有価証券報告書-第34期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/20 16:39
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指標及び目標
以下の(1) 気候変動及び(2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組において、記載しております。
サステナビリティにおいて重要と考える(1) 気候変動及び(2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組は以下のとおりです。なお、気候変動については、当社グループのビジネス上、上場会社としての気候変動への取り組みと、お客様からお預かりした資産を運用する投資会社としての投資先への取り組みの2つの側面をもっております。
(1) 気候変動
気候変動への取り組み (上場会社として)
当社グループでは、私たちの投資を通じて地球環境と人間が共生できる社会の実現に積極的に関わることを目指し、2020年1月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」が公表した提言に賛同の意を表明いたしました。
①ガバナンス
当社グループでは、「サステナビリティに関する基本方針」を策定し、気候変動を含むサステナビリティに係る課題への対応を経営上の最重要課題の1つと認識しています。よって、気候関連の課題に関する基本方針に関しては、取締役会において議論・決議を行い、具体的な業務の執行にあたっては、その中心的な意思決定機関である経営会議において、少なくとも年に1回、かつ、必要に応じ適時に、具体的な活動方針や推進施策等の議論・決定し、取締役会に報告することで実施内容を取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。
取締役会は、その過半数が社外取締役から構成されており、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議等を実施することにより、PDCAサイクルによって、適切にマネジメントを推進し、継続的に改善を図っています。また経営会議には、業務執行の中心メンバーである社内取締役及び執行役員が全員参加し、少なくとも毎月1度は開催され、その内容については適時に取締役会に報告されます。また、経営会議におけるサステナビリティ経営に関する議論を具体的に進めるため、サステナビリティ企画室を設置しています。
ガバナンス体制図(図1)
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②リスク管理
気候変動に関するリスク管理については上記のサステナビリティのリスク管理に含めて管理しております。詳細については(1) サステナビリティ ②リスク管理を参照ください。
③戦略
当社グループは、顧客資産を中長期にわたり運用していくために、持続可能性のある生態系全体を含めた地球環境の維持は必須と認識しております。特に、気候変動問題は、この目的達成のための重要課題と捉えています。
気候変動は平均気温上昇による自然災害の激甚化や脱炭素社会の移行に伴う社会経済の変化をもたらすことから、これらに関連したリスクと機会が生じます。
リスクには、自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる急性リスクや平均気温上昇に伴い発生する慢性リスクといった「物理的リスク」と、脱炭素化に向けた規制強化や脱炭素技術移行への対応といった「移行リスク」の2つがあります。
機会には、気候変動問題の解決のための技術革新や市場の変化等に伴う企業の収益機会があります。当社グループは、気候変動対策や脱炭素社会への移行を、新しい投資商品の提供を通じてサポート・実現することで当社ビジネス機会の拡大に繋げ、ひいては持続可能な環境・社会の実現に貢献していきます。
当社グループは、TCFDの提言を踏まえ、以下の通り、リスク(物理的リスク、移行リスク)及び機会について、短期・中期・長期の目線での把握に努めています。投資会社である当社グループへの直接的な影響としては、他の業種に比べて大きくないものと考えていますが、今後は、これらの想定を、複数のシナリオ分析等によって検証し、より具体的な財務的な影響等を把握するよう努めていきます。なお、大規模な自然災害といった物理的リスクについては、自社の事業の継続性を確保するための定期的なBCPの見直しや管理体制の強化を図っています。
<気候関連のリスク>
リスクの種類リスクの内容想定される主な影響想定期間
移行リスク政策・法規制・GHG排出価格(炭素税)の上昇
・排出量の報告義務の強化 など
・制度変更や規制強化に伴うコスト増加による業績への悪影響中期~長期
技術・急速な技術革新による産業構造の変化への対応の遅れ など・産業構造の変化をとらえた新たな投資商品を提供する機会を逸することによる結果的な業績への悪影響中期~長期
市場・投資家の嗜好変化 など・投資家の嗜好が変化することに対して、適切な投資商品を提供する機会を逸することによる結果的な業績への悪影響中期~長期
評判・気候変動対策への取組み不足によるレピュテーショナルリスクの増加 など・評判悪化によるビジネス機会の減少による業績への悪影響
・評判悪化による当社の資金調達コスト増
短期~中期
物理的リスク急性/慢性・豪雨・巨大台風などの災害増加
