有価証券報告書-第27期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/29 17:12
【資料】
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【項目】
156項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、企業市民として果たすべく社会的使命を「経営理念」として掲げ、常に変化する経営環境の下、企業としての成長と中長期的な企業価値の向上に努めるにあたり、株主、取引先、地域社会、従業員等を含むステークホルダーとの堅強な信頼関係の持続的な構築に向けて、自律機能、倫理性の高いコーポレート・ガバナンスを構築し、その定期的な検証を行うことを、経営上の重要な課題と認識しております。
そのため、当社は、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」において、当社のコーポレート・ガバナンスにおける体制の枠組みを開示するとともに、今後も、様々な施策を講じてコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、コーポレート・ガバナンスの更なる強化を目的として、経営の監督機能と執行機能の分離をより一層明確にし、経営監督機能を強化しながら迅速・果断な意思決定を行うために、2023年3月28日開催の定時株主総会の承認をもって、監査等委員会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行し、社外取締役が過半数を占める指名・報酬・監査の3つの委員会を有し、かつ取締役会から執行役へ大幅な権限委譲が可能な体制を構築いたしました。
指名委員会等設置会社への移行により、取締役会の監督機能の更なる強化、経営の公正性、透明性の確保と効率性の向上を図っております。
(取締役会)
2024年3月29日現在、11名(うち社外取締役10名)の取締役で構成しており、会社法等で定められた事項及び経営に関する重要な事項につき審議、決定を行うほか、経営及び業務執行事項に関する方針、計画及び実施状況を審議するため定例取締役会を毎月1回開催し、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。
なお、独立した立場から客観的・中立的な経営監視の機能を担う社外取締役のうち、東京証券取引所の定める独立役員の要件を満たす10名すべてを独立社外取締役として、同証券取引所に届け出ております。
取締役会の構成及びスキル・マトリックス
役職氏名独立性ジェンダー
(女性に○)
国際
経験
企業
経営
人材
業界
営業・
マーケティング
財務
会計
コーポレートガバナンス・法務・リスク管理
取締役Anne Heraty
取締役(社外)志波 英男
取締役(社外)生田目 克
取締役(社外)嵜山 淳子
取締役(社外)阿部 博友
取締役(社外)氏家 真紀子
取締役(社外)向井 俊雄
取締役(社外)井上 東
取締役(社外)木﨑 博
取締役(社外)藤田 研一
取締役(社外)小澤 浩子


(監査委員会)
2024年3月29日現在、監査委員である取締役5名(うち社外取締役5名)で構成しており、常勤の監査委員を置き、法令、定款及び「監査委員会規程」に従い、取締役及び執行役の職務の執行の監査及び監査報告の作成、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに不再任に関する議案の内容の決定のほか、監査委員会の監査方針、年間の監査計画等を決定いたします。定期または必要に応じて臨時に監査委員会を開催し、重要な付議案件の検討、監査内容の報告及び意見交換等を通じて、情報の共有化及び監査計画の進捗確認を行います。
また、内部監査室、会計監査人と適時情報交換を行い、相互連携を図るとともに、内部統制部門である経営管理本部、総務部、法務部、経理部等と連携をとり、監査の実効性を高めております。
(指名委員会)
2024年3月29日現在、5名の取締役で構成され、うち委員長を含む4名の委員が社外取締役です。取締役の選任及び解任に関する株主総会議案の決定をはじめ、取締役選・解任基準及び選・解任プロセス等に関する事項の決定、執行役及び執行役員の選任及び解任に関する審議、最高経営責任者等の後継者プランニングにおける後継者候補の育成に関する審議などを行います。
(報酬委員会)
2024年3月29日現在、5名の取締役で構成され、うち委員長を含む5名の委員が社外取締役です。取締役及び執行役の個人別の報酬に関する方針及び内容の決定を行います。
(経営会議)
