有価証券報告書-第22期(平成28年5月1日-平成29年4月30日)

【提出】
2017/07/31 9:14
【資料】
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【項目】
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業績等の概要

(1) 業績
当事業年度における我が国経済は、中国経済を中心とした新興国の景気減速や米国新政権の今後の政策への不安感など先行き不透明感があるものの、政府の景気対策や日銀の金融政策により企業収益や雇用環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移してまいりました。
景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するメモリアルデザインサービス事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するパーソナルパブリッシングサービス事業、空中結像という今までにないユニークな技術で、新しい市場を創造し、夢の実現を目指すエアリアルイメージング事業、それぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。
平成29年2月に、ソーシャルロボット「unibo」を開発、製造、販売するベンチャー企業ユニロボット株式会社と業務資本提携を行いました。
セグメント別の概況を示すと、次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。
① メモリアルデザインサービス事業
当事業におきましては、主力である遺影写真加工収入が第1四半期は苦戦したものの、第2四半期以降は回復いたしました。動画やサイネージなどの葬儀演出ツールや、額・サプライ品の売上も順調に推移いたしました。
利益面におきましては、展示会出展強化のため広告宣伝費は増加したものの、画像処理オペレーションの効率化を推し進めた結果、セグメント利益は安定的に伸び、想定を上回りました。
以上の結果、売上高は2,427,256千円(前期比104.1%)、セグメント利益は796,315千円(前期比104.2%)となりました。
② パーソナルパブリッシングサービス事業
当事業では、国内プロフェッショナル写真市場は「アスカブック」、国内一般消費者市場は「マイブック」ブランドで展開しております。
国内プロフェッショナル写真市場では、自社営業による顧客獲得に加え、展示会の出展や全国デジタルフォトセミナーの開催などにより市場へのさらなる浸透を推進いたしました。また、ワークショップやフォトコンテストの開催、写真セレクトアプリのリリースなどで顧客の囲い込みを図ってまいりました。その結果、主力製品である「ZENレイフラット」を中心に売上は堅調に推移いたしました。
国内一般消費者市場では、効率的なネット広告の実施に加え、各種キャンペーンやイベント、展示会「CP+」の出展などにより、写真愛好家層などデザインや品質を重要視する層を中心に囲い込みに注力してまいりましたが、激しい競争環境のもと、新規顧客の獲得に苦戦し、売上は想定を下回りました。一方、OEM提供につきましては、サービスの浸透により、売上は順調に伸長いたしました。
利益面におきましては、特にOEM売上の伸びにより稼働率が向上したことに加え、広告宣伝費や経費を適切にコントロールしたことにより、セグメント利益は大きく増加いたしました。
以上の結果、売上高は2,951,308千円(前期比106.1%)、セグメント利益は657,557千円(前期比121.1%)となりました。
③ エアリアルイメージング事業
当事業は、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指し、平成23年3月に開始しました事業であります。
当事業におきましては、空中結像を可能にするAIプレートの量産化を最重要課題として取り組んでおります。
ガラス製プレートにつきましては、結像品質が安定的に向上し、大型プレートも生産可能となっておりますが、まだ十分なコストダウンは進んでおりません。
樹脂製プレートにつきましては、新製法とガラス製の生産方式と同様の手法の双方でトライを継続してまいりましたが、量産を前提とした新製法により、品質やコストなどまだ不確実な部分があるものの、一定程度の品質を確保した試作品が出来上がり、量産の可能性が出てきたため、今後は当該新製法による量産の確立を優先的に取り組む方針といたしました。
マーケティング面におきましては、国内ではデジタルサイネージジャパンや東京デザインウィークに出展し、多くの方に空中結像を体験いただいた他、東京支社ショールームでの展示内容を一新し、営業の増員と合わせ、積極的に営業をしてまいりました。依然として価格面で充分にマッチしておらず、限られた用途での売上や小ロットでの売上にとどまっておりますが、今後は、樹脂製プレートも含め、AIプレート販売サイトも活用し、拡販してまいりたいと考えております。また、海外向けにはASKA3Dというブランドで、本年3月以降3つの海外展示会に出展し、多くの皆様に初めて空中結像をご覧いただきました。サイネージ用途などで引き合いが多くありますので、フォローを進めてまいります。また、5月以降も3つの海外展示会出展を計画しております。
費用面では、国内・海外展示会に積極的に出展したことにより、広告宣伝費や旅費交通費が増加したことに加え、量産に向けた研究開発や積極的な特許申請により費用が増加いたしました。
以上の結果、売上高は60,534千円(前期比103.8%)、セグメント損失は183,742千円(前期は88,845千円の損失)となりました。
以上の結果、売上高は5,438,199千円(前期比105.1%)となり、利益面につきましては、エアリアルイメージング事業で損失が拡大したものの、パーソナルパブリッシングサービス事業の利益伸長が寄与し、経常利益は804,617千円(前期比103.6%)、当期純利益は572,312千円(前期比104.6%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、設備投資、ソフトウェア開発投資を行うとともに、投資有価証券の取得を行った一方、確実な利益の計上により営業活動からの資金を順調に獲得した結果、前事業年度末に比べ、360,107千円増加し、1,673,251千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、818,011千円(前事業年度は765,127千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益801,712千円、減価償却費309,336千円を計上した一方、法人税等の支払額として217,589千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、293,619千円(前事業年度は357,110千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得102,685千円、無形固定資産の取得88,988千円、投資有価証券の取得99,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、164,281千円(前事業年度は200,401千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払166,410千円によるものであります。