有価証券報告書-第51期(2023/03/01-2024/02/29)
(イ)戦略
・シナリオの選択
当社グループは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と国際エネルギー機関(IEA)が公表しているシナリオに基づき、分析を行いました。低炭素社会への移行に伴う影響を表した「1.5℃/2℃未満シナリオ」と、気候変動による災害など物理的な影響を示した「4℃シナリオ」を設定しています。時間軸は、中期を2030年、長期を2050年としました。
・重要なリスク/機会及びその影響度
シナリオ分析の結果、気候変動に伴い想定される移行リスクや物理的リスクなど、さまざまなリスク・機会がある中、当社グループにとって重要なリスク・機会として、以下を特定しました。
-炭素税の導入とコストの増大
2050年におけるカーボンニュートラルの実現に向け、当社グループの主要拠点である日本国内においては、炭素税の導入が想定されます。当社グループにおける温室効果ガスの排出量から想定される炭素税による追加コストは限定的であると想定していますが、引き続き省エネ化に努めていきます。
-再生エネルギー調達コストの増大
イオングループ各店舗から排出される温室効果ガスを総量でゼロにする「イオン 脱炭素ビジョン」を達成するため、当社グループが調達する電力を再生可能エネルギーに転換する可能性があります。当社グループの電力調達を100%再生可能エネルギーに置き換えた場合でも、追加コストは限定的であると想定しています。
-脱炭素・省エネルギーサービスの需要拡大
当社グループは、省エネ機器の設置工事や各種設備の省エネオペレーション、フロン排出抑制法に基づくフロン管理サービス、環境配慮型資材の提案など、地球温暖化対策につながる多様なサービスの提供を行っています。今後は、これらに再生可能エネルギー調達支援などを加え、お客さまの脱炭素化を全面的に支援するソリューションを展開していきます。
(設備の省エネルギー化に向けた提案)
ビルなどの建物内の電力使用状況を「監視・制御・見える化」するエネルギー管理システムBEMS(Building and Energy Management System)の導入のほか、使用電力を大幅に削減できるLED照明をはじめ、空調機器と大型設備の省エネ化を提案しています。
(オープンネットワークシステムの導入)
施設内の各種設備をネットワークでつなぎ、リアルタイムでの一元管理を可能とするオープンネットワークシステムの導入を提案しています。遠隔オペレーションによる効率的な施設運営とともに、施設の省エネ化に貢献しています。
(フロン管理サービスの提供)
第一種特定製品※の簡易点検や定期点検をはじめ、メンテナンスやデータベース化などが求められるフロン排出抑制法に基づき、管理業務代行サービスを提供しています。また、より省エネ効果が高く、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が極めて低いノンフロン冷凍冷蔵ショーケースの導入も積極的に提案しています。
※ 第一種特定製品:フロン類が使用されている業務用エアコンディショナーや業務用の冷蔵/冷凍機器など
(環境配慮型商材の提案)
2030年までに使い捨てプラスチック使用量半減(2018年比)を目指す「イオンプラスチック利用方針」に基づき、店舗納入資材におけるプラスチック削減を推進しています。素材を薄くする、軽くするといった従来の手法のほか、プラスチック資源循環促進法をふまえ、スプーンやフォークの素材を紙や木に変更する脱プラスチックにも取り組んでいます。
2020年度からは、強度と耐水性を兼ね備える4層構造とした、自社開発の紙製ストローの取り扱いを開始しました。2022年度においては、カトラリー類約1億本の提供を行い、そのうち約8割は木製、紙製などの環境配慮型資材へ切り替えを行っています。カトラリー・ストローあわせて、年間約185tの使い捨てプラスチックの削減に寄与しました。
また化石資源の使用を抑え焼却時に大気中の二酸化炭素が増えないバイオマスプラスチックを採用したレジ袋や包装資材、バイオマス由来の成分を含むインキの使用をお客さまに提案しています。
-気候変動に起因する大規模災害の発生
