なチャレンジを支援する仕組みを当社の内部統制と位置づけています。
そのためには、社員が新たな挑戦を通じた成長や仕事による達成感・充足感を実感できるような人財戦略を推進していくことが不可欠です。
これらの取組みを通じて、トップマネジメントからの発信と社員からの様々な発意や挑戦が、経営というステージで融合することにより、社員の一人ひとりが経営への参画意識をもって活躍できる「社員と会社の新たな関係性」をつくっています。
② 戦略
社員もグループも持続的に成長し、当社グループの全社員がそれぞれのフィールドで「主役」となることができるよう、人財戦略を進めていきます。
新たな人財戦略においては、社員のエンゲージメント向上及びイノベーション創出を通じた付加価値の最大化を目的とする「DEI」と、グループの持続的な成長の基盤となる社員の健康を重視する「健康経営」の二つを土台として位置づけ、これらの強化に取り組んでいます。これにより、グループ社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる環境の整備を進めていきます。
事業運営体制の見直しにおいては、「地域に密着した事業運営」、「スピード感のある経営」、「社員の活躍フィールドの拡大」を実現していきます。これによりグループ社員一人ひとりが経営の主役として未来を切り拓くためのチャレンジができる活躍フィールドを創り、社員が新たな挑戦を通じて成長し、仕事による達成感や充足感を実感することで「働きがい」をさらに向上させていきます。
新たな人事・賃金制度では、社員の就労に対する価値観の変化やライフスタイルの多様化を踏まえ、国鉄由来の制度を抜本的に改正しています。社員一人ひとりの成長と意欲に応え、業務への取組みと成長、そしてその成果をしっかり賃金に反映することで、社員の果敢なチャレンジ意欲を強く後押しするとともに、労働条件の向上や労働環境の整備を通じて「働きやすさ」もさらに向上させていきます。
これらの取組みによりグループの最大の経営資源である多様な人材の活躍を後押しし、グループの全社員が「主役」となり活躍することで社員とグループの持続的な成長を実現し、企業価値の持続的な向上へつなげていきます。
a DEI
多様なお客さまのニーズや世の中の変化に対応し、「当たり前」を超えていくために当社がこれまで築いてきた強みと社員の多様な個性・能力・価値観といったダイバーシティを掛け合わせることで、働き方とビジネスの両面においてイノベーションを創出し、グループの企業価値向上をめざします。
(グループDEIポリシーの策定)
2026年3月にグループ一体でDEIの取組みを推進するため、当社グループのDEIに関わる基本的な考え方として、新たに「JR東日本グループDEIポリシー」を策定しました。グループで働くすべての人がこのポリシーを理解し、健全な企業風土の中で、活発なコミュニケーションを通じて、互いに尊重し挑戦する企業文化をつくっていきます。
(育児、介護などと仕事の両立支援の推進)
様々なライフイベントに対応してすべての社員が活躍し続けられるよう多様な働き方の選択肢を充実させています。育児、介護などと仕事の両立支援をさらに推し進め、社員の活躍と「働きやすさ」の実現をめざしています。育児、介護などと仕事の両立支援については、これまで導入していた法定水準を大きく上回る制度をさらに拡大し、社員のワークライフの両立を実現しています。また、育児、介護などと仕事の両立に対する職場の理解を深める取組みを行っています。充実した制度の導入と職場の理解促進の両輪を進めることで、当社グループで働き続けられる環境を整えています。
(女性社員の活躍推進及び一般事業主行動計画)
会社発足以来、女性活躍推進に力を入れて取り組んだ結果、すべての職域において女性社員が活躍しており、勤続年数も伸長しています。2024年4月からの「第三期一般事業主行動計画」では、女性の採用及び定着を進める取組みを継続し、加えて、より広いフィールドで活躍する女性を育成するとともに責任あるポジションに登用してきました。2026年4月からは新たに策定した「第四期一般事業主行動計画」に基づき、さらなる推進の加速をめざします。
(障がいのある社員の活躍推進)
障がいのある方の積極的な採用を進めるとともに、エクイティの観点から障がいのある方が入社後にその能力を最大限に発揮できるためのサポートを行っています。一人ひとりの社員と双方向のコミュニケーションを取りながら活躍し続けるためのニーズを把握し、フィールドの拡大を行うとともに、様々な職域で能力を発揮できるように就業環境の整備も進めています。障がいのある社員の活躍を後押しすることは、当社グループにおけるDEIを実現するだけでなく、様々なお客さまのニーズに寄り添った多様なサービスを充実させることにもつながっています。
(外国籍社員の活躍推進)
国籍を問わず優秀な人材の獲得に努めています。要望などを踏まえ、昇職試験の受験方法を見直すなど、外国籍社員が十分に能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
また、海外拠点や海外鉄道プロジェクトの運営の中核となるとともに、新たな事業開発をけん引する「海外戦略職」を新設し、2025年度より海外の大学等から優秀な人材の採用を開始しました。
そして、国際鉄道人材の育成を目的に、2019年度から「JR東日本Technical Intern Training」を展開し、技能実習生を受け入れています。加えて、鉄道分野で就労する特定技能人材の育成に向けて、当社以外の鉄道事業者等も参画可能なオープンな教育プラットフォームとして、2026年度以降も特定技能人材育成研修を継続展開していきます。
