有価証券報告書-第170期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/28 15:30
【資料】
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【項目】
66項目
当社グループは国内事業において2017年度および2018年度を改革期と位置づけ、労働環境改革を最優先課題に据えて取り組んでまいりました。また、海外事業においては、2013年のAegis Group plc(現電通イージス・ネットワーク社)(以下、「DAN」)買収以降に維持してきたモメンタムは、均整のとれた地域展開と成長領域を核とした事業ポートフォリオにより、回復基調にあります。今後も国内事業および海外事業ともに持続的な成長を実現していくため、グループ全体の事業変革に取り組んでまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 国内事業
① 労働環境改革の総括
国内事業において、労働時間の短縮と業務品質の向上を両立させ、企業基盤における機能全体の構造改革を行うとともに、当社の事業変革と表裏一体となるべく、2年間にわたり、労働環境改革を推進してきました。
環境・基盤整備における改革の柱は、「労務管理の徹底と見守りの強化」「業務棚卸しによるワークダイエットと業務プロセスの改善」「ICT等の社内インフラ強化によるワークスタイルのスマート化」などであり、この2年間で数多くの施策に取り組んできました。この結果、社員1人当たり総労働時間は、2018年においてはほぼ計画通りの「1,952時間」となり、着実な縮減を達成しております。加えて、これらの各種施策については、いわゆるRPA分野の取組み等、その効果が今後更に大きく発現するものも少なくありません。価値創出の起点となる社員が、恒常的に良好なコンディションを維持し、「顧客や社会に対する付加価値創出に投じる時間の最大化」に向けた基盤が整いつつあり、その成果を国内グループ全体で発揮できるよう、引き続き尽力してまいります。
② 国内デジタル領域におけるケーパビリティ強化
当社グループの国内デジタル領域においては、事業基盤の強化を目的とし、2018年10月に株式会社セプテーニ・ホールディングスとの資本業務提携、ならびに株式会社VOYAGE GROUPと株式会社サイバー・コミュニケーションズとの経営統合を発表しました。従来我々が有していた経営資源と各グループの経営資源間の連携・強化を更に進め、デジタル広告分野における最高水準のサービス提供の実現を図ってまいります。
さらに、顧客企業が進める変革を支援する上では、電通グループのケーパビリティを拡大・向上する必要があります。国内で最重点課題と位置づけているデジタルマーケティング領域については、ソリューション、広告、データテクノロジーの3つの領域でケーパビリティ強化を進めてまいりました。これらのフォーメーションをさらに盤石なものとすることによって、引き続き顧客企業が進める変革推進のパートナーとしての地位確立を図ってまいります。
(2) 海外事業
① 事業基盤の整備
当社グループの海外事業においても2017年度および2018年度は積極的に投資を行い、以下の3つのカテゴリーにおいて、事業基盤の整備を進めてまいりました。まず、生産性の向上を目的として、強力な共通プラットフォーム、システム、シェアードサービスをグローバルネットワークに導入し、長期的な事業変革に繋げてまいりました。また、「オペレーティングモデル」を有効に機能させ、組織内の協業を促すための独自のシステムであるグロース・プラットフォームを構築し、トップラインの成長を図ってまいりました。このプラットフォームは、DANの中でビジネスを通じて得られた知識や事例の共有を加速し、新しいビジネスプロセスの質の向上に寄与するものと考えています。同時に、成長ポテンシャルと最先端のサービス・技術へのアクセスを確保し、魅力的な人材を確保するために、M&Aも積極的に推進してまいりました。さらに、グループ内外の優れた人材を維持・獲得するために、2018年度にインセンティブ制度の見直しを行うなど人への投資も進めています。
② 回復基調にあるモメンタム維持
さらに、2019年度以降においては、以下の3つの重点分野に焦点を当て、回復基調にあるモメンタムの拡大に努めてまいります。
・統合的なサービスの提供によるトップラインのさらなる成長
DANのトップラインを更に成長させる上で重要となるのが、統合的なサービスによるソリューションの提供です。このようなアプローチは、最近のアカウント獲得にも寄与しており、より多くのブランドと地域を超えた高い次元において、このコンピタンスの進化を図ってまいります。
・イノベーションの継続とユニークネスの更なる進化
DANは、これまでも先進的な技術やアイデアの獲得に積極的に取り組んでまいりましたが、引き続き、主要なプラットフォーマーとの連携によるテクノロジー、データ、アナリティクスの強化やM&Aによる新しいテクノロジー、デジタル人材の獲得等を進め、激しさを増す競争環境の中での差別化、ユニークネスの強化に努めてまいります。
・収益性の向上
これまでの共通プラットフォーム等への積極的な投資を経て、今後数年間において、さらなるビジネスオペレーションの効率化を進め、収益性の向上を実現してまいります。また、今般継続的なオペレーショナル・エクセレンスの向上をミッションとする責任者を任命し、DAN全体の業務効率の向上に一段の力点を置いて努力してまいります。
(3)グループ全体の事業変革
当社グループ全体として、引き続き、国内および海外事業に共通する成長基盤の整備を図り、グループ全体視点でのケーパビリティと人材を拡充してまいります。この観点から、海外のみならず、国内においても外部経営資源との連携等を加速していく所存です。また、急速に変化する環境下、中長期視点で迅速に意思決定できる体制の構築が重要であることから、純粋持株会社体制への移行を進めてまいります。
(4) 2020年までの連結ガイドライン
当社グループでは、2020年までの連結ガイドラインを以下のとおり設定いたしました。
①ビジネス全体のモメンタムである「売上総利益のオーガニック成長率3%以上(2020年までの3年間のCAGR)を
達成します。
②収益性を示すオペレーティングマージンについては、2018年を底に毎年改善してまいります。
③株主還元については、従来通り安定的な配当を堅持するとともに今後の業績やキャッシュフローの状況を勘案し、適切な利益の還元を検討してまいります。
最後にグローバルでのCSR活動にも引き続き取り組んでいます。
当期は中期CSR計画のアップデートを実施いたしました。人権の尊重や環境負荷の低減などを中心に当社グループとして重要なCSR課題を選定し、継続的に進捗状況をモニタリングしていくことを計画しています。
また国内外で議論が活発化している「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs)については、国内グループ会社組織横断の「Team SDGs」を中心に「SDGsに関する生活者調査」「SDGsコミュニケーションガイド」などを通じて、広く社会にその認知および重要性を高める活動に取り組んでいます。世界の大手広告5グループと連携したキャンペーンである「Common Ground」でも、引き続きマラリアや結核の撲滅を目標に、NGOを支援する活動をグローバルで推進しています。
今後も、コミュニケーション領域のグローバル・リーディンググループにふさわしい活動を強化して、企業価値の向上に取り組んでいく方針です。
個別活動の詳細については、「電通統合レポート」(http://www.dentsu.co.jp/csr)をご覧ください。
社会をより豊かにする多様な価値の創造をリードし、新しい時代を切り拓いていく企業集団を目指して、引き続き不断の努力を積み重ねてまいります。

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