有価証券報告書-第113期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/17 15:41
【資料】
PDFをみる
【項目】
154項目
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策、金融政策等により企業収益、雇用環境が緩やかな回復基調で推移しましたが、米中を中心とした通商問題の影響による海外経済の減速に加え、消費増税の影響等による消費者マインドの落ち込み、そして第4四半期に入ると新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による個人消費や外需の減少、東京オリンピック・パラリンピックの延期、政府による外出自粛要請等、景気は急速に悪化しており極めて厳しい状況にあります。
このような情勢の中、当社グループといたしましては、将来のモビリティのサービス化(MaaS)や自動運転分野の更なる発展による事業構造の大きな変化の流れに対応して行くため、2019年度を初年度とする中期3ヶ年経営計画「中期経営計画2021」に取り組んでおります。
当連結会計年度の売上高は、主要事業である旅客運送において、第4四半期における新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛の影響等により利用客が大幅に減少したこと、及び恒常的な乗務員不足の影響で車両の稼働率が低下したことにより、前期比5.3%減の16,026百万円となりました。経費面においては、高性能高燃費車両の導入効果により燃料油脂費や資材費が減少したものの、営業利益は前期比83.2%減の63百万円、経常利益は前期比75.8%減の87百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、2019年4月に連結子会社である大和物産株式会社が所有するLPGスタンドを予定通りに引渡しを完了し、固定資産売却益1,162百万円を特別利益に計上した結果、前期比159.7%増の635百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの業績をより適切に評価するため、事業セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行っております。以下の前期比較については、変更後の算定方法に基づき算定した前連結会計年度の数値を用いて比較しております。
①旅客自動車運送事業
タクシー部門では、第3四半期まで増加傾向にあった稼動台当りの売上高について、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により低下し、前期比で1.4%減少した上に、乗務員不足の影響による車両の稼働率が3.0%低下したことから、全タクシー子会社6社の売上高は前期比7.5%減の8,987百万円となりました。乗務員不足の課題解決の施策としては、引き続き新卒乗務員や女性乗務員の積極採用に取り組んでおります。営業面では、配車アプリによる事前確定運賃サービスを開始いたしました。このサービスは、乗車前に目的地までの運賃が確定するため、お客様の利便性が更に向上し、配車件数の増加に寄与しております。また、需要予測システムを全車両に搭載し運用開始いたしました。このシステムは乗客の多い場所を乗務員に知らせるため新人乗務員等の営業能力向上に繋がっております。また、後部座席タブレット端末やIPタブレット端末の導入並びに各種電子マネー会社との契約を推し進め、様々な電子マネー決済手段に対応できるサービスの提供範囲を更に拡大いたしました。新たな事業展開としては、訪日外国人のお客様対応を目的とした多言語音声翻訳システム実証実験や、上海大衆グループとの提携による観光タクシーや空港送迎タクシーサービスを開始しております。引き続き、交通事業者としてモビリティのサービス化(MaaS)や自動運転分野の実証実験へ積極的に参画し、異業種との連携や地方自治体との意見交換を深めることで、新たな移動サービスの提供の実現に努めてまいります。輸送の安全確保面では、継続して乗務員教育を徹底したことや先進安全機能が搭載されたトヨタJPN-TAXI車両の導入を推進したことにより、追突事故等の有責事故件数が減少いたしました。加えて車両のドア形状がスライドドアであるため、お客様の乗降時の自転車等との接触事故件数も減少いたしました。
ハイヤー部門では、福祉輸送得意先の送迎車両台数が増加したことから、売上高は前期比2.4%増の2,710百万円となりました。経費面では、新規入社乗務員募集費や採用乗務員研修費、同業他社との価格競争に対処するための営業費用が増加いたしましたが、既存得意先に対して新たな料金体系を提案することにより、利益率の改善・向上に努めてまいりました。営業面では、新規得意先の開拓に加えて、過去の売上高資料分析から休眠得意先を掘り起こし、積極的に再訪問をすることで顧客基盤の充実・拡大に努めた結果、新規顧客や官公庁案件を獲得することができました。福祉輸送部門においては、サービスの向上と輸送の効率化等を図るため、児童送迎の配車予約や保護者へ車両到着の通知を送信できる福祉児童送迎配車アプリ「togethere」を構築・導入し、港区地区の対応車両全車運用を開始いたしました。また、乗務員不足の課題解決のため、乗務員未経験者に対する教育体制を構築するとともに、給与補償期間を延長することにいたしました。
タクシー部門とハイヤー部門等の旅客自動車運送事業売上高は前期比5.2%減の11,945百万円となり、第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大による個人消費や外需の減少により営業損失は81百万円(前期は107百万円の営業利益)となりました。旅客自動車運送部門の最重要課題である乗務員確保、高齢化社会の到来に伴い多様化する生活サポート・福祉関連ニーズの高まりに応えるため、大和グループの総力を挙げ、「安心・安全、おもてなし」の更なる向上に努めてまいります。
②不動産事業
不動産事業では、引き続きテナントの要望に沿った施設の改善と当社基準の品質管理の徹底に努め、事業収益体制の増強に取り組んでおります。大手仲介不動産会社や各物件所在の地元不動産会社と継続して積極的な情報交換を行うことにより、オフィスビル、マンション系ともに高い稼働率を維持しております。その結果、賃貸収入売上は堅調に推移したものの、販売用不動産売上が減少したため、不動産事業売上高は前期比0.5%減の931百万円となりました。営業利益につきましては、前期比5.6%増の577百万円となりました。
③販売事業
自動車燃料販売部門では、2019年3月に東京都墨田区のLPGスタンドを閉鎖しております。売上高の減少を最小限に抑えるため、他社スタンドの利用動向調査をもとに既存スタンドにおける販売促進キャンペーンを実施するとともに、より一層のきめ細かいサービスを提供する等、顧客営業を強化しております。依然として原油価格が不安定に推移し、仕入原価が上昇しておりますが、営業利益の確保に向けて更なる業務の効率化に努めてまいります。金属製品製造販売部門では、安定的な収益基盤を確立するため、高利益率の見込める特注品等の受注生産を積極的に展開しております。共同出資企業のベトナム工場の生産高は堅調に推移しておりますが、住宅の建設面積の縮小から主力商品である標準階段の生産高が減少しました。その結果、販売事業売上高は前期比7.1%減の3,150百万円、営業利益は前期比43.3%減の46百万円となりました。
