有価証券報告書-第23期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

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2020/03/26 15:32
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注記事項-重要な会計方針、連結財務諸表(IFRS)

4.重要な会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していることとなります。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。また、取得後間もないこと等のため、決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
子会社の非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別されております。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。当社グループが当該企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とする企業をいいます。
当社グループは共同支配企業に対する投資において、複数の契約当事者との間でそのリターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定について契約当事者の全員一致の合意を必要とする契約の取り決めを行っております。
関連会社及び共同支配企業への投資は、取得時には取得原価で認識され、以後は持分法によって会計処理しております。関連会社に対する投資は、取得に際して認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれております。
関連会社及び共同支配企業が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において利得として計上しております。
当社グループは、非支配持分を当社グループで認識した識別可能純資産に対する非支配持分の比例割合により測定しております。非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
また、企業結合の当初の会計処理が期末日までに完了しない場合、当社グループは、完了していない項目については暫定的な金額で報告しています。その後、新たに入手した支配獲得日時点に存在していた事実と状況について、支配獲得日時点に把握していたとしたら企業結合処理の認識金額に影響を与えていたと判断される場合、測定期間の修正として、支配獲得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正いたします。測定期間は支配獲得日から最長で1年間としています。
財務デューデリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引コストは、発生時に費用処理しております。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
・繰延税金資産・負債
・従業員給付契約に関連する資産・負債
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループ
・IFRS第16号「リース」に従って認識する使用権資産及びリース負債
(3)外貨換算
① 外貨建取引
当社グループの各企業は、その企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨として、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。
各企業が個別財務諸表を作成する際、その企業の機能通貨以外の通貨での取引の換算については、取引日の為替レートを使用しております。
収益及び費用については、著しい変動のない限り、平均為替レートを用いて日本円に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで換算しております。また、公正価値で計上された外貨建非貨幣性資産及び負債は公正価値が決定した日の為替レートで換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については、著しい変動のない限り、平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分されたときに損益として認識されます。
(4)金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融商品を認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。公正価値で測定する資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融資産を除き、個々の資本性金融資産ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
公正価値で測定する負債性金融資産については、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価により測定する金融資産
償却原価により測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b)公正価値により測定する金融資産
公正価値により測定する金融資産の公正価値の変動額は以下を除き純損益として認識しております。
資本性金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産については、公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止又は分類変更が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止を行う際には、過去に認識したその他の包括利益を純損益に振り替えております。
(ⅲ)金融資産の減損
償却原価により測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産については、予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しております。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12か月の予想信用損失を損失評価引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を損失評価引当金として認識しております。
契約上の支払の期日経過が30日超である場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしておりますが、信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、期日経過情報のほか、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報(内部格付、外部格付等)を考慮しております。
なお、金融資産に係る信用リスクが期末日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと評価しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で損失評価引当金を認識しております。
予想信用損失は、契約に従って企業に支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、企業が受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
当社グループは、金融資産の予想信用損失を、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
著しい景気変動等の影響を受ける場合には、上記により測定された予想信用損失に、必要な調整を行うこととしております。
当社グループは、ある金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
金融資産に係る損失評価引当金の繰入額は、純損益で認識しております。損失評価引当金を減額する事象が生じた場合は、損失評価引当金戻入額を純損益で認識しております。
