有価証券報告書-第31期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/26 14:12
【資料】
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【項目】
153項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
Our Vision: A world safe for exchanging digital information.
私たちのビジョン:デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界の実現
インターネットを中心とするITインフラは、個人及び企業また国を問わず、情報化社会における世界的ライフラインとなって久しくなりました。
今日、ネットワーク上の脅威として挙げられるコンピュータウイルス、スパイウェア、迷惑メール、Webサイトの改ざん、情報漏洩等の多くは、事前にそれを予測し、絶対的な対策を立てられるような性質のものではありません。情報詐取、金銭的利益、破壊行為などの目的で、標的に特化した様々な手を用いて執拗に特定の組織を狙う標的型攻撃の増加においては企業や公共団体、国家機関がその攻撃対象となる他、個人においてもスマートフォンやタブレットなどの多機能携帯端末やSNSをはじめとする新しいIT技術やサービスの普及に伴いそれらも攻撃対象となっており、セキュリティ対策は、もはや企業や個人にとって必須となりました。
当社グループは普及しつつあるクラウドコンピューティングや「5G」のような次世代通信規格の利用によって加速度的に拡大する世界的ITインフラを守るという大きな責務に対し、標的型攻撃をはじめとする一連のサイバー攻撃を防ぐソリューション、そして万が一、被害にあった場合は損害の最小化、システムの復旧等、攻撃遭遇時に経験し得る一連の作業を強力にサポートする製品やサービスを、国境を超えて迅速に提供していきます。個々の企業や個人をネットワーク上の脅威から守るだけでなく、経済活動の遮断やユーザに負荷をかけることなくネットワークシステム全体の安全性を高めることにより、情報化社会のさらなる発展に寄与していきたいと考えております。
(2)重視する経営指標
当社は現在、Pre-GAAP(繰延収益考慮前売上高)ベースの営業利益“額”成長を、重要な経営指標として意識しております。かつて営業利益“率”を経営指標としていた時期もございましたが、過度に利益率に固執することにより、相対的に利益率の低いビジネスの除外や中長期のプロジェクトへの投資を避けること等による機会損失に繋がるリスクを意識するようになりました。
当社のビジネス構造は基本的に資本集約的ではありません。従い、新たな追加資本投資を伴わなければ相対的に利益率の低いビジネスを獲得することの不合理は特段生じず、当該ビジネスが赤字でない限り、結果としてROE(株主資本利益率)の向上に繋がるものと考えております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
今日、ITインフラは、どのような人にも、そしてありとあらゆる場面において使われており、我々の社会や生活の一部となって久しくなりました。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどの多機能携帯端末他、IoT並びにAIと呼ばれる人工知能を活用する技術のもと、スマート家電やスマートカーも誕生し、インターネットに繋がる様々なデジタルデバイスやアプリケーション、ユーザの使用目的が多様化したことで、すべての環境に適する単一なセキュリティソリューションはもはや存在しなくなりました。ネットワーク環境におきましても、クラウドコンピューティングが、ビッグデータへのアクセスやデータ解析をより簡単、速く、手頃なものにし、いよいよ実用開始となる次世代通信規格「5G」も今後益々デジタル情報の交換の仕方に変革を起こしていくことが予想されます。上記のようなIT技術の進化の流れは、企業や個人に関わらず、行き交う情報量を爆発的に増大させると共に、様々な機器がインターネットに繋がることで、取扱いに注意を要する情報も増加しており、便利さと引き換えに情報セキュリティの重要性は今後も益々増大します。
当社グループはクラウド型の技術基盤「Trend Micro Smart Protection Network」(以下、SPN)をベースとしたセキュリティソリューションをコアに、伝統的技術とAI技術を融合させたエンドポイントセキュリティや、TippingPointの事業買収により新たに加わったネットワークセキュリティ、加えてそれらを最大限に活かし運用するマネージドセキュリティサービスを用いて、益々脅威が増大する標的型攻撃など複雑な攻撃に対する防御、そして今後更に需要が高まるクラウドコンピューティング、並びにIoT時代に対応したセキュリティソリューションを提供して参ります。そして、今後より一層デジタル化が進むビジネスや社会、そしてユーザの生活を守るために、企業と個人といった垣根なく安心できるセキュリティソリューションを一層強化して参ります。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループが属するサイバーセキュリティ業界には、既存セキュリティベンダの他、他業種からのM&Aや新規参入なども国内外問わず活発となっており、当社グループにとってこのような業界再編や新しい競合企業の市場参入は流動的で今後の展開が読みにくく、市場競争を更に熾烈なものにすることと予想されます。あわせてIoT時代を迎えたことにより、膨大かつ重要なデータ及びインフラの安全確保や、AI技術の進化への対応、更に多岐に渡るセキュリティ製品群を適切に運用するためのマネージドセキュリティサービスなど、今後益々「環境」や「ユーザ行動」の変化を捉えた適切な対策が求められます。
このような競争の激化と市場の変化、加えて日々進化する新しい脅威に対して多角的セキュリティ対策を実現すべく、当社グループは、これまで幅広い技術の強化を図る目的のもと企業買収を行ってまいりました。これら買収した企業の技術を有機的に結合することで、クラウド型の技術基盤SPNをコアとし様々な脅威を相関分析してセキュリティを実現する各種製品及びサービスを他社に先駆け提供してきております。
当社グループは「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界」というビジョンを実現するために、セキュリティの専門家「スレット ディフェンス エキスパート」として、AI技術をはじめとする先進技術とメールやWebなどのレピュテーション、挙動監視、機械学習などの実績を融合させたセキュリティにおけるアプローチ「クロスジェネレーション(XGen)セキュリティ」を進めてまいります。
加えて変化する課題を解決するために新コンセプト「X Detection & Response (Trend Micro XDR)」を展開してまいります。これは組織やレイヤをクロス(X)したDetection & Responseのコンセプトであり、当社が培ってきたスレッドインテリジェンスに基づき、広範囲に及ぶ複数のセキュリティ層を横断した脅威調査において可視性及び相関性を実現し、分析とスピードの向上を図り、脅威の検知に迅速に対応するものです。
Trend Micro XDRのもと、より付加価値の高いセキュリティソリューションを提供すると共に安定的な財務基盤を維持しつつ継続的な成長を目指していきたいと考えております。

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