有価証券報告書-第74期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:00
【資料】
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに景気回復のペースを辿るものの、内外需の伸びは弱く、総じて回復の実感には乏しいものとなりました。
当期の後半に入り、米国や中国の景気回復の波及による海外景気の浮上がみられたことや、円安による企業の収益増や公共事業投資などの効果もあり、比較的安定した推移を見ることができました。
このような状況下におきまして、当社グループは「安全・迅速・信頼」をモットーに、より「堅実な兵機」との信頼を得るべく事業展開を進めてまいりました。
海運事業では、燃料価格が年間を通じて安値安定でコスト軽減に寄与いたしました。内航事業にありましては太宗貨物である鉄鋼輸送に伸びが見られず苦戦を余儀なくされました。しかしながら、船舶燃料油コストが安定価格で推移したこともあり、収益の安定化に繋がりました。また、外航事業にありましては、安定した集荷営業と運航効率化が大きく寄与し、前年度に続き業績の改善を果すことができました。
港運・倉庫事業では、内需に力強さが見られないなか、中国の景気停滞、さらには、為替の変動もあって、輸出入貨物の減少という厳しい展開で推移いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の実績につきましては、次の通りとなりました。
取扱輸送量において5.7%(前連結会計年度比較)の落ち込みがあり、売上高も12,471百万円(前期比326百万円減 97.4%)と減収になりました。
一方で、燃料価格の安定化がコスト軽減などの改善に寄与し、経常利益は196百万円(前期比18百万円増 110.7%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益においても153百万円(前期比39百万円増 135.0%)と増益になりました。
当連結会計年度におけるセグメントの営業状況は次のとおりです。
① 海運事業
(イ)内航事業・・・・・期初より太宗貨物鉄鋼の輸送に低迷が見られましたが、第3四半期連結会計期間に在庫調整が進んだこともあり、一定の業績回復に繋がりました。また、船舶燃料の価格推移が安定していたこともあり、コスト面からの下支え効果がありました。その結果、取扱輸送量は減少したものの、売上高5,901百万円(前期比166百万円増 102.9%)と増収になりました。また、燃料コスト軽減の一方で傭船料増加もあり、営業利益は140百万円(前期比9百万円増 107.3%)の増益に留まりました。
(ロ)外航事業・・・・・ロシア航路と台湾航路の2軸による安定した運航体制と燃料価格の安定推移が業績の下支えに寄与しました。また、対ロシア集荷営業やプロジェクト案件による取扱いの増加、傭船形態変更によるコスト軽減化を図ってまいりました。その結果、取扱輸送量の増加とともに売上高も1,365百万円(前期比66百万円増 105.1%)と増収をみました。一方でコスト増加を低減できましたので、営業利益は35百万円(前期比30百万円増 690.2%)と2期連続で増益をみることができました。
② 港運・倉庫事業
(イ)港運事業・・・・・農産品や食品類の取扱いに底堅いものがみられましたが、国内の景気低迷により、雑貨品をはじめとして総体的に輸入取扱いが大きく減少しました。また円高傾向を受け、機械類の輸出取扱いも厳しい展開で推移しました。その結果、取扱量の減少により売上高も4,028百万円(前期比512百万円減 88.7%)と減収になりました。一方で、コスト削減による改善を目指しましたが、営業利益は55百万円(前期比0百万円減 98.3%)と減益になりました。
(ロ)倉庫事業・・・・・摩耶倉庫・姫路倉庫にあっては、厳しい中にも底堅い展開が見られました。しかしながら、神戸・大阪の両物流センターでは港運事業の低迷を受け、厳しい展開を余儀なくされました。その結果、貨物取扱量は前期比較76.5%と大きく減衰し、売上高も1,175百万円(前期比46百万円減 96.2%)と減収になりました。また、老朽設備の修繕や管理費増加もあり、営業損失38百万円(前期は10百万円の営業損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ37百万円減少し、当連結会計年度末には、1,558百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は648百万円(前期は343百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益215百万円、減価償却費360百万円、仕入債務の増加66百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は414百万円(前期は204百万円の使用)となりました。
主な内訳は、長期貸付金の回収による収入410百万円、投資有価証券の売却による収入48百万円等に対して、固定資産の取得による支出32百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,099百万円(前期は552百万円の使用)となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出2,131百万円、短期借入金の純減少額300百万円等に対して、長期借入れによる収入1,400百万円等によるものであります。