(ⅳ)金融資産の認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、又は、金融資産を譲渡しほとんどすべてのリスクと経済価値が他の企業に移転した場合にのみ、金融資産の認識を中止しております。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は、契約の当事者となる時点で当初認識し、当初認識時点において以下に分類しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定することを指定した金融負債
(b)償却原価で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債以外のもの
(ⅱ)事後測定
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は公正価値で測定し、再測定から生じる利得又は損失は純損益として認識しております。
(b)償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法を使用した償却原価で測定し、支払利息は実効金利法で認識しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった場合にのみ、金融負債の認識を中止しております。金融負債の認識の中止に際しては、金融負債の帳簿価額と支払われた又は支払う予定の対価の差額は純損益として認識しております。
③ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
④ デリバティブ
当社グループは、為替レート及び長期借入金の金利変動リスクを低減するため、通貨金利スワップを締結しております。デリバティブは、デリバティブ契約が締結された日の公正価値で当初認識され、当初認識後は各連結会計年度末日の公正価値で再測定されます。
なお、上記デリバティブについて、ヘッジ会計の適用となるものはありません。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金、預け金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。取得原価は、主として総平均法に基づいて算定されており、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでおります。
(7)有形固定資産
有形固定資産については、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用、及び資産計上すべき借入コストが含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上されています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 2-60年
・機械装置及び運搬具 2-17年
・工具器具及び備品 1-20年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)のれん及び無形資産
① のれん
当社グループはのれんを、取得日時点で測定した被取得企業に対する非支配持分の認識額を含む譲渡対価の公正価値から、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額を控除した額として測定しております。
のれんの償却は行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施しております。
のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻し入れは行っておりません。
また、のれんは連結財政状態計算書において、取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上されます。
② 無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定されます。
また、企業結合により取得し、のれんとは区分して認識した顧客関連資産を無形資産として取得日の公正価値で計上しております。
無形資産は、当初認識後、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上されます。顧客関連資産の見積耐用年数については、過去の顧客別売上推移及び将来の事業計画等に基づいて見積もっております。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。耐用年数を確定できない無形資産はありません。
・ソフトウエア 2-10年
・顧客関連資産 2-15年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(9)リース
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
契約上、資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的にすべて当社グループに移転するリースは、ファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合には、オペレーティング・リースに分類しております。
ファイナンス・リース取引におけるリース資産は、リース開始日に算定したリース物件の公正価値と最低リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で当初認識しております。当初認識後は、当該資産に適用される会計方針に基づいて、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、減価償却を行っております。
リース料は、利息法に基づき金融費用とリース債務の返済額に配分し、金融費用は連結損益計算書において認識しております。
オペレーティング・リース取引においては、リース料は連結損益計算書において、リース期間にわたって定額法により費用として認識しております。また、変動リース料は、発生した期間の費用として認識しております。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
契約がリースであるか又はリースを含んでいると判定した場合、リース開始日に使用権資産及びリース負債を認識しております。リース負債は残存リース料の現在価値で測定し、使用権資産は、リース負債の当初測定の金額に、開始日以前に支払ったリース料等、借手に発生した当初直接コスト及びリースの契約条件で要求されている原状回復義務等のコストを調整した取得原価で測定しております。
当初認識後は、使用権資産は耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、定額法で減価償却を行っております。
リース料は、利息法に基づき金融費用とリース負債の返済額に配分し、金融費用は連結損益計算書において認識しております。
ただし、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料をリース期間にわたって、定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
(10)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位を、のれんが関連する最小の単位を反映して減損がテストされるように統合しております。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位に配分しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に損益として認識いたします。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額いたします。
のれんに関連する減損損失は戻入いたしません。その他の資産については、過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れます。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れます。