・平均気温の上昇、海水面の上昇等による災害の激甚化 など
・当社グループの拠点や社員の被災などによる事業活動の制約による業績への悪影響
・災害への対策や復旧・修繕対応など各種コストの増加による業績への悪影響
中期~長期

(想定期間)短期:0~3年、中期:3~10年、長期:10~30年
<気候関連の機会>上記気候関連のリスクへの対応策を検討する際には、例えば「急速な技術革新による産業構造の変化への対応の遅れ」を「産業構造の変化を急速にもたらす技術を有する会社に投資機会を見出し、投資戦略に落とし込んでいく」など事業機会に捉え直すことで、投資戦略の立案に繋げています。
④指標及び目標
当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、脱炭素に向けた取り組みを進めており、気候関連に関するリスクの軽減や機会の実現を目的に、指標を定め、目標を設定し、そのモニタリングに取り組んでいます。これらの指標の進捗状況については、少なくとも年に1回かつ必要に応じ、経営会議及び取締役会に報告されます。
2022年度の当社グループの事業活動により、自らが排出する温室効果ガス(以下、「GHG」)排出量のうち、Scope1・Scope2の合計※1は、約109.67 tCO2eであり、2020年度基準比▲22.7%でした。2022年9月には、GHG排出量削減に向けた取り組みの一環として、グループ国内拠点6社が入居するビルで使用する電力に関し、非化石証書を用いた再生可能エネルギー由来の電力契約に変更しました。中間目標として掲げた2030年度までにGHG排出量を33%削減(2020年度比)の目標達成を前倒しできるよう、更なるGHG排出量削減に取り組んでいきます。
指標として定めている GHG 排出量に関する実績推移は、以下の通りです。なお、GHG排出量削減目標(Scope1・Scope2)に向けた進捗管理に加え、「環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」等を活用して、サプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)を算定し、モニタリングを開始しました。また、Scope3の開示強化に向けて、特にカテゴリ15の「投融資」の算定に関しては、金融機関として脱炭素社会の実現に向けた第一歩であると認識しております。今後、PCAF※2の手法に基づく投融資を通じたGHG排出量(Financed Emissions)の計測を進めていきます。
Scope1・2
tCO2e
2020年度2021年度2022年度
Scope1(直接排出)6.056.136.13
Scope2(間接排出)※3135.93126.64103.67
Scope1・Scope2合計141.98132.77109.80
削減実績(2020年度比)-▲6.5%▲22.7%
削減実績(前年度比)-▲6.5%▲17.3%

Scope3
tCO2e
カテゴリ2021年度2022年度
Scope3カテゴリ1(購入した製品・サービス)3.092.81
Scope3カテゴリ2(資本財)9.81249.23
Scope3カテゴリ5(事業から出る廃棄物)0.280.39
Scope3カテゴリ6(出張)136.52576.47
Scope3カテゴリ7(雇用者の通勤)62.9351.70

(算定期間)各年度:4月1日~翌年3月31日
(算定範囲)
Scope1・Scope2:東京拠点グループ6社※4、 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.※5、 SPARX Asia Investment Advisors Limited※5
Scope3:東京拠点グループ6社※4
[算定方法]
Scope3の算定方法、排出計数等は、環境省・経済産業省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.5」「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver.3.3」に基づき算出
カテゴリ1:東京拠点グループ6社のコピー用紙の購入金額に排出原単位を乗じて算出
カテゴリ2:該当年度内、東京拠点グループ6社の固定資産取得額に排出原単位を乗じて算出
カテゴリ5:東京拠点グループ6社の排出廃棄物を種類・処分方法ごとに排出原単位を乗じて算出
カテゴリ6:東京拠点グループ6社の国内外出張金額より算出(航空機、鉄道、バス、タクシーの利用金額ごとに排出原単位を乗じて算出)
カテゴリ7:当年度末の東京拠点グループ6社の社員の月額通勤費を年額に換算して算出(鉄道、バスの利用金額ごとに排出原単位を乗じて算出)
※1 GHG排出量算定基準は、GHGプロトコルに基づくScope1(直接排出)+Scope2(間接排出)
※2 Partnership for Carbon Accounting Financials
※3 Scope2は、マーケット基準にて算出
※4東京拠点グループ6社は、以下の通り
スパークス・グループ株式会社
スパークス・アセット・マネジメント株式会社
スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社
スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社
スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社
スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社
※5所在国の排出係数を使用して算出
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責任投資に係る取り組み (投資会社として)
スパークス・グループ内のアセットマネジメント会社が、受託しているポートフォリオの運用を通じて、投資先の気候変動への対応状況を分析し、影響度を評価する取り組みについては、以下の通りです。
①ガバナンス
当社グループは、「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というパーパスを掲げ、この達成のため、顧客よりお預かりする全ての資産に関する顕在・潜在双方のリスクと機会を適切に把握、管理しております。
具体的には、責任投資の監督責任、説明責任を果たすため、当社取締役会の諮問機関として、グループCIOを委員長とする責任投資委員会を設置しています。なお、責任投資委員会には、全ての社内取締役、グループ執行役員が委員として参加し、少なくとも四半期に一度は開催され、その内容について適時に取締役会に報告の上、実施内容について取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。また、責任投資委員会における責任投資原則の実践に関する議論を具体的に進めるため、責任投資推進室を設置しております。
当該委員会においては、グループ各社の投資政策委員会(もしくは同等の組織)から責任投資の実施状況の報告が行われるほか、責任投資ポリシーなどの変更承認、責任投資の実施に関する年次報告書の承認などを行っています。
なお、当該委員会には外部アドバイザーが陪席し、独立した立場から、報告や審議内容に対する助言がなされ、責任投資に関する最新の動向が共有されています。
※体制図は、図1を参照
②リスク管理
当社グループは、投資先企業の調査・分析及び投資判断において、ボトムアップリサーチによる企業の定性的評価を重視しています。ボトムアップリサーチにおいて、期待投資リターンの評価を行うとともに、ESGに関する機会とリスクも定性的に評価しております。
また、外部ベンダーの気候変動関連データをエンゲージメント先の選定や対話に活かしながら、投資先企業に気候変動に係る取り組みを促進するよう働きかけを行うことが可能な態勢整備を進めています。
なお、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオに関して、外部ベンダーの気候変動関連データを参照し、各ポートフォリオとベンチマーク(もしくは参考インデックス)について、カーボンフットプリント(事業活動に伴って排出される温室効果ガスのCO2換算量)と加重平均カーボンインテンシティ(WACI : Weighted Average Carbon Intensity)を計測した数値と、エンゲージメント件数を投資政策委員会に月次で報告しています(*)。
*エンゲージメント件数の投資政策委員会への報告は、2023年1月より開始
③戦略
気候変動問題の解決のためには、投資先企業が気候変動に関するリスクと機会を中長期的な目線で経営戦略に組み込み、対応を進めることが重要であると認識しています。アセットマネージャーとして、投資先企業の気候変動に関するリスクと機会が、顧客資産の運用ポートフォリオに及ぼす影響を把握するため、運用資産残高の大部分を占める、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略の、2022年12月末時点のポートフォリオについて、S&PGlobalにシナリオ分析を委託し、実施しました。
なお、2022年12月末時点の、当社グループの投資戦略別運用資産残高は、表の通りです。
(単位:億円)
日本株式9,334
OneAsia834
実物資産2,629
プライベート・エクイティ(未来創生他)1,955
合計14,754

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2℃未満目標との整合性:温室効果ガス移行経路評価
上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオとベンチマークについて(*)、移行経路アプローチに基づき温暖化対策のための国際目標との整合性を評価しました。S&P Globalの温室効果ガス移行経路評価を利用することで、ポートフォリオにおける2℃未満目標に対する整合性の程度を把握することができます。
*上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略は、表中の「日本株式」と「OneAsia」の合計です。
*上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のベンチマークは、TOPIX、KOSPI、MSCI Asia除く日本、を対応する市場の運用資産残高で加重平均し合成しています。
本評価では、過去の実績と将来(中期)の予想排出量の双方を評価対象とし、投資先の時間経過に伴う排出削減が温暖化防止目標に沿った適正な水準にあるかどうかを検証します。その結果、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオでは、2℃以上3℃未満の水準、ベンチマークについては3℃以上の水準にあるとの評価になりました。今後、ポートフォリオを2℃未満に整合させることも視野に当社として何ができるかを社内で検討していきます。
