有価証券報告書-第41期(2026/05/01-2026/05/08)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
当社は、2026年5月8日開催の取締役会において、東京地方裁判所に対し会社更生手続開始の申立てを行うことを決議し、同日、同裁判所にその申立てを行い(東京地方裁判所令和8年(ミ)第4号)、同日(午後4時)、同裁判所より会社更生手続開始決定がされ、当社の代表取締役(当時)である石田雅文及び申立代理人である弁護士粟田口太郎が管財人に選任されました。また、同日、同裁判所により調査命令が発令され、弁護士永沢徹が調査委員に選任されました。当社では、内部管理体制の改善を進め、法令遵守を図る観点から、管財人2名体制(事業家管財人及び法律家管財人)とし、裁判所の監督と調査委員による調査の下で、管財人相互の監視と牽制による共同経営を実施する体制がとられています。なお、会社更生手続開始の申立てをしたのは、当社のみであり、当社の子会社は会社更生手続開始の申立てをしておらず、その予定もありません。
更生手続開始後は、当社の事業経営権及び財産管理処分権は管財人石田雅文及び管財人粟田口太郎の両管財人に専属することから(会社更生法第 72 条第 1 項)、更生手続開始後は、当社の取締役及び取締役会は事業経営権及び財産管理処分権を有しない立場にあり、また、当社の監査役及び監査役会は管財人の権限と抵触する範囲でその権限が制約されます。すなわち、更生手続開始時に当社の取締役及び監査役であった者は、更生手続開始により退任したわけではなく、いずれも在任しておりますが、これらの者は、裁判所による管財人の選任により当社の取締役及び監査役としての権限が制約された立場にあり、また、取締役及び監査役としての当社に対する報酬請求権を喪失した立場にあります(会社更生法第 66 条第 1 項)。これらのことは、更生手続開始後(かつ更生計画認可前)に株主総会により取締役又は監査役に変更が生じた場合においても同様であり、株主総会により新たに選任された取締役は事業経営権及び財産管理処分権を有しない立場にあり、また、株主総会により新たに選任された監査役もその権限が制約された立場にあります。当社については、当社の株主である株式会社ジェットの招集により令和8年5月28日に臨時株主総会が開催され、取締役石田雅文の解任議案及び平塚栄の取締役選任議案がいずれも可決されておりますが、このことは、管財人石田雅文が管財人粟田口太郎とともに管財人として共同して当社の事業経営及び当社財産の管理処分をする権限に影響を与えるものではなく、当社は管財人体制を堅持しており、当該臨時株主総会により新たに選任された平塚栄取締役(その後令和8年6月5日に開催された当社取締役会決議により当社代表取締役に就任)の権限は、管財人体制の下で制限されたままの状態にあります。
更生手続において、管財人は、2026年9月9日に更生計画案を裁判所に提出しておりますが(会社更生法第 184 条第 1 項)、これが可決され、裁判所により認可されると、更生計画としての効力を生じます(会社更生法第 201 条)。認可決定の時期は、2026年11月中旬を予定しています。
当社は取締役会設置会社かつ監査役会設置会社であることから、更生計画においては、この体制を変更しない限り、更生会社の取締役及び監査役の氏名又はその選任の方法及び任期が必要的記載事項とされます(会社更生法第 167 条第 1 項第 2 号、第 173 条第 1 項第 1 号・第 6 号)。したがって、管財人は、内部管理体制の改善の観点をも考慮した上で、更生計画により、新たな取締役及び監査役として適切と認められる人材を選任し、内部管理体制の改善及び確保を図る方針です。こうして更生計画の定めに基づきその氏名が記載された取締役及び監査役は、裁判所の認可により更生計画が効力を生ずることにより就任の効果が生じますが、その反面として、更生計画に氏名が記載されなかった取締役及び監査役は、たとえ従前の株主総会により選任されて任期を残した者であっても、更生計画の認可により退任することとなります。
管財人としては、創業者の影響力を排除し、内部管理体制の改善を図る観点から、取締役及び監査役として適切と認められる人材のみを更生計画に定める方針です。現任の取締役及び監査役のうち、こうした観点(創業者の影響力を排除し、内部管理体制の改善を図る観点)、当社の事業の更生を図る観点、当社が上場企業として新たなスタートを切る観点から適切と認められない者(長期にわたり当社の役員に継続して在任した者を含みます。)については、これを更生計画に記載せず、もって退任させる方針です。