(注) 売上高に消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
①資産
当連結会計年度末の総資産は23,035百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,088百万円の増加となりました。これは主に当社の連結子会社である大和物産株式会社において新規不動産を購入し土地が737百万円増加したことにより固定資産が651百万円増加したこと、また現金及び預金が535百万円増加したことにより流動資産が437百万円増加したことによるものであります。
②負債
負債合計は前連結会計年度末に比べ491百万円増加の14,176百万円となりました。これは主に長期借入金が552百万円増加したこと等によるものであります。
③純資産
純資産合計は前連結会計年度末に比べ596百万円増加の8,858百万円となりました。これは主に利益剰余金が577百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の37.4%から38.3%に増加しております。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,485百万円となり、前連結会計年度に比べ545百万円増加いたしました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は849百万円(前連結会計年度は855百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,164百万円、減価償却費826百万円を計上した一方、固定資産除売却損益1,132百万円を計上したことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は110百万円(前連結会計年度は340百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出1,174百万円があった一方、固定資産の売却による収入1,130百万円があったことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の支出は193百万円(前連結会計年度は1,269百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入4,190百万円があった一方、長期借入金の返済による支出3,673百万円、リース債務の返済による支出537百万円、社債の償還による支出120百万円があったことによるものであります。
(単位:百万円)
1年以内返済・償還1年超返済・償還合計
社債1,0306741,704
短期借入金240-240
長期借入金7644,6015,365
リース債務5091,2971,807
合計2,5446,5739,117

重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況に伴う個人消費の動向や外需の減少、政府による外出自粛要請等の外的要因に晒され、2020年4月16日からはタクシー部門で概ね50%程度の計画的供給調整(稼動タクシー車両台数の減少)を実施せざるを得ない等、厳しい状況が続いております。この影響により、2020年度の当社グループの事業計画及び収支計画が確定できない状況となっておりますが、新型コロナウイルス感染症が終息した後に、機を逸することなく事業を再び成長軌道に乗せるための準備を着実に進める必要があります。
2020年度については、財務体制の強化に重点を置き、キャッシュ・フローへの影響が及ぶ前に、慢性的乗務員不足解消に向けての投資、株主還元の維持、手許の運転資金不足への備えとして、4,100百万円の借入枠を確保し、キャッシュ・フローへの影響を最小限に留めつつ、資本コストと財務の柔軟性のバランスを考慮した適切な資本構成を維持する方針であります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なもの
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループの経営陣は、連結財務諸表を作成するにあたり、決算日における資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り並びに仮定を設定の上、評価を行っておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
① 固定資産の減損
当社グループは、資産又は資産グループが使用されている事業の経営環境及び営業活動から生ずる損益等から減損の兆候判定を行っており、減損の兆候が識別された場合、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。将来の市況悪化等により減損の兆候及び認識の判定の前提となる事業計画等が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。
なお、当社グループは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※4減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失72百万円を計上いたしました。
② 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断する際、将来の課税所得の合理的な見積りを行っております。よって、将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 貸倒引当金の計上
当社グループは、売上債権及び貸付金等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財政状況の悪化等の事情によってその支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
④ 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループは、簡便法を採用している連結子会社を除き、確定給付制度の退職給付債務および関連する勤務費用について、数理計算上の仮定を用いて算定しております。これらの仮定には、割引率、退職率、死亡率、予想昇給率等の要素が含まれております。実際の結果がこれらの仮定と異なる場合または変更された場合、その影響額は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 生産、受注及び販売の状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない事業も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。