有価証券報告書-第55期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 15:10
【資料】
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【項目】
75項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、企業繁栄支援業として、戦略・経営支援、人材育成支援、販売促進支援といった角度から、企業繁栄に役立つ広汎なコンサルティングサービスを提供することで、顧客や社会にとってなくてはならない会社「ファーストコールカンパニー -100年先も一番に選ばれる会社」の創造支援を目指しております。
(2)経営戦略等
当社の中長期的な経営戦略は、「企業繁栄に奉仕する」を基本に様々な顧客ニーズにも応えられる戦略として策定した「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティングの多角化戦略)を推進することで、顧客創造を推進し、社会的課題の解決、顧客基盤を強化することにあります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、高い安定性に加え、収益面での指標も重視することにより、高収益企業として成長し続け、企業価値を高めていきたいと考えております。企業価値を高め、安定性と持続的成長を実現していくための経営指標として、売上高経常利益率を重視し、収益力の向上を目指します。さらには収益面だけでなく、成長面(売上高伸び率)も重視し、収益性、安定性、持続的成長のバランスの取れた企業を目指します。
(4)経営環境
当面の我が国経済は、雇用・所得環境の改善が期待されるものの、国際情勢不安による海外景気の下振れリスクが依然として払拭されず、先行きは不透明な状況が続くと見ております。
当社を取り巻く経営環境につきましては、顧客ニーズの多様化・個性化が進み、混沌とした市場環境の中での新たな経営基盤の確立への対応が求められております。
(5)事業所及び財務上の対処すべき課題
当社は、経営理念であります「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」ことで、広く社会に貢献する会社でありたいと考えております。その実現に向けて、当社の祖業であるコンサルティングを「顧客最適の全社チームコンサルティング」で展開できるように全事業の力を「Tanabe is One」の精神で結集し、「変化と成長に挑む戦略パートナー」として顧客の期待に応え続け、当社の持続的成長を実現してまいります。
当社が直面している課題と、対応する主な施策は次のとおりであります。
①地域FCC戦略の推進
全国に10拠点の事業所(ファーム)を展開し、「リージョナル戦略のパートナー」として、全国の中堅・中小企業に対し均質のコンサルティング、セミナー等を提供できる点は、他にはない当社の強みであると認識しております。
「地方創生」が国の成長戦略の重要テーマとして位置付けられているなかで、当社においても、全ファームが地域におけるFCC(ファーストコールコンサルティングファーム)となるために、新たに大阪本社と東京本社の二本社体制として全国各地域へのサポート体制を強化し、全社・全事業の力を結集してより一層、各地域経済の活性化、地方創生に貢献してまいります。
②ドメイン戦略の推進
未来の社会的課題を解決するドメイン(事業戦略)やファンクション(組織戦略)をテーマに、全国、海外の「ファーストコールカンパニー -100年先も一番に選ばれる会社」のビジネスモデルを研究し、その成果をセミナーやコンサルティングを通じて顧客へ還元する「戦略ドメイン&マネジメント研究会」を運営しております。現在は20の研究会を運営しており、当該研究会に新たに7つの研究会を追加し、合計27の研究会を運営していくと共に、「食品・フードサービス」「ヘルスケア」「住まいと暮らし」の専門部門を東京本社に設置いたします。このように、今後も各研究会からの新規事業の育成・成長を推進すると共に、顧客へ専門性の高い価値を提供してまいります。
③アライアンス戦略の推進
全国の地域金融機関・会計事務所等とのアライアンス(提携)を通じて、間接的にサービスを提供している先は、全国で約5,300社あります。従来は、当該顧客に対して直接コンサルティング契約を締結し、サービスを提供することはありませんでした。しかしながら、ここ数年で、提携先顧客の企業においても「事業承継」や「人材育成」などに対するコンサルティングニーズが拡大しております。このような環境の変化に鑑み、サービスメニューを開発し、アライアンス先を通じて地域企業に提供できる体制を強化してまいります。
④コンサルタント人材の採用とプロフェッショナルコンサルタントの育成
当社の持続的成長を実現する条件の一つとして、高いコンサルティング品質を顧客へ提供できる「コンサルタント人材の採用」と「プロフェッショナルコンサルタントの育成」が重要であると考えております。
コンサルタント人材の採用においては、経営コンサルタント、SPコンサルタント、人材育成コンサルタントなどのコンサルタントキャリアを複線化しており、新卒採用と中途採用を共に強化していくことで、これらのコンサルタント及びその候補者人数を増やしてまいります。また、コンサルタントのモチベーションをより一層向上させる賃金・評価制度の導入も進めてまいります。
プロフェッショナルコンサルタントの育成においては、採用した社員の早期戦力化を実現するために、平成28年4月に自社独自のコンサルタントを育成するビジネススクール「タナベコンサルタントアカデミー」を創設いたしました。優秀なコンサルタント人材の増員を図ると共に、その育成も強化してまいります。
今後も当社経営管理部門における人材採用・育成体制を強化すると共に、採用ホームページや広告等への投資により、採用ブランディングを強化してまいります。