有価証券報告書-第86期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 17:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
189項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループが、革新を続け持続的成長を果たすために、企業理念を「「人」と「絆」を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します」とし、当社グループが長い歴史の中で築いてきた信頼と信用、その根幹をなすすべてのサービスの安全・品質に込める強い想いと誇りを示しております。そして、その使命を果たすことを皆様にお約束するために、ブランドメッセージを「私たちの約束:期待を超えなければ、仕事ではない」とし、その「私たちの約束」を具現化する中長期経営計画を策定すると共に、全従業員の行動指針として「私たちの覚悟」を定めております。
0102010_001.jpg(2)中長期的な会社の経営戦略・対処すべき課題
2026年3月期における我が国経済は、インバウンド需要の高水準維持や、大企業を中心とした賃金改定の動きが見られました。一方で、円安の恒常化や慢性的な人手不足による物価上昇の継続、個人消費の低迷に加え、足元では米国による輸入関税の引き上げや米中関係の緊張、中東情勢等に起因する地政学リスクの高まりにより、エネルギー・資源価格やサプライチェーンへの影響等において、さまざまな環境の変化が重なり、依然として先行きは不透明と言わざるを得ない状況が続いております。
このような経営環境のなか、当社グループは2028年3月期を最終年度とする「中期経営計画2027」をスタートし、「成長投資と人・技術・ICTへの基盤投資で、従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する。」という基本方針のもと、事業戦略を推進してまいります。あわせて、「人」を価値創造の源泉と捉え、人材への積極的な投資と戦略的な育成を着実に進めるとともに、技術革新やICT活用、内部統制の強化を通じて、変化に機動的かつ的確に対応できる経営基盤の強化に取り組んでまいります。
■2030年ビジョン
0102010_002.png
■中期経営計画2027
0102010_003.png※KOMBO: KONOIKE advanced proposal by the COMBO of solution Know-how and new technology
(3)中期経営計画2027の取組み状況
①事業戦略
a) 海外事業拡大
・インド、北中米を注力地域と位置づけ成長を加速
海外においては、今後大きな経済成長が期待されるインド、および、既存の大規模市場である北中米において前中期経営計画に続いて成長投資を継続し、事業展開を加速させてまいります。
2026年3月期は、インドにおいて鉄鋼スラグ処理会社FSNLの新規連結及びスラグ処理量の増加等により事業基盤と収益性の強化が進んだほか、北中米ではロサンゼルス地区における定温倉庫の増床及び新設計画の具体化を通じて、冷蔵冷凍事業の成長に向けた取り組みが着実に進捗しております。2027年3月期に向けてはFSNLでの契約更新に伴う取引業務の減少等が見られるものの、2027年1月から開始予定の新たな民間製鉄所での業務を含め、中長期的には、既存顧客の深耕、民間製鉄所への展開、新規事業の推進により成長を図ってまいります。
b) 国内事業の成長加速
・サービス分野(メディカル・空港)の強化
・複合ソリューションを含む物流事業を一般・定温・戦略アカウント物流の3領域に分けた戦略展開
複合ソリューション分野では当該業界で確固たる地位を築き、安定した需要が見込まれるサービス分野(メディカル・空港分野)が成長のけん引役となるよう競争力強化と成長加速を進めております。また、国内物流事業を一般・定温・戦略アカウント物流の3領域に分け、それぞれの特性に基づいた事業戦略と領域間の連携強化を実現することにより経営資源の最適化を図ると同時に、お客さまの物流課題を解決する価値創造パートナーとして、より付加価値の高い事業を構築してまいります。
2026年3月期は、空港分野において既存空港での受託業務の拡大とインバウンド需要の増加を踏まえた鹿児島空港への新規進出によりサービス分野の事業基盤強化が進展した一方で、日中関係の悪化に伴う中国旅客便の減便が2025年12月以降顕在化し、同事業は厳しい環境におかれている状況にあります。しかしながら、中長期的な成長シナリオに大きな変更はなく、需要回復を見据えた人材育成や多能工化の推進など、将来の成長に備えた教育・体制強化に取り組んでまいります。
c) 事業構造の改革
・既存事業分野での保全/メンテナンス領域の拡大
・KOMBO※活動による生産性向上と事業モデル変革
※KOMBO: KONOIKE advanced proposal by the COMBO of solution Know-how and new technology
(現場のノウハウと新技術の組み合わせによる新たな提案)
・事業継続性評価による収益構造の変革
既存事業分野においてはオペレーション領域の事業基盤を活用して、設備関係の保全/メンテナンス業務や、空調設備の改装等のエンジニアリング領域の拡大と高付加価値化を実現することで、請負事業の質的転換と安定的な収益基盤の確保につなげてまいります。
また、当社グループ独自の活動(KOMBO活動)として、得意とするお客さまの現場での生産性向上のノウハウをベースに、技術・ICTを活用した効率化・省人化の具現化、ならびに顧客への仕組み改善・改革提案によって収益性向上および事業領域開発に取り組んでまいります。
さらに、国内外の全拠点を対象にROIC・EBITDA・利益規模の観点から事業性を評価する「事業継続性評価制度」を運用し、事業継続/再建・撤退の判断を通じて経営資源の最適化と収益構造の改革を進めてまいります。
2026年3月期は、生活産業分野における設備保全・空調改装案件の受託拡大に加え、KOMBO活動の先行モデル拠点では、技術およびICT導入による生産性向上の取り組みを推進しました。あわせて、事業継続性評価制度に基づき、国内外の一部拠点について縮小・撤退の意思決定を行いました。
②財務・資本政策
a) 財務・資本政策のあり方
当社グループは、中期経営計画2027の策定にあたり、株主資本コストを8~9%程度と認識し、これを上回る資本効率の持続的な向上を目指しています。その実現に向けて、人的投資・成長投資・維持強化投資へのバランスの取れた資金配分を行うとともに、財務健全性を確保しつつ、株主還元の一層の充実に取り組んでいます。
財務・資本政策の基本的な考え方および目標水準と実績は以下のとおりです。
前中期経営計画2026年3月期
(実績)
中期経営計画2027
現預金回転期間-2.2か月1.2か月程度
DEレシオ0.8以下0.40.8以下
自己資本比率※現行基準40%以上現行基準 53.1%リース含む:40~45%
(現行基準:45~50%)
格付け(JCR)A-以上AA以上

