有価証券報告書-第32期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 9:24
【資料】
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【項目】
161項目

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社企業グループは、事業機会を着実に取り込み、持続的な成長と企業価値の向上を果たすため、2016年から5ヶ年計画で「CRESCO Ambition 2020」の推進に取り組んでおります。
「CRESCO Ambition 2020」の3つのテーマ ・挑戦する企業集団
・洗練された技術力と確かな品質
・ひとりひとりが輝くクレスコ
-コーポレートスローガン-
Lead the Digital Transformation ~『クレスコグループ』はデジタル変革をリードします。~
2020年度の経営方針 ・「CRESCO Ambition 2020」に沿った経営
・新規顧客の獲得及び事業ポートフォリオの最適化による受注の確保
・先端技術を活用した高付加価値ビジネスの創出による利益の拡大
・働き方改革への継続的な挑戦による生産性及び社員満足度の向上
・アライアンスの推進による成長力の加速
当社企業グループは、「アプリケーション開発技術」「ITインフラシステム構築技術」「組込み技術」の3つの中核技術に、先端技術(AI・クラウド等)を加えた多様な技術領域を軸とした「デジタル変革(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation、DX)」をリードするIT企業グループであります。2020年度は、新型コロナウイルス禍による東京オリンピックの延期や外出の自粛ムードが高まる中、内外経済の停滞、景況感の悪化、先行き不透明感の強まりといった懸念が多いスタートとなりましたが、「CRESCO Ambition 2020」の最終年度を飾るべく、経営方針を確実に実行し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社企業グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)につきまして、当社は、財務健全性、株主資本効率及び利益還元のバランスに重点を置き、資本政策を実施しております。
上場以来、当社は財務指標として、自己資本利益率(ROE)10%以上、売上高経常利益率10%以上、1株当たり当期純利益(EPS)100円以上を掲げ、株主利益の向上に努めております。
当連結会計年度までの5年間の実績値及び翌連結会計年度の目標値は以下のとおりであります。
KPI
(連結ベース)
2015年度2016年度2017年度2018年度2019年度2020年度
目標値
ROE(%)14.815.715.214.615.014.4
売上高経常利益率(%)9.939.9610.4810.389.449.00
EPS(円)76.1390.14100.13104.46114.30116.72

(注)2020年度に係るKPIについては当連結会計年度末現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(3) 経営環境
2020年度の経済環境は、全世界を巻き込んだ新型コロナウイルス禍の中、4月の月例経済報告で「新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」旨の判断を下すなど、景況感が一変した状況となっております。内外の経済活動の低下は、消費低迷やサプライチェーン(供給網)の混乱をきたし、当社のお客様における様々な企業活動にも、徐々に支障が出始めております。当社企業グループのお客様には、サービス業や旅行、航空関連の企業も多いため、新型コロナウイルス禍によるIT投資抑制の影響につきましては、現時点で入手可能かつ合理的な情報による判断及び仮定に基づき、業績予想(事業計画)に織り込んでおります。
しかしながら、IT投資は、先行きの不透明感や足元業績の悪化が影響し、短期視点では減速するものの、「攻めのIT経営」を主眼とした「デジタル変革」に対する潜在的な投資意欲は、構造的には、変化せず、新型コロナウイルス禍の収束を踏まえた中長期視点では、拡大基調が継続するものと考えております。
また、新型コロナウイルス禍を機に、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策を含め、改めて見直されるクラウド環境の整備やテレワーク・在宅勤務制度の導入、AIやRPAを活用した省人化・自動化対応等に関するお客様のタイムリーなご要望に対し、先端技術(AI・クラウド等)を含む幅広い事業領域・技術領域を有する当社企業グループは、大いに貢献できるものと確信しております。