(LGBTQ+社員等への理解に向けた取組み)
様々な値値観をもった社員が自身の能力を最大限に発揮できるよう、LGBTQ+に対する理解が浸透した働きやすい環境をつくることが当社グループの責務です。これまで配偶者に適用が限られていた人事・賃金制度、福利厚生制度等の適用を同性パートナーに対しても拡大し、働きやすい環境を整備してきました。また、全社員教育等を通じて、様々な価値観をもった社員が「安心して」「ストレスなく」働ける職場づくりを進めています。また、LGBTQ+の当事者ネットワークをグループ全体にも拡げてグループ全体でさらなる理解に向けて取り組んでいます。
b 健康経営
『「からだ」「こころ」「つながり」から創る社員と家族の豊かなミライ』をキャッチフレーズに、当社グループで働く社員一人ひとりを健康創りの主役と位置づけ、「からだ」「こころ」「つながり」の3つのテーマ、及び「ヒトと技術のコラボレーション」「グループ総合力の結集」「オープンイノベーション」の3つのメソッド(手法)により、戦略的な健康経営を推進します。
(健康意識の醸成)
グループ一体となった健康意識の醸成のために、健康フォーラムを開催し、各箇所の健康推進リーダー及び箇所長等が中心に約900名が参加しました。健康創りの取組みに関する講演、職場の健康創り事例の紹介、職場サポートパッケージの体験及びフィットネス体験等を通じて、「からだ」「こころ」「つながり」を中心に健康経営について学びました。健康フォーラムの内容を職場の健康創りや新たな取組みに還元することによりグループ全体の健康意識を向上させていきます。
(職場が中心となった健康創り)
各職場で健康推進リーダーを選任し、健康推進リーダーを中心に健康創りの取組みを実施しています。また、職場ごとに健康創りの目標を設定し、身近な健康課題解決に向けて、職場が一体となって健康創りに取り組んでいます。
(グループ各社の魅力あるコンテンツの展開)
グループ各社が持つリソースをフル活用し、スポーツ、DXソリューション、食生活教育等、「からだ」「こころ」「つながり」のテーマに沿った多くのメニューを設定し、グループ一体となって健康創りの取組みをサポートしています。
(医療機関とグループ社員の連携)
社員の健康管理を担うJR東日本健康推進センターでは産業医、保健師等が専門知識を活かし、保健指導の強化、女性の健康課題やヘルスリテラシーを高める健康教育、データ分析や最新の知見を取り入れた効果的な取組みを提案し、当社グループ社員の健康創りをサポートしています。
またJR東京総合病院、JR仙台病院では、人間ドック、インフルエンザ予防接種、職場の課題を踏まえた健康教育などを通じ、診療の立場から社員と家族の健康を支援しています。
(医療機関と地域の連携)
当社グループで運営を行っているJR東京総合病院とJR仙台病院は、企業立病院としてグループ社員や家族の健康を支えるだけでなく、地域の皆さまへ高度で良質な医療サービスを提供しています。医療と当社のモビリティ事業や生活ソリューション事業との連携を行うことで、「すべての人の心豊かな生活」の実現と新たな価値創造に取り組んでいます。
また、JR東京総合病院は、病棟の建替えにより、より快適な療養環境の整備と診療機能の強化に取り組んでいます。
c 事業運営体制の見直し
経営環境の変化(社会環境、価値観、技術の進展など)に機敏に対応し、現在の「当たり前」を超え「すべての人の心豊かな生活の実現」に向けて、成長を加速させることが求められます。
そのために国鉄時代に由来する都県の行政単位を基本としたエリア区分や第一線の職場、本部・支社、本社による3層構造といったこれまでの「当たり前」を超えていくために、第一線の職場と本部・支社を融合した事業本部と本社の2層構造とし、事業本部をそれぞれの管轄エリアの経営の基本単位することでこれまでの現業・非現業という働き方の「当たり前」を超えていきます。
(地域に密着した事業運営)
これまでの本部・支社単位から、よりきめ細やかで小回りの利く「事業本部」単位で事業を運営します。各事業本部において、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を果敢に進め、ヒト起点のマーケットインを実践していきます。
(スピード感のある経営)
事業本部は、お客さま、地域の皆さまとの接点となる第一線の職場と企画部門が融合した組織とし、より一層スピーディーな事業運営を実現します。本社は、役割を明確にして分化します。戦略機能の特化を進め、経営環境の変化に迅速に対応することで、グループ全体の持続的な成長をめざします。
(社員の活躍フィールドの拡大)
第一線の職場と企画部門の融合を進めるなど、これまでの現業・非現業といった働き方の区別を無くし、事業本部一体となった運営により、意欲や能力を最大限に発揮できるフィールドを構築します。また、社員一人ひとりが経営の「主役」となって事業運営を行っていきます。
d 人事・賃金制度改正
主体的に業務を変革し事業フロンティアを拡げていくために、人的資本の価値最大化に強力に取り組んでいます。そのために、多様な人材の獲得や個々の志向・強みに応じた自律的なキャリア形成、個別支援型の人材育成・柔軟な人事運用を進めています。
また、社員の就労に対する価値観の変化やライフスタイルの多様化を踏まえ、国鉄由来の人事・賃金制度を抜本的に改正し、社員一人ひとりの業務への取組みと成長、そしてその成果をしっかり賃金に反映できるようにするなど、社員の果敢なチャレンジ意欲を強く後押ししていきます。