移行リスク
TCFDは、気候関連のリスクを移行リスクと物理的リスクの2つに分類しています。移行リスクは脱炭素経済への移行に関連するリスク、物理的リスクは気候変動の物理的影響に関連したリスクです。
上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける、気候関連リスクの財務的インパクト(将来のカーボン・プライスが及ぼす財務への影響)を評価しました。
上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける将来負担すると推定される炭素コスト(Unpriced Cost of Carbon : UCC)割当分の多くは素材セクターであり、地域別には大半が韓国となっていることから、当該戦略のポートフォリオは、韓国国内でのカーボン・コストの上昇をもたらす気候関連の政策変更リスクに最も影響を受けるものと考えられます。投資先企業が将来負担するUCCに対して、現時点でどの程度支払う能力があるかを示すEBITDAアット・リスクは、高位シナリオに基づく2030年時点のポートフォリオ加重平均値で約19.85%、一方ベンチマークは約7.72%でした。
昨年の分析では、1.75℃未満の水準でしたが、データカバー率がポートフォリオについては約25%、ベンチマークについては56%と、すべての持ち分について評価できませんでした。一方、本年の分析では 、ポートフォリオについては約95%、ベンチマークについては100%と改善が見られ、ポートフォリオの全体像をより反映していると考えます。
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カバレッジ2021年2022年
ポートフォリオベンチマークポートフォリオベンチマーク
カーボンパフォーマンス97%100%98%100%
パリ協定との整合性25%56%95%100%
シナリオ分析―カーボンプライシング87%99%54%35%
シナリオ分析―物理リスク80%97%91%100%

パリ協定に整合し、2100年までの気温上昇を2℃未満に抑えるというシナリオで、OECDとIEAの調査に基づいています。
セクター別UCCの内訳
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国別UCCの内訳
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物理的リスク
上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける物理的リスクを、2050年時点の中高位シナリオに基づき評価しました。8つのハザードタイプ(山火事、寒波、熱波、水ストレス、海岸洪水、河川洪水、熱帯サイクロン、干ばつ)のうち、エクスポージャースコアが高かったのは、寒波と河川洪水、財務インパクトが大きかったのは熱波でした。
0102010_007.png出所:S&P Globalデータよりスパークスにて作成
2100年までの気温上昇が2.8-4.6℃となるシナリオで、Shared Socioeconomic Pathway(SSP)の3, Representative Concentration Pathway (RCP)の7.0に該当します。エクスポージャースコアは1から100 のスケールで表現され、100が考えうる最大のリスク、1は最小のリスクを示します。財務インパクトは、気候変動に関連して発生する可能性のある性のある損失(設備投資、運用経費、事業中断など)を資産価値に対する割合(%)として表示します。
④指標及び目標
当社グループは、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として、1企業
として、積極的に活動を行う所存です。そして、2050年までにすべての投資先企業、案件が温室効果ガスの排出量についてネットニュートラルを達成することを目標といたします。
上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略の2022年12月末時点のポートフォリオに関して、TCFDが開示を推奨しているカーボンフットプリント(事業活動に伴って排出される温室効果ガスのCO2換算量)、加重平均カーボンインテンシティ(WACI : Weighted Average Carbon Intensity)を、以下の通り算出しました。
2021年2022年
カーボンフットプリント1,201,434 tCO2e830,940 tCO2e
WACI167 tCO2e/百万米ドル104 tCO2e/百万米ドル

上記、カーボンフットプリント、WACIのいずれの算出に関し、投資先の開示情報や、使用可能な開示情報がない場合はモデリングによる独自アプローチによりGHG排出量を算出するS&P Globalのデータを使用しています。なお、Scope1及びScope2を対象に算出しています。当社グループの運用資産において、GHG排出量や外部評価機関の評価などは、分析を補完するために積極的に活用する方針ですが、データの信頼性、評価方法の違いがあることから、数値を比較するのではなく、データを継続してモニターし、今後の利用方法を検討しています。