任意の機関である経営会議は、2024年3月29日現在、7名の執行役で構成しており、取締役会が示す方向性や基本方針等に沿って、取締役会からの委任事項に基づき当社グループ経営または当社経営に関する決定を行うほか、経営環境の変化に対応するための施策に関する事項、「職務権限規程」に定める承認・報告事項、「関係会社管理規程」に定める承認・報告事項及び取締役会に付議する議案並びに社長決裁事項で事前の審議が必要とされる事項等を審議するため経営会議を毎月1回開催し、必要に応じて臨時経営会議を開催することとしております。
(サステナビリティ委員会)
任意の機関であるサステナビリティ委員会は、2024年3月29日現在、8名で構成しており、その委員長は執行役経営管理本部長が務めております。サステナビリティ委員会は、SDGsの目標達成に向けた取組及びESG経営の高度化を含むサステナビリティの視点を踏まえた経営をグループ全社で横断的に推進させることを目的とし、当社グループのサステナビリティ方針・戦略、重要課題を含む中長期的テーマ及び方向性の審議、KPI進捗のモニタリング等を行い、取締役会に上程しております。
(コンプライアンス委員会)
任意の機関であるコンプライアンス委員会は、2024年3月29日現在11名で構成しており、その委員長はコンプライアンス実務統括責任者である執行役経営管理本部長が務めております。当社は、代表執行役社長をチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)として当社のコンプライアンス活動の最高責任者とし、具体的なコンプライアンス活動を行うための実務統括責任者を執行役経営管理本部長としています。コンプライアンス委員会は、コンプライアンス活動に関わる全社的な会議体であり、当社が企業としての社会的責任を深く自覚し、日常の業務遂行の際に関係法令を遵守して、社会倫理に沿った行動を実現することを目的とし、全社的なコンプライアンスに関わる事項を定めグループ各社にコンプライアンスに関する情報発信を行い、必要な事項について検討を行い、取締役会に上程しております。
(OSグループガバナンス委員会)
任意の機関であるOSグループガバナンス委員会は、2024年3月29日現在6名で構成しており、その委員長は取締役会で定めた社外取締役が務めております。グループガバナンス委員会は、グループのコーポレート・ガバナンス活動に関わる全社的な会議体であり、当社及び当社グループが企業としてコーポレート・ガバナンスを強化し、持続的成長及び企業価値の向上を図ることを目的とし、全グループ会社的なコーポレート・ガバナンスの重要課題、中長期的テーマ及び方向性に関わる事項を定め、それらの取り組みについてモニタリングを行い、グループ各社にコーポレート・ガバナンスに関する周知、啓蒙を行い、必要な事項についても検討を行い、取締役会に上程、報告をしております。
指名・報酬・監査委員会ごとの委員
指名委員会報酬委員会監査委員会
委員長阿 部 博 友嵜 山 淳 子生田目 克
委 員嵜 山 淳 子阿 部 博 友志 波 英 男
委 員志 波 英 男生田目 克井 上 東
委 員Anne Heraty氏 家 真紀子木 﨑 博
委 員藤 田 研 一小 澤 浩 子向 井 俊 雄

下線部分は、社外取締役を指します。
※監査委員長 生田目 克は、常勤監査委員であります。
以上述べた体制を図に表すと、以下のとおりであります。
(コーポレート・ガバナンス体制概念図)
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③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備の状況
当社は、取締役会において、法令に基づく「内部統制システム構築の基本方針」に関し決議し、実施しております。この基本方針に基づき、執行役は当社の内部統制に関する全般的な管理を実施し、当社の業務執行においては各部門長の管理、指導のもと内部統制の構築・推進に努めております。定期的に開催される経営会議では、議案がグループ経営に関する事項の場合には、当社執行役が出席し、当社グループ方針の伝達の他、事業活動の進捗、重要な業務執行や懸案事項に関する報告を行い、グループ全体での内部管理体制強化に努めております。
また、当社は業務執行部門から独立した代表執行役社長直轄の監査部門である内部監査室を設置し、当社各部門及びグループ会社の業務遂行状況や内部管理体制について、内部監査計画に基づき監査を行うとともに、法令・社内諸規則の遵守やリスク管理についての状況を検証しております。この内部監査により、監査対象部門から得た情報は、代表執行役社長、取締役に報告され、改善指示書による具体的な改善指導により、業務改善の実効性を高めております。
なお、当社グループにおいて過年度の不正または誤謬による虚偽表示が行われていたことを厳粛に受け止め、ガバナンス体制の強化を推し進めてまいります。再発防止策につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。
ロ.リスク管理体制の整備の状況