(多様な人材の採用)
選ばれ続ける企業であり続けるために応募者の志向に柔軟に応じた採用体系にシフトし、多様な人材を獲得しています。
前述の「海外戦略職」の新設に加え、「総合職」では、より多様で優秀な方を採用できるよう、学歴要件の範囲を拡げ、高等学校卒の総合職を新たに採用しました。また、「地域総合職」では、事業運営体制の見直しにあわせて、県単位をベースとした採用を強化し、地域に密着して活躍したい応募者のニーズにさらに応える採用としています。
経験者採用においては、キャリアアップを目的に当社から転職した方に戻ってきていただく「ウェルカムバック採用」も実施しています。
(双方向コミュニケーションをベースとした人材育成サイクル)
社員の成長のためには、個別支援型の人材育成の重要性がますます高まっています。日々の双方向コミュニケーションをベ-スに「課題設定→実践→トレース→評価」の育成サイクルを推進し、上司と部下の関係の質の向上を実現することで、社員の活躍フィールドの拡大や新たな挑戦ができる環境づくりを進めていきます。
(職場主体の学びの場の創出)
社員の伸びゆく力と果敢な挑戦に応えるため、職場主体の学びの場の拡大を図っています。社外の知見も活用しながら、DXやロジカルシンキング、企画業務スキルなどの分野で社員が自身の発意に応じて学ぶことができる多様な研修を用意しています。また、リスキリングを推進し、実務力の向上とオープンマインドの醸成を図っています。
(応募型の各種人材育成プログラム)
技術や海外実務、財務、語学など、社員のキャリア自律に資する応募型の人材育成プログラムを展開しています。修了生は専門性や経験を活かし、幅広いフィールドで活躍しています。また、プログラムの見える化や、より活用しやすい仕組みや制度の導入により、社員の果敢な挑戦を継続的にサポートしています。
(運用の多様化)
社員がモビリティ、生活ソリューションの領域間を柔軟に行き来し活躍できる運用を行っていきます。また、ジョブ型人事運用に加え、2026年度からオペレーションの高度化や技術面での人材育成を担うテクニカルリーダー職、技術サービス企業としての研究・開発を担うフロンティアスタッフ等を新設し、複線型の人事運用を拡充することにより社員の多様なキャリア形成を後押ししていきます。
「地域総合職」においては、県単位をベースとした人事運用を進めています。地域に密着した事業運営の必要性や就労観の変化等を踏まえ、これまで以上に一人ひとりが地域に根差して活躍し、「働きがい」「働きやすさ」を向上させることで、グループの持続的成長につなげていきます。
(高齢者雇用と活躍推進のための運用)
2026年度より高年齢層の社員の働く意欲に応え、豊富な経験やスキルをグループのさらなる成長につなげるため、定年退職の年齢を満65歳に引き上げるとともに、65歳以降の新たな再雇用制度(セカンドキャリアスタッフ制度)を設けました。また、グループ全体で新しい技術を活用した仕事や働き方の見直しを進め、高年齢者層の社員が活躍できる環境を整備していきます。
(グループ一体となった採用活動)
グループ採用においては、グループの総合力を発揮した採用活動の一環としてグループ全体での採用イベントの開催を行っています。また、グループ採用ホームページについて新たにリニューアルを行い、応募者の志向に合わせた情報発信や機能検索を充実させています。
2026年4月には、グループ各社の新入社員にグループ一体でかつてない高みに挑戦する意識を持たせることを目的に「グループ合同入社式」を、当社グループのシンボルと位置づけている「TAKANAWA GATEWAY CITY」にて実施しました。
(グループ一体となった人材育成)
当社及びグループ会社社員の一般社員から管理者まで幅広い層を対象とした集合研修カリキュラムを実施し、新たな価値創造に向けたイノベーションマインド、スキルの強化に取り組んでいます。その他、社内・社外通信研修もグループ会社社員が受講可能な環境を整えています。
(グループ全体での人事運用)
コングロマリットプレミアムの実現をめざし、グループ全体を視野に入れた人事運用を行います。グループ会社との人事交流をさらに活発化させ、グループ経営人材の育成につなげていきます。
二軸経営の推進をさらに進めていくためグループ内の「融合と連携」を進め、当社社員がグループ会社で活躍する機会を増やしていきます。
また、グループ会社の社員も当社や他のグループ会社で活躍できる機会をさらに増やしていくなど、グループ一体で人材を運用・育成していくとともに、将来の当社グループ経営を担う「グループ経営職」を新設し、グループ全体で登用・育成を進めていきます。これらの取組みを通じて、グループ全体での人的資本の最大化に努めています。
(社員のチャレンジ意欲に応える職務能力給の導入)
社員の成長がグループの発展につながるという考え方のもと、基本給を「職務能力給」と改めます。職務能力給では、昇給額を職責に応じて6つに区分し、1 年間の社員の業務への取組みと成長、その成果をきめ細かく昇給に反映できるようにし、社員一人ひとりのチャレンジ意欲に応えていきます。
(社員の能力伸長を後押しする新たな手当の導入)
業務に資する資格の取得も、社員の能力の伸長につながるという考えのもと、一時的な手当ではなく職務能力給の加算により対応します。