なお、需給状況に関わらず、「デジタル変革」の推進に伴う開発に従事する人材の不足感は依然否めず、人材の獲得・育成はもとより、生産性及びサービス品質の向上、オフショア(海外分散開発)を含む開発体制の強化は、継続的な課題となっております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
こうした経営環境に的確に対応し、ステークホルダーの期待にお応えするため、当社企業グループでは、以下の課題認識のもと、諸施策をすみやかに実行し、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。
特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社企業グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
①新規ビジネスの組成と新技術の研究・開発
「デジタル変革」が本格化する中、従来のシステムインテグレーションビジネスのみならず、競争優位性を担保する独自の新規ビジネス(サービス・製品)の組成が必要であると考えております。当面は、当社企業グループが強みとするAIやクラウド分野を戦略技術に据え、幅広い産業向けの新規ビジネスの組成に取り組んでまいります。また、市場ニーズに適時・的確に応えることができる技術力の保持と革新的な新規ビジネスの組成に不可欠な知見・アイデアを募集、集約するため、他企業とのアライアンスや産学連携、お客様との共同研究、オープンイノベーション等を通じた新技術の研究・開発に努めてまいります。
②新規顧客の獲得及びお客様とのリレーションシップの強化
ニーズの多様化、複雑化に伴い、当社企業グループは、お客様の事業目標達成や未来構想に向けたイノベーションを実現する、まさに「ITパートナー」としての役割を期待されております。お客様の期待に応え、幅広いお客様へのサービス・製品が提供できるよう、営業専任者の増員と育成を継続的に実施し、新規顧客の獲得及びお客様とのリレーションシップの強化を図ってまいります。また、営業情報、お客様情報を共有できる仕組みを構築し、当社企業グループ間及び各事業部門の営業メンバーが連携し、戦略的、網羅的に幅広い提案型営業を展開してまいります。
③鉄板品質の提供
お客様に提供するサービス品質の向上を目指すことは、結果として、当社企業グループの持続的な成長と企業価値の向上につながります。「契約・約束を守る」「仕事に責任を持つ」「品質(Q)、価格(C)、納期(D)を厳守する」等ビジネスでは当たり前のことを着実に実践し、プロジェクトマネジメントを含めたサービス品質の向上を通じて、お客様からの信頼・信用を重ね、クレスコブランドの確立を目指してまいります。2020年3月には、これまでの継続的な取り組みが評価され、一般社団法人プロジェクトマネジメント学会から「PM実施賞奨励賞」を受賞いたしました。
④生産性の追求
生産性向上の目的は、小さな工夫を積み重ねながら、業務の能率アップと効率化によって作られた「時間」「省かれたコスト」を有効に活用し、新たな価値や収益を生み出すことにあります。生産性向上は、恒常的な人手不足への対応、競争優位性の確保、労働環境の改善に資するものであり、最終的には、収益性にも直結するテーマです。当社企業グループでは、各社の状況に応じた働き方改革をはじめとして、各種情報共有ツールの導入、知的財産の活用、仕事のプロセス改善、基幹システムの刷新など、社員が、主体的にイキイキと働くことができる環境作りに取り組んでおります。
⑤開発に従事する人材の確保
IT投資に関わる需要の増加に伴い、開発に従事する人材不足は依然否めず、案件の受注を支える人材の確保は、継続的な課題となっております。当社企業グループは、部門や企業間を横断する開発体制を構築する他、ニアショア(子会社や協力会社との協業による国内分散開発)やクレスコベトナムを通じたオフショア(ベトナムの現地企業との協業による国外分散開発)を積極的に活用し、人材不足による機会損失(案件の失注や縮小など)が発生しないよう取り組んでおります。また、併せて、協力会社とのリレーションシップの強化、人材の流出防止施策の実施、生産性向上に努めてまいります。
⑥人材の採用と育成
労働集約型の受託開発サービスにおいては、人材がお客様へ提供する価値の多くを生み出しており、その継続した発展のためには、人材の採用と育成が不可欠です。企業の提供する商品やサービスが厳しく選別される時代、特にIT業界においては、人材の差が企業の競争優勢性を決定づける大切な経営資源と考えております。事業計画に沿った適正な人員の確保・育成を専門とする人財戦略室を中心に、継続的な採用活動(新卒、技術職キャリア、上級マネジメント人材)と、「人財育成のモデル企業」を目指した学習する組織風土作り、人財育成プログラムを推進してまいります。