※2027年度からの新リース会計基準適用に伴い550億円のリース資産(使用権資産)及びリース負債が計上されると仮定し算出。2026年5月現在の基準における水準はカッコ内のとおりです。
また、中期経営計画2027のスタートにあわせ、取締役および執行役員の業績連動報酬の評価指標としてROEを新たに採用し、資本効率および企業価値向上に対する経営陣のコミットメントを一層強化しております。これにより、財務・資本政策とガバナンスを一体的に運用する体制を整備し、目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。
b) 還元方針について
株主還元については、成長投資とのバランスを重視しつつ、継続的かつ安定的な配当の実現を基本方針としています。中期経営計画2027では、前中期経営計画における連結配当性向30%以上から一歩進め、40%以上へ引き上げ、2027年3月期においても当該方針に沿った水準での配当を予定しています。
加えて、株式の流動性および資本効率の向上を目的として、政策保有株式の縮減を進めるとともに、事業環境や財務状況、株価水準等を総合的に勘案し、自己株式の取得についても柔軟に検討してまいります。これらの施策を通じて、中長期的な企業価値の向上と株主還元の両立を図ってまいります。
c) キャッシュアロケーション
中期的な成長に向けては、「従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する」経営方針の下、従業員の処遇改善等の人的投資を3年間で200億円以上実施したうえで、営業キャッシュ・フロー約730億円を主な財源とし、これに加えて手元資金および有利子負債約180億円の活用を想定し、計画的な投資を推進してまいります。具体的には、成長投資として480億円(M&A枠200億円を含む)を配分し、成長が期待できる空港・メディカル・エンジニアリング事業、地域としてはインド・北中米に重点的に投資し、あわせて今後革新的なレベル向上が期待できるDXやAI等の先進技術導入による生産性向上、技術・ICT投資などに取り組んでまいります。また、維持強化投資には240億円を計画しており、既存事業の競争力維持・強化を図ります。
2026年3月期は、中期経営計画2027の初年度として、これらの方針で掲げた成長投資・維持強化投資・人的投資を本格的に開始するとともに、財務・資本政策とのバランスを図りながら、株主還元の充実に努めた年度となりました。
③経営基盤強化
a) 内部統制の強化
当社グループの持続的な成長の実現に向けては、コーポレートガバナンス体制のさらなる強化を通じた健全な経営基盤の構築が不可欠であるとの認識の下、2026年3月期は中期経営計画2027の初年度として、新たに取締役会の諮問機関としての内部統制委員会を設置し、内部統制活動の実効性向上に取り組んでおります。
b) 戦略委員会による基盤強化
当社グループは、持続的成長の実現に向けて、「人」「技術」に関する中長期的な課題に迅速かつ横断的に対応するため、新たに人材戦略委員会および技術戦略委員会を設置し、2026年3月期より活動を本格的に開始しました。
人材戦略委員会では、深刻化する人材不足への対応と事業戦略に連動した人材育成、新たな人材マネジメントの構築に向け、定年年齢の65歳への延長、職種区分の見直し、賃金引上げなどの処遇改善を進めるとともに、資格取得支援、グローバル人材・高度専門人材の育成、特定技能等による外国人材の受入拡大など、人への投資を着実に進めております。
技術戦略委員会では、技術革新本部およびICT推進本部を中心に、技術資本ライブラリの整備、現場ニーズに基づく自動化・省力化技術の導入、統合WMS等の基幹システム展開等を進めております。
④目標とする経営指標と実績
a) 財務目標
2026年3月期
(実績)
2028年3月期
(中期経営計画2027)
2031年3月期
(2030年ビジョン)
売上高3,555億円4,100億円4,600億円※1
営業利益227億円260億円300億円
営業利益率6.4%6.3%6.5%以上
ROE9.3%10%以上10%以上
海外営業利益 ※227億円33億円60億円

※1:2031年3月期売上高はガイドラインとする
※2:海外営業利益額=海外拠点営業利益―本社費用賦課分
b) 非財務目標
2026年3月期
(実績)
2028年3月期
(中期経営計画2027)
2031年3月期
(2030年ビジョン)
環境※CO2排出量30.7%削減
(2019年3月期比)
CO2排出量28%削減
(2019年3月期比)
CO2排出量35%削減
(2019年3月期比)
分科会体制で採用・育成・制度改革に本格着手し、人材戦略の土台を構築経営戦略に基づく人材の確保・育成の推進
従業員のウェルビーイング向上
技術技術管理・標準化の基盤整備を策定中。中長期ロードマップの具体化に向けた各現場の課題・ニーズ分析に着手。技術革新・DXによる自動化・省力化
労働環境改善による「安全」の絶えざる追求

※対象範囲は単体及び国内連結会社のエネルギー起源Scope1,

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。