また、輸送の安全・安定や高いサービス品質は関係するすべての社員により創り上げられるものであることから、鉄道事業を担う社員それぞれが職場で担う役割を踏まえた手当(業務手当)を新設し、これまでには手当の対象となっていなかった業務にも支給していきます。さらに、職場の所在地により支給してきた国鉄由来の都市手当等を見直し、居住地基準の住宅等手当を新設します。
鉄道業務における泊まりや夜間作業などの不規則勤務については、今後は必ずしも不規則勤務を前提としない日勤を基本とした勤務体制への移行をめざしていきますが、 その中でも残る不規則勤務については、社員の業務負担を踏まえた特別の手当を新設し、対象の勤務に従事する社員に応えていきます。
③ リスク管理
当社グループの持続的な成長のためには、社会的課題である労働力不足のなか、当社グループを持続的に成長させていくための労働力の確保、及びモビリティと生活ソリューションの二軸経営のさらなる推進に向け重点・成長分野へ人材を移動させていくことが必要です。特にモビリティにおいては生成AI等の先端技術を活用し、人手のかからない体制を構築することで重点・成長分野に移動できる人材を生み出していきます。
この実現のために、各領域においてロボットやドローン等を活用するための技術開発や生成AI等による業務プロセスの抜本的な見直しによる生産性向上を進め、人にしかできない業務に注力し、お客さまのニーズ・地域の困りごとへのソリューションを実現していきます。
また、二軸経営によりさらに拡がる事業領域に対応する人材ポートフォリオの策定を行うことで、各領域で求められる人材要件に応じた戦略的なリスキリングを行っていき、当社グループの人的資本を最大化し、適材適所の人材配置を進めていきます。
④ 指標及び目標
(働きがい、働きやすさの向上)
エンゲージメント調査ポジティブ回答率 単体目標 70.0%以上(2032年3月期) 2025年度実績62.5%
(育児、介護など両立支援の推進)
男性の育児休職等取得率 単体目標 85%以上(2027年度末時点)
2025年度実績 (単体)80.3% (連結)81.1%
(社外人材の確保と活躍推進)
経験者採用数 2025年度実績 (単体)252名 (連結)1,005名 ※2026年4月1日入社を含む
管理者に占める経験者採用比率 単体目標 20.0%(2027年度末時点)
2025年度実績(単体)20.9% (連結)24.2%
(女性社員の活躍推進及び一般事業主行動計画)
第三期一般事業主行動計画(計画期間:2024年4月1日~2028年3月31日の4年間)
目標1:採用者に占める女性比率を35%以上とする。(2026年4月1日時点採用者実績 30.1%)
目標2:10事業年度前及びその前後の年度に採用された女性社員の定着率を85%以上とする。
(2025年度実績 80.2%)
目標3:男性社員の育児休職等取得率を85%以上とする。(2025年度実績 80.3%)
目標4:管理職に占める女性比率を10%以上とする。(2026年3月31日時点 9.0%)
目標5:自律的なキャリア形成に資する応募型の研修等に挑戦する社員に占める女性比率を25%以上とする。
(2025年度実績 20.4%)
(障がいのある社員の活躍推進)
障がい者雇用率 単体目標 2.7%(2027年度末時点) 2026年6月時点実績 (単体)2.58%
(外国籍社員の活躍推進)
外国籍在籍社員数 2026年4月1日時点実績 (単体)16か国・地域114名
外国籍社員採用者数 2025年度実績 (単体)22名 (連結)91名 ※2026年4月1日入社含む
(健康経営)
定期健康診断受診率 目標 100% 2025年度実績 (単体)100%
ストレスチェック受検率 目標 95%以上 2025年度実績 (単体)95.4%
(重点・成長分野における社外・社内人材の活用と人材配置)
重点成長分野への人材配置 連結目標 累計2,000名以上(2027年度末時点) 2025年度実績 1,292名
(グループ一体となった人材育成)
社員の能力伸長及び活躍フィールド拡大に資する研修や通信教育講座等の受講者数
目標 累計70,000人(2025年度から2031年度迄)
2025年度実績 (単体)10,656名 達成率15.2%(2025年度末時点)
(職場主体の学びの場の創出)
職場主体の研修実績 2025年度実績 (単体)1,975件(定例的な訓練等を除く)
当社グループの成長の原動力は「社員一人ひとりの力」です。
事業運営体制の見直しと人財戦略を連動させながら、「働きがい」と「働きやすさ」を高めることで「社員一人ひとりの力」を最大化させ、社員の成長をグループの成長の原動力とする好循環を実現する取組みを進めています。
当社グループでは、この好循環を「社員と会社の新たなエンゲージメント」と位置づけ、社員一人ひとりがそれぞれの活躍フィールドで「主役」として成長を実感できる企業グループとなるべく構造改革を推し進めることによりグループ経営ビジョン「勇翔2034」を実現していきます。
① ガバナンス
当社グループのガバナンスを強化するためには、人的資本の充実による内部統制の強化が重要です。
2026年3月には、グループガバナンスの改善に向けた取組みを制定しました。「健全な企業風土」、「必要な体制やルール」、「活発なコミュニケーション」を軸にグループガバナンスの確立に向けて改善策を実行し、グループ社員の日々の真面目で誠実な業務遂行により「信頼」を築き上げ、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を進め、安心と感動を持続的に生み出し、すべての人の心豊かな生活を実現します。
