有価証券報告書-第118期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、お客様の変化に対応し信頼を獲得するために、安全品質の向上に取り組み、全国ネットワークと多様な輸送手段を持つ総合物流企業集団として、お客様とともに成長・発展することを目指しております。
(2)経営環境、優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題
2020年度のわが国経済は、中国経済の減速基調に加えて、昨年10月の消費税率引き上げを機に景気後退局面に入っていた中、新型コロナウイルス感染拡大により国内外の景気が急速に悪化する影響から、低調に推移するものと見込まれます。また、政府の雇用維持・事業継続を中心とした緊急経済対策による経済の押し上げ効果は不透明であり、雇用環境の悪化などによる個人消費や設備投資などの民間需要は低調に推移するものと思われます。今後、新型コロナウイルス感染拡大のペースや終息時期の状況によっては、景気後退局面の長期化が懸念されます。
海外経済は、中国から欧州・米国へと飛び火した新型コロナウイルス感染拡大の影響から景気が減速するものと見込まれます。新型コロナウイルス感染拡大は、(1)ヒトとモノの動きの世界的な遮断、(2)各国の経済活動の停滞、(3)国際金融市場の不安定化などに影響を及ぼしています。新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響は、外出規制などによる需要蒸発であり、潜在需要は存在することから、感染拡大の間も企業の資金繰りや雇用が維持できれば終息後に景気の回復は期待できますが、維持できなければ、消費マインドや雇用・所得が悪化し、終息後も経済低迷が長期化する懸念があり、今後の感染拡大・終息動向を注視する必要があります。
物流業界は、政府主導のホワイト物流の実現のため、運賃体系の改定に取り組んでいますが、道半ばです。また、政府による働き方改革が進展する中、経済の血管である安定した物流網維持のため、喫緊の課題であるドライバー不足問題に対する効果的な処方箋が求められています。
このような環境の下、当社グループは、更なる企業価値の維持・向上を目指した第三次中期経営計画を策定しました。そして、事業環境の変化に機動的に対応できる組織体制に変更し、安定した収益基盤の構築を図ります。また、当社が戦略実現に向けたアプローチと位置づけている「丸運イノベーション」に「Work Style Innovation」を新設し、丸運版の働き方改革を積極的に推進していきます。
(経営環境)

(外部環境認識)

セグメント別の課題は、以下のとおりです。
なお、2020年4月1日の会社組織変更にともない、セグメントを変更しております。
≪貨物輸送≫
当部門においては、少子高齢化等による人手不足が深刻化し、トラックドライバーおよび物流センター要員の確保が厳しい状況となっている中、物流配送の多頻度小ロット化が進展しており、安定的な物流体制維持に必要な人員確保が喫緊の事業課題となっています。その対応として、車両大型化、モーダルシフト(トラックから鉄道輸送および海上輸送への転換)の提案および拠点の統廃合などを推進することにより、顧客ニーズに対応した物流の効率化を図ってまいります。そして、対応の推進機能として、本社営業部門を再編し、顧客満足度の更なる向上と責任体制の明確化を図ってまいります。また、2020年4月より国際貨物部門の国内業務を当部門に統合し、内外一貫物流サービスの充実などにより顧客のサプライ・チェーンの効率化に貢献し、当部門の更なる伸展を図ります。
≪エネルギー輸送≫
2020年4月より石油輸送部門と潤滑油・化成品部門を統合した当部門においては、顧客からの信頼の基盤である安全・品質の更なる向上に努めます。また、顧客ニーズに適した輸送サービスの維持・向上のため、各拠点機能の最適化を図り、協力事業者との連携強化にも注力します。なお、石油輸送分野については、構造的な問題である石油需要減とドライバー不足による輸送能力不足に対して、石油元売り企業と協力し最適な組織体制の構築と輸配送の効率化を実施してまいります。
また、潤滑油・化成品分野については、危険物・毒劇物の輸出入から国内配送までの一貫輸送体制強化のため、大都市圏を中心とした危険物保管能力の増強および国内配送能力の向上に取り組みます。これらの課題解決により、より安定的な事業運営を図るとともに、更なる事業伸展を目指します。
≪海外物流≫
2020年4月より国際貨物部門の海外業務を独立させた当部門においては、顧客の戦略に合致した最適な物流サービスを提供すべく、貨物輸送部門と連携して内外一貫物流体制の充実を図るとともに、中国事業の質的充実および海外物流ネットワークの拡大に取り組み事業基盤の整備を図ります。
中国市場では、丸運国際貨運代理(上海)有限公司、丸運安科迅物流(常州)有限公司および丸運物流(天津)有限公司の連携により中国における物流ネットワークの線から面への展開に取り組みます。
また、ベトナムにおいては、有限会社丸運物流ベトナムのハノイ本社、ホーチミン支店およびハナム営業所の3拠点ネットワークの充実に取り組み、安定的な事業基盤の構築を図るとともに、日本・中国・ベトナム間のクロスボーダー事業の拡大を図ります。
≪その他≫
会社組織変更にともない新設したテクノサポート管理本部においては、前期まで石油輸送部門が担っていた石油関連諸施設の操業や構内作業業務を引き継ぎ、サプライ・チェーンの担い手としての務めを果たしてまいります。加えて、環境負荷の低減や物流品質、業務品質の向上に関しても、万全の態勢で取り組みます。さらに、顧客構内サポート事業の受託拡大、新規獲得を目指します。