リスク管理体制につきましては、経営管理本部を当社及び当社グループ会社のリスク対応統括管理部門として位置づけ、経営管理本部がリスク管理・運営を行い、総務部が規程の整備を行うことや実効性のある管理を推進するとともに、法務部による法的対応の実施や、最新法令の社内への伝達を行う等、内部統制と一体化したリスク管理を推進しております。
不測の事態が発生したときは、代表執行役社長を本部長とする「緊急対策本部」を設置し、情報連絡チーム及び顧問弁護士等を含む外部アドバイザリーチームを組織し迅速な対応をとるとともに、損害の拡大を防止しこれを最小限に止める体制を整えております。
個人情報の保護に関しては、「個人情報保護指針」を制定し、個人情報の適正管理に努めております。具体的には、社員の入社の際に取得する個人情報に関して、入社前の採用段階よりその適正取得について留意しており、入社後の履歴書等の保管及び廃棄に関しても、本人の意思確認をする等、情報管理の徹底を図っております。
情報に関するリスク管理に関しては、「情報セキュリティ方針」のもと、「情報システム管理規程」を制定し、アプリケーションシステム部を情報システム管理部署として、情報管理が有効に機能する環境を整備しております。具体的には、物理的セキュリティ対策、技術的セキュリティ対策、人的セキュリティ対策等を施すことで万全を期しております。
ハ.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は関係会社の業務の適正を確保するため、全てのグループ会社への基本行動規範として「アウトソーシンググループ企業倫理行動規範」を定め、グループ会社の取締役、監査役及び使用人に周知徹底するとともに、当社グループにおける指揮命令系統、権限及び意思決定、その他の組織に関する基準を定めた「関係会社管理規程」に基づき、経営に影響のある規定事項の全項目について、当社取締役会・経営会議・担当役員のうち規定された機関での承認を求めるなど、グループ会社取締役、監査役及び使用人の業務執行状況を監視・監督しております。
また、担当役員による各グループ会社の取締役会への出席などにより、各グループ会社から少なくとも毎月1回経営状況について報告を受けるとともに、当社取締役会でその内容を報告しております。経営会議では「関係会社管理規程」で定められた項目について審議し、より詳しい経営状況を確認する場合などは必要に応じて執行役及び当社グループ各社の代表取締役で構成するグループ経営会議を開催し、グループ間の情報共有・意思疎通及び経営方針の統一化を図っております。
ニ.取締役、執行役の責任免除及び責任限定契約の内容の概要
当社では、取締役及び執行役がその期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条の規定により、取締役会の決議をもって、同法第423条の行為に関する取締役(取締役であったものを含む)及び執行役(執行役であったものを含む)の責任を同法第425条及び第426条に規定する限度において免除することができる旨を定款に定めております。
また、当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく賠償責任の限度額は、同法第425条第1項に定める最低責任限度額を限定しております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
ホ.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、取締役(一部の国内連結子会社の役員を含む。)及び執行役を被保険者として会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しております。
a.填補の対象となる保険事故の概要
被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して、保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより当該被保険者が被る損害について、損害賠償金及び争訟費用を補償するものであります。ただし、法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為など、一定の行為に起因する賠償請求に対しての免責事項があります。
b.保険料
保険料は、特約部分を含めて全額会社負担としております。
ヘ.取締役の定数並びに取締役の選任の決議要件
a.当社の取締役は15名以内とする旨を定款に定めております。
b.当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使する事ができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
ト.取締役会で決議できる株主総会決議事項
a.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行えるよう、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨、定款に定めております。
