有価証券報告書-第46期(平成31年4月21日-令和2年4月20日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、創業以来「新しい足場文化と安全文化の創造」を理念に掲げ、単に「安全・安心」だけでなく「感動」も提供できるサービス会社として社会に貢献することを経営の基本方針としております。また、2019年5月に在外子会社を取得してからは、当社グループ方針として、“Provide sincere top service”(ファーストなサービスを心から)を設定し、グループの全スタッフがお客様に対して心から気遣いができる組織づくりを進めております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業を継続的に発展させていくためには、売上高を増加させ、適正な利益確保を図っていくことが必要であると考え、「売上高経常利益率」を重要な経営指標として捉え、その向上を図る経営に努めてまいります。
(3)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境について、日本国内では今後さらに若年層の減少と高齢化が進み、単独世帯が増加していくものと想定されます。そのため、当社に関連の深い住宅業界については、新築の戸建てに対する建設需要は減衰するものの、リフォームに対する需要は堅調に推移するものと考えられます。また、建設業全体において、従事する労働者は減少を続けており、全産業と比べても高齢化が進行しておりますが、足場施工の業界においても、人手不足と高齢化が重要な課題になっております。このような中、政府としては、建設分野の全てのプロセスにおいて、ICT等の新たな技術を活用し、建設現場の生産性向上を目指す「i-Construction」が推進されています。
在外子会社のあるシンガポールについては、日本と同様に高齢化が続くことで、労働者不足と賃金上昇が進むものと想定されます。子会社に関連する石油化学産業は、定期的にプラントのメンテナンス工事は実施されるものの、中期的には原油の需給動向に左右され、プラント新設などの大型プロジェクトは先延ばしになるものと考えております。政府としては、国家の課題を解決すべく2014年より「スマートネーション構想」として、全産業にIOT、ICT技術の導入が進められております。
(4)会社の対処すべき課題と中期経営計画
①会社の対処すべき課題
当社グループでは、これからの経営環境を踏まえ、以下の課題を掲げております。
<戸建向け足場施工から戸建て以外用途へのシフト>当社の開発したビケ足場は、住宅向け足場のトップブランドとして市場に定着したことから、低層向けの足場として使用されることが多いですが、長期的には戸建住宅の建設需要が減少していくものと予測されるため、戸建て以外の建物へのシフトが求められています。
<労働集約型ビジネスモデルからの脱却>売上高の大半を占める施工サービス事業では、顧客から足場施工の依頼は多いものの、雇用環境が好調であることから、全ての依頼に対応できる程度には施工スタッフ数の確保ができず、収益向上に対するボトルネックとなっており、労働集約型ビジネスモデルからの脱却が求められています。
<足場の施工効率向上と施工スタッフの高齢化への対応>足場施工に関する一連の作業は、ほとんどが手作業で、作業効率の向上に限界があり、また、体への負担が大きく、高齢での作業従事が困難であることから、作業者の負担を軽減し、より効率的に働くことが求められています。
<多様な人財の獲得と働き方改革>雇用環境が好調な中、人財の獲得競争は激化し、採用状況は厳しさを増していることから、様々な雇用形態、魅力的な労働環境等を整備し、多くの人財を確保すると共に、安心して一生涯働ける会社になることが求められています。
なお、当連結会計年度よりシンガポールの足場工事、熱絶縁工事等の事業を展開する在外子会社を取得したことにより、グループでの課題を以下の通り掲げております。
<足場施工技術の向上による安全な社会への貢献>社会の安全と高品質なインフラのために足場の果たす役割は大きいものと考えております。グループ内では対象とする施工現場が異なりますが、さらに安全な社会の実現に貢献するため、足場の施工技術向上が求められています。