健全な企業風土の醸成に向けて、グループ社員が法令・企業倫理等を遵守し、誠実に行動するための「よりどころ」として「JR東日本グループの『決意と約束』」を制定しました。グループで働くすべての社員がこの「決意と約束」を意識し、所属する会社や職種、立場の違い等にかかわりなくお互いを尊重し合うとともに、心理的安全性の高い職場づくりを進めていきます。そして、社員一人ひとりが安心して提案や相談を行える環境を整備することで、社員がエンゲージメント高く目標達成・価値創造に挑戦する風土を創っていきます。
活発なコミュニケーションに関しては、社内・グループ内のコミュニケーションを活性化するとともに、グループ全体で連携しながらその取組みや働きかけを改善・強化していきます。
さらに、当社グループにおける内部統制は、コンプライアンス、事故・災害の発生に備えた体制整備、財政上の損失の防止、財務諸表の健全性の確保などの観点だけに留まりません。社員一人ひとりがその発意や意欲に基づき主体的に業務を変革し事業フロンティアを拡げていくことがグループの成長と構造改革につながるという考え方のもと、社員の果敢なチャレンジを支援する仕組みを当社の内部統制と位置づけています。
そのためには、社員が新たな挑戦を通じた成長や仕事による達成感・充足感を実感できるような人財戦略を推進していくことが不可欠です。
これらの取組みを通じて、トップマネジメントからの発信と社員からの様々な発意や挑戦が、経営というステージで融合することにより、社員の一人ひとりが経営への参画意識をもって活躍できる「社員と会社の新たな関係性」をつくっています。
② 戦略
社員もグループも持続的に成長し、当社グループの全社員がそれぞれのフィールドで「主役」となることができるよう、人財戦略を進めていきます。
新たな人財戦略においては、社員のエンゲージメント向上及びイノベーション創出を通じた付加価値の最大化を目的とする「DEI」と、グループの持続的な成長の基盤となる社員の健康を重視する「健康経営」の二つを土台として位置づけ、これらの強化に取り組んでいます。これにより、グループ社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる環境の整備を進めていきます。
事業運営体制の見直しにおいては、「地域に密着した事業運営」、「スピード感のある経営」、「社員の活躍フィールドの拡大」を実現していきます。これによりグループ社員一人ひとりが経営の主役として未来を切り拓くためのチャレンジができる活躍フィールドを創り、社員が新たな挑戦を通じて成長し、仕事による達成感や充足感を実感することで「働きがい」をさらに向上させていきます。
新たな人事・賃金制度では、社員の就労に対する価値観の変化やライフスタイルの多様化を踏まえ、国鉄由来の制度を抜本的に改正しています。社員一人ひとりの成長と意欲に応え、業務への取組みと成長、そしてその成果をしっかり賃金に反映することで、社員の果敢なチャレンジ意欲を強く後押しするとともに、労働条件の向上や労働環境の整備を通じて「働きやすさ」もさらに向上させていきます。
これらの取組みによりグループの最大の経営資源である多様な人材の活躍を後押しし、グループの全社員が「主役」となり活躍することで社員とグループの持続的な成長を実現し、企業価値の持続的な向上へつなげていきます。
a DEI多様なお客さまのニーズや世の中の変化に対応し、「当たり前」を超えていくために当社がこれまで築いてきた強みと社員の多様な個性・能力・価値観といったダイバーシティを掛け合わせることで、働き方とビジネスの両面においてイノベーションを創出し、グループの企業価値向上をめざします。
(グループDEIポリシーの策定)2026年3月にグループ一体でDEIの取組みを推進するため、当社グループのDEIに関わる基本的な考え方として、新たに「JR東日本グループDEIポリシー」を策定しました。グループで働くすべての人がこのポリシーを理解し、健全な企業風土の中で、活発なコミュニケーションを通じて、互いに尊重し挑戦する企業文化をつくっていきます。
(育児、介護などと仕事の両立支援の推進)
様々なライフイベントに対応してすべての社員が活躍し続けられるよう多様な働き方の選択肢を充実させています。育児、介護などと仕事の両立支援をさらに推し進め、社員の活躍と「働きやすさ」の実現をめざしています。育児、介護などと仕事の両立支援については、これまで導入していた法定水準を大きく上回る制度をさらに拡大し、社員のワークライフの両立を実現しています。また、育児、介護などと仕事の両立に対する職場の理解を深める取組みを行っています。充実した制度の導入と職場の理解促進の両輪を進めることで、当社グループで働き続けられる環境を整えています。
(女性社員の活躍推進及び一般事業主行動計画)
会社発足以来、女性活躍推進に力を入れて取り組んだ結果、すべての職域において女性社員が活躍しており、勤続年数も伸長しています。2024年4月からの「第三期一般事業主行動計画」では、女性の採用及び定着を進める取組みを継続し、加えて、より広いフィールドで活躍する女性を育成するとともに責任あるポジションに登用してきました。2026年4月からは新たに策定した「第四期一般事業主行動計画」に基づき、さらなる推進の加速をめざします。
(障がいのある社員の活躍推進)
