有価証券報告書-第66期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは、グループ経営戦略に基づき、戦略の実現を支える重要な経営資源として人財を位置付け、当社におきまして経営戦略と連動した人財戦略を策定、推進しております。グループ各社では事業領域及び事業環境の多様性を踏まえ、連結ベースでの統一的な人事制度の導入等は行っておらず、各社・各国の特性に応じた人事運用を基本としておりますが、グループ横断での取組として、持続的成長を支える人的資本基盤の強化を目的に、社員エンゲージメント向上への取組、自律的なキャリア形成の促進、インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)の推進、健康経営等を重点領域として具体的な取組を進め、組織風土及び企業文化の醸成に取り組んでおります。
①人的資本経営の考え方
当社はスキルや専門性・生産性の向上と創造力を養うための教育・学習支援といった社員への投資と、組織・チームとして社員が能力を最大限発揮し、イノベーションを起こしやすい環境整備・仕組みづくりの両面にわたる取組を展開しております。人的資本への投資により、社員一人ひとりが自律的に学び挑戦することで人材価値を高め、それぞれの個性や強みを活かして最大限のパフォーマンスを発揮し、企業価値向上につなげていくことを人的資本経営としております。
<人的資本経営の全体観>
②人財戦略の基本的な考え方
イ.人財戦略の策定の狙い
当社は、中期経営計画において掲げる事業戦略や構造改革等を実現するため、その基盤となる人財戦略を策定しております。経営環境の変化が加速するなか、企業の持続的成長には、従来の人的資源の管理に留まらず、社員一人ひとりの自律的な成長と能力発揮を促進する人的資本経営の実践が不可欠であると認識しております。
また、労働人口の減少や価値観の多様化といった外部環境の変化を踏まえ、当社は社員との関係を、相互に成長し合うパートナーとして再定義し、エンゲージメントの向上及び優秀な人財の確保・定着を図ってまいります。
さらに、これらの取組を実効性あるものとするため、制度や仕組みの整備に加え、社員及び経営層の思考・行動の変革を促進し、イノベーションが創出される企業文化の醸成を推進してまいります。
以上の取組により、人財価値の最大化を通じて企業価値の持続的向上を実現することを目的としております。
ロ.人事基本方針及び人財戦略を通じてめざす姿
当社では、「理念」及び「オリコがめざすサステナビリティ」を踏まえ、人財戦略を遂行するうえでの基本的な考え方として「人事基本方針」を定めております。人事基本方針は、社員一人ひとりが自ら人材価値を高め、仕事を通じて自己実現できる魅力と活力あふれる働きがいのある環境の実現をめざす「人事ビジョン」、当社が社員に求める行動・姿勢を示した「求める人材像」、及び会社のコミットメントとして社員の成長・挑戦・活躍を支援する「人財マネジメントポリシー」により構成されております。
人財戦略の遂行にあたっては、上記の基本方針に基づき、社員へは変革・改善を通じた価値創造を求めるとともに、会社は社員一人ひとりの思考・行動の改革と自律的な成長を後押ししてまいります。
また、人財戦略を通じてめざす姿として「会社と社員が互いに成長できるWin-Winな関係構築を通じた社員エンゲージメントの最大化」を掲げております。このめざす姿には、会社と社員がともに必要な存在として絆を深めながら、社員が成長・活躍し、会社が持続的に成長する関係を築き上げていきたいという想いを込めております。
③経営戦略と連動した人財戦略
当社は、「与信×テクノロジーで新たな金融シーンを創りだす先進企業」をめざし、現中期経営計画における5年後の到達点を「オリコならではの金融モデルの確立」と掲げております。その実現に向け、個人・法人・海外といった顧客セグメント別事業戦略を打ち出すとともに、それを支える業務プロセス改革(BPX)、デジタル・AIの徹底活用(DX/AI)等の経営基盤強化を重点取組事項としております。さらに、新たな価値を創造するために多様な仲間と協業・挑戦し、ミッションを果たすことを志向する企業カルチャーへの変革を重点課題の一つとして位置付けており、さまざまな施策を推進しております。