当社グループは、気候変動に起因する自然災害を含む大規模災害・広域災害が発生した際には、発災直後に対策本部を設置。全国各地のサービス拠点や自社グループ内外のネットワークを活用し、被災設備の復旧や応援人員の派遣、関係官庁(消防、警察、水道局など)との調整、災害対応資機材/物資の調達など、お客さまのクライシスマネジメントを支援してきました。災害対応時に中核を担う防災拠点、ADソリューションセンター(大阪市・愛知県小牧市)では災害によるリスクに備え、常時、災害情報を収集・分析するとともに管理施設の異常有無を遠隔監視しています。2021年8月からは、東京都千代田区の本社にADソリューションセンターの代替機能を配備し、さらなる防災レジリエンス強化に努めました。今後も、自社のBCP(事業継続計画)だけでなく、お客さまのBCPを含めた防災・減災体制の整備に取り組みます。
(ADソリューションセンターとカスタマーサポートセンター(CSC))
ADソリューションセンターでは、平時より24時間365日、自然災害・事故などの情報収集・配信といった危機管理対応や設備の異常有無を遠隔監視しています。加えて、全国8支社には各地域におけるお客さま施設の管理運営を遠隔サポートするCSCを設置。有事の際には、ADソリューションセンターを情報収集分析班として、CSCと連携を図ることでお客さま施設の早期復旧、営業再開を実現するための迅速な災害支援を実施します。
-操業への影響
当社グループは、店舗向け包装・パッケージなどを供給するための全国をカバーする物流センターを配置しています。今後異常気象が激甚化することで河川の氾濫リスクが高まり、一部の物流センターに浸水リスクが生じる可能性がありますが、在庫棄損などの被害額は軽微と推定しています。また、物流センターが停電または被災などで稼働停止した場合でも、他の物流拠点から代替品を納品するための対策を行っています。
・今後のシナリオ分析の高度化について
当社グループは、シナリオ分析により気候変動が事業に与えるリスク・機会の大きさを再認識しました。リスクは甚大とまでは言えず、また、ある一定の重要リスクには対策済みであることを確認しています。
一方、当社グループの気候変動対策、クライシスマネジメントが自社のみならず、お客さまのリスク回避、および気候変動リスクへのレジリエンス向上に寄与することも確認しました。今後も、脱炭素サービスやクライシスマネジメントを強化し、社会における気候変動リスク低減に貢献していきます。
・シナリオの選択
当社グループは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と国際エネルギー機関(IEA)が公表しているシナリオに基づき、分析を行いました。低炭素社会への移行に伴う影響を表した「1.5℃/2℃未満シナリオ」と、気候変動による災害など物理的な影響を示した「4℃シナリオ」を設定しています。時間軸は、中期を2030年、長期を2050年としました。
| シナリオ分析の実施にあたっては、当社グループ全体に及ぶ影響を確認するため、分析の対象を当社グループの売上高の約9割を構成する国内の全事業(一部サポート事業を除く)としました。 | ![]() |
・重要なリスク/機会及びその影響度
シナリオ分析の結果、気候変動に伴い想定される移行リスクや物理的リスクなど、さまざまなリスク・機会がある中、当社グループにとって重要なリスク・機会として、以下を特定しました。
-炭素税の導入とコストの増大2050年におけるカーボンニュートラルの実現に向け、当社グループの主要拠点である日本国内においては、炭素税の導入が想定されます。当社グループにおける温室効果ガスの排出量から想定される炭素税による追加コストは限定的であると想定していますが、引き続き省エネ化に努めていきます。
-再生エネルギー調達コストの増大
イオングループ各店舗から排出される温室効果ガスを総量でゼロにする「イオン 脱炭素ビジョン」を達成するため、当社グループが調達する電力を再生可能エネルギーに転換する可能性があります。当社グループの電力調達を100%再生可能エネルギーに置き換えた場合でも、追加コストは限定的であると想定しています。
-脱炭素・省エネルギーサービスの需要拡大
当社グループは、省エネ機器の設置工事や各種設備の省エネオペレーション、フロン排出抑制法に基づくフロン管理サービス、環境配慮型資材の提案など、地球温暖化対策につながる多様なサービスの提供を行っています。今後は、これらに再生可能エネルギー調達支援などを加え、お客さまの脱炭素化を全面的に支援するソリューションを展開していきます。
(設備の省エネルギー化に向けた提案)
ビルなどの建物内の電力使用状況を「監視・制御・見える化」するエネルギー管理システムBEMS(Building and Energy Management System)の導入のほか、使用電力を大幅に削減できるLED照明をはじめ、空調機器と大型設備の省エネ化を提案しています。