障がいのある方の積極的な採用を進めるとともに、エクイティの観点から障がいのある方が入社後にその能力を最大限に発揮できるためのサポートを行っています。一人ひとりの社員と双方向のコミュニケーションを取りながら活躍し続けるためのニーズを把握し、フィールドの拡大を行うとともに、様々な職域で能力を発揮できるように就業環境の整備も進めています。障がいのある社員の活躍を後押しすることは、当社グループにおけるDEIを実現するだけでなく、様々なお客さまのニーズに寄り添った多様なサービスを充実させることにもつながっています。
(外国籍社員の活躍推進)
国籍を問わず優秀な人材の獲得に努めています。要望などを踏まえ、昇職試験の受験方法を見直すなど、外国籍社員が十分に能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
また、海外拠点や海外鉄道プロジェクトの運営の中核となるとともに、新たな事業開発をけん引する「海外戦略職」を新設し、2025年度より海外の大学等から優秀な人材の採用を開始しました。
そして、国際鉄道人材の育成を目的に、2019年度から「JR東日本Technical Intern Training」を展開し、技能実習生を受け入れています。加えて、鉄道分野で就労する特定技能人材の育成に向けて、当社以外の鉄道事業者等も参画可能なオープンな教育プラットフォームとして、2026年度以降も特定技能人材育成研修を継続展開していきます。
(LGBTQ+社員等への理解に向けた取組み)
様々な値値観をもった社員が自身の能力を最大限に発揮できるよう、LGBTQ+に対する理解が浸透した働きやすい環境をつくることが当社グループの責務です。これまで配偶者に適用が限られていた人事・賃金制度、福利厚生制度等の適用を同性パートナーに対しても拡大し、働きやすい環境を整備してきました。また、全社員教育等を通じて、様々な価値観をもった社員が「安心して」「ストレスなく」働ける職場づくりを進めています。また、LGBTQ+の当事者ネットワークをグループ全体にも拡げてグループ全体でさらなる理解に向けて取り組んでいます。
b 健康経営
『「からだ」「こころ」「つながり」から創る社員と家族の豊かなミライ』をキャッチフレーズに、当社グループで働く社員一人ひとりを健康創りの主役と位置づけ、「からだ」「こころ」「つながり」の3つのテーマ、及び「ヒトと技術のコラボレーション」「グループ総合力の結集」「オープンイノベーション」の3つのメソッド(手法)により、戦略的な健康経営を推進します。
(健康意識の醸成)
グループ一体となった健康意識の醸成のために、健康フォーラムを開催し、各箇所の健康推進リーダー及び箇所長等が中心に約900名が参加しました。健康創りの取組みに関する講演、職場の健康創り事例の紹介、職場サポートパッケージの体験及びフィットネス体験等を通じて、「からだ」「こころ」「つながり」を中心に健康経営について学びました。健康フォーラムの内容を職場の健康創りや新たな取組みに還元することによりグループ全体の健康意識を向上させていきます。
(職場が中心となった健康創り)
各職場で健康推進リーダーを選任し、健康推進リーダーを中心に健康創りの取組みを実施しています。また、職場ごとに健康創りの目標を設定し、身近な健康課題解決に向けて、職場が一体となって健康創りに取り組んでいます。
(グループ各社の魅力あるコンテンツの展開)
グループ各社が持つリソースをフル活用し、スポーツ、DXソリューション、食生活教育等、「からだ」「こころ」「つながり」のテーマに沿った多くのメニューを設定し、グループ一体となって健康創りの取組みをサポートしています。
(医療機関とグループ社員の連携)
社員の健康管理を担うJR東日本健康推進センターでは産業医、保健師等が専門知識を活かし、保健指導の強化、女性の健康課題やヘルスリテラシーを高める健康教育、データ分析や最新の知見を取り入れた効果的な取組みを提案し、当社グループ社員の健康創りをサポートしています。
またJR東京総合病院、JR仙台病院では、人間ドック、インフルエンザ予防接種、職場の課題を踏まえた健康教育などを通じ、診療の立場から社員と家族の健康を支援しています。
(医療機関と地域の連携)
当社グループで運営を行っているJR東京総合病院とJR仙台病院は、企業立病院としてグループ社員や家族の健康を支えるだけでなく、地域の皆さまへ高度で良質な医療サービスを提供しています。医療と当社のモビリティ事業や生活ソリューション事業との連携を行うことで、「すべての人の心豊かな生活」の実現と新たな価値創造に取り組んでいます。
また、JR東京総合病院は、病棟の建替えにより、より快適な療養環境の整備と診療機能の強化に取り組んでいます。
c 事業運営体制の見直し
経営環境の変化(社会環境、価値観、技術の進展など)に機敏に対応し、現在の「当たり前」を超え「すべての人の心豊かな生活の実現」に向けて、成長を加速させることが求められます。
そのために国鉄時代に由来する都県の行政単位を基本としたエリア区分や第一線の職場、本部・支社、本社による3層構造といったこれまでの「当たり前」を超えていくために、第一線の職場と本部・支社を融合した事業本部と本社の2層構造とし、事業本部をそれぞれの管轄エリアの経営の基本単位することでこれまでの現業・非現業という働き方の「当たり前」を超えていきます。
(地域に密着した事業運営)
これまでの本部・支社単位から、よりきめ細やかで小回りの利く「事業本部」単位で事業を運営します。各事業本部において、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を果敢に進め、ヒト起点のマーケットインを実践していきます。