グループ全体で取り組んでいるデジタル・AIの徹底活用につきましては、その実効性を高めるために組織のAIケイパビリティを向上していくことが不可欠であると認識しております。DX/デジタル・AI人材については、前中期経営計画より「DX推進人材育成プログラム」を策定し取り組んでまいりました。現中期経営計画ではこれをさらに拡充し、AIやデータを自ら活用できる人材の育成を推進しております。初年度である当連結会計年度は、新たにAI・データ利活用を担える人材育成プログラムを策定し、AIリテラシーを有するAI活用人材は4,482名と、目標(2030年3月期 3,000名)を上回る成果をあげております。
今期においては、当該プログラムを発展的に見直し、AI・データ活用を全社員にとって必要な基礎スキルと位置付け、全社員を対象とした育成体系へと拡充するとともに、業務での活用を前提に、基礎から実践まで段階的にスキルを高める育成体系を策定し、組織全体としてのAI・データ活用能力の底上げと高度化を一体的に推進しております。
また、カルチャー変革に重要な要素である「挑戦」を後押しする人材育成も進めております。前中期経営計画から取り組んでいる新たなキャリアへ挑戦する公募制度では、当連結会計年度において495名の社員が応募いたしました。本制度では、社外への副業やトレーニーなども対象にしており、帰任後に、社外で培った経験や知見を活かし、社内での活躍の幅を広げております。
経営戦略を実現していくためには、各戦略を牽引する人材の確保・育成・最適な配置が不可欠であり、当社グループでは人材ポートフォリオの最適化を人事戦略上の重要テーマとして位置付けております。現在、各部門・グループにおいて戦略遂行に必要なスキルやリテラシーの棚卸しを進めており、今後は現状とのギャップを踏まえ、戦略にアラインした採用・育成・配置等の人事運営に活用してまいります。
加えて、デジタル・AIの活用や事業構造改革の進展により、業務内容や求められる役割が変化していくなかで、人材ポートフォリオに基づき、必要な能力への転換を見据えた取組を推進してまいります。具体的には、重点領域を中心としたリスキリングの推進により、社員一人ひとりの専門性や付加価値の高度化を図るとともに、スキルの応用・転用を前提とした新たなキャリア形成を支援してまいります。また、従来の社内中心のキャリア形成に加え、社員が自らの志向や適性に応じて多様な活躍の機会を選択できるよう、グループ内外を含めたキャリアの選択肢の整備を進めてまいります。
今後は、これらの取組をグループベースで一層強化し、人的資本の高度化とカルチャー変革を通じて、中期経営計画の着実な実現と持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
人財戦略については、「人材・組織」「環境・仕組み」「体制」の三つの観点から体系的に整理しており、各施策を相互に連動させることで、経営戦略の実行力を高めております。
■人材・組織
社員一人ひとりの自律的な学びと挑戦を後押しするとともに、AI・デジタル分野を含む専門性の強化を図り、業務高度化・変革を担う人材の育成を重点的に推進しております。
とりわけ、AI・データ活用人材、DX推進人材、業務改革を主体的にリードできる人材の確保・育成を重点領域と位置付けております。これにより、業務プロセス改革の推進力を強化するとともに、新たな価値創出を継続的に実現できる人材基盤の構築を図っております。
■環境・仕組み
ミッションを基軸とした人事制度の浸透・高度化に加え、多様な働き方の推進、人権の尊重、健康経営の実践等を通じて、社員が能力を最大限発揮できる環境整備を進めております。
また、役割と成果に基づく評価・処遇の透明性向上により、挑戦と成長を促進する組織文化の醸成にも取り組んでおります。これにより、持続的に高い生産性及び付加価値を生み出す組織基盤の強化を図ってまいります。
■体制
人材データの整備・高度化及び業務の可視化を進め、育成・配置・登用をデータに基づき一体的に意思決定できる体制の構築を進めております。
これにより、経営戦略に即した迅速かつ最適な人的リソース配分の実現に向けた取組を進め、戦略人事の高度化を図ってまいります。
④従業員給与・処遇決定の考え方
当社は、従業員一人ひとりが安心して働き、その能力を最大限発揮できる環境の整備を重要な経営課題の一つと位置付けております。
