有価証券報告書-第30期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/18 13:18
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当連結会計年度における当社企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)は、海外情勢に起因する景気の不透明感や為替や株式相場の動向など、懸念事項は多々ありましたが、企業業績や雇用状況の改善、内需拡大などを背景に、経営環境は、引き続き、改善傾向となりました。
このような経営環境の中、企業の競争力と成長力を強化するための「第4次産業革命」や「働き方改革」「労働力不足」に対する取組みは、生産性改善に寄与するソフトウェア開発、システム開発の更なる需要を喚起し、これまでのコア技術(アプリケーション開発技術、ITインフラ構築技術、組込み技術)に先端技術(AI、ロボティクス、IoT等)を加えた幅広い事業領域を有する当社企業グループにとって、優位性を発揮できる機会となっております。
当社企業グループは、事業機会を着実に取込み、更なる飛躍を果たすため、平成28年4月「デジタル変革をリードする」ことを標榜した5ヶ年のビジョン「CRESCO Ambition 2020」を掲げ、業績目標の達成、重点施策の具現化、企業価値の向上を目指しております。
『コーポレートスローガン』
Lead the Digital Transformation(「クレスコグループ」はデジタル変革をリードします)
当該ビジョンのもと、当連結会計年度は、受注量の維持・拡大及び市場の変化に即したサービスの開発、先端技術の取り込みに、的確かつスピーディに対応すべく、引き続き、開発体制の強化(人材の確保、育成等)、品質管理、グループ間連携に注力するとともに、先端技術の研究、新規事業の創出、各種サービス・ソリューションの拡販等に努めてまいりました。
なお、当連結会計年度のトピックスは、以下のとおりです。
平成29年4月:
・IBM Watsonの導入支援サービス『Minervae PoCKET』の販売を開始
・プロジェクトマネジメント学会の「2017年度春季研究発表大会」で当社社員が発表
平成29年5月:
・連結子会社であるクレスコ北陸㈱が、石川県情報システム工業会主催の「e-messe kanazawa 2017」に出展
・PMI日本フォーラム2017で「アジャイルプロジェクトマネジメント」をテーマに当社社員が講演
平成29年6月:
・『Minervae PoCKET』をソフトバンク㈱が販売開始
・AI(人工知能)とLINEを連携したコールセンター支援システムを発表
・自己株式の取得及び自己株式の公開買付けを発表
平成29年8月:
・名古屋開発センターの営業開始
・JPX日経中小型株指数の構成銘柄に選定
・生命医科学専門誌「メディカル・サイエンス・ダイジェスト」に当社社員が寄稿
平成29年9月:
・画像を活用するチャットボット『Minervae ViBOT』の販売開始
・プロジェクトマネジメント学会「2017年度秋季研究発表大会」で当社社員が発表
・連結子会社である科礼斯軟件(上海)有限公司(クレスコ上海)の清算を結了
・連結子会社である㈱アイオスによる㈱アプリケーションズの子会社化を公表
・女性活躍推進法認定マーク「えるぼし」の最高位に認定
平成29年10月:
・「AI Business Forum TOKYO」のセッションで当社社員が発表
・㈱アイオスの関西営業所とメディア・マジック㈱を統合する関西地区の子会社再編を発表
平成29年11月:
・「IoT Technology 2017/IoT総合技術展」のIoT技術セミナーで当社社員が発表
・持分法適用関連会社である㈱エル・ティー・エスがマザーズ市場への上場承認を発表
※同社は、平成29年12月14日付で当社の持分法適用関連会社に該当しなくなりました。
・「スキル標準ユーザーズカンファレンス2018」で当社社員が発表
・「人工知能学会 合同研究会 2017」で当社社員が発表
・眼疾患をスクリーニングする人工知能エンジン『Minervae SCOPE』を発表
平成29年12月:
・歯科診療所向けAI型電子カルテシステムとアシスタントロボットの開発を発表
・第三者割当による行使価額修正条項付第4回新株予約権(行使許可条項付)並びに行使価額修正選択権付第5回及び第6回新株予約権(行使許可条項付)を発行
平成30年1月:
・㈱ネクサスの株式取得、子会社化を発表
・第4回全国医療機器開発会議で、当社社員が「医療機器開発支援ネットワークの活用事例」を発表
・アマゾンウェブサービス(AWS)の「APNアドバンスドコンサルティングパートナー」に認定
・メディア・マジック㈱の商号変更及び本店移転を発表
・㈱アイオスによる㈱アプリケーションズの吸収合併を発表
平成30年2月:
・行使価額修正条項付第4回新株予約権(行使許可条項付)の行使完了を発表
平成30年3月:
・プロジェクトマネジメント学会「2018年度春季研究発表大会」で当社社員が発表
・フロム沖縄推進機構「海外視察報告会」で当社社員が発表
・技術研究所の研究発表会「クレスコ オープンハウス2018」を開催
・期末配当予想の修正(増配及び記念配当)を発表
