有価証券報告書-第38期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/18 15:30
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172項目

有報資料


文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
グループビジョン:「CRESCO Group Ambition 2030」
人が想い描く未来、その先へ
クレスコグループは最高のテクノロジーと絆で”わくわくする未来”を創造します
当社グループは、2021年度より10年間の長期グループビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」をスタートしております。当該ビジョンの具現化に向け、中期経営計画として、中期経営計画2023(変革:2021年度~2023年度)、中期経営計画2026(挑戦:2024年度~2026年度)、中期経営計画2030(飛躍:2027年度~2030年度)の3ステップを設定し、2番目のステップとなる中期経営計画2026では、2026年度における「連結売上高700億円」、「連結営業利益率11.5%」、「連結ROE15%以上」を財務目標としております。

中期経営計画2026
中期経営計画2026では、7つの戦略から構成される成長戦略を策定いたしました。当社グループとしてこれらの戦略群を実践することで、『顧客とともに持続的に成長し、社会を前進させる』というミッションを果たし、同時に上記の財務目標を達成することを基本方針としております。

各戦略の方針は以下のとおりです。
① 共創型モデルの確立
従来の受託型からプロダクト型・課題解決型・未来創造型へと提案スタイルを広げていくことで、顧客の成長を支える「戦略パートナー」としての地位を確立し、顧客へ提供可能なサービス・プロダクトの価値の拡大を目指してまいります。
② 品質リーダーシップ発揮
グループ社員個人に対するITプロフェッショナルとしての育成を強化し、また、組織としても全方位型の品質管理強化を実現することで、安全・安心・感動の品質を担保し、「戦略パートナー」にふさわしいサービス・プロダクトを顧客に提供することを目指してまいります。
③ 人的資本経営推進
これらの戦略を遂行するに当たって必要な人財ポートフォリオを策定・運用し、必要な人財を採用・育成するための諸施策を実施するとともに、多様な人財が協働・躍動できる風土を醸成することで、個人と組織の力を最大化し、顧客への提供価値を創出することを目指してまいります。
④ 技術・デジタルソリューションの拡張
顧客が抱える経営課題の解消に向けて当社グループの有する技術・デジタルソリューションが貢献できるように、AI、セキュリティ、データアナリティクスを中心とした技術領域の強化・拡大と、独自のブランドソリューションの開発や国内外のソリューションの調達強化を目指してまいります。
⑤ 事業連携促進
新たな市場の開拓のためのアライアンスパートナーの獲得、高い技術力と豊富なリソースを有するビジネスパートナーとの関係強化、さらには大学・研究機関との共同研究を通じた産学連携により、当社グループのビジネスエコシステムを拡大し、顧客への価値提供につなげることを目指してまいります。
⑥ デジタル変革実現
グループ社内業務においてもデジタルソリューションを適用し、業務パフォーマンスを上げることで、グループ役員・社員をよりクリエイティブかつ高付加価値な業務に集中させ、生産性の向上につなげることを目指してまいります。
⑦ グループ一体経営
当社グループでは、各社が自主自立的な経営を行っておりますが、事業的シナジーを一層強化して顧客への提供価値の最大化を目指すとともに、グループ業務の集約化を進めて経営の効率化を実現することを目指してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)として売上高、営業利益率、ROEを設定しております。
なお、「中期経営計画2026」におけるKPIの目標値は次のとおりであります。
KPI
(連結ベース)
2023年度
実績
中期経営計画2026
2024年度2025年度2026年度
実績実績目標値予想値
売上高(百万円)52,75558,76064,67670,00071,500
営業利益率(%)9.710.210.211.511.2
ROE(%)14.315.116.415.016.3