<デジタルトランスフォーメーション(DX)推進による効率化>グループ内では会社規模や所在する国が異なることから、組織内での統制の強度、地理的な遠隔性や文化、言語、法律など、様々な違いがあり、ヒトやモノの活発な交流や活用に課題があります。今後、IoTやAI、高速通信を活用したDX推進により、グループ内で、さらなる交流と効率化を実現することが求められています。
<グローバル人財の育成>今後、グループとしてアジア圏内でのビジネスを展開して参りますが、そのためには語学力、コミュニケーション能力の基礎的なスキルの習得だけでなく、様々な環境へ対応できるチャレンジ精神旺盛な人財の育成がグループ内で求められています。
②中期経営計画とその進捗
当社グループでは、対処すべき課題を前提に、2019年4月期から2021年4月期までの3連結会計年度を期間とする中期経営計画を策定しております。
<中期経営計画の基本方針>「建設現場にファースト(最上級)なサービス(FS品質)を心から」
創業以来「新しい足場文化と安全文化の創造」を理念に掲げ、社会の課題に対応した取り組みを行って参りました。単に「安全・安心」だけでなく「感動」も提供できるサービス会社として成長して参りましたが、中期経営計画では、足場施工を事業の中心としながらも事業領域を“建設現場”全体に拡げ、“ビケ足場=高品質の足場”という評価にまで高めた“最上級のサービスを提供する”(FS品質)精神を当社だけでなくダイサンに関わる企業の皆様を通じて、社会的問題の解決に取り組む想いを方針といたしました。
<目標数値>当社グループでは、以下の通り、各連結会計年度の売上高、営業利益、営業利益率の目標を設定し進めております。
当連結会計年度においては、目標値を2020年3月3日と2020年6月5日に修正しております。2021年4月期の目標値については、提出日現在において、新型コロナウイルス感染症による景気の先行きが不透明であることから、経営成績に与える影響を合理的に見積ることができないため、連結業績予想は未定としております。
<5つの重点戦略と進捗>a.中層大型建築物向け足場施工と製商品の販売拡大
当社グループでは、将来的に新築の戸建て工事は減少していくものと予想しておりますが、“マンションリフォーム”“都市部での宿泊施設”“高齢者向け施設”“物流センター”などの中層大型建築物に対する需要は引き続き堅調に推移するものと考えております。具体的な取り組みは、『施工技術の向上』『外部工事業者との連携』『足場以外のサービス提供』『中層大型建築物向け製商品の提供』などになります。
当連結会計年度においては、中層大型建築物向けの営業量を増やしたことと、足場施工会社との外注ネットワークを拡大したことから、施工サービス事業の中層大型建築物向け足場施工に対する売上高が、前年同期比で133.0%となりました。また、中層大型建築物向けに安全性を高めた新商品『レボルト®』の増産と社内投入を進めました。
b.新たな市場への挑戦
これまで当社事業は国内のみで展開しておりました。足場部材の調達・生産・販売、足場の施工工事、工事現場に関する各種サービスなど、国内市場だけにとらわれず、海外に向けた事業展開を進めて参ります。
また、今後はインフラメンテナンス市場の規模が拡大していくものと想定されており、当社としては、土木工事向けのサービスや製商品の販売を行う上で、重要なマーケットと位置づけております。土木向け仮設材の企画開発生産を行い、需要が見込めるインフラメンテナンス市場を開拓して参ります。具体的な取り組みは、『子会社の設立』『M&Aによる新規事業の取得』『新規商材の企画・調達』『土木工事向け製商品の提供』などになります。
当連結会計年度においては、主に足場計画図の作図を事業とするベトナム子会社「DAISAN INTERNATIONAL VIETNAM CO.,LTD.」(非連結)を設立し、シンガポールでは足場工事、熱絶縁工事、人材派遣等の事業を展開する「Mirador Building Contractor Pte. Ltd.」(連結子会社)とその関連会社2社(非連結)を取得致しました。また、現場の防犯・遠隔管理用カメラとして販売していた「魚眼くん」の対象市場拡大を目論み、新たな商材の開発を進めました。
c.施工サービス事業の資源を利用した事業領域の拡大