顧客資産の運用のうち、個別戦略の目標
(上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略)
当該投資戦略は、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として、積極的に活動を行う所存です。したがって、2050年までにはすべてのポートフォリオの保有銘柄が温室効果ガスの排出量についてネットニュートラルを達成することを目標といたします。
そのためには、投資先企業が、パリ協定に従い温室効果ガス削減計画を立案し、実行していくことが望ましいと考えます。
ただし、それまでのプロセスとして、すでに排出量が少ない企業、パリ協定に基づき削減施策を実行している企業にだけ投資するのではなく、今後削減施策を実行すると思われる企業を支援することが重要と考えます。
したがって、当面の目標としましては、2025年までには、日本株式投資戦略(*)の全てのファンドにおいて、ポートフォリオの50%以上がTCFDに賛同を表明し、排出削減計画を実行している企業とすることとし、なるべく多くの投資先企業が賛同することを働きかけてまいりたいと思います。
*上場株式投資戦略および上場株式オルタナティブ投信戦略のうち、日本株式に投資する戦略のこと。
今後の目標と実績につきましては以下のとおりです。
目標実績
2022年
(中間目標)
日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、TCFD賛同率30%以上TCFD賛同率が30%以上のファンド比率(ファンド数ベース)が97%
2025年日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、TCFD賛同率50%以上-

(プライベート・エクイティ投資戦略(未来創生ファンド)
当該投資戦略は、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として積極的に活動を行う所存です。2050年までには、すべての投資先企業が温室効果ガスの排出量についてネットニュートラルを達成することを目標とします。それまでのプロセスとして、当該投資戦略の投資担当者が、投資先企業のTCFD賛同に向けてのガイド役となることを目指します。ガイド役として、投資先企業が未上場の段階から気候変動に関する財務情報開示に向けて最大限取り組めるよう、気候関連リスクと機会の評価、そしてその財務上の影響についての議論に参加します。
今後も、気候変動問題解決に向けた取り組みを一層進め、情報開示を行ってまいります。
(2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組
当社グループのパーパス、ビジョン(=思想)に共感し、集う優秀な人財が、様々な多様性を互いに尊重し、最高のプロフェッショナルとなるべく能力・技術の向上に主体的に取り組むだけでなく、思想・技を実現するための行動規範(=所作)を大切にすることで優れた人格の形成にも取り組み、互いに切磋琢磨する成長の機会を与えられ、全員が一丸となって「もっと良い投資(=技)」を実践・提供することで組織の成長に貢献するという働きがいを感じることのできる場を提供してまいります。
また、当社グループの競争力の源泉は、「①イノベーション力」×「②コミュニケーション力」、つまり「個々の高い専門性を掛け合わせて組織で戦う」ことにあると考えています。よって、①アカウンタブルで再現性の高い投資力やユニークな投資アイデア創出力を強化するため、②社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、全社一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化する力を強化するため、また③それらのベースとなる働きやすい環境を整えるため、それぞれ必要と考える諸施策を講じてまいります。
① 人材の育成方針について
プロフェショナルファームとして役職員は高い専門性を有しておりますが、VUCAの環境下において新たな投資分野への参入などにより業務が拡大していく中、必要とされる知識やスキルは多様化しており、また常にアップデートしていかなければならず、役職員が専門領域において主体的に学び実践することが重要であると考えております。そのために専門領域に関する自己研鑽費用への補助や資格取得時等の報奨金の拡充、社員同士が教え合うOJTの強化などに取り組んでまいります。加えて、専門領域以外においても、プロフェッショナルとしてのインテリジェンスをより高めるために、幅広く知的好奇心を満たす学習機会の提供にも取り組んでまいります。また個々人の主体的な学びを重視しつつ、各部門において必要な知識・スキルを身に付けた役職員を計画的に育成していくために、部門別教育の強化にも取り組んでまいります。
② 人材の多様性の確保に向けた社内環境整備方針について
