有価証券報告書-第77期(2025/04/01-2026/03/31)
②戦略
当社グループは、TNFDが提唱する、自然関連のリスクと機会を科学的根拠に基づき体系的に評価するためのLEAPアプローチ(注9)に則り、ダブルマテリアリティの概念の下、自社の事業が自然に依存している面と影響を及ぼしている面の両方の観点から、優先地域の特定をした上で、リスクと機会の評価を行っています。
当社グループの航空運送事業における自然への依存と影響を洗い出し、依存は「自然遺産・ビーチリゾート等自然が豊かな観光地への運航」、「現地食材商品の販売」、「洪水や暴風雨などの自然災害からの植生による保護」、「水利用」、影響は「空港周辺への環境汚染の可能性」、「GHG排出」、「SAFの製造過程における生態系への影響の懸念」などが挙げられました。CO2削減に必須であるSAFおよびクレジットについては、公的機関が定めた認証制度に基づき、厳格なサステナビリティ基準を満たしたものを調達することで、バリューチェーン上の生物多様性リスクの低減に努めてまいります。
水リスクに関しては、世界資源研究所が提供する水リスク分析ツールAqueductを活用して当社グループの取水地域を分析した結果、水ストレスレベルが低いとされる日本国内が主であり、リスクは低いと認識していますが、総取水量の8割を占める首都圏(羽田・成田)を中心に、航空機部品洗浄のための水のリサイクルなどを通じて水資源の保全に努めていきます。また、海外についても分析を行った結果、取水量が少ないため優先地域としていないものの、今後当該地域での取り組みも拡大していきます。
生物多様性リスクに関しては、WWFが提供する生物多様性リスクフィルターにおける重要な生物多様性が存在する地域と当社グループの就航地を照合したところ、日本国内の多くが生物多様性リスクの高い地域であることがわかりました。このうち、特にリスクが高いとされたエリアをSensitive Locationsとしました。また、自然観光需要の高いエリアを「事業が自然に依存している地域」、主要空港である東京を「事業が自然に影響を与えている地域」としてMaterial Locationsとしました。これらを総合的に掛け合わせ、北海道・鹿児島・沖縄・東京を優先して生物多様性の保全に取り組むべき地域と特定し、例えば沖縄での有性生殖サンゴの育成や、北海道でのタンチョウ保全、鹿児島でのマングローブの植樹の取り組みなどを実施しています。
また、海外の就航地についても、TNFDが推奨する4つのツール(Aqueduct x IBAT x GFW x ENCORE)とIWT(違法野生生物取引)ホットスポットをかけ合わせ、重要な生物多様性や水リスクが存在する地域をSensitive Locationsと特定しました。また、JALグループの就航地に関わるMaterial Locationを特定しました。これらの分析を基に、観光需要が大きく、事業が自然に依存し影響を与えている地域であるハワイ・オーストラリアを優先して生物多様性の保全に取り組むべき地域として特定し、取り組みを推進しています。
例えば、2024年6月から「JAL Mahalo運賃」の販売を開始し、お客さまと共にハワイの環境・文化保全に取り組み、2025年3月にはホノルルでダイヤモンドヘッドでのレストレーション活動やハワイ固有種の植樹などをお客さまと共に実施しました。また、オーストラリアの生態系保護のため、害虫の侵入を防ぐための措置を実施しています。
生物多様性の損失は航空運送事業の継続を考える上で重大なリスクとなる可能性がある一方、それを管理することは機会にもつながります。2023年にWWFジャパンの有識者と実施したワークショップでは特定した依存と影響を基に自然に関連するリスクと機会の評価も行いました。その後も毎年見直しを行い、下表のとおり整理しています。今後、財務上のインパクトも分析の上、リスクと機会の評価を深めていきます。
(注)9.「LEAP」とは、Locate(発見)、Evaluate(診断)、Assess(評価)、Prepare(準備)の4つのフェーズの頭文字をとったもの。バリューチェーン全体を対象に自然との接点を発見し、優先すべき地域を特定する(Locate)、自社の企業活動と自然との依存関係や影響を診断する(Evaluate)、診断結果を基に、重要なリスクと機会を評価する(Assess)、自然関連リスクと機会に対応する準備を行い、投資家に報告する(Prepare)情報ガイダンス