(注) 1 2026年度の目標値及び予想値については、当連結会計年度末現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
2 2026年度の売上高及び営業利益率の予想値は、2026年5月8日時点での公表値であります。
3 2026年度のROEの予想値は、当該年度における自己資本の変動が、2026年5月8日に公表した自己株式の市場買付け(上限20億円)と親会社株主に帰属する当期純利益(55億30百万円)、剰余金の配当(1株当たり配当額は2026年3月期期末:35円、2027年3月期中間:35円)のみであると仮定して算定しております。
(3) 経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2025年度の経営環境は、地政学リスクの上昇や世界経済の混乱、インフレーションの進行とそれに対処するための政策金利の引上げなど、企業活動に深刻な影響を与える事象が多く発生したことに加え、当社グループが属するIT産業においては生成AIの脅威が顕在化してまいりました。
このような経済環境のもと、当社グループは生成AI・クラウド・セキュリティ等のデジタルソリューション事業の強化とM&Aに注力するとともに、投資有価証券の売却や自己株式の市場買付けを通じた経営資源の配分の見直しを行うなど、新たな時代に向けた体制作りを進めてまいりました。
当社グループとしては、「中期経営計画2026」に掲げる目標を達成し、ステークホルダーの期待にお応えするために、以下の課題認識のもと諸施策を速やかに実行し、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。
①ITエンジニアの確保と育成
「中期経営計画2026」で掲げる連結売上高700億円の達成のためには、幅広い技術領域と顧客のビジネスに精通したITエンジニアの確保が必要不可欠であります。この経営課題に対し、当社グループでは、一層のブランディング活動と採用活動の強化を行うとともに、M&A案件やビジネスパートナーの発掘、ニアショア(子会社やビジネスパートナーとの協業による国内分散開発)やオフショア(ベトナム現地企業との協業による国外分散開発)を強化することでエンジニアの母集団を増やすとともに、人財開発・育成プログラムを刷新してエンジニアを含めたすべてのグループ社員の水準の底上げを図ってまいります。特に、生成AI活用を前提に業務を実践できる人財の育成を強化しております。また、給与水準の見直しやテレワーク・オフィス環境、安全衛生等の労働環境の整備を継続することで、従業員のエンゲージメントを高めるための諸施策を実行してまいります。
②グループ連携を軸にした顧客への提案活動
売上高の確保に向けて、大中小の様々な規模の案件を効率的に受注するためには、当社グループ各社が独自に商圏の拡大を目指すだけでなく、営業案件のグループ内での融通や、要員・技術・ソリューションを統合した提案活動が重要であると判断しております。
このような経営課題に対して、当社グループでは、当社のグループサービス本部を中心に、グループ役員・営業担当・開発人員の交流機会を増やし、顧客企業からの要望に対して機動的に対応することでグループシナジーを最大化するための体制を構築してまいります。
③デジタルソリューション事業の売上高の増加と収益性の向上
近年、顧客企業においては、少子高齢化に伴う人手不足や物価高騰に伴うコスト構造の変化、企業間競争のスピードの激化に直面しており、従来のように自社で要員や設備を抱えたり、長い時間をかけた研究開発を行ったりすることが困難な状況になっております。この状況を打破するための解決策として、AI・クラウド・RPA等の技術を活用したデジタルソリューションに注目が集まっており、今後の需要拡大が期待されていることから、当社グループとしても経営資源をデジタルソリューション事業に集中し、同事業の売上高を確保するとともに収益性を引き上げることが重要であると判断しております。
このような経営課題に対して、当社グループでは、各種イベント・勉強会の開催や技術コミュニティ活動の促進、共同案件の獲得を通じてITエンジニアの市場価値の引き上げを図るほか、自社ブランドソリューションの更なる開発やソリューションを有する提携先企業の発掘を進めることにより、事業全体の利益率の向上を目指してまいります。
④不採算プロジェクトの発生防止
不採算プロジェクトが発生した場合、収束に向けて多額の人件費・外注費を投入する必要があるだけでなく、新規案件にリソースを振り向けることができず機会損失をもたらすことになるため、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼします。不採算プロジェクトは技術・品質の問題だけでなく、見積ミスや顧客との調整不足など様々な要因によって発生することから、発生原因を徹底的に追求し、今後同様の事態を起こさないようにするための仕組みと体制を構築してまいります。
⑤生産性の向上
「中期経営計画2026」の推進に当たり、営業・採用・調達・M&A/PMI等の業務や法規制等に対応するための活動等が増加することが予想されます。また、当社グループが主力とする受託型ソフトウェア開発においても、顧客からの要求レベル(仕様や条件等)が高まるものと考えられます。このような変化に的確に対応するためには、生産性の向上が必要不可欠であり、営業利益率を高めるカギにもなると判断しております。