(スピード感のある経営)
事業本部は、お客さま、地域の皆さまとの接点となる第一線の職場と企画部門が融合した組織とし、より一層スピーディーな事業運営を実現します。本社は、役割を明確にして分化します。戦略機能の特化を進め、経営環境の変化に迅速に対応することで、グループ全体の持続的な成長をめざします。
(社員の活躍フィールドの拡大)
第一線の職場と企画部門の融合を進めるなど、これまでの現業・非現業といった働き方の区別を無くし、事業本部一体となった運営により、意欲や能力を最大限に発揮できるフィールドを構築します。また、社員一人ひとりが経営の「主役」となって事業運営を行っていきます。
d 人事・賃金制度改正
主体的に業務を変革し事業フロンティアを拡げていくために、人的資本の価値最大化に強力に取り組んでいます。そのために、多様な人材の獲得や個々の志向・強みに応じた自律的なキャリア形成、個別支援型の人材育成・柔軟な人事運用を進めています。
また、社員の就労に対する価値観の変化やライフスタイルの多様化を踏まえ、国鉄由来の人事・賃金制度を抜本的に改正し、社員一人ひとりの業務への取組みと成長、そしてその成果をしっかり賃金に反映できるようにするなど、社員の果敢なチャレンジ意欲を強く後押ししていきます。
(多様な人材の採用)
選ばれ続ける企業であり続けるために応募者の志向に柔軟に応じた採用体系にシフトし、多様な人材を獲得しています。
前述の「海外戦略職」の新設に加え、「総合職」では、より多様で優秀な方を採用できるよう、学歴要件の範囲を拡げ、高等学校卒の総合職を新たに採用しました。また、「地域総合職」では、事業運営体制の見直しにあわせて、県単位をベースとした採用を強化し、地域に密着して活躍したい応募者のニーズにさらに応える採用としています。
経験者採用においては、キャリアアップを目的に当社から転職した方に戻ってきていただく「ウェルカムバック採用」も実施しています。
(双方向コミュニケーションをベースとした人材育成サイクル)
社員の成長のためには、個別支援型の人材育成の重要性がますます高まっています。日々の双方向コミュニケーションをベ-スに「課題設定→実践→トレース→評価」の育成サイクルを推進し、上司と部下の関係の質の向上を実現することで、社員の活躍フィールドの拡大や新たな挑戦ができる環境づくりを進めていきます。
(職場主体の学びの場の創出)
社員の伸びゆく力と果敢な挑戦に応えるため、職場主体の学びの場の拡大を図っています。社外の知見も活用しながら、DXやロジカルシンキング、企画業務スキルなどの分野で社員が自身の発意に応じて学ぶことができる多様な研修を用意しています。また、リスキリングを推進し、実務力の向上とオープンマインドの醸成を図っています。
(応募型の各種人材育成プログラム)
技術や海外実務、財務、語学など、社員のキャリア自律に資する応募型の人材育成プログラムを展開しています。修了生は専門性や経験を活かし、幅広いフィールドで活躍しています。また、プログラムの見える化や、より活用しやすい仕組みや制度の導入により、社員の果敢な挑戦を継続的にサポートしています。
(運用の多様化)
社員がモビリティ、生活ソリューションの領域間を柔軟に行き来し活躍できる運用を行っていきます。また、ジョブ型人事運用に加え、2026年度からオペレーションの高度化や技術面での人材育成を担うテクニカルリーダー職、技術サービス企業としての研究・開発を担うフロンティアスタッフ等を新設し、複線型の人事運用を拡充することにより社員の多様なキャリア形成を後押ししていきます。
「地域総合職」においては、県単位をベースとした人事運用を進めています。地域に密着した事業運営の必要性や就労観の変化等を踏まえ、これまで以上に一人ひとりが地域に根差して活躍し、「働きがい」「働きやすさ」を向上させることで、グループの持続的成長につなげていきます。
(高齢者雇用と活躍推進のための運用)
2026年度より高年齢層の社員の働く意欲に応え、豊富な経験やスキルをグループのさらなる成長につなげるため、定年退職の年齢を満65歳に引き上げるとともに、65歳以降の新たな再雇用制度(セカンドキャリアスタッフ制度)を設けました。また、グループ全体で新しい技術を活用した仕事や働き方の見直しを進め、高年齢者層の社員が活躍できる環境を整備していきます。
(グループ一体となった採用活動)
グループ採用においては、グループの総合力を発揮した採用活動の一環としてグループ全体での採用イベントの開催を行っています。また、グループ採用ホームページについて新たにリニューアルを行い、応募者の志向に合わせた情報発信や機能検索を充実させています。
2026年4月には、グループ各社の新入社員にグループ一体でかつてない高みに挑戦する意識を持たせることを目的に「グループ合同入社式」を、当社グループのシンボルと位置づけている「TAKANAWA GATEWAY CITY」にて実施しました。
(グループ一体となった人材育成)
当社及びグループ会社社員の一般社員から管理者まで幅広い層を対象とした集合研修カリキュラムを実施し、新たな価値創造に向けたイノベーションマインド、スキルの強化に取り組んでいます。その他、社内・社外通信研修もグループ会社社員が受講可能な環境を整えています。
(グループ全体での人事運用)
コングロマリットプレミアムの実現をめざし、グループ全体を視野に入れた人事運用を行います。グループ会社との人事交流をさらに活発化させ、グループ経営人材の育成につなげていきます。