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高333億28百万円(前年同期売上高308億93百万円)、営業利益30億91百万円(前年同期営業利益27億7百万円)、経常利益34億92百万円(前年同期経常利益30億78百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益22億2百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純利益20億42百万円)と増収増益となりました。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
① ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業の売上高は、277億24百万円(前年同期比8.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は、34億31百万円(前年同期比11.5%増)となりました。業種別の売上高を比較しますと、主力の金融分野においては、前年同期を6億17百万円下回りました。公共サービス分野につきましては、前年同期を9億97百万円上回りました。流通・その他の分野は、前年同期を17億69百万円上回りました。
② 組込型ソフトウェア開発事業
組込型ソフトウェア開発事業の売上高は、54億58百万円(前年同期比4.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は、9億5百万円(前年同期比9.5%増)となりました。製品別の売上高を比較しますと、通信システム分野においては、前年同期を8百万円下回りました。カーエレクトロニクス分野では、前年同期を48百万円下回りました。情報家電等、その他組込型分野につきましては、前年同期を2億71百万円上回りました。
③ その他
商品・製品販売事業等その他の売上高は、1億45百万円(前年同期比96.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は、11百万円(前年同期セグメント損失13百万円)となりました。

(2) 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
ソフトウェア開発事業22,417,413108.1
組込型ソフトウェア開発事業4,358,597101.1
合計26,776,011106.9

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ソフトウェア開発事業27,745,734105.04,421,939100.5
組込型ソフトウェア開発事業5,553,061100.41,083,106109.6
合計33,298,795104.25,505,045102.1

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
ソフトウェア開発事業27,724,736108.4
組込型ソフトウェア開発事業5,458,221104.1
小計33,182,958107.7
その他145,519196.9
合計33,328,477107.9

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
日本アイ・ビー・エム㈱5,196,83816.84,697,68914.1
みずほ情報総研㈱ ※3,422,13211.1

※ 当連結会計年度におけるみずほ情報総研㈱に対する販売高及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態
当連結会計年度末における資産総額は前連結会計年度末に比べ33億64百万円増加し、241億27百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ22億21百万円増加し、153億83百万円となりました。これは主に、仕掛品が1億円減少したものの、現金及び預金が13億80百万円、受取手形及び売掛金が9億98百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ11億43百万円増加し、87億44百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が2億61百万円減少したものの、投資有価証券が11億45百万円、敷金及び保証金が1億12百万円、保険積立金が1億5百万円それぞれ増加したことによるものです。
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ21億45百万円増加し、90億18百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ9億13百万円増加し、54億1百万円となりました。これは主に、未払金が3億8百万円、1年内返済予定の長期借入金が2億58百万円、未払消費税等が1億23百万円、賞与引当金が87百万円、「その他」に含まれる未払費用が48百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債は前連結会計年度末に比べ12億31百万円増加し、36億16百万円となりました。これは主に、長期借入金が8億73百万円、退職給付に係る負債が2億55百万円、役員退職慰労引当金が1億1百万円それぞれ増加したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末に比べ12億19百万円増加し、151億9百万円となりました。これは主に、自己株式が14億44百万円増加したものの、利益剰余金が14億92百万円、その他有価証券評価差額金が7億17百万円、資本剰余金が4億30百万円それぞれ増加したことによるものです。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ13億88百万円増加し、68億92百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは21億74百万円の収入(前年度11億44百万円の収入)となりました。