その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
⑦働き方改革の推進
働き方改革は、生産性向上につながるテーマであり、社員のモチベーションや人材採用、離職防止の面でも効果が期待できるものと捉え、『働く人の立場・視点』で環境づくりや諸制度の導入に取り組んでおります。具体的なテーマは、「所定労働時間の短縮」「テレワーク勤務制度の導入」「利用し易い休暇制度の運用」です。特に、「テレワーク勤務制度の導入」は、新型コロナウイルス禍をきっかけに、有事のみならず「生産性向上と成果主義を前提とした“普通の働き方”」として、定着してゆくもの、と考えております。2019年9月には、女性社員だけでなく、男性社員が育児休業等を取得している点や時間外労働の削減、年次有給休暇の高取得率等が評価され、次世代育成支援対策推進法に基づく子育てサポート企業として、「プラチナくるみん」の認定を受けました。今後も国の政策や法制度の動向を鑑み、デジタル技術を積極的に活用し、実効性の高い諸施策を推進してまいります。
⑧健康経営の推進
「健康」は個人の生活の質の向上のみならず、企業の利益にもつながる大切な要素でもあり、企業が、能動的にマネジメントアプローチすべきテーマであります。心身の健康を維持・増進する取り組みは、企業のレピュテーションや人材採用の面でも効果が期待できるものであり、併せて、企業のリスクマネジメントとしても重要であります。2019年9月に健康経営宣言を発表し、2020年3月には、「健康経営優良法人認定制度」に基づく「健康経営優良法人2020」に認定されました。今後も社員が健康で安心・安全に、やりがいを持って働ける職場を実現するため、当社企業グループに即した諸施策を推進してまいります。
⑨ダイバーシティへの取り組み
多様性の受け入れは、個人ひとりひとりが充実した人生を送り、併せて、企業が変化する市場環境や技術構造の中で競争優位性を築くために、不可欠であります。多様な人材が組織に平等に参画し、その能力を最大限発揮できる機会の提供は、様々なイノベーションを生み出し、価値創造につながります。個人の「違い」を尊重し、職務に関係のない性別、年齢、国籍等の属性を考慮せず、個人の成果や能力、貢献度に応じた評価を基本としております。女性の採用や女性管理職比率の増加にも注力し、2017年9月には、女性活躍推進法認定マーク「えるぼし」を取得しました。その他、外国人や障がい者の採用にも積極的に取り組んでおります。
⑩M&A・アライアンスの推進とグループ企業に対する管理の強化
継続的なM&A・アライアンスの推進による事業の拡大や新たな事業機会の確保、人材の獲得、取引先の開拓は成長戦略の重要テーマであり、加えて、グループ連携や協業をはじめ、業務インフラの整備、技術支援、人事交流等の施策を講じ、グループシナジーによる「稼ぐ力の最大化」が不可欠と考えております。当社企業グループ各社に対する管理の強化につきましては、コーポレート・ガバナンスの観点から取締役あるいは監査役を派遣するほか、グループ事業統括部を設置し、グループ事業の最適化やPMI(Post Merger Integration:統合効果の最大化)の推進に取り組んでまいります。
⑪コーポレート・ガバナンスの推進
持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化が重要と考え、的確かつ迅速な意思決定及び業務執行体制並びに適正な監督・監視体制の構築を図っております。また、経営の健全化、公正性の観点から、コーポレート・ガバナンスの実効性を一層強化するため、当社企業グループ全体で、リスク管理、内部統制、コンプライアンスへの取り組み(月次チェックや教育)を徹底するとともに、経営環境の変化に対応した投資戦略・財務管理の方針の策定や独立社外取締役の活用、取締役会の多様性など、信頼性の向上と自浄能力の増強に努めてまいります。
⑫事業ポートフォリオの最適化と柔軟な組織経営
当社企業グループには、お客様との継続的な取引関係をベースとする事業特性があり、「安定性」と「依存度」の2つの側面を持ち合わせております。このような事業特性を鑑み、特定の取引先・業界や技術の動向により、業績が左右されないようリスク分散を図るため、事業ポートフォリオの最適化に取り組んでおります。また、多様化、複雑化するニーズと変化が著しい技術革新を先取りし、厳しさを増す経営環境に的確に順応するため、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・時間)の有効活用(選択と集中)とマーケティング活動、研究・開発、組織・チーム・人材の活性化を通じた柔軟な組織経営に努めてまいります。

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