処遇については、生活の安定を考慮し、役割及び成果に応じて適切に報いることを基本としております。処遇の決定にあたっては、各従業員に期待される役割及び責任を明確化したうえで、その遂行状況及び成果を評価し、処遇に反映しております。努力や挑戦が適切に報われる仕組みとすることで、従業員一人ひとりが主体的に成長し続けることができる環境づくりをめざしております。
給与水準については、職務内容や責任範囲等に基づく等級制度により決定しており、社会経済環境や労働市場の動向等を踏まえた上で、従業員及びその家族の生活の安定に配慮し、必要に応じて賃金水準や制度の見直しを行い、処遇の適正化に努めております。
今後も、処遇の透明性及び公平性を確保しつつ、従業員の挑戦と成長を後押しすることで、個々の価値向上と企業価値の向上につなげてまいります。
⑤ガバナンス
当社は、人財戦略を経営の重要課題の一つと位置付け、適切なガバナンス体制のもとでその推進・管理を行っております。人財戦略に関する重要事項については、取締役会において定期的に報告・審議を行い、経営の監督機能のもとで進捗状況の把握及び方針の見直しを実施しております。
人財戦略の推進にあたり、取締役社長のもと、人事・総務グループ長を責任者とし、社内各組織及び連結子会社と連携を進めております。当社の人事機能は、専門性の高さや複雑性への対応の観点から、企画・運用・厚生・人権啓発推進の機能を担う「人財マネジメント統括部」と、採用・教育・インクルージョン&ダイバーシティ推進の機能を担う「キャリアデザイン推進部」の二つの組織で構成しており、それぞれの役割を明確化し連携して人財戦略を推進しております。
⑥リスクマネジメント
人的資本に関するリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (4) 事業等に関する主なリスク⑫人的(人材、人権等)リスク」をご確認ください。
⑦当連結会計年度における取組
中期経営計画初年度として、業務高度化及び事業構造変革の実行を支える人的基盤の整備に重点を置いて推進いたしました。
当該期間においては、変革を担う人材の裾野拡大及び必要な専門性の獲得に向けた取組が進展し、人材の量的拡大及び能力開発の面では一定の前進が見られました。
一方で、これらの人材の能力発揮を通じた経営戦略の実現という観点においては、なお課題があるものと認識しております。具体的には、育成した人材の配置・登用との連動による人的リソースの最適配分や、人材データを活用した意思決定の高度化などについて、さらなる取組の強化が必要であります。
今後は、人材ポートフォリオを起点とした人材活用の高度化に重点を移し、育成・リスキリングと配置・登用を一体として運用することで、人的リソースの最適配分を進め、経営戦略の実行力向上につなげてまいります。
<連結ベースでの主な取組>・社員エンゲージメントサーベイについては、全社KPIであるグループ連結ベースでの2030年3月期のスコア「A・60.0」の達成に向け、グループ会社の垣根を越えた人的交流や協働・連携により、全社的な課題(制度・環境)の解決に取り組んでおります。
・女性活躍推進の取組として、女性社員同士のネットワーク形成を促進し、部門横断での交流やロールモデルとの接点を通じて、将来のキャリア形成や挑戦意欲の醸成につなげる「Orico Woman’s Network」を、グループ横断で実施しております。加えて、社内メンター制度の導入や、キャリアコンサルタントによる管理職登用後のフォロー面談の実施等にも取り組んでおります。
・新たなキャリアへの挑戦に向けて、社員一人ひとりの自律的な学びと挑戦を後押しするために、グループ会社への公募制度を実施しております。
・健康経営基本方針に基づき、実行計画を策定のうえ、組織横断的に具体的な取組を推進した結果、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されております。加えて、グループ会社についても2026年3月期に健康経営基本方針を掲げております。
今後も、グループ一体でさまざまな課題の共有や共通施策の展開を進めることとしております。
<重点実施事項に関する国内連結指標の目標・実績>
※1.海外グループ会社を含む指標及び目標としております。
※2.部室店長(執行役員である部室店長を含む)およびそれに準じる職位としております。