以上のとおり、当社は、東京地方裁判所により会社更生手続が開始された時点(令和8年5月8日午後4時)以降、本有価証券報告書提出日現在においても、管財人体制により事業経営及び当社財産の管理処分が行われておりますが、管財人は、従前(更生手続開始前)の当社の取締役及び取締役会並びに監査役及び監査役会については、以下のコーポレート・ガバナンス上の諸課題(下記①~④)があったものと認識しており、会社更生手続の下で当社の再建を進めつつ、これらの諸課題に対処してまいります。管財人は、令和8年5月26日付の「改善計画・状況報告書」を同日付で適時開示しており、これに従って、コーポレート・ガバナンスの改善に向けた具体的な諸施策を実施する方針です。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
株式会社、とりわけ上場会社の経営は、経営者の高い倫理観に基づき、透明性・公正性を確保しつつ、法令遵守と適時適切な情報開示に基づき実施されるべきものであるところ、当社のコーポレート・ガバナンスには以下の不備があったものと認められます。
②企業統治の体制の概要及びその体制を採用する理由
・取締役(会)及び監査役(会)
当社の取締役の員数は5名(本有価証券報告書提出日現在)であり、うち2名は社外取締役であります。また、監査役の員数は3名(有価証券報告書提出日現在)であり、うち2名は社外監査役であります。
取締役会は、従来(更生手続開始まで)、月1回定期的に開催されていましたが、ガバナンスの重要性を明確に認識できていない役員がみられるほか、取締役や監査役の人選や、役員に求められる人材について、議論や検討が十分になされておりませんでした。その結果、ガバナンス機能を主体的に発揮できる人材が役員に十分に存在しておらず、企業統治の中核機関として本来求められる役割を果たせておりませんでした。
当社の監査役は常勤監査役1名を含む3名で構成されております。監査役は、取締役会その他の重要な会議に出席しておりますが、内部監査の結果報告を受けることが主となっており、経営上の問題を早期に発見・是正するための監査は積極的には行われていませんでした。また、監査役会もその機能を十分に発揮してはおりませんでした。
・内部監査室
当社の内部監査業務は内部監査室(2名)が担当し、年度内部監査計画に基づき、各部門及び各子会社の業務全般にわたり、計画的に内部監査を実施する体制をとっておりましたが、内部監査の対象範囲がモバイル直営事業の直営店の店舗及びリゾート事業のゴルフ場と店舗の業務監査に限定されているなど、内部監査規程の定めに従った運用が行われておらず、十分な範囲で実施することができておりませんでした。
・会計監査人
当社の会計監査業務は監査法人アリアと監査契約を締結して当該監査を受けております。
・当該体制を採用する理由
当社は、以上のとおり、平時において取締役会設置会社・監査役会設置会社の形態による企業統治の体制がとられており、これは取締役の相互監視・牽制に加え、独立役員を含む専門性の高い監査役による経営監視体制が機能してはじめて正当化できるものであるところ、従前は、これらに前記の不備がみられました。
更生手続(とりわけ管財人が策定する更生計画案)や特別注意銘柄の指定の解除に向けた施策を通じて、コーポレート・ガバナンスの改善を図ることにより、これらの不備に対処してまいる所存です。
・コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況
(注)当社は、2026年5月8日開催の取締役会において、東京地方裁判所に対し会社更生手続開始の申立てを行うことを決議し、同日、同裁判所にその申立てを行い(東京地方裁判所令和8年(ミ)第4号)、同日、同裁判所より会社更生手続開始決定がされ、当社の代表取締役(当時)である石田雅文及び申立代理人である弁護士粟田口太郎が管財人に選任されました。管財人は、会社更生法上の役職であり、会社法上の役員ではありませんが、現在、当社の事業経営権及び当社財産の管理処分権は管財人に専属しており、会社法上の役員(前掲の取締役5名及び監査役3名)の権限は制約されています。
③企業統治に関するその他の事項(更生手続開始前の企業統治体制とその問題)
(イ)内部統制システムの整備の状況
当社は、当社及び当社グループ会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制を含む内部統制システムに関する基本的な考え方を次の通り定めております。以下は、更生手続開始前の状況を示すものですが、これらについては、前述の「改善計画・状況報告書」(令和8年5月26日付)の趣旨をも踏まえて改善してまいります。
1.取締役及び使用人の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)取締役及び使用人が法令遵守、定款遵守、公正性、倫理性を持ち行動するためのコンプライアンス体制に係る指針として「トーシン行動指針」がありますが、従前は必ずしも社内に浸透しておらず、コンプライアンス意識の鈍麻・欠如がみられたことから、その改善を図ってまいります。