“FS品質”のもと顧客満足を最大限に高めるため、社内保有の資源を活用し、社外向けにサービスとして提供することで、収益向上に資する新たなセグメントに育てて参ります。また、既存事業以外についても、「建設現場に関わるサービス」をキーワードにM&Aの利用も検討して参ります。事業領域の拡大により施工スタッフの活躍できる場を広げ、全てのスタッフが「一生働ける会社」を目指します。具体的な取り組みは、『(足場部材のみの)リース・レンタル事業』『機材整備事業』『カメラ事業』『キャドシステム事業』『教育事業』の展開などになります。
当連結会計年度においては、これまでの足場施工付きレンタルだけでなく、足場部材のみリース・レンタルする『リース・レンタル事業』を福岡県古賀市で専用の資材ヤードを設営し開始致しました。『カメラ事業』について、引き続き「魚眼くん」の拡販に努めるとともに、代理店制度も採用致しました。『キャドシステム事業』は、施工サービス事業の既存顧客中心に営業展開を図るとともに、社内ではCADオペレーターの増員と教育に努めました。
d.足場施工サービスの施工効率向上
当社では、“施工スタッフの増員”や“施工スタッフの高齢化への対応”を重要な経営課題に掲げております。ただし、昨今は、雇用情勢が好調であることからも、大幅に増員ができる環境ではありません。そのため、在籍する施工スタッフの施工スピードを向上させることと作業負担の軽減を図ることを共に両立させることが、将来を見据えた重要なテーマになっています。足場施工の効率化を進めるためにも、施工作業の動作研究を行い、新たな技術の導入に努めて参ります。具体的な取り組みは、『足場部材の軽量化』『作業の機械化』『施工管理システムの刷新及び事務処理の自動化』などになります。
当連結会計年度においては、施工サービス事業にて、施工管理用システムを刷新し、業務効率の向上に寄与致しました。また、中層建築物向けに足場部材の荷揚機を開発し、施工サービス部門での試行を開始致しました。
e.多様な人財の獲得と働きやすい職場環境の構築
当社では、将来にわたって持続的に成長していくために、働く社員が様々な個性を活かし、いきいきと働けることが重要と考えています。いろいろな価値観・背景を持つ社員が、毎日充実して過ごせる環境と風土づくりを進めて参ります。具体的な取り組みは、『外国籍社員の積極採用』『女性の活躍推進』『高齢者の積極採用』『多様な勤務体系の構築』『ロボティクス・プロセス・オートメーション(以下、RPA)等の新技術導入による業務効率化』などになります。
当連結会計年度においては、本社スタッフとしてインドネシアより3名のスタッフを採用し、キルギス共和国より1年間の長期インターン生を2名採用致しました。雇用体系としては、2019年11月より「テレワーク勤務規程」を設定し、全PCをノート化したことから、新型コロナウイルス感染症への対応もあり、本社・東京支店にてテレワーク勤務を推進致しました。そのほか、本社内にてRPAを導入し、社内SEによる学習と各種業務の自動化を進めました。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループとして、優先的に対処すべき事業上の課題は、新型コロナウイルス感染症による景気悪化が業績へ与える影響と捉えております。提出日時点において想定されるセグメント別の影響と今後の取り組みは以下の通りですが、新型コロナウイルス感染症に対する政府・自治体の規制や経済の動向、感染拡大の状況によっては大きく変わる可能性があります。
①施工サービス事業
施工サービス事業においては、顧客であるハウスメーカーやゼネコンにて、営業活動の自粛、施工現場の工事中断が行われており、徐々に再開されてはおりますが、しばらくは足場施工の受注量が低調に推移するものと考えております。このような状況の中ではあるものの、新規顧客の獲得に向けた営業、現場の遠隔監視用カメラ「魚眼くん」の販促、足場計画図の作図請負の提案など、売上に繋がる行動に努めております。
また、事業活動においては、新型コロナウイルス感染症による感染予防のため、営業担当はマスク着用と営業車への除菌水常備を徹底し、施工現場においては、作業時以外はマスク着用を徹底、施工中に関しては顧客による取り決めに従い対応しております。
②製商品販売事業