これは主に、法人税等の支払額が10億48百万円、売上債権の増加額が8億78百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が33億8百万円、未払金の増加額が2億71百万円、利息及び配当金の受取額が2億17百万円、減価償却費が2億6百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1億79百万円の支出(前年度5億5百万円の支出)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入が25億10百万円、投資有価証券の償還による収入が5億円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が94百万円、保険積立金の解約による収入が71百万円あったものの、投資有価証券の取得による支出が33億38百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは6億6百万円の支出(前年度6億4百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入が13億円、新株予約権の行使による自己株式の処分による収入が7億76百万円あったものの、自己株式の取得による支出が18億19百万円、配当金の支払額が6億40百万円、長期借入金の返済による支出が1億81百万円あったことによるものです。
(5) 重要な会計方針及び見積り
当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたりまして、貸倒引当金、賞与引当金、受注損失引当金及び退職給付に係る負債等の見積り計上を継続的に行っておりますが、この見積り及び評価につきましては過去の実績や当社企業グループ所定の計算方法等の合理的と判断される算定基準に基づき行っております。
なお、見積りには不確定要素もあるため、実際の結果と異なる場合があります。
(6) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社企業グループの当連結会計年度の経営成績について、売上高は前年同期に比べて7.9%増の333億28百万円となりました。経常利益は前年同期に比べて13.4%増の34億92百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べて7.8%増の22億2百万円となりました。
①売上高
ソフトウェア開発事業の売上高は、前連結会計年度に比べて8.4%増の277億24百万円となり、組込型ソフトウェア開発事業の売上高は、前連結会計年度に比べて4.1%増の54億58百万円となりました。
②売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度より18億72百万円増加し、270億20百万円となりました。これは主に労務費が9億50百万円、外注費が5億25百万円増加し、仕掛品が1億円減少したことによるものです。
売上原価率は、前連結会計年度の81.4%より0.3%低下し81.1%となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度から1億78百万円増加し、32億16百万円となりました。これは主に採用費が42百万円、「その他」に含まれる取得関連費用が36百万円、支払手数料が25百万円、リース・保守費用が20百万円、租税公課が14百万円増加したことによるものです。
③営業外収益、営業外費用
営業外収益は、前連結会計年度より1億20百万円増加し、4億94百万円となりました。これは主に有価証券売却益が74百万円、受取利息が49百万円増加したことによるものです。
営業外費用は、前連結会計年度から90百万円増加し、94百万円となりました。これは主にデリバティブ評価損49百万円、自己株式取得費用21百万円、新株予約権発行費8百万円、有価証券評価損6百万円を計上したことによるものです。
④特別利益、特別損失
特別利益は、前連結会計年度から1億3百万円増加し、2億29百万円となりました。これは主に関係会社株式売却益が58百万円、投資有価証券償還益が41百万円増加したことによるものです。
特別損失は、前連結会計年度から2億16百万円増加し、4億12百万円となりました。これは主に投資有価証券評価損が1億34百万円、創立記念関連費用が65百万円増加したことによるものです。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について
(市況の動向)
当社企業グループは、お客様の要求事項に基づき、システムや製品の設計、開発、保守・運用サービス等を行うシステムインテグレーション、受託ソフトウェア開発を主軸とし、事業を展開しております。したがって、景気の動向により各企業のIT投資計画の見直しや変更が実施された場合、受注量や受注額が大きく増減し、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