当社グループは、グループ経営戦略に基づき、戦略の実現を支える重要な経営資源として人財を位置付け、当社におきまして経営戦略と連動した人財戦略を策定、推進しております。グループ各社では事業領域及び事業環境の多様性を踏まえ、連結ベースでの統一的な人事制度の導入等は行っておらず、各社・各国の特性に応じた人事運用を基本としておりますが、グループ横断での取組として、持続的成長を支える人的資本基盤の強化を目的に、社員エンゲージメント向上への取組、自律的なキャリア形成の促進、インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)の推進、健康経営等を重点領域として具体的な取組を進め、組織風土及び企業文化の醸成に取り組んでおります。
①人的資本経営の考え方
当社はスキルや専門性・生産性の向上と創造力を養うための教育・学習支援といった社員への投資と、組織・チームとして社員が能力を最大限発揮し、イノベーションを起こしやすい環境整備・仕組みづくりの両面にわたる取組を展開しております。人的資本への投資により、社員一人ひとりが自律的に学び挑戦することで人材価値を高め、それぞれの個性や強みを活かして最大限のパフォーマンスを発揮し、企業価値向上につなげていくことを人的資本経営としております。
<人的資本経営の全体観>

②人財戦略の基本的な考え方
イ.人財戦略の策定の狙い
当社は、中期経営計画において掲げる事業戦略や構造改革等を実現するため、その基盤となる人財戦略を策定しております。経営環境の変化が加速するなか、企業の持続的成長には、従来の人的資源の管理に留まらず、社員一人ひとりの自律的な成長と能力発揮を促進する人的資本経営の実践が不可欠であると認識しております。
また、労働人口の減少や価値観の多様化といった外部環境の変化を踏まえ、当社は社員との関係を、相互に成長し合うパートナーとして再定義し、エンゲージメントの向上及び優秀な人財の確保・定着を図ってまいります。
さらに、これらの取組を実効性あるものとするため、制度や仕組みの整備に加え、社員及び経営層の思考・行動の変革を促進し、イノベーションが創出される企業文化の醸成を推進してまいります。
以上の取組により、人財価値の最大化を通じて企業価値の持続的向上を実現することを目的としております。
ロ.人事基本方針及び人財戦略を通じてめざす姿
当社では、「理念」及び「オリコがめざすサステナビリティ」を踏まえ、人財戦略を遂行するうえでの基本的な考え方として「人事基本方針」を定めております。人事基本方針は、社員一人ひとりが自ら人材価値を高め、仕事を通じて自己実現できる魅力と活力あふれる働きがいのある環境の実現をめざす「人事ビジョン」、当社が社員に求める行動・姿勢を示した「求める人材像」、及び会社のコミットメントとして社員の成長・挑戦・活躍を支援する「人財マネジメントポリシー」により構成されております。
人財戦略の遂行にあたっては、上記の基本方針に基づき、社員へは変革・改善を通じた価値創造を求めるとともに、会社は社員一人ひとりの思考・行動の改革と自律的な成長を後押ししてまいります。
また、人財戦略を通じてめざす姿として「会社と社員が互いに成長できるWin-Winな関係構築を通じた社員エンゲージメントの最大化」を掲げております。このめざす姿には、会社と社員がともに必要な存在として絆を深めながら、社員が成長・活躍し、会社が持続的に成長する関係を築き上げていきたいという想いを込めております。
③経営戦略と連動した人財戦略
当社は、「与信×テクノロジーで新たな金融シーンを創りだす先進企業」をめざし、現中期経営計画における5年後の到達点を「オリコならではの金融モデルの確立」と掲げております。その実現に向け、個人・法人・海外といった顧客セグメント別事業戦略を打ち出すとともに、それを支える業務プロセス改革(BPX)、デジタル・AIの徹底活用(DX/AI)等の経営基盤強化を重点取組事項としております。さらに、新たな価値を創造するために多様な仲間と協業・挑戦し、ミッションを果たすことを志向する企業カルチャーへの変革を重点課題の一つとして位置付けており、さまざまな施策を推進しております。
グループ全体で取り組んでいるデジタル・AIの徹底活用につきましては、その実効性を高めるために組織のAIケイパビリティを向上していくことが不可欠であると認識しております。DX/デジタル・AI人材については、前中期経営計画より「DX推進人材育成プログラム」を策定し取り組んでまいりました。現中期経営計画ではこれをさらに拡充し、AIやデータを自ら活用できる人材の育成を推進しております。初年度である当連結会計年度は、新たにAI・データ利活用を担える人材育成プログラムを策定し、AIリテラシーを有するAI活用人材は4,482名と、目標(2030年3月期 3,000名)を上回る成果をあげております。
