有価証券報告書-第176期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 9:26
【資料】
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【項目】
98項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、中国を始めとする新興国経済の減速や個人消費の伸び悩みなどにより、景気の停滞感が高まりましたが、経済・金融政策の効果等により雇用環境が改善するなど、景気は総じて緩やかな回復を続けてまいりました。
ホテル業界におきましては、政府の観光立国推進に向けた各種施策などによる訪日外国人客数の増加に支えられ、客室販売を中心に概ね良好な経営環境が継続いたしました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、改修が終了した本社タワー客室を中心に、より高品質なサービスの提供に努めるとともに、市場の動向を見据えた販売施策と的確な価格政策を実行し、売上げの増進に注力してまいりました。
また、10年目を迎えた「ジ・インペリアル オペラ」や好評を博した「帝国ホテル芸術祭」など伝統的、文化的価値を発信する各種イベントに加え、海外有名ホテルや各国大使館と共同で新たな趣向を凝らした外国催事を開催し、海外メディアに向けた広報活動を強力に推進するなど、集客増とブランド力の向上にグループ一丸となって邁進してまいりました。さらに、当社において挙式されたご夫婦を対象とする会員組織「インペリアルクラブ グレース」が10周年を迎え、各種記念商品やイベントを積極的に展開するなど、顧客基盤の強化に全力を注いでまいりました。
設備面におきましても、本館のスイートルームやエグゼクティブサービスフロアの改修など、競争力の強化と顧客満足のさらなる向上を目指し、諸施設の改善に取り組んでまいりました。
一方、経費面におきましては、業務全般の効率化による諸経費の削減に努め、利益の向上にグループ一丸となって鋭意努力してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、前期比0.4%増の56,031百万円となり、経常利益は、前期比20.0%増の5,165百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比16.6%増の3,689百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①ホテル事業
宿泊は、外国人客や法人利用が好調に推移しました。国内の個人客の伸び悩みなどもあり稼働率は前年を若干下回りましたが、積極的な高単価販売に努めた結果、一室単価、売上高ともに前年を上回る結果となりました。
食堂は、各種販売促進に取り組みましたが、来客数が伸び悩み、売上高は前年を下回りました。
宴会は、一般宴会は、大型宴会の受注が好調であったものの、中小の宴会利用が伸び悩み、婚礼も販売強化に努めたものの獲得競争激化の影響などがあり、売上減となりました。
以上のことなどから、売上高は、前期比0.3%増の52,262百万円となり、営業利益は前期比22.8%増の5,078百万円となりました。
②不動産賃貸事業
好調なオフィス需要に支えられ、売上高は前期比2.1%増の3,789百万円となり、営業利益は前期比6.4%増の2,096百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、26,283百万円となり、前年同期と比べ374百万円(1.4%)増加いたしました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費などにより増加し、法人税等の支払いなどにより減少したことにより、前年同期と比べ2,229百万円(31.0%)減少し、4,959百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が前期に比べて減少したことなどにより、前年同期と比べ2,753百万円(43.1%)減少し、3,635百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いが前期に比べて増加したことなどにより、前年同期と比べ177百万円(23.0%)増加し、949百万円の支出となりました。