(2)当社及び当社グループ各社における法令遵守の観点からこれに反する行為を早期に発見し是正するため、グループ従業員を対象とした「内部通報制度」として「トーシンアラーム」を設置しております。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会、各種会議の議事録等の文書及び電磁的記録は、関係規程並びに法令に基づき、担当部署及び責任者を定め、適切に保存及び管理する。
3.損失の危険の管理に関する規定その他の体制
リスク・コンプライアンス委員会を設置する。この委員会はリスク管理・コンプライアンス管理を統括する組織として、個々のリスク(経営戦略、業務運営、環境、災害グループ全体のリスク)を網羅的・総括的に管理する体制を確保する。また、リスク・コンプライアンス規程を制定する。
リスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長、管理部長(総務人事担当)、管理部長(財務担当)、監査役(非常勤監査役及び社外監査役を含む。)、内部監査室従業員及びそれに準ずる者を構成単位とし、2か月に1回開催し、決議要件は構成員の過半数による決議とする。リスク・コンプライアンス委員会から発出された意見については、取締役会は合理的な理由なく排除できないものとする。
4.取締役の職務の執行が効率的に行えることを確保するための体制
取締役及び監査役で構成する取締役会を毎月開催して、重要項目について審議及び決定を行い、必要に応じ適宜開催する。
5.当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
グループ共通の基本理念と基本方針を制定し、関係会社管理規程を設定する。内部監査室による継続的な業務の適正性及び運営状況を実地監査する。
しかしながら、1.(1)に記載した事項、また第三者委員会からの内部監査の不備などの指摘もあり、当該体制は機能していたとは言えないため、今後の改善を図ってまいります。
6.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の要請があった場合は職務を補助するスタッフを配置する。監査役スタッフの任命は、取締役の推薦により監査役会が行うが、当該スタッフの監査役会での職務については、取締役からの干渉を受けない体制とする。
7.取締役及び使用人が監査役に報告する体制その他の監査役への報告に関する体制
(1)会社及びグループ各社の業務・財務に重大な影響、損害を及ぼすおそれがある事実を発見したときは、当該事実に関する事項。
(2)会社及びグループ各社の役職員が法令又は定款に違反する行為をし、又は、これらの行為を行うおそれがあると考えられるときは、その旨。
(3)監査役(会)から業務執行に関する事項の報告を求められた取締役及び使用人は、速やかに当該事項につき報告を行う。
しかしながら、当該体制は十分に機能していたとは言えないため、今後の改善を図ってまいります。
8.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)代表取締役社長直属の組織として内部監査室を設置し、監査役と緊密な連携を保ち、監査役に対し内部監査結果の報告を行う。
(2)代表取締役社長及び取締役との定期的会合を開催し情報交換を行う。
(3)取締役は、監査役による重要な会議への出席及び重要文書の閲覧、子会社の実地監査等の監査活動に積極的に協力する。
9.財務報告の信頼性を確保するための体制
金融商品取引法の定めにより、財務諸表に係る内部統制が有効かつ適切に行われる体制を整備し、会計監査人との連携を図り、財務諸表の信頼性と適正性を確保する。
しかしながら、2025年4月期には決算訂正を行う必要性が生じ、訂正報告書を提出しております。財務報告を行う体制に種々の不備が認められたことから、当該体制については今後の改善が必要なものと考えております。
10.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
取締役及び使用人が遵守すべき行動指針において、企業倫理を十分に認識し、社会人としての良識と責任をもって、業務を誠実かつ公正に遂行することを表明しており、反社会的勢力や団体との関係は一切遮断し、不当要求に対しても毅然とした対応で臨み拒絶する。
(ロ)リスク管理体制の整備の状況
当社のリスク管理体制は、トーシン・リスク管理委員会を設置しておりましたが、有効に機能していなかったため、新たにリスク管理・コンプライアンス管理を統括する組織として、リスク・コンプライアンス委員会を設置してグループ全体のリスクを網羅的・統括的に管理する体制を確保いたします。
(ハ)責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役、社外監査役及び会計監査人と会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく責任の限度額は、法令の定める額としております。