当社グループとしては、異なる経験や知見、属性等を尊重し、それらを反映した多様な視点と価値観を有することは、新たな価値を創造し、持続的な成長と企業価値の向上、ひいては当社グループのパーパスである「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」の実現に欠かせないものと考えております。このため、従来から性別や国籍等の属性に関係なく、経験や能力、当社グループのパーパスやビジョン、大切にしている価値観に対して理解と共感が出来る人材を人物本位で採用や登用を行っております。当社グループの人員は、主に中途採用者で構成されており、品格を備え、意欲と能力がある優秀な人材であれば、性別や国籍等の属性に関わらず、たとえ未経験者であっても積極的に採用しております。中途採用者は、それぞれが異なるキャリアを有していることから、当社グループ固有の価値のみに縛られず、非常に多様性に富んだ組織構成になっております。更に、金融業界以外で活躍されている人材を対象に採用活動を行うこともあり、異業種出身者の採用や異業種から出向者を受け入れる等、金融業界以外の価値観や知見を有する人材を取り込むことで、更なる多様性ある組織の構築を目指しております。
当社グループは「プロフェショナルファーム」であるという認識のもと、上記方針に従い、性別や国籍等の属性を問わず、経験や能力等人物本位で採用した中途採用者をベースに創業来事業拡大を行っており、これまで社員を管理職へ登用する上で、性別や国籍、採用時期や年齢等といった属性が要因となって昇進・昇格に差が出ているとは考えておりません。よって、「女性」「外国人」「中途採用者」に特化した管理職への登用に関する特別な基準や、それぞれの属性ごとに、定量的な管理職比率等の目標を形式的に定めることは、現時点においては致しません。
一方で、政府目標である「指導的地位に占める女性の割合が2020年代の可能な限り早期に30%程度となるよう目指して取組を進める」を念頭に置きつつも、当該比率を形式的に達成することを目標にするのではなく、女性があたり前に活躍できる環境づくりを更に進めてまいります。
具体的には、下記[参考]にあるようなライフステージに合わせた柔軟な支援や人事制度の改定、また管理職に期待する役割の更なる明確化を図り、その責任を認識させることで、主体的にリーダーとして役割を果たしたいと望む者を増やしてまいる他、管理職候補者層を構築するため、必要な経験の蓄積やキャリア意識の醸成等に意識的に取り組むことによって、結果的に経営の意思決定に関わる女性社員を実質的に増やしてまいります。
また、現時点では当社グループのビジネス基盤が日本中心であることから、外国人比率及び外国人管理職比率の割合は下記[参考]の通りでありますが、今後、日本以外でのビジネスの拡大に伴い、当該比率は必然的に上昇すると考えております。
[参考]
ライフステージに沿った主な支援制度
*就業時間の複線化 従業員が就業時間帯を一定の範囲内で選択できる。
*短時間正社員 育児(子の年齢制限無)や介護(期間制限無)等の理由で短時間勤務ができる。
*不妊治療休暇 有給で年10日限度に取得可能。
*看護/介護休暇 有給で対象者一人当たり年5日を限度に取得可能。
*バックアップ休暇 未取得の年次有給休暇を最大30日積み立てることが可能。
*出産/育児支援金 産前産後休暇を取得する従業員、育児休業を取得する男性に支援金を支給。
(制度利用には会社の承認が必要な場合があります。)
2023年3月末時点(当社グループ職員 173名:使用人兼務役員を含む)
・女性比率 71名(当社グループ職員に占める割合:41.0%)
・女性管理職比率 9名(当社グループ管理職員に占める割合:23.7%)
・外国人比率 44名(当社グループ職員に占める割合:25.4%)
・外国人管理職比率 8名(当社グループ管理職員に占める割合:21.1%)
・中途採用者比率 163名(当社グループ職員に占める割合:94.2%)
・中途採用者管理職比率 35名(当社グループ管理職員に占める割合:92.1%)
・育児休業取得者数(国内グループ会社計):2021年3月期~2023年3月期:13名(女性11名、男性2名)
当社グループの多様性の確保に向けた社内環境整備の実施状況は以下のとおりです。
*今後も、性別や国籍等の属性や出身業界にとらわれず、多様性に富む中途採用者を軸とした人物本位での採用活動を継続しております。
*出産・育児・介護等、社員のライフステージに応じた支援を行い、また、男性が育児休業を取得しやすい風土の醸成と仕組みの導入にも取り組むことで、性別を問わずに仕事と就業との両立に資する施策を充実させるほか、就業時間帯の複線化や在宅勤務、短時間勤務等、多様な働き方を模索しております。
*定年後再雇用の延長等を検討することで、シニア、ベテラン社員の経験を、これまで以上に組織に生かす仕組みを模索しつつ、合わせて、その知識・経験・スキルを次世代の人材に伝承し、若手社員の成長の機会を確保しております。
*ハラスメント研修やアンコンシャスバイアス研修等を通して、組織として多様な人材の受容度を向上させ、風通しの良い、心理的安定性が確保されている組織風土を構築しております。
*管理職手前の女性対象者に対する研修や情報提供、メンター制の導入などを通じて、管理職への昇格に対する意欲の向上に努めております。
*既に導入済みの社内公募制を活用し、誰もが自身の能力を発揮することが出来る場の提供に努めると同時に、管理職になるための経験を積む場としても活用しております。
*従業員の健康維持・増進に寄与する施策を充実させ、いわゆる健康経営を実践することで、多様な社員が、健康で活き活きと働き続けることが出来る環境を構築しております。
*上記の人材育成、社内環境整備方針に加え、多様な社員を束ねるためにも当社グループのパーパス、ビジョン、ミッション等の更なる浸透を図り、共感を得ることで従業員エンゲージメントを高めております。

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