今期においては、当該プログラムを発展的に見直し、AI・データ活用を全社員にとって必要な基礎スキルと位置付け、全社員を対象とした育成体系へと拡充するとともに、業務での活用を前提に、基礎から実践まで段階的にスキルを高める育成体系を策定し、組織全体としてのAI・データ活用能力の底上げと高度化を一体的に推進しております。
また、カルチャー変革に重要な要素である「挑戦」を後押しする人材育成も進めております。前中期経営計画から取り組んでいる新たなキャリアへ挑戦する公募制度では、当連結会計年度において495名の社員が応募いたしました。本制度では、社外への副業やトレーニーなども対象にしており、帰任後に、社外で培った経験や知見を活かし、社内での活躍の幅を広げております。
経営戦略を実現していくためには、各戦略を牽引する人材の確保・育成・最適な配置が不可欠であり、当社グループでは人材ポートフォリオの最適化を人事戦略上の重要テーマとして位置付けております。現在、各部門・グループにおいて戦略遂行に必要なスキルやリテラシーの棚卸しを進めており、今後は現状とのギャップを踏まえ、戦略にアラインした採用・育成・配置等の人事運営に活用してまいります。
加えて、デジタル・AIの活用や事業構造改革の進展により、業務内容や求められる役割が変化していくなかで、人材ポートフォリオに基づき、必要な能力への転換を見据えた取組を推進してまいります。具体的には、重点領域を中心としたリスキリングの推進により、社員一人ひとりの専門性や付加価値の高度化を図るとともに、スキルの応用・転用を前提とした新たなキャリア形成を支援してまいります。また、従来の社内中心のキャリア形成に加え、社員が自らの志向や適性に応じて多様な活躍の機会を選択できるよう、グループ内外を含めたキャリアの選択肢の整備を進めてまいります。
今後は、これらの取組をグループベースで一層強化し、人的資本の高度化とカルチャー変革を通じて、中期経営計画の着実な実現と持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
人財戦略については、「人材・組織」「環境・仕組み」「体制」の三つの観点から体系的に整理しており、各施策を相互に連動させることで、経営戦略の実行力を高めております。
■人材・組織
社員一人ひとりの自律的な学びと挑戦を後押しするとともに、AI・デジタル分野を含む専門性の強化を図り、業務高度化・変革を担う人材の育成を重点的に推進しております。
とりわけ、AI・データ活用人材、DX推進人材、業務改革を主体的にリードできる人材の確保・育成を重点領域と位置付けております。これにより、業務プロセス改革の推進力を強化するとともに、新たな価値創出を継続的に実現できる人材基盤の構築を図っております。
■環境・仕組み
ミッションを基軸とした人事制度の浸透・高度化に加え、多様な働き方の推進、人権の尊重、健康経営の実践等を通じて、社員が能力を最大限発揮できる環境整備を進めております。
また、役割と成果に基づく評価・処遇の透明性向上により、挑戦と成長を促進する組織文化の醸成にも取り組んでおります。これにより、持続的に高い生産性及び付加価値を生み出す組織基盤の強化を図ってまいります。
■体制
人材データの整備・高度化及び業務の可視化を進め、育成・配置・登用をデータに基づき一体的に意思決定できる体制の構築を進めております。
これにより、経営戦略に即した迅速かつ最適な人的リソース配分の実現に向けた取組を進め、戦略人事の高度化を図ってまいります。
④従業員給与・処遇決定の考え方
当社は、従業員一人ひとりが安心して働き、その能力を最大限発揮できる環境の整備を重要な経営課題の一つと位置付けております。
処遇については、生活の安定を考慮し、役割及び成果に応じて適切に報いることを基本としております。処遇の決定にあたっては、各従業員に期待される役割及び責任を明確化したうえで、その遂行状況及び成果を評価し、処遇に反映しております。努力や挑戦が適切に報われる仕組みとすることで、従業員一人ひとりが主体的に成長し続けることができる環境づくりをめざしております。
給与水準については、職務内容や責任範囲等に基づく等級制度により決定しており、社会経済環境や労働市場の動向等を踏まえた上で、従業員及びその家族の生活の安定に配慮し、必要に応じて賃金水準や制度の見直しを行い、処遇の適正化に努めております。