なお、当該責任限定が認められているのは、当該社外取締役、社外監査役又は会計監査人が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
(ニ)取締役の定数
当社の取締役は8名以内とする旨定款に定めております。
(ホ)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款で定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨定款に定めております。
(ヘ)取締役会で決議できることとした株主総会決議事項
1.剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限にすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
2.取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
(ト)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
④取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を1回開催しており、個々の取締役の出席状況につきましては次の通りであります。
当社は、2025年9月4日付「第三者委員会の調査報告書の公表に関するお知らせ」において公表しましたとおり、当社において不適切な会計処理が行われた疑いについて第三者委員会による調査を行い、その結果を取りまとめた報告書を受領いたしました。当該報告書においては、当社及び子会社における不適切な会計処理の存在やそれらが生じた原因・背景について明らかにされ、再発防止策の提言を受けました。また、2026年5月1日付「社内検証委員会の検証結果報告書受領及び公表に関するお知らせ」において公表しましたとおり、当社の決算・内部統制・ガバナンス等を専門的及び客観的な見地から検証し、過年度有価証券報告書等に関する問題の有無等を明確にするために、社内検証委員会による検証を行い、検証結果報告書を受領いたしました。当該報告書においては、当社の決算・内部統制・ガバナンス等に関する問題点、その是正・改善状況及び今後の課題等が示されました。
当社は、こうした事態に至ったことを深く反省し、二度と同様の過ちを繰り返さぬよう抜本的な組織構造の改革を進め、コンプライアンス前提の誠実な経営に取り組んでまいります。
当社は、2026年5月8日開催の取締役会において、東京地方裁判所に対し会社更生手続開始の申立てを行うことを決議し、同日、同裁判所にその申立てを行い(東京地方裁判所令和8年(ミ)第4号)、同日(午後4時)、同裁判所より会社更生手続開始決定がされ、当社の代表取締役(当時)である石田雅文及び申立代理人である弁護士粟田口太郎が管財人に選任されました。また、同日、同裁判所により調査命令が発令され、弁護士永沢徹が調査委員に選任されました。当社では、内部管理体制の改善を進め、法令遵守を図る観点から、管財人2名体制(事業家管財人及び法律家管財人)とし、裁判所の監督と調査委員による調査の下で、管財人相互の監視と牽制による共同経営を実施する体制がとられています。なお、会社更生手続開始の申立てをしたのは、当社のみであり、当社の子会社は会社更生手続開始の申立てをしておらず、その予定もありません。
更生手続開始後は、当社の事業経営権及び財産管理処分権は管財人石田雅文及び管財人粟田口太郎の両管財人に専属することから(会社更生法第 72 条第 1 項)、更生手続開始後は、当社の取締役及び取締役会は事業経営権及び財産管理処分権を有しない立場にあり、また、当社の監査役及び監査役会は管財人の権限と抵触する範囲でその権限が制約されます。すなわち、更生手続開始時に当社の取締役及び監査役であった者は、更生手続開始により退任したわけではなく、いずれも在任しておりますが、これらの者は、裁判所による管財人の選任により当社の取締役及び監査役としての権限が制約された立場にあり、また、取締役及び監査役としての当社に対する報酬請求権を喪失した立場にあります(会社更生法第 66 条第 1 項)。これらのことは、更生手続開始後(かつ更生計画認可前)に株主総会により取締役又は監査役に変更が生じた場合においても同様であり、株主総会により新たに選任された取締役は事業経営権及び財産管理処分権を有しない立場にあり、また、株主総会により新たに選任された監査役もその権限が制約された立場にあります。当社については、当社の株主である株式会社ジェットの招集により令和8年5月28日に臨時株主総会が開催され、取締役石田雅文の解任議案及び平塚栄の取締役選任議案がいずれも可決されておりますが、このことは、管財人石田雅文が管財人粟田口太郎とともに管財人として共同して当社の事業経営及び当社財産の管理処分をする権限に影響を与えるものではなく、当社は管財人体制を堅持しており、当該臨時株主総会により新たに選任された平塚栄取締役(その後令和8年6月5日に開催された当社取締役会決議により当社代表取締役に就任)の権限は、管財人体制の下で制限されたままの状態にあります。
