有価証券報告書-第31期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社企業グループは、更なる成長を目指すべく、2016年から5ヶ年計画で「CRESCO Ambition 2020」の推進に取り組んでおります。
2019年度の経営方針 ・「CRESCO Ambition 2020」に沿った経営
・サービス品質の強化による質的成長
・リソース及び技術戦略の強化による量的成長
・M&Aによる成長スピードの加速
当社企業グループは、持続的な成長に向け、中核技術となる「アプリケーション開発技術」「ITインフラシステム構築技術」「組込み技術」に、先端技術(AI等)を加えた多様な技術領域を軸とした、「デジタル革命」をリードする企業であります。2019年度は、「CRESCO Ambition 2020」に沿って、質的及び量的成長の追求、M&Aによる成長戦略を通じて企業価値向上を目指します。
(2) 経営環境
2019年度(令和元年)の経済環境は、米中経済摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題、中国や欧州の景気減速等の懸念はあるものの、情報システムを含む設備投資は、全体では、昨年来の勢いを継続する、と予測しております。お客様の業界や業種により差はありますが、「攻めのIT経営」を主眼としたデジタル変革や2020年開催の東京オリンピック、インバウンドへの対応などが下支えとなる、と予測しております。一方、需要の拡大に伴い、人材の不足感は依然否めず、継続的な人材の獲得・育成、生産性及び品質の向上、開発体制の強化は、経年の優先課題となっております。
(3) 対処すべき課題
こうした経営環境に的確に対応し、ステークホルダーの期待にお応えするため、当社企業グループでは、以下の課題認識のもと、諸施策をすみやかに実行し、既存事業分野の付加価値を更に高めつつ、先端技術の研究、新たなビジネスモデルの創出を進め、持続的な成長と企業価値向上を実現してまいります。
①鉄板品質の提供
お客様に提供するサービス品質の改善・成長を目指すことは、結果として、企業の持続的な成長と企業価値の向上につながります。「契約・約束を守る」「仕事に責任を持つ」「品質(Q)、価格(C)、納期(D)を厳守する」等ビジネスでは当たり前のことを着実に実践し、プロジェクトマネジメントを含めたビジネス品質の向上を通じて、お客様からの信頼・信用を重ね、企業価値とクレスコブランドの向上を目指してまいります。
②生産性の追求
生産性向上の目的は、効率化によって作られた「時間」を有効に活用して、新たな価値や収益を生み出すことにあります。仕事の仕方を変え、小さな工夫を積み重ねながら、生産性向上を実現し、働き方改革や知的財産の活用、企業の持続的な成長といったテーマを克服してまいります。
③リソース戦略の強化
IT投資に関わる需要の増加に伴い、開発に従事する人材不足は依然否めず、案件の受注を支える開発体制の強化は、急務となっております。当社企業グループは、部門や企業間を横断する組織体制を構築する他、ニアショア(子会社や協力会社との協業による国内分散開発)やオフショア(ベトナムの現地企業との協業による国外分散開発)を積極的に活用し、機会損失(案件の失注や縮小など)が発生しないよう努めてまいります。
④人材の採用と育成
労働集約型の受託開発サービスにおいては、人材がお客様へ提供する価値の多くを生み出しており、その継続した発展のためには、人材の採用と育成が不可欠です。企業の提供する商品やサービスが厳しく選別される時代、特にIT業界においては、人材の差が企業の競争優位性を決定づける大切な経営資源と考えております。その適正な人員の確保・育成を専門とする人財戦略室を中心に、継続的な採用活動(新卒、技術職キャリア、上級マネジメント人材)と、「人財育成のモデル企業」を目指した学習する組織風土作り、人財育成プログラムを推進してまいります。
⑤新技術の研究・開発
