半期報告書-第25期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2025/11/10 9:20
【資料】
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【項目】
37項目

事業等のリスク

当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、研究開発型企業として、医薬品の臨床試験を実施する開発パイプラインの拡充や拡大、積極的な創薬研究、がんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、多額の研究開発費が必要となっております。一方で、特に、医薬品の開発期間は基礎研究から上市まで通常10年以上の長期間に及ぶものでもあり、収益に先行して研究開発費が発生している等により、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しております。
このようなことから、今後の資金計画を含め、より保守的に検討したところ、当社グループは、当中間連結会計期間末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているものの、当中間連結会計期間末現在で、現金及び預金を1,675百万円有しており、当面は事業活動の継続性に懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
当社グループの当該重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対策案は、次のとおりであります。
① 基礎研究の継続的な実施
当社グループは2001年から2013年にかけて元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授との共同研究により、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、多くのがん治療薬開発に適した標的分子を同定いたしました。現在、それらの標的に対する創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施中又は準備中の医薬品候補物質を多数有しております。
基礎研究の継続的な実施は当社グループ事業の将来にかかる重要課題の一つとして認識しており、今後も当社独自及び共同研究等による研究体制の充実と円滑な推進のための対応を図っていく方針であります。
② 創薬研究の確実な推進
当社グループは基礎研究の成果をもとに、臨床応用を目指して低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の創薬研究を実施し、ファースト・イン・クラスの創薬を目指します。
③ 臨床開発の確実かつ迅速な推進
当社グループは、「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命とし、国内外において、当社グループ独自で複数の臨床試験を行っており、提携先製薬企業とも共同で臨床試験を行っております。当社グループは、非臨床試験データに基づいた適応症の選択を行い、臨床開発を確実かつ迅速に推進させていく方針です。
④ 新規提携先の開拓および既存提携先との提携事業の確実な推進
当社グループは、一日も早くがん治療薬を上市することを企業使命とし、今後とも新規提携先を積極的に開拓するとともに、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化することにより提携事業を確実かつ迅速に進め、一日も早く当社グループの医薬品候補化合物の上市を目指します。
⑤ がんプレシジョン医療関連事業への取組み
がんプレシジョン医療関連事業につきましては、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全ゲノムシーケンス解析、ネオアンチゲン解析及びネオアンチゲン樹状細胞療法等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究及び事業実施に加えて、新規がん遺伝子パネル検査の開発やネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究も進めてまいります。
⑥ 経営環境及び経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの事業に深い関連を有する抗がん剤市場を取り巻く状況は、高齢化の進行、がん診断による早期発見の増加、分子標的治療薬の登場、及びがんプレシジョン医療の進展等により、市場は拡大しており、当社グループは今後においても同様に市場は拡大するものと想定しております。
この様な市場の拡大は、参入企業の増加、潜在的な競合企業の増加の要因とも考えられ、また、異業種間の連携により技術革新等が飛躍的に進展する可能性もあり、当社グループを取り巻く事業環境は、急激な変化を生じる要素を数多く内包しているものと考えられます。このような経営環境のもと、当社グループの事業展開における重要な要素としては、「事業推進のスピード」「事業領域の拡大」「リスクとリターンのバランス」といった3点が挙げられます。
事業推進のスピードにつきましては、医薬品業界、特にバイオテクノロジー業界においては、世界的な新薬開発競争とその新薬開発のための様々な研究開発や技術開発が世界的規模で行われており、当社グループの研究活動もこのスピード競争を勝ち抜き、質の高い研究成果を一日も早く臨床開発へ進展させることが当社の優位性を確保する上で非常に重要であると認識しております。また、今後市場が拡大すると予想するがんプレシジョン医療につきましても、質の高いがん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発をより早く進展させることが非常に重要であると認識しております。
事業領域の拡大につきましては、現在当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等で創薬研究を展開しており、さらにがんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、今後とも、より積極的に事業を拡大していく方針であります。また、臓器線維症治療標的として有望な可能性があるとされるキナーゼを強力かつ選択的に阻害する活性を持つ化合物を当社化合物ライブラリ内で確認したため、ライセンスアウトを目標に研究を実施しております。このような事業領域の拡大により、当社グループの研究成果を、より多くの医薬品開発用途へ応用することにより、事業価値を高めたいと考えています。
最後にリスクとリターンのバランスですが、当社グループの最大の強みは、自社で設計した新規の化学構造を有する独自の化合物ライブラリを持つことであり、またがんのみならず数多くのゲノム創薬にもとづく創薬ターゲットを所有していることであります。ただし、それら多数の創薬ターゲットの全てについて、多岐の用途にわたる創薬研究と臨床開発を、当社グループのみの資源と費用で、かつ世界的な競争に打ち勝つスピードで遂行することは、膨大な設備投資と研究開発費を必要とし、資金的なリスクを生じせしめます。当社グループとしては、製薬企業等との積極的な提携契約の締結や研究開発の提携等により、製品化の可能性を極大化しつつ、リスクは経営上合理的なレベルにとどめる方針を現時点では採用しています。本方針により、事業展開からの成果や利益といったリターンをパートナーと共有することにはなりますが、可能性のある製品を商業化できないリスクやスピード競争に負けるリスクを低減することができます。なお、本社ならびに研究開発拠点の移転や、人員配置の見直しによる業務効率化等にも積極的に取り組んでおり、あらゆるコストの見直し及び削減を継続して強化してまいります。
今後ともリスクとリターンのバランスに十分配慮し、最善と考えられる経営判断を行っていきたいと考えております。

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