更生手続において、管財人は、2026年9月9日に更生計画案を裁判所に提出しておりますが(会社更生法第 184 条第 1 項)、これが可決され、裁判所により認可されると、更生計画としての効力を生じます(会社更生法第 201 条)。認可決定の時期は、2026年11月中旬を予定しています。
当社は取締役会設置会社かつ監査役会設置会社であることから、更生計画においては、この体制を変更しない限り、更生会社の取締役及び監査役の氏名又はその選任の方法及び任期が必要的記載事項とされます(会社更生法第 167 条第 1 項第 2 号、第 173 条第 1 項第 1 号・第 6 号)。したがって、管財人は、内部管理体制の改善の観点をも考慮した上で、更生計画により、新たな取締役及び監査役として適切と認められる人材を選任し、内部管理体制の改善及び確保を図る方針です。こうして更生計画の定めに基づきその氏名が記載された取締役及び監査役は、裁判所の認可により更生計画が効力を生ずることにより就任の効果が生じますが、その反面として、更生計画に氏名が記載されなかった取締役及び監査役は、たとえ従前の株主総会により選任されて任期を残した者であっても、更生計画の認可により退任することとなります。
管財人としては、創業者の影響力を排除し、内部管理体制の改善を図る観点から、取締役及び監査役として適切と認められる人材のみを更生計画に定める方針です。現任の取締役及び監査役のうち、こうした観点(創業者の影響力を排除し、内部管理体制の改善を図る観点)、当社の事業の更生を図る観点、当社が上場企業として新たなスタートを切る観点から適切と認められない者(長期にわたり当社の役員に継続して在任した者を含みます。)については、これを更生計画に記載せず、もって退任させる方針です。
以上のとおり、当社は、東京地方裁判所により会社更生手続が開始された時点(令和8年5月8日午後4時)以降、本有価証券報告書提出日現在においても、管財人体制により事業経営及び当社財産の管理処分が行われておりますが、管財人は、従前(更生手続開始前)の当社の取締役及び取締役会並びに監査役及び監査役会については、以下のコーポレート・ガバナンス上の諸課題(下記①~④)があったものと認識しており、会社更生手続の下で当社の再建を進めつつ、これらの諸課題に対処してまいります。管財人は、令和8年5月26日付の「改善計画・状況報告書」を同日付で適時開示しており、これに従って、コーポレート・ガバナンスの改善に向けた具体的な諸施策を実施する方針です。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
株式会社、とりわけ上場会社の経営は、経営者の高い倫理観に基づき、透明性・公正性を確保しつつ、法令遵守と適時適切な情報開示に基づき実施されるべきものであるところ、当社のコーポレート・ガバナンスには以下の不備があったものと認められます。
②企業統治の体制の概要及びその体制を採用する理由
・取締役(会)及び監査役(会)
当社の取締役の員数は5名(本有価証券報告書提出日現在)であり、うち2名は社外取締役であります。また、監査役の員数は3名(有価証券報告書提出日現在)であり、うち2名は社外監査役であります。
取締役会は、従来(更生手続開始まで)、月1回定期的に開催されていましたが、ガバナンスの重要性を明確に認識できていない役員がみられるほか、取締役や監査役の人選や、役員に求められる人材について、議論や検討が十分になされておりませんでした。その結果、ガバナンス機能を主体的に発揮できる人材が役員に十分に存在しておらず、企業統治の中核機関として本来求められる役割を果たせておりませんでした。
当社の監査役は常勤監査役1名を含む3名で構成されております。監査役は、取締役会その他の重要な会議に出席しておりますが、内部監査の結果報告を受けることが主となっており、経営上の問題を早期に発見・是正するための監査は積極的には行われていませんでした。また、監査役会もその機能を十分に発揮してはおりませんでした。
・内部監査室
当社の内部監査業務は内部監査室(2名)が担当し、年度内部監査計画に基づき、各部門及び各子会社の業務全般にわたり、計画的に内部監査を実施する体制をとっておりましたが、内部監査の対象範囲がモバイル直営事業の直営店の店舗及びリゾート事業のゴルフ場と店舗の業務監査に限定されているなど、内部監査規程の定めに従った運用が行われておらず、十分な範囲で実施することができておりませんでした。
・会計監査人
当社の会計監査業務は監査法人アリアと監査契約を締結して当該監査を受けております。
・当該体制を採用する理由
当社は、以上のとおり、平時において取締役会設置会社・監査役会設置会社の形態による企業統治の体制がとられており、これは取締役の相互監視・牽制に加え、独立役員を含む専門性の高い監査役による経営監視体制が機能してはじめて正当化できるものであるところ、従前は、これらに前記の不備がみられました。