二軸経営の推進をさらに進めていくためグループ内の「融合と連携」を進め、当社社員がグループ会社で活躍する機会を増やしていきます。
また、グループ会社の社員も当社や他のグループ会社で活躍できる機会をさらに増やしていくなど、グループ一体で人材を運用・育成していくとともに、将来の当社グループ経営を担う「グループ経営職」を新設し、グループ全体で登用・育成を進めていきます。これらの取組みを通じて、グループ全体での人的資本の最大化に努めています。
(社員のチャレンジ意欲に応える職務能力給の導入)
社員の成長がグループの発展につながるという考え方のもと、基本給を「職務能力給」と改めます。職務能力給では、昇給額を職責に応じて6つに区分し、1 年間の社員の業務への取組みと成長、その成果をきめ細かく昇給に反映できるようにし、社員一人ひとりのチャレンジ意欲に応えていきます。
(社員の能力伸長を後押しする新たな手当の導入)
業務に資する資格の取得も、社員の能力の伸長につながるという考えのもと、一時的な手当ではなく職務能力給の加算により対応します。
また、輸送の安全・安定や高いサービス品質は関係するすべての社員により創り上げられるものであることから、鉄道事業を担う社員それぞれが職場で担う役割を踏まえた手当(業務手当)を新設し、これまでには手当の対象となっていなかった業務にも支給していきます。さらに、職場の所在地により支給してきた国鉄由来の都市手当等を見直し、居住地基準の住宅等手当を新設します。
鉄道業務における泊まりや夜間作業などの不規則勤務については、今後は必ずしも不規則勤務を前提としない日勤を基本とした勤務体制への移行をめざしていきますが、 その中でも残る不規則勤務については、社員の業務負担を踏まえた特別の手当を新設し、対象の勤務に従事する社員に応えていきます。
③ リスク管理
当社グループの持続的な成長のためには、社会的課題である労働力不足のなか、当社グループを持続的に成長させていくための労働力の確保、及びモビリティと生活ソリューションの二軸経営のさらなる推進に向け重点・成長分野へ人材を移動させていくことが必要です。特にモビリティにおいては生成AI等の先端技術を活用し、人手のかからない体制を構築することで重点・成長分野に移動できる人材を生み出していきます。
この実現のために、各領域においてロボットやドローン等を活用するための技術開発や生成AI等による業務プロセスの抜本的な見直しによる生産性向上を進め、人にしかできない業務に注力し、お客さまのニーズ・地域の困りごとへのソリューションを実現していきます。
また、二軸経営によりさらに拡がる事業領域に対応する人材ポートフォリオの策定を行うことで、各領域で求められる人材要件に応じた戦略的なリスキリングを行っていき、当社グループの人的資本を最大化し、適材適所の人材配置を進めていきます。
④ 指標及び目標
(働きがい、働きやすさの向上)
エンゲージメント調査ポジティブ回答率 単体目標 70.0%以上(2032年3月期) 2025年度実績62.5%
(育児、介護など両立支援の推進)
男性の育児休職等取得率 単体目標 85%以上(2027年度末時点)
2025年度実績 (単体)80.3% (連結)81.1%
(社外人材の確保と活躍推進)
経験者採用数 2025年度実績 (単体)252名 (連結)1,005名 ※2026年4月1日入社を含む
管理者に占める経験者採用比率 単体目標 20.0%(2027年度末時点)
2025年度実績(単体)20.9% (連結)24.2%
(女性社員の活躍推進及び一般事業主行動計画)
第三期一般事業主行動計画(計画期間:2024年4月1日~2028年3月31日の4年間)
目標1:採用者に占める女性比率を35%以上とする。(2026年4月1日時点採用者実績 30.1%)
目標2:10事業年度前及びその前後の年度に採用された女性社員の定着率を85%以上とする。
(2025年度実績 80.2%)
目標3:男性社員の育児休職等取得率を85%以上とする。(2025年度実績 80.3%)
目標4:管理職に占める女性比率を10%以上とする。(2026年3月31日時点 9.0%)
目標5:自律的なキャリア形成に資する応募型の研修等に挑戦する社員に占める女性比率を25%以上とする。
(2025年度実績 20.4%)
(障がいのある社員の活躍推進)
障がい者雇用率 単体目標 2.7%(2027年度末時点) 2026年6月時点実績 (単体)2.58%
(外国籍社員の活躍推進)
外国籍在籍社員数 2026年4月1日時点実績 (単体)16か国・地域114名
外国籍社員採用者数 2025年度実績 (単体)22名 (連結)91名 ※2026年4月1日入社含む
(健康経営)
定期健康診断受診率 目標 100% 2025年度実績 (単体)100%
ストレスチェック受検率 目標 95%以上 2025年度実績 (単体)95.4%
(重点・成長分野における社外・社内人材の活用と人材配置)
重点成長分野への人材配置 連結目標 累計2,000名以上(2027年度末時点) 2025年度実績 1,292名
(グループ一体となった人材育成)
社員の能力伸長及び活躍フィールド拡大に資する研修や通信教育講座等の受講者数
目標 累計70,000人(2025年度から2031年度迄)
2025年度実績 (単体)10,656名 達成率15.2%(2025年度末時点)
(職場主体の学びの場の創出)
職場主体の研修実績 2025年度実績 (単体)1,975件(定例的な訓練等を除く)