(11)従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定しております。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度に係る負債は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、資産上限額の影響を考慮する)を控除し、確定給付型退職給付制度の再測定額を調整して算定しております。また、利息費用及び利息収益は、売上原価並びに販売費及び一般管理費として計上しております。
確定給付型退職給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、発生時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
過去勤務費用は、当該給付が確定給付制度の導入又は変更直後にすでに権利確定している場合は、発生した期の損益として処理しております。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員がサービスを提供した時点で費用として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、従業員が関連する勤務を提供した時点で費用として計上しております。
賞与及び有給休暇費用は、従業員から過年度及び当年度に提供された勤務の対価として支払うべき法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われる将来給付額を負債として処理しております。
(12)株式報酬
当社は、持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として連結損益計算書において認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の振戻しは金融費用として認識しております。
・資産除去債務
賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借事務所の原状回復費用見込額について、資産除去債務を計上しております。
(14)収益
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除く顧客との契約について、以下のステップを適用することにより、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
また、顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産(以下「契約コストから認識した資産」という。)として認識しております。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものであります。契約コストから認識した資産については、顧客の見積契約期間にわたり、定額法で償却を行っております。
派遣のビジネスモデルにおいては、履行義務は契約期間にわたり労働者を供給することであり、当該履行義務は、契約期間にわたり労働時間の経過につれて充足されるものであり、収益は当該履行義務が充足される期間において、人材派遣契約に定められた金額に基づき、各月の収益として計上しております。
なお、取引の対価は、履行義務の充足時点である各月末時点から概ね2か月以内に支払を受けております。
請負のビジネスモデルにおいては、履行義務とは基本的に顧客から委託された業務を契約期限までに完了させることであり、委託された業務が完了し顧客による検収を受けた時点が履行義務を充足する時点となると判断し、請負契約に定められた金額に基づき、同時点で収益を計上しております。
また、請負のビジネスモデルのうち国内サービス系アウトソーシング事業の米軍施設等官公庁向けサービス等においては工事請負契約を提供しておりますが、当該取引における履行義務の充足は、契約期間における工事のマイルストーンの達成に連れて充足されるものであると判断しております。
当社グループは、当該契約において工事物件を他の顧客に振り向けることを契約上は制限され、完了した作業に対する支払を受ける強制可能な権利を有します。このため、工事物件に係る収益は一定の期間にわたり原価比例法により(すなわち、現在までに完了した作業に対して発生した契約コストの、合計予想契約コストに対する割合に基づいて)認識され、ある特定のマイルストーンが達成された時点で、第三者の査定人が署名した作業明細書及びマイルストーンに対する支払の請求書が顧客に送付されます。
当社グループは、履行した作業に対する契約資産を前もって認識することになります。契約資産として前もって認識された金額は、顧客に請求された時点で売上債権に振り替えられます。
マイルストーンの支払いが原価比例法により現在までに認識された収益を超過する場合は、その差額に対して、当社グループは契約負債を認識しております。原価比例法による収益の認識とマイルストーンの支払の間の期間は1年未満であるため、顧客との工事契約に重大な金融要素が存在するとは考えておりません。
なお、取引の対価は、履行義務の充足時点である顧客による検収時点から概ね2か月以内に支払を受けております。
有料職業紹介のビジネスモデルにおいては、履行義務は、顧客が直接雇用する人材の採用代行であり、当該履行義務は、紹介者が紹介先の被雇用者として、業務を開始した時点が履行義務を充足する時点となると判断し、同時点で収益を計上しております。なお、紹介者が契約に定める一定の保証期間内に退職する場合には、対価の一部を顧客に返金することが定められていることから、当該返金相当額を返金負債として認識し、契約に定められた対価から返金負債を控除した金額に基づき、収益を計上しております。返金に係る負債の見積りは、過去の実績などに基づいた返戻率により行い、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
なお、取引の対価は、履行義務の充足時点である紹介者の業務開始時点から概ね2か月以内に支払を受けております。
(15)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定されます。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
繰延税金は、決算日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取り決めに対する持分に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識されます。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識されます。
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日において制定されている、又は実質的に制定されている法定税率及び税法に基づいて資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定されます。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
(16)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(17)事業セグメント
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしております。
(18)売却目的で保有する非流動資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産及び資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産及び処分グループとして分類し、非流動資産は減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
(19)自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と処分時の対価との差額は、その他の資本剰余金として認識されます。
(20)公正価値の測定
特定の資産・負債は、公正価値によって計上することが求められています。当該資産・負債の公正価値は、市場価格等の市場の情報や、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチ等の算出手順に基づき決定されています。
公正価値の測定に使用されるインプットは、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
  • 有価証券報告書-第23期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)