リスク
機会

当社グループは、TNFDが提唱する、自然関連のリスクと機会を科学的根拠に基づき体系的に評価するためのLEAPアプローチ(注9)に則り、ダブルマテリアリティの概念の下、自社の事業が自然に依存している面と影響を及ぼしている面の両方の観点から、優先地域の特定をした上で、リスクと機会の評価を行っています。
当社グループの航空運送事業における自然への依存と影響を洗い出し、依存は「自然遺産・ビーチリゾート等自然が豊かな観光地への運航」、「現地食材商品の販売」、「洪水や暴風雨などの自然災害からの植生による保護」、「水利用」、影響は「空港周辺への環境汚染の可能性」、「GHG排出」、「SAFの製造過程における生態系への影響の懸念」などが挙げられました。CO2削減に必須であるSAFおよびクレジットについては、公的機関が定めた認証制度に基づき、厳格なサステナビリティ基準を満たしたものを調達することで、バリューチェーン上の生物多様性リスクの低減に努めてまいります。
水リスクに関しては、世界資源研究所が提供する水リスク分析ツールAqueductを活用して当社グループの取水地域を分析した結果、水ストレスレベルが低いとされる日本国内が主であり、リスクは低いと認識していますが、総取水量の8割を占める首都圏(羽田・成田)を中心に、航空機部品洗浄のための水のリサイクルなどを通じて水資源の保全に努めていきます。また、海外についても分析を行った結果、取水量が少ないため優先地域としていないものの、今後当該地域での取り組みも拡大していきます。
生物多様性リスクに関しては、WWFが提供する生物多様性リスクフィルターにおける重要な生物多様性が存在する地域と当社グループの就航地を照合したところ、日本国内の多くが生物多様性リスクの高い地域であることがわかりました。このうち、特にリスクが高いとされたエリアをSensitive Locationsとしました。また、自然観光需要の高いエリアを「事業が自然に依存している地域」、主要空港である東京を「事業が自然に影響を与えている地域」としてMaterial Locationsとしました。これらを総合的に掛け合わせ、北海道・鹿児島・沖縄・東京を優先して生物多様性の保全に取り組むべき地域と特定し、例えば沖縄での有性生殖サンゴの育成や、北海道でのタンチョウ保全、鹿児島でのマングローブの植樹の取り組みなどを実施しています。
また、海外の就航地についても、TNFDが推奨する4つのツール(Aqueduct x IBAT x GFW x ENCORE)とIWT(違法野生生物取引)ホットスポットをかけ合わせ、重要な生物多様性や水リスクが存在する地域をSensitive Locationsと特定しました。また、JALグループの就航地に関わるMaterial Locationを特定しました。これらの分析を基に、観光需要が大きく、事業が自然に依存し影響を与えている地域であるハワイ・オーストラリアを優先して生物多様性の保全に取り組むべき地域として特定し、取り組みを推進しています。
例えば、2024年6月から「JAL Mahalo運賃」の販売を開始し、お客さまと共にハワイの環境・文化保全に取り組み、2025年3月にはホノルルでダイヤモンドヘッドでのレストレーション活動やハワイ固有種の植樹などをお客さまと共に実施しました。また、オーストラリアの生態系保護のため、害虫の侵入を防ぐための措置を実施しています。
生物多様性の損失は航空運送事業の継続を考える上で重大なリスクとなる可能性がある一方、それを管理することは機会にもつながります。2023年にWWFジャパンの有識者と実施したワークショップでは特定した依存と影響を基に自然に関連するリスクと機会の評価も行いました。その後も毎年見直しを行い、下表のとおり整理しています。今後、財務上のインパクトも分析の上、リスクと機会の評価を深めていきます。
(注)9.「LEAP」とは、Locate(発見)、Evaluate(診断)、Assess(評価)、Prepare(準備)の4つのフェーズの頭文字をとったもの。バリューチェーン全体を対象に自然との接点を発見し、優先すべき地域を特定する(Locate)、自社の企業活動と自然との依存関係や影響を診断する(Evaluate)、診断結果を基に、重要なリスクと機会を評価する(Assess)、自然関連リスクと機会に対応する準備を行い、投資家に報告する(Prepare)情報ガイダンス
リスク
機会