製商品販売事業については、前期の消費税増税前の販売が好調であったことから、販売先である足場施工やレンタルを行う顧客では、当社同様に仕事量が減少している状況の中、足場部材の在庫は充足していると考えられます。また、景気先行きへの不透明感が強いことからも、しばらくは足場購入への期待は薄いと想定しております。しかしながら、新型足場「レボルト®」に対する需要は前期から引き続き高く、また、施工サービス事業に対する社内投入をしばらく控えていたこともあるため、今後を見据えて生産稼働率はある程度高い状態を維持し、在庫を増やしていく方針で進めております。現時点では、商品センターの在庫保有能力を高めるために、新たなストックヤードを立ち上げております。
新型コロナウイルス感染症による感染予防について、施工サービス事業同様、営業担当はマスク着用と営業車への除菌水常備を徹底するとともに、テレワークも実施しております。
③海外事業
海外事業においては、シンガポール政府による外出規制などのサーキットブレイカーが緩やかに解除されていくものと考えられますが、すべての工事や顧客の企業活動が再開されるには相当程度時間が掛かるものと想定しております。多くの同業他社が休業状態となる中、子会社においては、足場工事の現場は休止しているものの、ゴミ焼却プラントや焼却灰リサイクルプラントの維持・運営向けの人材派遣と施設内の清掃事業については、サーキットブレイカー発動中も重要産業との認可を受け活動しております。すべての事業活動が通常に戻る時期は不透明ではありますが、足場工事に対する受注量を増やすため、シンガポールのジュロン島内に新たな事業拠点を開設するとともに、足場部材の社内投入を積極的に進めております。
新型コロナウイルス感染症による感染予防については、政府によって一律に対策が義務付けられておりますので、各種ルールの順守を徹底しております。
また、当社グループとして、優先的に対処すべき財務上の課題は、事業上の課題同様、新型コロナウイルス感染症による景気悪化が長期化した場合に備えた財務基盤の強化と捉えております。現在の方針として、まずは当社グループの全スタッフの雇用維持と安全衛生確保を掲げております。現時点でも資金面に一定程度の余裕はありますが、今後の不透明な情勢を考慮し、在外子会社と共に主要取引行と短期の借入枠拡大について契約を致しました。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、創業以来「新しい足場文化と安全文化の創造」を理念に掲げ、単に「安全・安心」だけでなく「感動」も提供できるサービス会社として社会に貢献することを経営の基本方針としております。また、2019年5月に在外子会社を取得してからは、当社グループ方針として、“Provide sincere top service”(ファーストなサービスを心から)を設定し、グループの全スタッフがお客様に対して心から気遣いができる組織づくりを進めております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業を継続的に発展させていくためには、売上高を増加させ、適正な利益確保を図っていくことが必要であると考え、「売上高経常利益率」を重要な経営指標として捉え、その向上を図る経営に努めてまいります。
(3)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境について、日本国内では今後さらに若年層の減少と高齢化が進み、単独世帯が増加していくものと想定されます。そのため、当社に関連の深い住宅業界については、新築の戸建てに対する建設需要は減衰するものの、リフォームに対する需要は堅調に推移するものと考えられます。また、建設業全体において、従事する労働者は減少を続けており、全産業と比べても高齢化が進行しておりますが、足場施工の業界においても、人手不足と高齢化が重要な課題になっております。このような中、政府としては、建設分野の全てのプロセスにおいて、ICT等の新たな技術を活用し、建設現場の生産性向上を目指す「i-Construction」が推進されています。
在外子会社のあるシンガポールについては、日本と同様に高齢化が続くことで、労働者不足と賃金上昇が進むものと想定されます。子会社に関連する石油化学産業は、定期的にプラントのメンテナンス工事は実施されるものの、中期的には原油の需給動向に左右され、プラント新設などの大型プロジェクトは先延ばしになるものと考えております。政府としては、国家の課題を解決すべく2014年より「スマートネーション構想」として、全産業にIOT、ICT技術の導入が進められております。