更生手続(とりわけ管財人が策定する更生計画案)や特別注意銘柄の指定の解除に向けた施策を通じて、コーポレート・ガバナンスの改善を図ることにより、これらの不備に対処してまいる所存です。
・コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況
(注)当社は、2026年5月8日開催の取締役会において、東京地方裁判所に対し会社更生手続開始の申立てを行うことを決議し、同日、同裁判所にその申立てを行い(東京地方裁判所令和8年(ミ)第4号)、同日、同裁判所より会社更生手続開始決定がされ、当社の代表取締役(当時)である石田雅文及び申立代理人である弁護士粟田口太郎が管財人に選任されました。管財人は、会社更生法上の役職であり、会社法上の役員ではありませんが、現在、当社の事業経営権及び当社財産の管理処分権は管財人に専属しており、会社法上の役員(前掲の取締役5名及び監査役3名)の権限は制約されています。③企業統治に関するその他の事項(更生手続開始前の企業統治体制とその問題)
(イ)内部統制システムの整備の状況
当社は、当社及び当社グループ会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制を含む内部統制システムに関する基本的な考え方を次の通り定めております。以下は、更生手続開始前の状況を示すものですが、これらについては、前述の「改善計画・状況報告書」(令和8年5月26日付)の趣旨をも踏まえて改善してまいります。
1.取締役及び使用人の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)取締役及び使用人が法令遵守、定款遵守、公正性、倫理性を持ち行動するためのコンプライアンス体制に係る指針として「トーシン行動指針」がありますが、従前は必ずしも社内に浸透しておらず、コンプライアンス意識の鈍麻・欠如がみられたことから、その改善を図ってまいります。
(2)当社及び当社グループ各社における法令遵守の観点からこれに反する行為を早期に発見し是正するため、グループ従業員を対象とした「内部通報制度」として「トーシンアラーム」を設置しております。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会、各種会議の議事録等の文書及び電磁的記録は、関係規程並びに法令に基づき、担当部署及び責任者を定め、適切に保存及び管理する。
3.損失の危険の管理に関する規定その他の体制
リスク・コンプライアンス委員会を設置する。この委員会はリスク管理・コンプライアンス管理を統括する組織として、個々のリスク(経営戦略、業務運営、環境、災害グループ全体のリスク)を網羅的・総括的に管理する体制を確保する。また、リスク・コンプライアンス規程を制定する。
リスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長、管理部長(総務人事担当)、管理部長(財務担当)、監査役(非常勤監査役及び社外監査役を含む。)、内部監査室従業員及びそれに準ずる者を構成単位とし、2か月に1回開催し、決議要件は構成員の過半数による決議とする。リスク・コンプライアンス委員会から発出された意見については、取締役会は合理的な理由なく排除できないものとする。
4.取締役の職務の執行が効率的に行えることを確保するための体制
取締役及び監査役で構成する取締役会を毎月開催して、重要項目について審議及び決定を行い、必要に応じ適宜開催する。
5.当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
グループ共通の基本理念と基本方針を制定し、関係会社管理規程を設定する。内部監査室による継続的な業務の適正性及び運営状況を実地監査する。
しかしながら、1.(1)に記載した事項、また第三者委員会からの内部監査の不備などの指摘もあり、当該体制は機能していたとは言えないため、今後の改善を図ってまいります。
6.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の要請があった場合は職務を補助するスタッフを配置する。監査役スタッフの任命は、取締役の推薦により監査役会が行うが、当該スタッフの監査役会での職務については、取締役からの干渉を受けない体制とする。
7.取締役及び使用人が監査役に報告する体制その他の監査役への報告に関する体制
(1)会社及びグループ各社の業務・財務に重大な影響、損害を及ぼすおそれがある事実を発見したときは、当該事実に関する事項。
(2)会社及びグループ各社の役職員が法令又は定款に違反する行為をし、又は、これらの行為を行うおそれがあると考えられるときは、その旨。
(3)監査役(会)から業務執行に関する事項の報告を求められた取締役及び使用人は、速やかに当該事項につき報告を行う。
