有価証券報告書-第50期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業業績が堅調に推移し、雇用環境の改善等を背景に引き続き緩やかな回復基調で推移したものの、人件費の上昇、消費税率引き上げ後の個人消費の落ち込みに加えて、期末には新型コロナウイルス感染症の発生・拡大による世界経済への影響も懸念され、先行き不透明な状況で推移いたしました。また、当社グループを取り巻く環境におきましても、長期化する人手不足およびお客さまからのコスト削減要請等厳しい状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループは引き続き「お客さま第一主義」に徹した経営姿勢を貫き、業務品質の向上に取り組むとともに、お客さまのニーズに合った提案型営業を推進し、新規業務の受注や既存先の仕様拡大等に注力してまいりました。 費用面におきましては、原価管理の徹底ならびに販売管理費の改善、不採算案件の見直し等に努めてまいりましたが、次年度繁忙期に向けた人材の確保・教育訓練費用等が増加いたしました。
この結果、当連結会計年度におきましては、売上高は59億8,774万円(前年同期比0.3%増)となりましたが、利益面につきましては、経常利益が1億4,331万円(前年同期比12.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては1億87万円(前年同期比13.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
建物総合管理サービス事業
建物総合管理サービス事業につきましては、企業間競争の激化に加えて、従業員の採用難および高齢化の問題から、人材の確保におきましても厳しい状況で推移いたしました。 このような状況のもと、警備部門におきましては新規の常駐施設管理業務を複数受注したことに加えて、既存事業所における値上げ交渉を実施してまいりました。また、設備部門ならびに工事部門におきましては、大規模物流倉庫における消防設備の改修やオフィスビルにおける電気設備の増設工事、大型複合施設におけるシャッター設備の更新工事等多数の案件を受注し、売上高は前年を上回ることが出来ました。
費用面におきましては、既存事業所における業務仕様変更の提案や勤怠管理の徹底等、コストの削減に努めましたが、人材の採用に伴う募集費用や品質向上に向けた教育訓練の強化および従業員の離職防止等に伴う費用が増加いたしました。 この結果、売上高は48億1,772万円(前年同期比2.0%増)となりましたが、セグメント利益は4億718万円(前年同期比6.0%減)となりました。
人材サービス事業
人材サービス事業につきましては、働き方改革等における労働環境の変化により、企業の人手不足感はますます広がり、外部人材の採用や業務のアウトソース等、労働力確保に関する意識は依然として高く、人材派遣のニーズも増加いたしました。 このような状況のもと、新規および既存顧客先への提案を展開することにより、派遣業務におきましては、コールセンター業務の増員およびアミューズメント施設の案内業務の受注に加え、商品プロモーション関連のイベント運営業務ならびに公共施設の駐車場案内業務を受注いたしました。しかしながら、売り手市場による人材不足や新型コロナウイルス感染症の流行により、受注したイベントの中止等が影響し、売上高、利益ともに目標を下回りました。 この結果、売上高は10億9,954万円(前年同期比6.1%減)となり、セグメント利益は4,264万円(前年同期比10.5%減)となりました。
介護サービス事業
介護サービス事業につきましては、増大する社会保障費用に対する削減圧力が強まっており、法改正による介護報酬の削減や競合の激化等、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が継続いたしました。 このような状況のもと、コスト管理の徹底に加え、地域包括支援センターおよび近隣の居宅介護支援事業所に営業活動を行い、新規の介護サービス利用者獲得を進めてまいりましたが、利用者の入院等によりサービスの終了を余儀なくされた案件が多数発生いたしました。 この結果、売上高は7,047万円(前年同期比4.7%減)となり、セグメント損失は1,056万円(前年同期は972万円のセグメント損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて2,890万円減少し、当連結会計年度末には、9億8,047万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果稼得した資金は1億7,624万円(前連結会計年度は2億6,028万円の稼得)となりました。
これは主に、仕入債務の減少等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,748万円(前連結会計年度は813万円の稼得)となりました。
これは主に、定期預金の預入による支出等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1億8,767万円(前連結会計年度は1,720万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済及び配当金の支払等によるものです。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産、受注の状況
当社グループは、役務提供を主体としているため、受注生産は行っておりません。このため、生産、受注の記載は行っておりません。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 建物総合管理サービス事業 | 4,817,720 | 2.0 |
| 人材サービス事業 | 1,099,543 | △6.1 |
| 介護サービス事業 | 70,476 | △4.7 |
| 合計 | 5,987,740 | 0.3 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ㈱サンシャインシティ | 769,464 | 13.8 | 871,682 | 14.6 |
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高及び売上総利益)
売上高は、企業間競争の激化やお客さまからのコスト削減要請等の継続に加え、長期化する人材不足と高齢化の問題が懸念となっており、人材の確保が厳しい状況ですが、新規業務の受注や既存先の仕様拡大等に注力してきたこと等から、59億8,774万円(前期比0.3%増)となりました。
費用面におきましては、人材の確保、更なるサービス品質向上に向けた教育訓練等の強化費用等が増加しましたが、原価管理の徹底、不採算案件の見直し、既存先への値上げ交渉等を積極的に推し進めた結果、売上総利益は、9億6,600万円(前期比0.5%増)となりました。
(営業損益及び経常損益)
当連結会計年度の営業利益につきましては、原価同様に販売管理費削減の強化も継続して行ってまいりましたが、人件費の高騰及び業務品質向上のための研修教育費等が嵩んだ結果、1億3,828万円(前年同期比11.3%減)、経常利益につきましても、1億4,331万円(前年同期比12.3%減)となりました。
(税金等調整前当期純損益及び親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、事務所移転に伴う移転補償金617万円、固定資産除却損423万円の計上により、1億4,525万円(前年同期比4.3%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億87万円(前年同期比13.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概況②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金の流動性の向上と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
当社グループは、円滑な事業活動に必要な流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、手元現金は、月商の2カ月から3カ月を適正レベルとして保有しております。
資金調達は主として、金融機関からの長期借入金によっております。取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、資金調達に関しては適切で最良な金利水準を採用しております。
資金需要の主なものは、労働集約型産業であるため人件費とそれに付随する費用であります。
当社グループは、フリーキャッシュ・フロー指標を戦略的投資または、株主還元、有利子負債の返済に配分するなど、有用な指標と考え以下のとおり算出しております。
| (単位:千円) | |||||
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 前期比 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 60,326 | 260,280 | 176,246 | △84,034 | |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | ※ | 233,033 | 813 | △17,481 | △18,294 |
| フリーキャッシュ・フロー | 293,359 | 261,093 | 158,765 | △102,328 | |
(注)2018年3月期の投資活動によるキャッシュ・フローは、主に定期預金の解約による収入であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「第5 経理の状況」に記載のとおりでありますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
当社グループの経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、貸倒れ債権、たな卸資産、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。