(4)会社の対処すべき課題と中期経営計画
①会社の対処すべき課題
当社グループでは、これからの経営環境を踏まえ、以下の課題を掲げております。
<戸建向け足場施工から戸建て以外用途へのシフト>当社の開発したビケ足場は、住宅向け足場のトップブランドとして市場に定着したことから、低層向けの足場として使用されることが多いですが、長期的には戸建住宅の建設需要が減少していくものと予測されるため、戸建て以外の建物へのシフトが求められています。
<労働集約型ビジネスモデルからの脱却>売上高の大半を占める施工サービス事業では、顧客から足場施工の依頼は多いものの、雇用環境が好調であることから、全ての依頼に対応できる程度には施工スタッフ数の確保ができず、収益向上に対するボトルネックとなっており、労働集約型ビジネスモデルからの脱却が求められています。
<足場の施工効率向上と施工スタッフの高齢化への対応>足場施工に関する一連の作業は、ほとんどが手作業で、作業効率の向上に限界があり、また、体への負担が大きく、高齢での作業従事が困難であることから、作業者の負担を軽減し、より効率的に働くことが求められています。
<多様な人財の獲得と働き方改革>雇用環境が好調な中、人財の獲得競争は激化し、採用状況は厳しさを増していることから、様々な雇用形態、魅力的な労働環境等を整備し、多くの人財を確保すると共に、安心して一生涯働ける会社になることが求められています。
なお、当連結会計年度よりシンガポールの足場工事、熱絶縁工事等の事業を展開する在外子会社を取得したことにより、グループでの課題を以下の通り掲げております。
<足場施工技術の向上による安全な社会への貢献>社会の安全と高品質なインフラのために足場の果たす役割は大きいものと考えております。グループ内では対象とする施工現場が異なりますが、さらに安全な社会の実現に貢献するため、足場の施工技術向上が求められています。
<デジタルトランスフォーメーション(DX)推進による効率化>グループ内では会社規模や所在する国が異なることから、組織内での統制の強度、地理的な遠隔性や文化、言語、法律など、様々な違いがあり、ヒトやモノの活発な交流や活用に課題があります。今後、IoTやAI、高速通信を活用したDX推進により、グループ内で、さらなる交流と効率化を実現することが求められています。
<グローバル人財の育成>今後、グループとしてアジア圏内でのビジネスを展開して参りますが、そのためには語学力、コミュニケーション能力の基礎的なスキルの習得だけでなく、様々な環境へ対応できるチャレンジ精神旺盛な人財の育成がグループ内で求められています。
②中期経営計画とその進捗
当社グループでは、対処すべき課題を前提に、2019年4月期から2021年4月期までの3連結会計年度を期間とする中期経営計画を策定しております。
<中期経営計画の基本方針>「建設現場にファースト(最上級)なサービス(FS品質)を心から」
創業以来「新しい足場文化と安全文化の創造」を理念に掲げ、社会の課題に対応した取り組みを行って参りました。単に「安全・安心」だけでなく「感動」も提供できるサービス会社として成長して参りましたが、中期経営計画では、足場施工を事業の中心としながらも事業領域を“建設現場”全体に拡げ、“ビケ足場=高品質の足場”という評価にまで高めた“最上級のサービスを提供する”(FS品質)精神を当社だけでなくダイサンに関わる企業の皆様を通じて、社会的問題の解決に取り組む想いを方針といたしました。
<目標数値>当社グループでは、以下の通り、各連結会計年度の売上高、営業利益、営業利益率の目標を設定し進めております。
当連結会計年度においては、目標値を2020年3月3日と2020年6月5日に修正しております。2021年4月期の目標値については、提出日現在において、新型コロナウイルス感染症による景気の先行きが不透明であることから、経営成績に与える影響を合理的に見積ることができないため、連結業績予想は未定としております。<5つの重点戦略と進捗>a.中層大型建築物向け足場施工と製商品の販売拡大