しかしながら、当該体制は十分に機能していたとは言えないため、今後の改善を図ってまいります。
8.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)代表取締役社長直属の組織として内部監査室を設置し、監査役と緊密な連携を保ち、監査役に対し内部監査結果の報告を行う。
(2)代表取締役社長及び取締役との定期的会合を開催し情報交換を行う。
(3)取締役は、監査役による重要な会議への出席及び重要文書の閲覧、子会社の実地監査等の監査活動に積極的に協力する。
9.財務報告の信頼性を確保するための体制
金融商品取引法の定めにより、財務諸表に係る内部統制が有効かつ適切に行われる体制を整備し、会計監査人との連携を図り、財務諸表の信頼性と適正性を確保する。
しかしながら、2025年4月期には決算訂正を行う必要性が生じ、訂正報告書を提出しております。財務報告を行う体制に種々の不備が認められたことから、当該体制については今後の改善が必要なものと考えております。
10.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
取締役及び使用人が遵守すべき行動指針において、企業倫理を十分に認識し、社会人としての良識と責任をもって、業務を誠実かつ公正に遂行することを表明しており、反社会的勢力や団体との関係は一切遮断し、不当要求に対しても毅然とした対応で臨み拒絶する。
(ロ)リスク管理体制の整備の状況
当社のリスク管理体制は、トーシン・リスク管理委員会を設置しておりましたが、有効に機能していなかったため、新たにリスク管理・コンプライアンス管理を統括する組織として、リスク・コンプライアンス委員会を設置してグループ全体のリスクを網羅的・統括的に管理する体制を確保いたします。
(ハ)責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役、社外監査役及び会計監査人と会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく責任の限度額は、法令の定める額としております。
なお、当該責任限定が認められているのは、当該社外取締役、社外監査役又は会計監査人が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
(ニ)取締役の定数
当社の取締役は8名以内とする旨定款に定めております。
(ホ)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款で定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨定款に定めております。
(ヘ)取締役会で決議できることとした株主総会決議事項
1.剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限にすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
2.取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
(ト)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
④取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を1回開催しており、個々の取締役の出席状況につきましては次の通りであります。
| 氏 名 | 開催回数 | 出席回数 |
| 石田 雅文 | 1 | 1 |
| 石田 ゆかり | 1 | 1 |
| 旭 萌々子 | 1 | 1 |
| 深谷 隆雄 | 1 | 1 |
| 奥村 竜弥 | 1 | 1 |
当社は、2025年9月4日付「第三者委員会の調査報告書の公表に関するお知らせ」において公表しましたとおり、当社において不適切な会計処理が行われた疑いについて第三者委員会による調査を行い、その結果を取りまとめた報告書を受領いたしました。当該報告書においては、当社及び子会社における不適切な会計処理の存在やそれらが生じた原因・背景について明らかにされ、再発防止策の提言を受けました。また、2026年5月1日付「社内検証委員会の検証結果報告書受領及び公表に関するお知らせ」において公表しましたとおり、当社の決算・内部統制・ガバナンス等を専門的及び客観的な見地から検証し、過年度有価証券報告書等に関する問題の有無等を明確にするために、社内検証委員会による検証を行い、検証結果報告書を受領いたしました。当該報告書においては、当社の決算・内部統制・ガバナンス等に関する問題点、その是正・改善状況及び今後の課題等が示されました。
当社は、こうした事態に至ったことを深く反省し、二度と同様の過ちを繰り返さぬよう抜本的な組織構造の改革を進め、コンプライアンス前提の誠実な経営に取り組んでまいります。