訂正有価証券報告書-第43期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2024/10/07 15:39
【資料】
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【項目】
159項目
②戦略
<気候関連のリスク・機会の特定と評価>USSは、気候関連のリスク・機会の重要性評価に向け、「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分でリスク・機会を特定し、複数のシナリオを設定して評価を実施しました。
<シナリオ分析>USSは、当社の事業およびステークホルダーにとって重要となる可能性のある気候変動リスク・機会を特定し、複数の気候変動に関するシナリオ群を参照しながら、当社の「1.5℃シナリオ」と「現行推移シナリオ」を策定しました。さらに、シナリオ群の根拠データ(パラメータ)と社内外の情報に基づき、気候変動リスク・機会による事業インパクトと財務的影響度を評価しております。
・対象範囲: オートオークション事業 ※サプライチェーン全体をカバー
・対象期間: 現在から2050年まで
・参照シナリオ群
1.5℃シナリオ現行推移シナリオ
シナリオ
の概要
①政策・法規制の強化
・カーボンニュートラルに向けた急速な排出量削減
・炭素税(カーボンプライシング)の導入本格化
②世界的なEV化の拡大
EV販売比率(乗用車)の急激な上昇
24.97%(2025年)→60.9%(2030年)
①世界的なEV普及の遅れ
全世界のEV販売比率(乗用車)
17%(2025年)→25%(2030年)
②気候変動の影響が顕在化(注3)
・年平均気温:約4.5°C上昇
・大雨や短時間強雨の発生頻度:約2.3倍に増加
・日本沿岸の平均海面水位:約0.71m上昇
参照
シナリオ群
・IEA NZE(ネットゼロシナリオ) (注1)
・RCP 1.9、SSP1-1.9 (注2)
・IEA STEPS(公表政策シナリオ) (注1)
・RCP 8.5、SSP5-8.5 (注2)

注1: IEA (国際エネルギー機関)「World Energy Outlook 2022」より
(https://www.iea.org/reports/world-energy-outlook-2022)
注2: IPCC 「AR5」「AR6」より
(https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/)、(https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th)
注3: 日本の気候変動予測については、文部科学省、気象庁 「日本の気候変動 2020」より
(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ccj/index.html)
シナリオ分析のサマリー
シナリオ分析結果財務インパクト対応戦略
移行リスク
<1.5℃
シナリオ>
温室効果ガスの排出量実質ゼロ実現のため、欧州に準ずる形で日本でも炭素税(カーボンプライシング)が導入され、エネルギーコストが増加するCO2を削減しなかった場合の税負担
2030年:約3.0億円
2050年:約5.4億円
再生可能エネルギー(太陽光発電)導入の推進
CO2フリー電気の購入
非化石証書の活用
ガソリン車の販売を禁止する国が増え、日本からの中古ガソリン車の輸出需要が低下するため、当社のオークションの成約率が低下するグローバルの内燃機関車(販売台数)は、2025年の75百万台をピークに2030年には43百万台まで減少EVの出品台数拡大に向けた施策の推進
公正・公平な取引と資源循環のためのスキームを創造し続けるための事業ポートフォリオの拡充
・リサイクル事業の拡大(循環型社会への貢献)
・オークションデータ(ビッグデータ)の有効活用
・オークション周辺事業の創出(オートローン)
サーキュラーエコノミーの進展により、シェアリングサービスが普及し、EVを購入して保有する人が減る。また、EV製造メーカーが、自身のサプライチェーン内でEV流通の囲い込みを行うEVの販売比率が増加し、EVを購入して保有する人が減った場合、またはEV製造メーカーが、自身のサプライチェーン内でEV流通の囲い込みを行った場合、当社オークションへの出品台数が減少する
投資家による気候変動リスクを踏まえた投資行動や、投資先へSBT認定を求める動きが定着・拡大する気候変動対策が遅れた場合、ステークホルダーからの信頼が低下し、取引などに影響が出るSBT認定の取得 ※現在申請中
(SBT基準に整合した削減目標の設定)
機会
<1.5℃
シナリオ>
脱炭素化に向け、ガソリン車からEVへの買い替え需要が加速し、当社のオークションへの出品台数が増加するグローバルの全乗用車販売台数は、2030年に向けて増加し、全乗用車販売台数に占めるEV販売比率も急激に上昇する
<全乗用車販売台数とEV販売比率⦆
2020年実績 74.5百万台 (4.00%)
2025年予測 100.5百万台(24.97%)
2030年予測 110.0百万台(60.90%)
EVの出品台数拡大に向けた施策の推進
・EV用充電設備の拡充
・EVの評価基準や車両検査体制などの確立に向けた研究開発
オークション出品時の出品票のデジタル化の拡大を初めとする業務の効率化推進
EVに関する業界をリードする新検査技術やルールの開発により、当社のオークションへの出品台数が増加する
物理的リスク
<現行推移
シナリオ>
台風等によってオークション会場等への被害が発生し、営業停止などが起こる。また、設備復旧への追加コスト等が発生する。損害保険料も増加する台風被災(停電等)によりオークションが1開催休止となった場合で約2億円(名古屋会場)の売上減BCP(事業継続計画)の定期的な見直し
ハザードマップ確認による浸水リスクの把握、避難訓練の拡充
災害に備えたデータ管理体制の確立
海面上昇に伴って洪水や高潮が増加し、沿岸部にあるオークション会場が被害を受けることで、オークション会場の建て替えや移転などの対応コストが発生する。海面上昇により沿岸部のオークション会場が移転する場合、50~100億円超規模の設備投資が新たに必要
平均気温が上昇し、従業員の熱中症リスクが高まる施設内の空調コストや熱中症対策コストが増加

