有価証券報告書-第55期(平成28年9月1日-平成29年8月31日)

【提出】
2017/11/29 10:14
【資料】
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【項目】
102項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢並びに個人消費に回復の兆しがみられたものの、中国経済の減速や米国新政権の経済政策が不確実なことから、先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループを取り巻く事業環境におきましては、アニメ作品の配信事業・配信サービスが世界規模で拡大することにより、DVD・BDの市場が縮小するだけでなく、アニメーション事業の構造は大きく変化しております。海外の大手配信事業者が作品の主要なスポンサーとなるケースや作品の一次利用がテレビ放送ではなく配信サービスというケースも目立つ様になっており、アニメ作品の製作スキームは多様化しております。また、二次利用の場面においても、映像ビジネスやキャラクターグッズのみならず音楽・興行・舞台等へと利用の幅が広がるとともに複合化しております。アニメーション事業の投資回収スキームやアニメファンのニーズが多様化する事業環境において、製作委員会組成やキャラクター育成の創意工夫がより一層必要となるとともに、新しいパートナー企業との関係づくり等、事業環境の変化への対応が急務となっております。
このような状況のもと当社グループでは、中核であるアニメ作品やエンタテインメントコンテンツのプロデュースにおいて、より良い企画・ビジネススキームの提案により、新たなスポンサーの獲得に注力するとともに、新たな二次利用の市場を開拓し、アニメーションキャラクターの版権ビジネスを拡大するという方針のもと、事業展開を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は19,565百万円(前期比15.6%減)、営業利益3,025百万円(前期比13.5%減)、経常利益2,968百万円(前期比15.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,042百万円(前期比10.6%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(メディア事業)
メディア事業におきましては、継続番組である「それいけ!アンパンマン」「リルリルフェアリル~魔法の鏡~」等の他、ガンダムシリーズの新作「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第2章及び「MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang」等の新作のアニメ作品25作品について、製作出資・製作委員会の組成・共同運営並びにプロデュース事業を実施いたしました。概ね期初の計画通りプロデュースいたしましたが、前期に比べプロデュース作品数が減少したことにより、アニメ制作受託収入並びに提供料収入が減少いたしました。
また、当社が版権を保有するキャラクター商品に関して、新商品の大型プロモーション・広告案件が減少し、さらに当社のキャラクターを利用した販促キャンペーンの新規受注獲得ができず、売上高減少の大きな要因となっております。
就職情報事業を行う子会社 株式会社ジェイ・ブロードの業績は順調に推移いたしました。
この結果、メディア事業の売上高は13,835百万円(前期比20.3%減)、営業利益844百万円(前期比28.7%減)となりました。
(ライツ事業)
ライツ事業におきましては、「ガンダム」シリーズについて概ね計画通り堅調に推移するとともに、「ガンダム」シリーズ以外の版権に関しても、新作について大きなヒット作はなかったものの過去作品の配信に係る版権収入が増加いたしました。
また、イベント事業において、当社が主催するキャラクターイベント「C3」と株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの子会社であるSOZO Pte.Ltd.が開催する「AFA」を統合し、海外を含めた主要5都市で「C3AFA」イベントを共同開催することを決定いたしました。当連結会計年度は、バンコク・ジャカルタにおいて「C3AFA」を共催し、当該イベントに関する売上高が増加いたしました。
この結果、ライツ事業の売上高は5,212百万円(前期比0.1%減)、営業利益2,205百万円(前期比5.6%減)となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業におきましては、球場看板広告の新規受注獲得ができず、前期に比べ売上高が減少しております。
この結果、スポーツ事業の売上高は517百万円(前期比15.3%減)、営業利益39百万円(前期比13.0%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,802百万円増加し、17,455百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,152百万円(前連結会計年度は1,091百万円の獲得)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益3,038百万円、売上債権の増加額130百万円、仕入債務の増加額191百万円及び法人税等の支払額1,074百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は210百万円(前連結会計年度は154百万円の使用)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入213百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は560百万円(前連結会計年度は518百万円の使用)となりました。主な要因は、配当金の支払513百万円であります。