有価証券報告書-第44期(2023/04/01-2024/03/31)
②戦略
<気候関連のリスク・機会の特定と評価>USSは、気候関連のリスク・機会の重要性評価に向け、「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分でリスク・機会を特定し、複数のシナリオを設定して評価を実施しました。
<シナリオ分析>USSは、当社の事業およびステークホルダーにとって重要となる可能性のある気候変動リスク・機会を特定し、複数の気候変動に関するシナリオ群を参照しながら、当社の「1.5℃シナリオ」と「現行推移シナリオ」を策定しました。さらに、シナリオ群の根拠データ(パラメータ)と社内外の情報に基づき、気候変動リスク・機会による事業インパクトと財務的影響度を評価しております。
・対象範囲: オートオークション事業 ※サプライチェーン全体をカバー
・対象期間: 現在から2050年まで
<シナリオ群の定義>
<外部参照シナリオ>
用語の定義補足
<顕在時期>短期:5年以内 中期:5年~10年 長期:10年~30年超
<発生可能性>高:発生可能性が高い 中:50%程度 低:発生可能性が低い
<財務的影響度>小:1億円以内 中:1~50億円 大:50億円超
<重大な影響の定義>発生可能性が「高」かつ財務的影響度が中または大
<リスク・機会一覧>
<気候変動に対する移行計画>USSグループは、気候変動を緩和するための移行計画(ロードマップ)を策定し、取締役会にて審議・決議して2023年6月より運用を開始いたしました。USSグループの移行計画の中核をなすロードマップについては、最新の社内外の環境変化を見直し、必要に応じて更新することで、計画の精度を高めてまいります。また、移行計画に対する進捗状況を毎年取締役会に報告することで、取締役会より適切な監督を受ける体制としております。
Scope1とScope2の排出量削減
USSグループが直接排出するGHG排出量の削減には、①省エネの推進、②再生可能エネルギーの活用の2つのアプローチを取ることが必要となります。省エネの推進については、空調機器等に高効率な省エネ機器の導入を推進します。再生可能エネルギーについては、新たな再生可能エネルギー電源を世の中に追加し増やしていくことで、社会の脱炭素化に貢献するという観点から、オンサイトの太陽光発電導入を推進しています。具体的には、オークション会場の屋根にPPA方式の太陽光発電設備を設置する方式を採用しており、2024年3月時点で、全19会場のうち7会場で稼働を開始しております。今後、残りのオークション会場について積極的に太陽光発電設備の導入を進めてまいります。
Scope3の排出量削減
USSグループのバリューチェーンGHG排出量の約95%がScope3であり、削減にはUSSグループ外部の多くのステークホルダーの協力が必要となります。
USSグループのScope3では、「GHGプロトコル」で定めた15のカテゴリーのうち、販売した製品の使用に伴う排出であるカテゴリー11が最も多く50%以上を占めています。購入した製品、サービスに伴う排出であるカテゴリー1も30%近くを占めておりますので、これらのカテゴリーを重点的に削減してまいります。
Scope3の削減は、USSグループだけではなく社会全体の課題でもあることから、顧客やサプライヤーとのエンゲージメントを重視します。一部のカテゴリーにて、サプライヤーからの排出量データの収集を開始しており、課題を共有しながら啓蒙活動やエンゲージメントキャンペーンの実施を進めてまいります。
<目標の達成に向けた移行計画(ロードマップ)>
<気候関連のリスク・機会の特定と評価>USSは、気候関連のリスク・機会の重要性評価に向け、「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分でリスク・機会を特定し、複数のシナリオを設定して評価を実施しました。
<シナリオ分析>USSは、当社の事業およびステークホルダーにとって重要となる可能性のある気候変動リスク・機会を特定し、複数の気候変動に関するシナリオ群を参照しながら、当社の「1.5℃シナリオ」と「現行推移シナリオ」を策定しました。さらに、シナリオ群の根拠データ(パラメータ)と社内外の情報に基づき、気候変動リスク・機会による事業インパクトと財務的影響度を評価しております。