事業別では、ソフトウェア開発事業は、金融関連分野の売上比率が高くなっておりますので、為替相場の大幅な変動や世界規模の金融不安が、銀行、生損保、証券などの各企業のIT投資に影響を与える可能性があります。また、組込型ソフトウェア開発事業は、製品分野(通信システム分野、カーエレクトロニクス分野、その他)によって異なるものの、各メーカー企業の製品開発サイクルや需要動向、為替相場の大幅な変動などが、各企業のIT投資に影響を与える可能性があります。
(プロジェクトマネジメント)
受託ソフトウェア開発に関しましては、引き合い、見積り(受注単価、納期、品質等)、受注段階からプロジェクトの立ち上げ・計画段階、開発、納品の各段階において、レビュー及び品質管理を徹底し、合わせてプロジェクトマネジメント力の強化と一貫したプロジェクト管理の徹底に努め、プロジェクト収益の確保、不採算案件発生の未然防止を図っております。しかしながら、計画や体制の見直しや要求事項・仕様の変更など、プロジェクトの進捗に伴い、リスクは増大する傾向にあり、トラブルが全く発生しない、という保証は難しく、万が一、トラブルが発生した場合、追加コストの発生や検収の遅延、損害賠償等により、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(資金運用及び事業投資)
当社企業グループが保有する有価証券等の評価は、リスクの最小化に取り組んではおりますが、国内・海外の経済情勢や株式市場など、金融市場の動向に依存し、影響を受けるため、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。また、当社企業グループは、M&Aや協業先企業への出資を積極的に実施し、事業拡大を図っておりますが、当該企業の動向により、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社企業グループの主な資金需要は、運転資金及び設備投資資金等であります。これらの資金につきましては営業活動による収入のほか、安定的な支払能力を確保するため、資金繰りの状況や金融情勢を勘案し、銀行からの借入れにより調達しております。
季節資金は、賞与や納税等季節性のある支払に充てるためのものであり、原則として営業キャッシュ・フローでまかなうこととしております。
設備資金は、社内で使用するソフトウェア及びソフトウェア開発・組込型ソフトウェア開発業務に使用するPCやサーバーの購入が主なものであり、基本的には手持資金でまかないますが、設備資金が多額の場合は銀行より長期借入金での資金調達も随時検討しております。
(9) 経営者の問題認識と今後の方針について
①経営者の問題意識
a. 事業環境と経済の見通し
平成30年度の経済見通しは、地政学的リスクや米中経済政策等、先行きの不透明感が依然、拭いきれないものの、基調としては拡大傾向にあります。平成30年3月の日銀短観では、今後の設備投資の活況を示唆しており、中でもソフトウェアの投資額が拡大する傾向です。国内企業の業績が、概ね好調に推移していることから、今後も豊富な手元資金をIT投資に振り向ける企業が増加するものと予測しております。
当社の主要セグメントにおいて特に成長が見込まれる分野
・ソフトウェア開発事業 :人材、旅行、物流
・組込型ソフトウェア開発事業:カーエレクトロニクス、情報家電
各分野は、「デジタル変革」の到来により、お客様層の裾野が更に拡大する局面にあり、当面の成長を見込んでおります。基幹系のシステム更改、新規サービス対応システム、新商品の組込みシステム、人材不足に起因する生産性向上を目的とするシステム(AI、RPA)、ハードウェア、運用のコスト削減を目的とするクラウドへの移行などは、有望なビジネスになると見込んでおります。
幅広い技術領域を有する当社企業グループが提供するサービスは、これらのトレンドを概ね取り込めるポジションにあり、あらゆる企業や団体、産業から「デジタル変革」のメインITパートナーとして期待されております。当社企業グループは、「デジタル変革」をリードし、お客様がビジネスモデルの革新を通じて自らの成長を実感できる現実的な提案をスピーディに行うため、事業の柱であるソフトウェア開発事業、組込型ソフトウェア開発事業において、技術及び品質の面で更なる強化を図ってまいります。あわせて、先端技術を積極的に取り込み、お客様の成長に寄与するサービス及びソリューションを充実させ、社会に貢献してまいります。
b. 不採算案件の未然防止及び早期の収束
ソフトウェア開発のプロジェクトにおける不確実性は避けて通れない最大の事業リスクであります。発生した不採算事業の徹底的な原因分析と再発防止及び不採算案件の撲滅に向けた取組みは、これからも継続すべき重点事項と認識しております。案件受注時及び案件着手後の早期の段階において、顧客の要望や技術的難易度などの諸条件についてリスクを分析し、収益が見通しどおりに確保できるか、などについて多段階のレビューを実施し、案件の精査を行っております。また、不採算案件の発生時は、重点プロジェクトとして、モニタリングを徹底し、全面的な支援体制の中、お客様の信用のキープのため、早期収束を図っております。
c. 技術力と品質の向上