当社グループでは、将来的に新築の戸建て工事は減少していくものと予想しておりますが、“マンションリフォーム”“都市部での宿泊施設”“高齢者向け施設”“物流センター”などの中層大型建築物に対する需要は引き続き堅調に推移するものと考えております。具体的な取り組みは、『施工技術の向上』『外部工事業者との連携』『足場以外のサービス提供』『中層大型建築物向け製商品の提供』などになります。
当連結会計年度においては、中層大型建築物向けの営業量を増やしたことと、足場施工会社との外注ネットワークを拡大したことから、施工サービス事業の中層大型建築物向け足場施工に対する売上高が、前年同期比で133.0%となりました。また、中層大型建築物向けに安全性を高めた新商品『レボルト®』の増産と社内投入を進めました。
b.新たな市場への挑戦
これまで当社事業は国内のみで展開しておりました。足場部材の調達・生産・販売、足場の施工工事、工事現場に関する各種サービスなど、国内市場だけにとらわれず、海外に向けた事業展開を進めて参ります。
また、今後はインフラメンテナンス市場の規模が拡大していくものと想定されており、当社としては、土木工事向けのサービスや製商品の販売を行う上で、重要なマーケットと位置づけております。土木向け仮設材の企画開発生産を行い、需要が見込めるインフラメンテナンス市場を開拓して参ります。具体的な取り組みは、『子会社の設立』『M&Aによる新規事業の取得』『新規商材の企画・調達』『土木工事向け製商品の提供』などになります。
当連結会計年度においては、主に足場計画図の作図を事業とするベトナム子会社「DAISAN INTERNATIONAL VIETNAM CO.,LTD.」(非連結)を設立し、シンガポールでは足場工事、熱絶縁工事、人材派遣等の事業を展開する「Mirador Building Contractor Pte. Ltd.」(連結子会社)とその関連会社2社(非連結)を取得致しました。また、現場の防犯・遠隔管理用カメラとして販売していた「魚眼くん」の対象市場拡大を目論み、新たな商材の開発を進めました。
c.施工サービス事業の資源を利用した事業領域の拡大
“FS品質”のもと顧客満足を最大限に高めるため、社内保有の資源を活用し、社外向けにサービスとして提供することで、収益向上に資する新たなセグメントに育てて参ります。また、既存事業以外についても、「建設現場に関わるサービス」をキーワードにM&Aの利用も検討して参ります。事業領域の拡大により施工スタッフの活躍できる場を広げ、全てのスタッフが「一生働ける会社」を目指します。具体的な取り組みは、『(足場部材のみの)リース・レンタル事業』『機材整備事業』『カメラ事業』『キャドシステム事業』『教育事業』の展開などになります。
当連結会計年度においては、これまでの足場施工付きレンタルだけでなく、足場部材のみリース・レンタルする『リース・レンタル事業』を福岡県古賀市で専用の資材ヤードを設営し開始致しました。『カメラ事業』について、引き続き「魚眼くん」の拡販に努めるとともに、代理店制度も採用致しました。『キャドシステム事業』は、施工サービス事業の既存顧客中心に営業展開を図るとともに、社内ではCADオペレーターの増員と教育に努めました。
d.足場施工サービスの施工効率向上
当社では、“施工スタッフの増員”や“施工スタッフの高齢化への対応”を重要な経営課題に掲げております。ただし、昨今は、雇用情勢が好調であることからも、大幅に増員ができる環境ではありません。そのため、在籍する施工スタッフの施工スピードを向上させることと作業負担の軽減を図ることを共に両立させることが、将来を見据えた重要なテーマになっています。足場施工の効率化を進めるためにも、施工作業の動作研究を行い、新たな技術の導入に努めて参ります。具体的な取り組みは、『足場部材の軽量化』『作業の機械化』『施工管理システムの刷新及び事務処理の自動化』などになります。
当連結会計年度においては、施工サービス事業にて、施工管理用システムを刷新し、業務効率の向上に寄与致しました。また、中層建築物向けに足場部材の荷揚機を開発し、施工サービス部門での試行を開始致しました。
e.多様な人財の獲得と働きやすい職場環境の構築
当社では、将来にわたって持続的に成長していくために、働く社員が様々な個性を活かし、いきいきと働けることが重要と考えています。いろいろな価値観・背景を持つ社員が、毎日充実して過ごせる環境と風土づくりを進めて参ります。具体的な取り組みは、『外国籍社員の積極採用』『女性の活躍推進』『高齢者の積極採用』『多様な勤務体系の構築』『ロボティクス・プロセス・オートメーション(以下、RPA)等の新技術導入による業務効率化』などになります。