産学連携を含め、新技術の研究・開発を進め、先端技術の進化に遅れることなく、市場ニーズに適時に応えることができる技術力の保持と迅速なサービス提供を目指します。当面は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった事業領域に対し、タイムリーな先行投資や研究開発、共同研究を実行してまいります。また、研究・開発の成果を軌道に乗せ、継続的な収益事業に育成するため、事業の本格展開と収益への早期貢献に努めてまいります。
⑥グループ連携の強化
M&Aの推進による事業領域の拡大、人員の確保、新規取引先の開拓が急務と考えております。また、売上増進やコスト削減、技術力強化といった、グループシナジーを発揮するには、グループ企業間の営業連携や業務インフラ整備、人事交流といった施策がこれまで以上に必要となっております。当社企業グループ各社に対するマネジメントにつきましては、コーポレート・ガバナンスの観点から取締役あるいは監査役を派遣するほか、グループ事業推進本部を設置し、業績管理をはじめ、グループ経営全般を支援しております。
⑦営業体制及びお客様とのリレーションシップの強化
お客様のニーズの多様化、複雑化に伴い、IT企業は、お客様の事業目標達成や未来構想に向けたイノベーションを実現する、まさに「メインITパートナー」としての役割を期待されています。このような期待に応え、お客様とのリレーションシップを強化するため、営業専任者の増員と育成を継続的に実施し、営業体制の強化に努めてまいります。また、営業情報、お客様情報を共有できる仕組みを構築し、当社企業グループ間及び各事業部門の営業メンバーが連携し、戦略的、網羅的に幅広い提案型営業を展開してまいります。
⑧新規ビジネスの組成
「デジタル変革」が本格化する中、従来の受託開発ビジネス、システムインテグレーションビジネスのみならず、競争優位性を担保する独自のソリューションビジネスが必要であると考えております。当社企業グループが強みとするAIやIoT、クラウド分野を戦略技術に据えた、幅広い産業向けの新規ビジネスの組成を積極的に行ってまいります。なお、組成活動にあたっては、その範囲を自社内に限らず、社外とのオープンイノベーションを積極的に推進することで、早期の事業化に努めてまいります。
⑨コーポレート・ガバナンスの推進
企業の持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化が重要と考え、的確かつ迅速な意思決定及び業務執行体制並びに適正な監督・監視体制の構築を図っております。また、経営の健全性、公正性の観点から、コーポレート・ガバナンスの実効性を一層強化するため、当社企業グループ全体で、リスク管理、内部統制、コンプライアンスへの取組み(月次チェックや教育)を徹底し、信頼性の向上と自浄能力の増強に努めてまいります。
⑩健康管理と働き方改革の推進
「健康」や「働き方」は一個人の問題ではなく、企業の利益にもつながる大切な要素でもあり、企業が、能動的にマネジメントアプローチすべきテーマであります。心身の健康を維持・増進し、安心・安全に、自分らしい働き方を実現できる職場づくりを働く人の立場・視点で取組んでまいります。この取組みは、企業のレピュテーションや人材採用の面でも効果が期待できるものであり、あわせて、企業のリスクマネジメントとしても重要であります。当面は、「定時退社日の運用推進」「残業時間の削減」「有給休暇取得率の向上」「仕事と育児の両立支援」がポイントになると考えております。今後も国の政策や法制度の動向を鑑み、当社企業グループに即した諸施策を推進してまいります。
⑪ダイバーシティへの取組み
多様性の受け入れは、個人ひとりひとりが充実した人生を送り、あわせて、企業が変化する市場環境や技術構造の中で競争優位性を築くために、不可欠であります。多様な人材が組織に平等に参画し、その能力を最大限発揮できる機会の提供は、様々なイノベーションを生み出し、価値創造につながります。当社企業グループでは、個人の「違い」を尊重し、職務に関係のない性別、年齢、国籍等の属性を考慮せず、個人の成果や能力、貢献に応じて評価することを基本とします。女性の積極採用や女性管理職比率の増加にも注力し、2017年9月には「えるぼし」を取得しました。その他、外国人や障がい者の採用にも取り組んでおります。