今後も、処遇の透明性及び公平性を確保しつつ、従業員の挑戦と成長を後押しすることで、個々の価値向上と企業価値の向上につなげてまいります。
⑤ガバナンス
当社は、人財戦略を経営の重要課題の一つと位置付け、適切なガバナンス体制のもとでその推進・管理を行っております。人財戦略に関する重要事項については、取締役会において定期的に報告・審議を行い、経営の監督機能のもとで進捗状況の把握及び方針の見直しを実施しております。
人財戦略の推進にあたり、取締役社長のもと、人事・総務グループ長を責任者とし、社内各組織及び連結子会社と連携を進めております。当社の人事機能は、専門性の高さや複雑性への対応の観点から、企画・運用・厚生・人権啓発推進の機能を担う「人財マネジメント統括部」と、採用・教育・インクルージョン&ダイバーシティ推進の機能を担う「キャリアデザイン推進部」の二つの組織で構成しており、それぞれの役割を明確化し連携して人財戦略を推進しております。
⑥リスクマネジメント
人的資本に関するリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (4) 事業等に関する主なリスク⑫人的(人材、人権等)リスク」をご確認ください。
⑦当連結会計年度における取組
中期経営計画初年度として、業務高度化及び事業構造変革の実行を支える人的基盤の整備に重点を置いて推進いたしました。
当該期間においては、変革を担う人材の裾野拡大及び必要な専門性の獲得に向けた取組が進展し、人材の量的拡大及び能力開発の面では一定の前進が見られました。
一方で、これらの人材の能力発揮を通じた経営戦略の実現という観点においては、なお課題があるものと認識しております。具体的には、育成した人材の配置・登用との連動による人的リソースの最適配分や、人材データを活用した意思決定の高度化などについて、さらなる取組の強化が必要であります。
今後は、人材ポートフォリオを起点とした人材活用の高度化に重点を移し、育成・リスキリングと配置・登用を一体として運用することで、人的リソースの最適配分を進め、経営戦略の実行力向上につなげてまいります。
<連結ベースでの主な取組>・社員エンゲージメントサーベイについては、全社KPIであるグループ連結ベースでの2030年3月期のスコア「A・60.0」の達成に向け、グループ会社の垣根を越えた人的交流や協働・連携により、全社的な課題(制度・環境)の解決に取り組んでおります。
・女性活躍推進の取組として、女性社員同士のネットワーク形成を促進し、部門横断での交流やロールモデルとの接点を通じて、将来のキャリア形成や挑戦意欲の醸成につなげる「Orico Woman’s Network」を、グループ横断で実施しております。加えて、社内メンター制度の導入や、キャリアコンサルタントによる管理職登用後のフォロー面談の実施等にも取り組んでおります。
・新たなキャリアへの挑戦に向けて、社員一人ひとりの自律的な学びと挑戦を後押しするために、グループ会社への公募制度を実施しております。
・健康経営基本方針に基づき、実行計画を策定のうえ、組織横断的に具体的な取組を推進した結果、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されております。加えて、グループ会社についても2026年3月期に健康経営基本方針を掲げております。
今後も、グループ一体でさまざまな課題の共有や共通施策の展開を進めることとしております。
<重点実施事項に関する国内連結指標の目標・実績>
| 取組内容 | 2026年3月期 実績 | 2026年3月期 目標 | 2030年3月期 目標 | |
| 社員エンゲージメントサーベイAの達成・維持・向上※1 | BB 54.2 | BBB 55.5 | A 60.0 | |
| 組織を牽引する女性リーダー比率 | 部室店長相当職 ※2 | 13.2% | 16.0% | 30.0% |
| 課長クラス以上 | 29.1% | 30.0% | 40.0% | |
| 新たなキャリアへの挑戦に向けて手をあげた人(累計) | 495人 | 300人 | 2,000人 | |
※1.海外グループ会社を含む指標及び目標としております。
※2.部室店長(執行役員である部室店長を含む)およびそれに準じる職位としております。