・対象範囲: オートオークション事業 ※サプライチェーン全体をカバー
・対象期間: 現在から2050年まで
<シナリオ群の定義>
| 1.5℃シナリオ | 現行推移シナリオ |
| ①政策・法規制の強化 ・カーボンニュートラルに向けた急速な排出量削減 ・炭素税の導入本格化 ②世界的なEV化の拡大 ・EV販売比率(乗用車)の急激な上昇 25%(2025年)→ 61%(2030年) | ①世界的なEV普及の遅れ ・全世界のEV販売比率(乗用車) 23%(2025年)→ 36%(2030年) ②気候変動の影響が顕在化 ・年平均気温: 約4.5°C上昇 ・大雨や短時間強雨の発生頻度: 約2.3倍増加 ・日本沿岸の平均海面水位: 約0.71 m上昇 |
<外部参照シナリオ>
| ・IEA NZE、IEA STEPS | IEA 「World Energy Outlook 2023」 (https://www.iea.org/reports/world-energy-outlook-2023) |
| ・RCP 1.9、SSP1-1.9、RCP 8.5、SSP5-8.5 | IPCC 「AR5」「AR6」 (https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/)、(https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th) |
用語の定義補足
<顕在時期>短期:5年以内 中期:5年~10年 長期:10年~30年超
<発生可能性>高:発生可能性が高い 中:50%程度 低:発生可能性が低い
<財務的影響度>小:1億円以内 中:1~50億円 大:50億円超
<重大な影響の定義>発生可能性が「高」かつ財務的影響度が中または大
<リスク・機会一覧>
| 区分 | 項目 | シナリオ分析結果 | 顕在時期 | 発生可能性 | 財務的影響度 | 対応戦略 | |
| 1.5℃シナリオ | 移行リスク | 政策・法規制 | 温室効果ガスの排出量実質ゼロ実現のため、欧州に準ずる形で日本でも炭素税(カーボンプライシング)が導入され、エネルギーコストが増加 | 短~中 | 高 | 中 | 再生可能エネルギー(太陽光発電)導入の推進 CO2フリー電気の購入、非化石証書の活用 |
| ガソリン車の販売を禁止する国が増え、日本からの中古ガソリン車の輸出需要が低下するため、当社のオークションの成約率が低下 | 短~中 | 中 | 大 | 公正・公平な取引と資源循環のためのスキームを創造し続けるための事業ポートフォリオの拡充 ・リサイクル事業の拡大(循環型社会への貢献) ・オークションデータ(ビッグデータ)の有効活用 ・オークション周辺事業の創出(オートローン) | |||
| サーキュラーエコノミーの進展により、シェアリングサービスが普及し、EVを購入して保有する人が減る。また、EV製造メーカーが、自身のサプライチェーン内でEV流通の囲い込みを行う | 短~中 | 中 | 大 | ||||
| 評判 | 投資家による気候変動リスクを踏まえた投資行動や、投資先へSBT認定を求める動きが定着・拡大 | 短~中 | 高 | 中 | SBT認定の取得(2023年10月にSBTイニシアチブによる認定取得) | ||
| 機会 | エネルギー源・市場 | 脱炭素化に向け、ガソリン車からEVへの買い替え需要が加速し、当社のオークションへの出品台数が増加 | 短~中 | 高 | 大 | EVの出品台数拡大に向けた施策推進 ・EV用充電設備の拡充 ・EVの評価基準や車両検査体制などの確立に向けた研究開発 オークション出品時の出品票のデジタル化の拡大を初めとする業務の効率化推進 | |
| 製品・サービス | EVに関する業界をリードする新検査技術やルールの開発により、当社のオークションへの出品台数が増加 | 短~中 | 中 | 中 | |||
| 現行推移シナリオ | 物理的リスク | 急性 | 台風等によってオークション会場等への被害が発生し、営業停止などが起こる。また、設備復旧への追加コスト等が発生する。損害保険料も増加 | 中~長 | 低 | 中 | BCP(事業継続計画)の定期的な見直し ハザードマップ確認による浸水リスクの把握、避難訓練の拡充 災害に備えたデータ管理体制の確立 |