(オープンネットワークシステムの導入)
施設内の各種設備をネットワークでつなぎ、リアルタイムでの一元管理を可能とするオープンネットワークシステムの導入を提案しています。遠隔オペレーションによる効率的な施設運営とともに、施設の省エネ化に貢献しています。
(フロン管理サービスの提供)
第一種特定製品※の簡易点検や定期点検をはじめ、メンテナンスやデータベース化などが求められるフロン排出抑制法に基づき、管理業務代行サービスを提供しています。また、より省エネ効果が高く、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が極めて低いノンフロン冷凍冷蔵ショーケースの導入も積極的に提案しています。
※ 第一種特定製品:フロン類が使用されている業務用エアコンディショナーや業務用の冷蔵/冷凍機器など
(環境配慮型商材の提案)
2030年までに使い捨てプラスチック使用量半減(2018年比)を目指す「イオンプラスチック利用方針」に基づき、店舗納入資材におけるプラスチック削減を推進しています。素材を薄くする、軽くするといった従来の手法のほか、プラスチック資源循環促進法をふまえ、スプーンやフォークの素材を紙や木に変更する脱プラスチックにも取り組んでいます。
2020年度からは、強度と耐水性を兼ね備える4層構造とした、自社開発の紙製ストローの取り扱いを開始しました。2022年度においては、カトラリー類約1億本の提供を行い、そのうち約8割は木製、紙製などの環境配慮型資材へ切り替えを行っています。カトラリー・ストローあわせて、年間約185tの使い捨てプラスチックの削減に寄与しました。
また化石資源の使用を抑え焼却時に大気中の二酸化炭素が増えないバイオマスプラスチックを採用したレジ袋や包装資材、バイオマス由来の成分を含むインキの使用をお客さまに提案しています。
-気候変動に起因する大規模災害の発生
当社グループは、気候変動に起因する自然災害を含む大規模災害・広域災害が発生した際には、発災直後に対策本部を設置。全国各地のサービス拠点や自社グループ内外のネットワークを活用し、被災設備の復旧や応援人員の派遣、関係官庁(消防、警察、水道局など)との調整、災害対応資機材/物資の調達など、お客さまのクライシスマネジメントを支援してきました。災害対応時に中核を担う防災拠点、ADソリューションセンター(大阪市・愛知県小牧市)では災害によるリスクに備え、常時、災害情報を収集・分析するとともに管理施設の異常有無を遠隔監視しています。2021年8月からは、東京都千代田区の本社にADソリューションセンターの代替機能を配備し、さらなる防災レジリエンス強化に努めました。今後も、自社のBCP(事業継続計画)だけでなく、お客さまのBCPを含めた防災・減災体制の整備に取り組みます。
(ADソリューションセンターとカスタマーサポートセンター(CSC))
ADソリューションセンターでは、平時より24時間365日、自然災害・事故などの情報収集・配信といった危機管理対応や設備の異常有無を遠隔監視しています。加えて、全国8支社には各地域におけるお客さま施設の管理運営を遠隔サポートするCSCを設置。有事の際には、ADソリューションセンターを情報収集分析班として、CSCと連携を図ることでお客さま施設の早期復旧、営業再開を実現するための迅速な災害支援を実施します。
-操業への影響
当社グループは、店舗向け包装・パッケージなどを供給するための全国をカバーする物流センターを配置しています。今後異常気象が激甚化することで河川の氾濫リスクが高まり、一部の物流センターに浸水リスクが生じる可能性がありますが、在庫棄損などの被害額は軽微と推定しています。また、物流センターが停電または被災などで稼働停止した場合でも、他の物流拠点から代替品を納品するための対策を行っています。
・今後のシナリオ分析の高度化について
当社グループは、シナリオ分析により気候変動が事業に与えるリスク・機会の大きさを再認識しました。リスクは甚大とまでは言えず、また、ある一定の重要リスクには対策済みであることを確認しています。
一方、当社グループの気候変動対策、クライシスマネジメントが自社のみならず、お客さまのリスク回避、および気候変動リスクへのレジリエンス向上に寄与することも確認しました。今後も、脱炭素サービスやクライシスマネジメントを強化し、社会における気候変動リスク低減に貢献していきます。
