有価証券報告書-第77期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 13:29
【資料】
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【項目】
146項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「総合物流業者としてその業務を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと顧客のニーズを先取りし、生産と消費をつなぐ物流のエキスパートを目指しております。そのニーズに具体的に応える高度な情報力と革新的でスピーディーな経営を行うとともに社会や環境との共存を図り、株主、顧客、社員の信頼と期待に応えて参ります。
(2)経営戦略等
当社グループは、従来からの事業である「内航・外航海運」と「港運・倉庫」の強化と育成を以て、グループの業容拡大を目指しております。
内航海運を中心とする国内物流にありましては、鉄鋼メーカーが生産する鋼材の海陸一貫輸送の取扱いを主力としております。この事業の業容拡大にはベース貨物となる鋼材輸送において、安全で安定した配船サービスの提供が最大の輸送責任と認識しております。そのためにも老朽船のリプレースによる高品質輸送の継続的な提供を考えております。また、傭船船主との良好な関係の構築は不可欠であり、船主の経営強化を目指して新たな体制(共同管理)に着手し、当社と船主によって設立しました七洋船舶管理株式会社がその任に当たっております。これにより、当社グループの経営基調である「共存共栄」の精神の下、船腹の維持増強と市況変動に耐えうる強固な収益体制の向上に努めてまいります。
外航海運にありましては、自社船(約4,000トン積)によるスピーディーでフットワークの良い運航の強みを発揮した収益体制の構築に加え、傭船の利用による輸送効率のアップに注力し、近年、ロシアの極東開発に着目したロシア航路の拡充に、一定の成果をあげてまいりました。また、複数年度に及ぶインフラ整備でのプロジェクト輸送も収益基盤となっており、引き続き案件発掘に注力してまいります。また、東南アジアに絞った長期安定輸送貨物の獲得も目指しております。
国内の港運事業にありましては、AEO制度による認定と規制緩和は当事業の経営環境を厳しくしておりますが、攻めの営業へのチャンスととらえております。また、通関業を主とする港運事業の人材配置の再編を進め、認定業者として、輸出入貨物のリードタイムの短縮・コストの削減に努め、新たな顧客開発による収益性の向上を目指します。特に、国際複合輸送の分野にありましては、従来からの中国、台湾、韓国地域を中心に、最近ではタイ、ベトナム、インドネシア方面へとその取扱い商圏を広げつつあります。これら業容拡大に欠かせない存在である海外物流パートナー会社との提携開拓と関係強化を推進することにより、相互に請負貨物の取扱量を拡大してまいります。
倉庫事業にありましては、付加価値の高い危険物に着目し2020年1月、神戸地区に新設した危険物倉庫と前期より稼働した姫路地区の危険物倉庫が新たな収益基盤に成長しつつあります。そのために、危険物取扱者の人材育成等安全面にも配慮し、長期安定貨物のさらなる確保に努めてまいります。また、港運事業と倉庫事業の一体性を発揮することで、きめ細かいサービスを顧客に提供することで自社倉庫のさらなる優位性の発揮を目指します。
(3)経営環境
次期の経営環境の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に収束の目途がつかない限り、日本経済に上向きの展望はできないものと考えております。同感染症拡大の将来的な影響については、政府による緊急事態宣言や地方公共団体による社会経済活動の自粛等に対し、運送事業は公共の福祉たる使命を受けるため事業継続を最優先と考えるものの、一般的にはBtoBの輸送ニーズが落ち込む傾向にあることから、その収益性については引き続き大変厳しい状況で推移するとみております。一方で、各種製品等のサプライチェーンの一翼を担う中国の製造業が稼働を徐々に回復し始めており、景気回復への明るい材料になるものと期待されます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
内航事業にあっては鉄鋼輸送の需要が更に後退すると想定されます。更には環境負荷が少ない燃料使用のコスト負担の折衝や若手船員の育成コスト増加など、経営環境は厳しさが増すものと考えております。今後の事業展開として、老朽船の売船や代替建造、高齢化する船主の廃業選択など、厳しい時代に応じた船団の組み換えを模索する必要があります。事業そのものが大きな設備投資を伴うことから、船主ともども収益マインドの醸成とコスト管理の強化が課題となっております。
外航事業にあっては、プロジェクト貨物輸送の更なる獲得と主要航路の複航貨物を安定的に確保することを喫緊課題と認識し、これに取り組んでまいります。また、最終的な実行が迫る船舶バラスト水の規制管理条約に対する当社対応は、当該船の最終期限である2021年6月を待たずにこれを前倒し、紫外線を利用した排水処理装置を設置運用させて適法に対処してまいります。自社船の経過年数を考慮するとリプレイスの検討が必要となっておりますが、厳しい経営環境の下では財務面でのインパクトが強いことから、そのタイミングを模索しております。
港運事業及びこれと両輪関係にある倉庫事業にあっては、新型コロナウイルス感染症の拡大に収束の目途がつかない限り景気後退の波に晒されるものと想定されます。防疫のための規制が物流停滞を招き、人的コストの増加傾向と相まって、収益環境がますます厳しくなるものと認識しております。今後の事業展開として、一般貨物の取り扱いから一歩踏み出し、将来的に需要が見込める危険品等の取扱を新たな営業の柱と位置づけております。神戸港に新設した倉庫設備と先行の姫路地区の倉庫設備とともに危険品等取扱の業容を拡大し、事業収益の底上げを目指してまいります。自社倉庫建設による財務面への影響が強いことから、新型コロナウイルス感染症克服後を睨んだ営業活動の強化が課題となっております。
当社グループは、もともと船舶・倉庫等の大型設備を必要とする事業特性から自己資本比率が低いことが課題となっております。財務体質の強化を図るために、自己資本比率を早急に30%確保することを経営指標として取組んでおります。そのためにも更なる経営の効率化を図り、売上高経常利益率5%、ネットDEレシオ1.0倍を目指した業務改善に取組んで参ります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、各セグメント別に特段の経営指標の設定はありませんが、グループ全体での経営指標として、自己資本比率30%確保を掲げ、売上高経常利益率、ネットDEレシオを重視しております。
なお、当連結会計年度における、当社グループが経営指標としている自己資本比率は前年同期より3.36ポイント後退し22.57%となりました。また、売上高経常利益率も前年同期より1.13ポイント後退し2.28%、ネットDEレシオは前年同期より0.68ポイント後退し2.18倍となりました。

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