b.自己株式
当社は、自己株式の取得について、経済環境の変化に応じた機動的な資本政策を遂行することを可能にするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
c.会計監査人の責任免除を取締役会で決議することができることとした事項
当社は、会計監査人が、期待される役割を十分に発揮できるよう、会計監査人の責任免除について、取締役会の決議によって会社法第423条第1項の会計監査人(会計監査人であった者を含む)の責任を、法令が定める範囲で免除することができる旨を定款に定めております。
チ.株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上の多数をもって行う旨を定款に定めております。これを定めた理由は、株主総会における特別決議の定足数を法令で許容される範囲において緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うためであります。
④ 会社のコーポレート・ガバナンスの充実に向けた取組の最近1年間における実施状況
イ.2023年度の指名委員会等設置会社移行前の各機関の活動状況は以下のとおりです。
a.取締役会は、月1回定期的に開催するほか必要に応じて臨時的に開催し、計6回の開催により、経営の意思決定と業務執行の監督並びに重要事項及び会社法に基づく事項等への対応を行いました。
b.監査等委員会は、定期臨時あわせ計4回開催し、これらの協議を通じて監査の方針、業務分担を決定のうえ監査業務を遂行いたしました。
c.指名・報酬に係る諮問委員会は、1回開催され、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬に係る事項等を審議し、取締役会に上程を行いました。
d.内部監査室は、本社及び営業所並びにグループ会社に対して内部監査計画に基づいた内部監査を実施し、社長、取締役会及び監査等委員会への報告を行いました。
ロ.2023年度の指名委員会等設置会社移行後の各機関の活動状況は以下のとおりです。
a.取締役会は、月1回定期的に開催するほか必要に応じて臨時的に開催し、計19回の開催により、経営の意思決定と業務執行の監督並びに重要事項及び会社法に基づく事項等への対応を行いました。
b.監査委員会は、定期臨時あわせ計16回開催し、これらの協議を通じて監査の方針、業務分担を決定のうえ監査業務を遂行いたしました。
c.内部監査室は、本社及び営業所並びにグループ会社に対して内部監査計画に基づいた内部監査を実施し、社長、取締役会及び監査委員会への報告を行いました。
⑤ 当事業年度における主な活動状況
当事業年度において当社は取締役会、各委員会を以下のとおり開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
区 分氏 名取締役会
出席回数
指名
委員会
出席回数
報酬
委員会
出席回数
取締役土井 春彦19回中19回8回中8回4回中4回
取締役Anne Heraty19回中19回--
社外取締役志波 英男19回中19回8回中7回-
社外取締役生田目 克19回中19回-4回中4回
社外取締役嵜山 淳子19回中19回8回中8回4回中4回
社外取締役阿部 博友19回中19回8回中8回4回中4回
社外取締役氏家 真紀子
(現姓:蜷川)
19回中19回-4回中4回
社外取締役向井 俊雄13回中13回--
社外取締役井上 東13回中13回--
社外取締役木﨑 博13回中13回--
社外取締役藤田 研一13回中13回--
社外取締役小澤 浩子13回中13回--

(注)1.社外取締役向井俊雄氏、社外取締役井上東氏、社外取締役木﨑博氏、社外取締役藤田研一氏及び社外取締役小澤浩子氏は、2023年3月28日開催の第26期定時株主総会において新たに選任されたため、取締役会の開催回数が他の社外取締役と異なります。なお、各氏の就任後の取締役会の開催回数は13回であります。
2.上記の取締役会の開催回数のほか、会社法第370条及び当社定款第24条の規定に基づき、取締役会決議があったものとみなす書面決議が15回あります。
3.当事業年度において、当社の連結子会社である株式会社アウトソーシングテクノロジーにおいて、雇用調整助成金の支給申請手続きの一部が適切に行われていなかった事実、及び募集費に関する取引相手先との取引において承認プロセスに必要な契約書が作成されていないなどの事実が判明いたしました。社外取締役各氏は、当該事案の発覚までかかる事実を認識しておりませんでしたが、日頃から取締役会等を通じて、法令遵守の視点に立った提言を行っており、また、当該事案の判明後において、当社グループとしての再発防止策を含めた取り組みの確認及び内部統制の見直し・強化に関する意見を述べる等、その職責を果たしております。