洗練された技術力と確かな品質の実現に向けて、事業部門から独立した品質・コンピテンシー管理室による組織横断的な活動(プロジェクトの監視と社員向けの品質教育)の他、ビジネスニーズから採用、育成を一貫する人材開発や多種多様なスペシャリストの育成等を軸に、クレスコグループの技術力と品質の強化を図っております。また、ソフトウェア開発のマネジメントサイクル(要件定義、設計、製造、テスト等、各局面の一連の流れ)においては、独自に定めた「品質保証プロセス体系」(※)をプロジェクト推進の基本とし、多段階レビューやトレーニングを通して、品質の向上に努めております。その他、技術研究所が主催する先端技術をベースとした次世代人材育成プログラムによる高度専門技術者の育成や、プロジェクトマネジャーに対するPMP資格(アメリカ合衆国に本部を置く非営利団体Project Management Institute が主催しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格)の取得プログラムを実施し、マネジメント品質の向上も図っております。
※品質保証プロセス体系とは、品質管理を効果的に実施するために独自に構築した体系であり、提案からプロジェクトの実施、納品に至るまでの全てをカバーする「開発標準体系」をベースに、各局面を確実に実施していくことを目指したものです。
d. 知的財産の活用
当社企業グループは、「モノ作り」が基本であり、様々なプロジェクト実績を通じて、多くのアイデアやノウハウ、特許等のナレッジを有しており、このナレッジを「知的財産」として、共有・活用し、事業の競争優位性の確保や生産性向上に結びつけることが重要と考えております。
部門横断型のエキスパート制度の導入や知的財産(知識・知見・経験)の社内公開、特許化といった諸施策を通じて、「人と知的財産」という経営資源の質的向上を図り、品質管理、新製品・サービスの開発、戦略立案等、あらゆるビジネスシーンで英知を結集して、持続的な成長を目指してまいります。
e. 収益性の向上
個別受注案件の収益性は大きな課題であります。業務量の確保という観点に偏らぬよう見積り内容、受注条件等に関するレビューにより収益性の評価を十分に行うとともに、従来の事業とは一線を画した新たなビジネスモデルの構築を推進し、収益性の向上を目指してまいります。また、開発及び構築業務において、生産性向上ツールの開発やソフトウェアの知的財産化、パッケージソフト等の既製品の利用、設計手法や業務ノウハウといったナレッジの共有化などを推進し、収益性を確保してまいります。
f. 事業ポートフォリオの見直しと高収益事業の拡充
技術革新の進展と経済状況の変化により、IT産業に対する市場のニーズは大きく変化しております。情報投資は時代の趨勢により、その内容は変動するものの決して枯渇するものではありません。当社企業グループにおきましても、プロジェクトマネジメント力の強化等を継続し、従来の受託開発モデルの収益性向上を図るとともに、新たな収益領域となる市場を積極的に開拓し、新たな事業ポートフォリオを策定してまいります。また、当社企業グループの豊富な経験と技術力を結集し、最適なソリューション提案を行うサービスビジネス事業を拡充してまいります。
g. セキュリティ意識の向上
セキュリティ事故の内外に及ぼす影響に鑑み、ポリシーを定め、セキュリティ管理を強化しております。事業環境の変化や事業を取り巻くリスクに応じて、物理的対策、技術的対策、運用管理面の対策を適宜変更し、対応しておりますが、最大の脅威は「人間」つまりヒューマンエラーと認識しております。不正行為、誤操作等は、個人の意識に起因する面が多く、管理が難しい側面がございますが、コンプライアンスに関する定期的な教育研修や自己点検(コンプライアンスチェック)の実施などを通じて、セキュリティ意識の向上を徹底し、情報資産の安全対策に努めてまいります。
②今後の方針について
平成30年度の情報サービス産業全体の動向は、企業の循環的な業績改善や「攻めのIT経営」を背景としたIT投資の活発化に加え、デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新を推進する「デジタル変革」の潮流に乗り、システム開発の需要が確実に見込まれます。日本情報システム・ユーザー協会が実施している「企業IT動向調査2018」によれば、40.7%の企業が、平成30年度の予算を昨年度に引き続き、「増やす」と回答しています。足許の営業状況からもお客様の投資意欲を窺うことができ、需要の更なる押し上げが実感できます。
このような経営環境において、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、平成30年度は、足固めをしながら、着実に歩みを進める時期にある、という認識でおります。
当社企業グループは、システムインテグレーションを含むソフトウェア開発(ITシステム基盤構築、アプリケーション開発、組込み型開発)を事業の柱とし、各種サービス・ソリューションやITコンサルティングを提供しております。
ITサービスのコモディティ化と低価格化が進む中、クラウドを活用したシステムを中心に、市場は拡大し、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)/機会学習、運用自動化(Robotic Process Automation)といった先端技術のトレンドと相まって、投資意欲は一層拡大する、と予測しております。この大きな流れをしっかりと取り込み、自らも競争力を強化するイノベーションを実現し、高度化、多様化するお客様ニーズにスピーディに対応してまいります。
また、当社企業グループ各社が長年培ってきた営業力と経験を活かし、お客様の環境変化をいち早く捉え、お客様のビジネスチャンスを支援する新規性と利便性を備えたサービスを開発するとともに、当社企業グループの協業や他社とのアライアンスを含めた事業を展開いたします。

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