具体策として、ITリテラシー教育を促進し、デジタルソリューションを用いた業務の効率改善と集約化を進めることで間接コストの抑制を図るとともに、グループ役員・社員が本業に集中できる環境を整備してまいります。また、アジャイル開発やRPA・生成AIを前提とした業務の実践を促進することにより、開発効率の向上と製造コストの抑制を図ってまいります。
⑥サステナビリティ経営及び人的資本経営の推進
当社グループは経営上の目標・指標を定めており、これを達成する責務を負っておりますが、一方で、企業価値の向上と社会課題の解決の双方を実現する「サステナビリティ経営」や、人材の価値を最大限に引き出して中長期的な企業価値の向上を実現する「人的資本経営」を推進することが求められております。
このような経営課題に対し、当社グループは、「サステナビリティに関する基本方針」に基づいて、持続可能な社会の実現に向けた行動を推進しております。また、「健康経営宣言」「マルチステークホルダー方針」を公表し、従業員をはじめとした多様なステークホルダーとの価値共創を進めていくことを明らかにしております。中期経営計画2026においては、当社グループのマテリアリティ(重要課題)を明記しており、今後も引き続き、これらの方針等に則った事業活動を展開し、適時適切な情報開示に努めてまいります。
なお、サステナビリティ経営及び人的資本経営に関する詳細につきましては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(4) 中期経営計画の進捗状況
「中期経営計画2026」の各成長戦略に係る当連結会計年度における主な活動と成果は以下のとおりであります。
① 共創型モデルの確立
・継続したアカウントマネジメントの強化に向け、戦略パートナー候補を中心にアカウント別戦略を実行し、顧客との関係性深化に取り組みました。
・顧客ニーズ起点の提案活動を強化し、顧客との対話機会の拡充を図りました。また、共創深化に向けた顧客との共同活動を展開いたしました。
・戦略パートナーによる売上拡大、及び社員一人当たりのプロジェクト利益額の改善が着実に進みました。
② 品質リーダーシップの発揮
・不採算プロジェクトの抑制に向けて、レビュー指摘事項のトラッキング強化、及び品質意識の向上と浸透を目的とした品質保証の強化を実施いたしました。その結果、前連結会計年度からの大幅な赤字額抑止の達成に貢献いたしました。
・QMS(品質管理システム)内部監査の拡充と品質管理プロセスの定着を進め、トラブルの未然防止及び早期収束に取り組みました。
③ 人的資本経営推進
・さらなるビジネス拡大に向け、継続した採用強化を推進し、新卒、及び外国籍人材の採用目標を達成いたしました。
・人材の定着を高めるためのリテンション施策を実施し、退職率の改善に一定の効果を発揮いたしました。
・企業価値の向上と人的資本の循環を促進することを目的としたアルムナイコミュニティを設立いたしました。また、元社員と交流するコミュニティサイトもオープンいたしました。
・エンゲージメントスコア向上委員会を組成し、各部門へのワークショップを実施いたしました。
④ 技術・デジタルソリューションの拡張
・継続的なコード改善でソフトウェア品質の向上を実現する「Trust Code Hub」の提供を開始いたしました。
・「Trust Code Hub」でも活用しているコード品質分析プラットフォームSonarQubeにおいて、国内初の「SonarQubeゴールドリセラーパートナー」に認定されました。
・デジタルソリューションビジネスの拡張の推進に積極的に取り組み、デジタルソリューション売上、利益率ともに大幅改善を実現いたしました。
⑤ 事業推進連携
・既存ビジネスパートナーに対して、離脱を防ぐ施策を検討し、実行いたしました。
・アライアンスパートナー連携の促進として、ビジネスマッチする企業を選定し、対象企業へのアプローチを開始いたしました。
・産学連携についても大学と連携した学会発表や共同研究にとどまらず、双方の人材交流も視野に関係強化を図ってまいりました。
⑥ デジタル変革実現
・より機動的な意思決定に資するべく、財務データを一元的に可視化・分析するための基盤の構築を図りました。
・生成AIビジネス変革研究室を中心に、生成AIを開発プロセスに適用し、生産性と品質を向上させる取り組みを推進いたしました。
・基幹システム更改に伴う全社横断での業務プロセスの改革を実現いたしました。
⑦ グループ一体経営
・グループ内での案件トスアップなどの協業の幅をさらに拡大し、大型案件受注など効果を発揮いたしました。
・グループ内共通アカウント別の分科会を継続して推進するとともに、新たなグループ戦略アカウント化も進め各戦略アクションを実施いたしました。
・コーポレート機能の集約として、共通化業務を特定し、具体的施策についても一部実施いたしました。
・グループを含めた外部機関との連携によるサーチ型戦略的M&Aを推進いたしました。

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