有価証券報告書-第20期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 10:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
71項目

業績等の概要

(1)業績
当事業年度における我が国経済は、政府の経済政策により企業収益や雇用情勢の改善傾向が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、英国のEU離脱問題に端を発した欧州の混乱や、米国の政権移行後の通商政策等の影響による株式市場や為替相場の不安定な動きを背景に、先行き不透明な状況がより一層強まっております。
ネットワークセキュリティ業界においては、サイバー攻撃の被害が増加の一途を辿っており、官民ともに対策強化の動きがより一層活発化しております。標的型攻撃による情報流出やランサムウェアによる被害が増加していることに加え、大学等の学校組織を狙ったウェブサイトの改竄が急増していることなどについて独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が注意喚起を発表しました。また、総務省が地方公共団体の情報セキュリティ強化対策として補正予算化した「自治体情報セキュリティクラウドの構築」及び「自治体情報システムの強靱性の向上」に係る調達がヤマ場を迎えました。
このような環境の下、当社は巧妙化・複雑化するサイバー攻撃の脅威に応えるべく、商品(プロダクト)と当社セキュリティ・ノウハウを組み合わせたハイブリッド型サービスビジネスを加速させることに注力しております。また、最新の市場動向調査に基づいたオンリーワン商品やサービスを投入していくことで差別化を図ります。その上で、中長期的な成長基盤をより確実なものへと変えていくため、経営スローガンである「One Step Ahead of the Game ~ その一手先へ」を掲げて、経営理念を軸とした理念経営を推進してまいります。
主な取り組みとしては、Coronet社(イスラエル)と契約を締結し、無線システムを安全利用するための新サービス「セキュリティ・プラス ワイヤレスセキュリティサービス」(仮)の提供を開始いたしました。スマートフォンやタブレットの普及によりWi-Fiやセル経由でのデータ通信を利用するユーザが著しく増えてきている中、公衆無線LANやセルの基地局利用において、 第三者による盗聴、なりすましによるサービス利用、悪意のあるAP(アクセスポイント)への接続などの脅威もあげられております。そこで、唯一、社外も含めたグローバルなWi-Fi及びセル通信に対してのセキュリティを確保できるCoronetのソリューションをMSS(Managed Security Service)として提供することで、組織のセキュリティポリシーを守った安全な無線通信を行うことができるようになります。
業績につきましては、「自治体情報システムの強靱性の向上」における地方自治体のファイル無害化ソリューションとして、VOTIRO社のSecure Data Sanitizationが、2017年3月31日時点で全47都道府県中43都道府県もしくは県下の市町村で導入され実質的なデファクト・スタンダードとなるなど、プロダクト関連が大幅に伸長したことにより、売上高は4,841百万円(前年同期比57.7%増)となりました。各段階利益につきましては、ポジションニングを築くためのマーケティング活動やサービスメニュー拡充のための体制強化などは継続的に進めてまいりましたが、売上高が伸長したことで売上総利益も伸長した結果、営業利益337百万円(同-%)、経常利益332百万円(同-%)、当期純利益312百万円(同-%)となりました。
なお、当社では事業セグメントをネットワークセキュリティ事業のみとしております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前事業年度末に比べ26百万円増加し、785百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は275百万円(前事業年度は134百万円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純利益332百万円を計上し、未払金139百万円、未払消費税107百万円の増加及び減価償却費105百万円の計上があった一方、売上債権404百万円の増加があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は249百万円(前事業年度は145百万円の使用)となりました。これは主に、保守部材として取得した有形固定資産236百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は0百万円(前事業年度は80百万円の獲得)となりました。これは、未払配当金の減少0百万円があったことによるものです。