| 慢性 | 海面上昇に伴って洪水や高潮が増加し、沿岸部にあるオークション会場が被害を受けることで、オークション会場の建て替えや移転などの対応コストが発生 | 中~長 | 低 | 大 | |||
| 平均気温が上昇し、従業員の熱中症リスクが増加 | 中~長 | 高 | 小 | ||||
<気候変動に対する移行計画>USSグループは、気候変動を緩和するための移行計画(ロードマップ)を策定し、取締役会にて審議・決議して2023年6月より運用を開始いたしました。USSグループの移行計画の中核をなすロードマップについては、最新の社内外の環境変化を見直し、必要に応じて更新することで、計画の精度を高めてまいります。また、移行計画に対する進捗状況を毎年取締役会に報告することで、取締役会より適切な監督を受ける体制としております。
Scope1とScope2の排出量削減
USSグループが直接排出するGHG排出量の削減には、①省エネの推進、②再生可能エネルギーの活用の2つのアプローチを取ることが必要となります。省エネの推進については、空調機器等に高効率な省エネ機器の導入を推進します。再生可能エネルギーについては、新たな再生可能エネルギー電源を世の中に追加し増やしていくことで、社会の脱炭素化に貢献するという観点から、オンサイトの太陽光発電導入を推進しています。具体的には、オークション会場の屋根にPPA方式の太陽光発電設備を設置する方式を採用しており、2024年3月時点で、全19会場のうち7会場で稼働を開始しております。今後、残りのオークション会場について積極的に太陽光発電設備の導入を進めてまいります。
Scope3の排出量削減
USSグループのバリューチェーンGHG排出量の約95%がScope3であり、削減にはUSSグループ外部の多くのステークホルダーの協力が必要となります。
USSグループのScope3では、「GHGプロトコル」で定めた15のカテゴリーのうち、販売した製品の使用に伴う排出であるカテゴリー11が最も多く50%以上を占めています。購入した製品、サービスに伴う排出であるカテゴリー1も30%近くを占めておりますので、これらのカテゴリーを重点的に削減してまいります。
Scope3の削減は、USSグループだけではなく社会全体の課題でもあることから、顧客やサプライヤーとのエンゲージメントを重視します。一部のカテゴリーにて、サプライヤーからの排出量データの収集を開始しており、課題を共有しながら啓蒙活動やエンゲージメントキャンペーンの実施を進めてまいります。
<目標の達成に向けた移行計画(ロードマップ)>
| 2022年度までの取り組み | 2023年度の進捗 | 2030年度に向けた取り組み | |
| 科学的根拠 に基づく 目標設定 | SBT基準の目標設定とSBT認定の申請 | SBTイニシアチブによる認定取得(2023年10月) | 毎年の排出量・対策進捗の報告 目標の妥当性確認 |
| 検証付きの スコープ1、 2、3排出量 | 第三者検証実施の検討 | Scope1・2・3排出量の第三者検証による保証報告書取得 | Scope1・2・3排出量の第三者検証の継続 |
| 排出量の 削減 | オンサイトの太陽光発電導入開始(名古屋、R名古屋会場) CO2フリー電気購入 | オンサイトの太陽光発電拡大(静岡、JAA、岡山、埼玉、神戸会場) CO2フリー電気購入 | 太陽光発電設備の導入推進 高効率な省エネ機器の導入推進 非化石証書の活用 |
| 情報開示 の拡充 | TCFD開示の開始(2022年) 2022年のCDPスコア「C」獲得 | TCFD開示に移行計画を追加 2023年のCDPスコア「B」獲得 | 気候変動情報開示を毎年更新・内容の拡充 CDPによる投資家向けの情報開示を毎年継続 |
| ガバナンス の強化 | 役員報酬の評価指数の1つにESG外部評価機関の格付(CDP・MSCI)を採用 2022年のMSCI ESG レーティング「A」獲得 | 2023年のMSCI ESG レーティング「AA」獲得 | 役員報酬制度(役員報酬の算定方法と評価結果)の情報開示の拡充 |
| 脱炭素化に 伴う成長機会 の拡大 | EVの出品台数拡大に向けた施策の推進 ・EVコーナー拡充 ・EV用充電設備の拡充 | 電気自動車の評価基準や車両検査体制の確立に向けた研究開発の推進 | 事業ポートフォリオの拡充 ・リサイクル事業の拡大 ・オークションデータの有効活用 ・オークション周辺事業の創出 |