有価証券報告書-第112期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 15:49
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境や企業収益は緩やかな回復基調で推移する中で、依然として労働需給はひっ迫している状況であります。また、世界経済においては米中の貿易摩擦が深刻化していることや英国のEU離脱をめぐる混乱などにより依然として先行き不透明な状況であります。
その様な環境の中、当社グループといたしましては、最終年度を迎えた中期3ヶ年経営計画“Start80”を「次なる飛躍のための準備期間」と位置づけ、乗務員採用と人材の育成、先端技術の導入や実証実験への参画などの各種施策に積極的に取り組み、一定の成果を収めてきております。
当連結会計年度の売上高は、16,928百万円と前年同期比1.2%の増加となりましたが、将来の発展に繋がる先行投資として乗務員募集活動の強化及び福祉介護乗務員・要員の確保、台湾大車隊との業務提携及び自動運転実証実験の費用が発生しております。その結果、営業利益は378百万円(前年同期比32.7%減)、経常利益は360百万円(前年同期比28.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は244百万円(前年同期比60.7%減)となりました。
当社グループは、“Start80”の最終年度である2018年度において、自己資本当期純利益率(ROE)5.0%以上、1株当たり当期純利益(EPS)50円以上の達成、有利子負債の2016年3月期比2,000百万円削減等を経営目標に掲げ取り組んでまいりました。
しかしながら、当連結会計年度の経営成績は、策定時の想定を超える厳しい市場環境の中、将来の発展に繋がる先行投資として乗務員募集活動の強化及び福祉介護乗務員・要員の確保、台湾大車隊との業務提携及び自動運転実証実験の費用が発生したこと等により、2019年3月期のROEは3.0%と2.0%未達となったものの、EPSは59.21円と目標の50円以上を達成しました。また、有利子負債は2017年度に自己株式取得資金として600百万円を借り入れたこと等により、2016年3月期比で1,728百万円の削減に留まりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①旅客自動車運送事業
タクシー部門では、実働台当りの営収が前年同期比2.4%増加したことにより、全タクシー子会社6社の売上高は9,718百万円(前年同期比0.3%増)となりました。しかしながら依然厳しい稼働率の向上施策として、引き続き新卒乗務員、女性乗務員の募集を含め採用強化に取り組んでおります。また、昨年10月には変動迎車アプリを開発し、都内4事業所で変動迎車料金実証実験、同じく10月に多摩2事業所で定額タクシー実証実験を行い、ライドシェア対策11項目について率先して参加いたしました。更に今年の3月に無線デジタル配車システムをすべてIPモバイル無線に切り替えを実施し、みんなのタクシー株式会社が提供する配車・ネット決済・後部座席タブレット広告事業や海外連携など、次世代サービスの充実に向け対応を行っております。加えて昨年5月に本社前で行ったタクシー事業者初の自動運転実証実験を皮切りに、9月に豊洲の自動運転実証実験に参加し、12月には株式会社日本総合研究所と自動運転技術を活用した移動サービス検討に関する協力覚書の締結をしました。その後、12月に神戸地域の自動運転実証実験にテストドライバーとして参加しました。また、本年1月以降も国立大学法人群馬大学から依頼を受け、自動運転実証実験に参加しております。
ハイヤー部門では、新たな福祉送迎先の確保が寄与したことから売上高は2,646百万円(前年同期比4.6%増)となりました。しかしながら福祉輸送の新規契約による新たな車両購入及び設備投資、新規入社乗務員募集費や採用乗務員研修費、燃料費の高騰による経費が増加しました。従来より価格競争が常態化する中で既存取引先企業への営業基盤を強固にし、顧客の要望にきめ細かく対応しております。同時に訪日外国人旅行客や国内旅行客のハイヤー需要を高めるべく、旅行代理店への営業活動を強化してまいりました。今後も、引き続き個人顧客の獲得、富裕層・外国人旅行客への受注獲得に取り組んでまいります。株式会社モーションとのITシステムを利用したより良い福祉輸送サービスの提供や、GPSと各種センサーを組み入れたリアルタイム車両運行管理システムの導入により、運行管理や顧客管理の効率化に取り組んでまいります。
タクシー部門とハイヤー部門などの旅客自動車運送事業売上高は12,601百万円(前年同期比1.1%増)となりましたが、将来に向けたアプリ開発の設備投資や自動運転関連費用が発生したことにより営業損失は131百万円(前年同期は営業利益5百万円)となりました。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に来場する国内外の様々なお客様への「おもてなし」向上を目指し、きめ細かな教育・講習をドライバーに実施し、お客様を第一とするサービスの提供を強化してまいります。
②不動産事業
不動産事業では、テナントの要望に沿った施設の改善と当社基準の品質管理を徹底し、事業収益の増強を進めてまいりました。また、大手仲介不動産会社を始め各物件所在の地元不動産会社との、積極的な情報交換を行った結果、オフィスビルは満室稼働となり、マンション系は高稼働を継続しております。しかしながら、前期に保有資産を譲渡していることから、不動産事業売上高は936百万円(前年同期比4.1%減)、営業利益は378百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
