有価証券報告書-第88期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 10:58
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境に改善が見られ、緩やかな回復基調が継続しました。一方、中国をはじめとする世界経済の減速懸念、英国のEU離脱問題、アメリカ大統領選挙後の政策動向に関する懸念など、景気の先行きに不透明な状況が続いています。
当社グループの主力事業分野である広告業界では、引き続きインターネット広告費が大幅に伸長し、広告費全体では前年度を上回りました。テレビの広告費は「リオデジャネイロ オリンピック・パラリンピック」「2018FIFAワールドカップロシア アジア最終予選」などが推進力となって前年を上回り、ラジオの広告費も全体では前年を上回りました。このような情勢の中、当社グループは収入を確保すべく積極的な営業活動を展開した結果、主力事業である放送事業では、テレビが大幅な増収、ラジオも増収を確保しました。また、システム関連事業は減収でしたが、不動産事業及びその他事業は増収となったため、全体の売上高は267億8百万円と前年度に比べ10億42百万円(4.1%)の増収となりました。一方、支出については効率的な運用に努めました。この結果、経常利益は23億5百万円と前年度に比べ4億78百万円(26.2%)の増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も17億80百万円と前年度に比べ6億52百万円(57.9%)の増益となりました。
事業別の経過及びその成果は、次のとおりであります。
なお、平成28年4月1日付の認定放送持株会社体制への移行により、当社はグループ経営管理事業及び不動産賃貸事業を担うこととなりました。これにより、グループ経営管理事業で発生した費用は全社費用として計上し、各報告セグメントに配分しない方法としております。
①放送事業
当連結会計年度における放送事業の収入は、173億66百万円と前年度に比べ4.3%の増収となり、営業利益は19億31百万円と前年度に比べ92.0%の増益となりました。
テレビ部門では、タイム収入は、前年度に比べ1.0%の増収となりました。当初はレギュラーベースの落ち込み等もあり、第1四半期は前年度を割り込みましたが、7月に実施した新規音楽イベント「音恵」や前年度から展開している「FUKUOKA STREET PARTY」等、イベントとタイアップした番組の開発に加え、平成28年12月に放送した「激動九州!知りたいテレビ」など創立65周年記念番組等のセールスで収入増を図りました。スポット収入は、年間を通じて活況が続き、前年度に比べ6.6%の増収となりました。業種別では、輸送機器、流通・小売、アルコール飲料等が落ち込んだものの、食品、通信・アプリ、薬品、化粧品等が好調に推移しました。この結果、テレビ事業全体では前年度に比べ4.8%の増収となりました。
番組編成面では、生情報ワイド「今日感テレビ」を自社制作の柱と位置づけ、月曜日から金曜日はネット番組を含め午前11時から午後7時まで8時間の生放送を維持し、事件・事故や災害発生時にはただちに第一報を伝えるなど生放送の特性を活かしてエリアの信頼に応える編成を行いました。ゴールデンタイムには「豆ごはん。」、深夜には「TEEN!TEEN!」のほか「渡辺直美の幸せ相談所」や「田村淳のコンカツ!」など全国規模で活躍するタレントを起用し、若者層をターゲットにした番組を制作しました。このほか、月曜日から木曜日の深夜には「ウォッチ@24」を開始し、日曜日午前中の「サンデーウォッチ」とともにエリアの最新ニュースを盛り込んだ放送を行いました。
九州ブロックでは、4月から日曜日午前中に「新窓をあけて九州」の放送を始めました。
スポーツの分野では、ソフトバンク・ホークスなど地元プロスポーツの試合中継や試合結果の詳細を日々の番組で伝えたほか、「2017ワールドベースボールクラシック」では、侍ジャパンの熱戦を伝え、対キューバ戦では今期最高視聴率の29.9%を記録しました。その他、女子プロゴルフトーナメント「ほけんの窓口レディース」や「別府大分毎日マラソン」、「クロスカントリー日本選手権」など全国に向けて発信しました。報道分野では、日本の南極観測が始まって60年の節目の年にローカル民放では初めて、南極観測隊に4か月間、記者が同行し、隊員らの調査の様子や大自然の映像を伝えました。また、前年度から引き続き「『誰かを思う』が、明日を変える。」をキャッチフレーズにしたキャンペーン「家族びより」を展開するとともに、視聴者参加型のイベントの開催を通して、豊かな地域社会の実現に寄与しています。
ラジオ部門では、タイム収入はレギュラーベースの積み上げに加え、ネット番組を拡大し、また特番セールスやネットショッピングも好調に推移したことから、前年度に比べて6.3%の増収となりました。またスポット収入も、市況は厳しいもののネットスポットや、時報スポット、流通企画などで積み上げを図り、前年比2.0%の増収となりました。一方、制作費収入は、既存イベントの選択と集中を図ったことにより17.1%の減収となりました。この結果、ラジオ事業全体では前年度に比べ、0.5%の増収となりました。番組面では、創立65周年記念連続ラジオドラマ「家族びより~シアワセの高取家」が好評を博し、放送2年目に入りました。また、NHK・民放共同ラジオキャンペーンin福岡「♯フクラジ」の幹事局を務め、在福6局とタッグを組んで若者にラジオの魅力を伝えました。
②システム関連事業
システム関連事業ではソフトウェア開発・販売に加え、クラウド・セキュリティサービス等を中心に積極的な営業活動を行いましたが、前年度のマイナンバー関連特需の反動もあり、官公庁向けソフトウェア販売が減少し、54億16百万円と前年度に比べて2.1%の減収となりました。一方、受注条件の見直しや収支管理を徹底して行った結果、営業利益は1億円を確保しました。
③不動産事業
不動産事業の収入は、既存資産の有効活用に加え駐車場収入が増加したため、10億61百万円と前年度に比べて4.2%の増収となりました。また、営業利益も10億83百万円と前年度に比べ55.5%の増益となりました。
(注)認定放送持株会社への移行により、当社はグループ経営管理事業及び不動産賃貸事業を担うこととなったため、当連結会計年度から本社建物等に係わる使用部分をRKB毎日放送株式会社へ賃貸したことにより、内部売上およびセグメント間の取引となり、収入から消去しております。
④その他事業
その他事業部門の収入は、催し物やコンテンツ開発で積極的な展開を図り、28億64百万円と前年度に比べ16.5%の増収となりましたが、57百万円の営業損失(前連結会計年度営業損失98百万円)となりました。催事事業では、創立65周年記念事業として「アートアクアリウム展~博多・金魚の祭り~」「大アマゾン展」「宗像・沖ノ島 大国宝展」など大型の催事を展開しました。また9年目を迎えたFACo(福岡アジアコレクション)が今回も7500人を越える入場者を集めると共に「FACo in Taipei」「FACo in Bangkok」とアジアでも展開しました。3月にはタイのアユタヤで「アユタヤ絆駅伝」を毎日新聞と共催しました。さらに、福岡市との「The Creators 2016」、北九州市との「TGC KITAKYUSHU 2016」等、行政と連携したイベントにも取り組みました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により29億19百万円増加し、有形固定資産の取得等により投資活動で9億67百万円、借入金の返済等により財務活動で7億77百万円減少したこと等により、当連結会計年度末には、前連結会計年度末に比べ13億36百万円(24.6%)増加し、67億66百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ12億57百万円増加し、29億19百万円(前連結会計年度は16億62百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が7億16百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ3億12百万円増加し、9億67百万円(前連結会計年度は6億55百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入れが2億20百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億51百万円増加し、7億77百万円(前連結会計年度は6億25百万円の使用)となりました。これは主に、リース債務の返済が1億50百万円増加したことによるものであります。