有価証券報告書-第22期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 11:54
【資料】
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【項目】
78項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、政府による経済政策や金融政策を背景に、大手企業を中心に堅調な収益を見込む企業が多く、緩やかな回復基調が見られましたが、個人が景気の回復を実感するには至らず節約志向を背景に力強さに欠ける状況が続いております。また、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動などの懸念もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
出版業界におきましては、出版科学研究所が発表した書籍・雑誌の2017年推定販売金額が前年比6.9%減の1兆3,701億円(うち雑誌は同10.8%減の6,548億円)で13年連続のマイナスとなっております。一方、電子出版市場は同16.0%増の2,215億円となっています。
また、小売業界におきましては、消費の下支えとなる訪日観光客は、依然として増加基調ではありますが、消費に至っては商品購入における消費単価は低下、観光地訪問などのサービス消費へ向かう傾向がより強く表れてきております。
このような環境の中、当社は月刊誌「KERA」を5月発売号よりデジタル化へ移行し、国内外問わず誰でも「KERA」を楽しめる環境を整備いたしました。
また、株式会社ジャック・メディア・キャピタルからウェブ上の通信販売事業及びこれに関連付随する事業貸与を受けオンラインショップ「KERA SHOP」の運営を開始し、誰でも「KERA」ブランドに触れる機会を創出し、実店舗「KERA SHOP」をはじめとした様々なコンテンツとの連携をはかってまいりました。
しかしながら、収益改善には未だ時間を要する状態が続いております。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ93百万円減少し、137百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ107百万円増加し、369百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ201百万円減少し、△231百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高40百万円(前事業年度比77.0%減)、営業損失202百万円(前事業年度は219百万円の営業損失)、経常損失205百万円(前事業年度は217百万円の経常損失)、当期純損失207百万円(前事業年度は194百万円の当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
出版事業は、売上高は22百万円(前事業年度比85.4%減)、セグメント損失103百万円(前事業年度は125百万円の営業損失)となりました。
商品販売事業は、売上高は8百万円(前事業年度比24.6%減)、営業損失0百万円(前事業年度は3百万円の営業利益)となりました。
その他は、売上高は9百万円(前事業年度比12.5%減)、営業利益8百万円(前事業年度比118.6%増)となりました。
②キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純損失206百万円や短期借入れによる収入156百万円が大きく影響したことにより、当事業年度末の資金残高は13百万円(前事業年度は25百万円)となりました。
また当事業年度中における各キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果、資金は189百万円の支出(前事業年度は219百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失206百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果、資金は14百万円の収入(前事業年度は65百万円の収入)となりました。これは、主に敷金及び保証金の回収による収入23百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果、資金は162百万円の収入(前事業年度は127百万円の収入)となりました。これは、主に短期借入れによる収入156百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
前年同期比(%)
出版(千円)22,85114.6
商品販売(千円)8,39775.4
報告セグメント計(千円)31,24918.7
その他(千円)9,065112.5
合計(千円)40,31423.0

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2016年4月1日
至 2017年3月31日)
当事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱ファインケメティックス--6,60016.4
日本出版販売㈱21,93212.5△4,327-

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
前年同期比(%)
出版(千円)4616.0
商品販売(千円)3,58495.0
合計(千円)3,63189.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。本財務諸表の作成にあたりましては、当社は財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える重要な会計方針の採用及び見積りを行っており、それら見積りは当事業年度末現在時点での合理的判断としておりますが、将来に関する事項には不確実性も内在しているため、実際の結果と大幅に異なる可能性もあります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討等
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ93百万円減少の137百万円(前事業年度末は231百万円)となりました。
流動資産は128百万円(前事業年度末206百万円から当事業年度末128百万円)となりました。これは主に、現金及び預金が12百万円、売掛金が55百万円減少したことによるものです。
固定資産は8百万円(前事業年度末24百万円から当事業年度末8百万円)となりました。これは主に、敷金及び保証金が20百万円減少したことによるものです。
(負債合計)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ107百万円増加の369百万円(前事業年度末は261百万円)となりました。
流動負債は367百万円(前事業年度末259百万円から当事業年度末367百万円)となりました。これは主に、短期借入金が156百万円増加したことによるものです。
固定負債は1百万円(前事業年度末1百万円から当事業年度末1百万円)となりました。
(純資産合計)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ201百万円減少の△231百万円(前事業年度末は△30百万円)となりました。
株主資本は△241百万円(前事業年度末△40百万円から当事業年度末△241百万円)となりました。これは主に、当期純損失207百万円によるものです。
2) 経営成績
(売上高)
売上高は、紙媒体による新規雑誌発行のとりやめ等による出版事業の減収による影響で、前事業年度に比べ77.0%減の40百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、紙媒体による新刊雑誌発行のとりやめにより、前事業年度に比べ72.0%減の43百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、、新たに開始しましたオンラインショップ「KERA SHOP」の開発費用等の発生がありましたが、人員配置の見直しやコスト削減を実施したことにより前事業年度に比べ16.7%減の198百万円となりました。
(当期純利益)
営業損失は、202百万円(前事業年度は219百万円の営業損失)となりました。
経常損失は、運転資金を自己資金で賄うことができず借入金増加に伴う利息発生等により、205百万円(前事業年度は217百万円の経常損失)となりました。
特別損失として実店舗「KERA SHOP」出店見直しによる店舗閉鎖損失を計上したことにより、当期純損失は207百万円(前事業年度は194百万円の当期純損失)となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、個人消費の低迷や、多様化する顧客ニーズを捉えきれず、経営成績に重要な影響を与える要因となっております。
当社は、事業戦略の再構築をテーマとして、全社的な取り組みを進めてまいります。
消費行動の分析による実店舗「KERA SHOP」の出店見直しや、お客様の購買行動に相応した品揃えや連動したイベント企画など、様々な施策を講じてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社の資本の財源については、内部資金や借入れ等で得たキャッシュにより運営されております。
しかしながら、当社は現在債務超過の状態にあり、事業再建が急務となっております。
そのため、当社大株主に採算の支援を依頼してまいりました。その結果、第三者割当による自己株式処分の方法による出資の確約を受けることができました。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、安定的な事業収益力を示すものとして、営業利益率を重視するとともに、自己資本比率の増大を重要な指標として経営効率の向上を目指してまいります。当事業年度における営業利益率は△501.5%(前事業年度は△125.0%)であり、自己資本比率は△175.3%(前事業年度は△17.4%)でした。
これらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(出版事業)
売上高は、「KERA」の紙媒体発行取りやめ等により、前事業年度比85.4%減の22百万円となりました。
セグメント損失は、売上高は減少したものの大幅な制作費削減の実行により、営業損失103百万円(前事業年度は125百万円の営業損失)となりました。
セグメント資産は、売掛金の減少により、前事業年度に比べ80百万円減少の121百万円となりました。
(商品販売事業)
売上高は、定期購買の解約等により、前事業年度比24.6%減の8百万円となりました。
セグメント損失は、販売費及び一般管理費の増加により、0百万円(前事業年度は3百万円の営業利益)となりました。
セグメント資産は、固定資産の増加により、前事業年度に比べ0百万円増加の2百万円となりました。
(その他)
売上高は、通販企業支援先の減少があったものの、業務受託先の増加により、前事業年度比12.5%増の9百万円となりました。
セグメント利益は、売上高の増加により、前事業年度比118.6%増の8百万円となりました。
セグメント資産はありません。
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