③販売事業
自動車燃料販売部門では、依然として原油価格が不安定に推移し仕入原価が上昇している中、営業利益の確保に向け更なる効率化に努めるとともに、顧客へのより一層のきめ細かいサービスの提供を推進するなど、営業を強化してまいりました。
金属製品製造販売部門では、共同出資企業のベトナム工場の生産高は堅調に推移しましたが、集合住宅着工戸数が伸び悩み集合住宅部材の受注が減少いたしました。しかしながら販売努力の結果、売上高が3,390百万円(前年同期比3.2%増)となったものの、営業利益は89百万円(前年同期比21.6%減)となりました。
(注) 売上高に消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
①資産
当連結会計年度の総資産は21,946百万円となり、前連結会計年度末に比べ160百万円の減少となりました。流動資産につきましては、現金及び預金が741百万円減少するなどの結果、630百万円減少いたしました。固定資産につきましては、リース資産(純額)が282百万円増加するなどの結果、469百万円増加いたしました。
②負債
負債は、リース債務が461百万円増加したものの、長期借入金が588百万円減少するなどの結果、前連結会計年度末に比べ340百万円減少の13,684百万円となりました。
③純資産
純資産は、利益剰余金が210百万円増加するなどの結果、前連結会計年度末に比べ179百万円増加の8,262百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の36.3%から37.4%に増加しております。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は940百万円となり、前連結会計年度に比べ754百万円減少いたしました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動による資金の収入は855百万円(前年同期比240百万円減)となっております。その主たる要因は、税金等調整前当期純利益が372百万円であったことによります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動による資金の支出は340百万円(前連結会計年度は582百万円の収入)となっております。主たる要因は、固定資産の取得による支出が332百万円であったことによります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動による資金の支出は1,269百万円(前年同期比250百万円増)となっております。主たる要因は、長期借入金の純増減が692百万円であったことによります。
④その他
当連結会計年度において、ユニバーサルデザイン対応型の新型タクシー車両(ジャパンタクシー)をグループ全体で173台、ファイナンス・リースによって導入し、今後も導入を進めてまいります。その結果、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が増加する可能性がありますが、一方で燃費が大幅に向上するため、燃料価格の変動リスクが低減されます。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、旅客運送事業及び販売事業における運転資金及び設備資金、不動産事業における賃貸不動産の購入資金であります。当社グループ全体の売上高の約75%を占める旅客運送事業における運転資金は、主に人件費及び燃料費であり、設備資金は、主にタクシー及びハイヤーの車両購入資金であります。
事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用のほか、金融機関からの借入及び社債の発行、リース取引による資金調達を行っております。旅客運送事業及び販売事業における運転資金並びに不動産事業における不動産購入資金は、主に金融機関からの借入及び社債の発行により調達しております。旅客運送事業における設備資金は、主にリース取引により調達しております。
なお、当社の資金調達に係るシンジケートローン契約には、株主資本及び経常利益に係る財務制限条項が付されており、当該条項に抵触し期限の利益喪失請求が行われた場合には、資金繰りの悪化により当社グループの将来の成長、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債残高は8,585百万円、現金及び現金同等物の残高は940百万円となり、差引有利子負債残高は7,645百万円(前連結会計年度末比5.9%増)となりました。
(単位:百万円)
1年以内
返済・償還
1年超
返済・償還
合計
社債1201,7041,825
短期借入金240-240
長期借入金8004,0484,849
リース債務4331,2381,671
合計1,5936,9918,585

重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
(5) 生産、受注及び販売の状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない事業も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

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