<気候変動に対する移行計画>USSグループは、気候変動を緩和するための移行計画(ロードマップ)を策定し、取締役会にて審議・決議して2023年6月より運用を開始いたしました。ここで示す移行計画は、USSグループの取り組みのサマリーです。
項目内容
目標USSの気候変動の目標は、2031年3月期のGHG排出量削減目標を、Scope1とScope2の合計で2022年3月期比で42%削減、Scope3で25%削減としており、国際イニシアチブであるSBTの認定を現在申請中です。
Scope1とScope2の
排出量削減
USSグループが直接排出するGHG排出量の削減には、①省エネの推進、②再生可能エネルギーの活用の2つのアプローチを取ることが必要となります。
再生可能エネルギーは、新たな再生可能エネルギー電源を世の中に追加し増やしていくことで、社会の脱炭素化に貢献するという観点から、オンサイトの太陽光発電導入を推進しています。具体的には、オークション会場の屋根にオンサイトPPA方式の太陽光発電設備を設置する方式を採用し、名古屋会場およびR名古屋会場で稼働を開始しております。今後、他のオークション会場にも積極的に太陽光発電設備の導入を進めてまいります。
Scope3の排出量削減USSグループのバリューチェーンGHG排出量の約95%がScope3であり、削減にはUSSグループ外部の多くのステークホルダーの協力が必要となります。
USSグループのScope3では、「GHGプロトコル」で定めた15のカテゴリーのうち、販売した製品の使用に伴う排出であるカテゴリー11が最も多く約50%を占めています。購入した製品、サービスに伴う排出であるカテゴリー1も約23%と大きな割合となっていますので、これらのカテゴリーを重点的に削減してまいります。
Scope3の削減は、USSグループだけではなく社会全体の課題でもあることから、顧客やサプライヤーとのエンゲージメントを重視します。一部のカテゴリーにて、サプライヤーからの排出量データの収集を開始しており、課題を共有しながら啓蒙活動やエンゲージメントキャンペーンの実施を進めてまいります。
今後USSグループの移行計画の中核をなすロードマップについては、最新の社内外の環境変化を見直し、必要に応じて更新することで、計画の精度を高めてまいります。
また、移行計画に対する進捗状況を毎年取締役会に報告することで、取締役会より適切な監督を受ける体制といたします。

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