当連結会計年度においては、本社スタッフとしてインドネシアより3名のスタッフを採用し、キルギス共和国より1年間の長期インターン生を2名採用致しました。雇用体系としては、2019年11月より「テレワーク勤務規程」を設定し、全PCをノート化したことから、新型コロナウイルス感染症への対応もあり、本社・東京支店にてテレワーク勤務を推進致しました。そのほか、本社内にてRPAを導入し、社内SEによる学習と各種業務の自動化を進めました。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループとして、優先的に対処すべき事業上の課題は、新型コロナウイルス感染症による景気悪化が業績へ与える影響と捉えております。提出日時点において想定されるセグメント別の影響と今後の取り組みは以下の通りですが、新型コロナウイルス感染症に対する政府・自治体の規制や経済の動向、感染拡大の状況によっては大きく変わる可能性があります。
①施工サービス事業
施工サービス事業においては、顧客であるハウスメーカーやゼネコンにて、営業活動の自粛、施工現場の工事中断が行われており、徐々に再開されてはおりますが、しばらくは足場施工の受注量が低調に推移するものと考えております。このような状況の中ではあるものの、新規顧客の獲得に向けた営業、現場の遠隔監視用カメラ「魚眼くん」の販促、足場計画図の作図請負の提案など、売上に繋がる行動に努めております。
また、事業活動においては、新型コロナウイルス感染症による感染予防のため、営業担当はマスク着用と営業車への除菌水常備を徹底し、施工現場においては、作業時以外はマスク着用を徹底、施工中に関しては顧客による取り決めに従い対応しております。
②製商品販売事業
製商品販売事業については、前期の消費税増税前の販売が好調であったことから、販売先である足場施工やレンタルを行う顧客では、当社同様に仕事量が減少している状況の中、足場部材の在庫は充足していると考えられます。また、景気先行きへの不透明感が強いことからも、しばらくは足場購入への期待は薄いと想定しております。しかしながら、新型足場「レボルト®」に対する需要は前期から引き続き高く、また、施工サービス事業に対する社内投入をしばらく控えていたこともあるため、今後を見据えて生産稼働率はある程度高い状態を維持し、在庫を増やしていく方針で進めております。現時点では、商品センターの在庫保有能力を高めるために、新たなストックヤードを立ち上げております。
新型コロナウイルス感染症による感染予防について、施工サービス事業同様、営業担当はマスク着用と営業車への除菌水常備を徹底するとともに、テレワークも実施しております。
③海外事業
海外事業においては、シンガポール政府による外出規制などのサーキットブレイカーが緩やかに解除されていくものと考えられますが、すべての工事や顧客の企業活動が再開されるには相当程度時間が掛かるものと想定しております。多くの同業他社が休業状態となる中、子会社においては、足場工事の現場は休止しているものの、ゴミ焼却プラントや焼却灰リサイクルプラントの維持・運営向けの人材派遣と施設内の清掃事業については、サーキットブレイカー発動中も重要産業との認可を受け活動しております。すべての事業活動が通常に戻る時期は不透明ではありますが、足場工事に対する受注量を増やすため、シンガポールのジュロン島内に新たな事業拠点を開設するとともに、足場部材の社内投入を積極的に進めております。
新型コロナウイルス感染症による感染予防については、政府によって一律に対策が義務付けられておりますので、各種ルールの順守を徹底しております。
また、当社グループとして、優先的に対処すべき財務上の課題は、事業上の課題同様、新型コロナウイルス感染症による景気悪化が長期化した場合に備えた財務基盤の強化と捉えております。現在の方針として、まずは当社グループの全スタッフの雇用維持と安全衛生確保を掲げております。現時点でも資金面に一定程度の余裕はありますが、今後の不透明な情勢を考慮し、在外子会社と共に主要取引行と短期の借入枠拡大について契約を致しました。