訂正有価証券報告書-第15期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2017/02/14 15:15
【資料】
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【項目】
107項目

業績等の概要

(1)業績
当社が属するインターネットビジネス業界は、引き続き著しいスピードで変化を遂げております。平成27年版情報通信白書にあるように、平成26年末のインターネットの人口普及率は8割に及んでおります。そのうちスマートフォンを使用してインターネットを利用する人の割合が全体の47.1%を占め、スマートフォンはパソコンと並ぶインターネットデバイスとなっております。その急速な普及スピードと機材の性能向上とが相俟って、ソーシャルメディアを中心としたスマートフォン向け新サービスが次々と創出され、市場の拡大と、それにともなう競争の激化が続いています。
こうした環境下、当社グループは、スマートフォン向けサービスを軸に、既存サービスの拡充および新規サービスの開発に注力しています。主力事業のソーシャルゲーム事業では、他社配信アニメ版権ゲームや、自社オリジナルゲームなどの既存ゲームの運用に注力するとともに、第2四半期に打ち出した他社版権ゲームを主軸に据えた成長戦略に基づき、新たな他社版権ゲームの開発に取り組んでいます。ソーシャルラーニング事業では、既存サービス「えいぽんたん!」の運用に注力するとともに、新サービス「きこえ~ご」の市場への浸透に向けた施策を展開し、事業拡大と収益性の向上に取り組みました。広告メディア事業では、第2四半期に、従来の動画リワード広告「poncan」を刷新した新サービス「DreeVee」が順調な立ち上がりをみせ、新規顧客の開拓に向け営業力強化するなど、スマートフォン向けサービスの需要拡大への対応力の向上に努めました。
しかしながら、ソーシャルラーニング事業と広告メディア事業は事業開発段階にあり、主力のソーシャルゲーム事業でも、他社配信アニメ版権ゲームなど既存ゲームの収益寄与はあったものの、第1四半期にリリースしたオリジナルゲーム「崖っぷちバスターズ」が、リリース直後から想定を下回る推移となり、初期改修後も収益性の改善に期待できなかったことから、前述の戦略実行にともなうアプリポートフォリオ見直しにより開発が中止となったオリジナルゲーム2本とともに、第3四半期における減損処理を決定し、特別損失を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は6,534,377千円(前年同期比10.5%減)となりました。利益面につきましては、営業損失206,061千円(前年同期は営業利益301,168千円)、経常損失217,967千円(前年同期は経常利益278,763千円)、親会社株主に帰属する当期純損失537,978千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益17,761千円)となりました。
①コンテンツサービス
ソーシャルゲーム事業では、ユーザーの支持を集めた他社配信アニメ版権ゲームが、業績へ安定的に寄与し、オリジナルゲーム「フルボッコヒーローズ」も他社コンテンツをゲーム内のキャラクターやモチーフとして用いるコラボレーションキャンペーンを継続的に展開し、支持ユーザー数を拡げました。また、中核ユーザーに焦点をあてた運用・サポートに注力した「ちょこっとファーム」と「陰陽師」も、リリースからの経年にもかかわらず、売上水準を維持し、収益に寄与しました。しかしながら、第1四半期にリリースしたオリジナルゲーム「崖っぷちバスターズ」が、リリース直後から想定を下回る推移となり、初期改修後も収益性改善に期待できなかったことから、前述の戦略転換にともなうアプリポートフォリオ見直しにより開発が中止となったオリジナルゲーム2本とともに、第3四半期における減損処理を決定し、特別損失を計上いたしました。
ソーシャルラーニング事業では、英語学習アプリ「えいぽんたん!」の運用効率性の向上に取り組んだほか、学生向け定額制サービスを開始するなど、特徴である高い学習効果と継続性を前面に押し出し、サービスの拡大と収益性の向上に注力しました。また、第2四半期には新たな英語学習アプリ「きこえ~ご」をリリースし、市場における認知の拡大に取り組みました。
以上の結果、セグメント売上高は5,824,908千円(前年同期比9.3%減)、セグメント利益321,196千円(前年同期比58.1%減)となりました。
②広告メディアサービス
広告事業ではリワード広告HeatAppRewardの運用に注力するとともに、第2四半期に旧来の動画リワード広告「poncan」を刷新し、新サービス「DreeVee」としてサービス提供を開始いたしました。動画掲載方法の多様化により、より多くの業種へサービスの提供が可能となったことから、営業力を強化し新たな業種の顧客開拓に注力しました。メディア領域では、無料ミュージックアプリ「DropMusic」の運用のほか、将来の主力事業となることを目指した、新規サービスの開発にも取り組みました。
しかしながら、両事業ともに引き続き事業開発段階にあることから、セグメント売上高は873,292千円(前年同期比3.2%減)、セグメント損失は490,246千円(前年同期はセグメント損失453,250千円)となりました。なお、当セグメント損失には上記の試作段階のサービスに係る営業損失126,336千円を含めております。
今後につきましては、引き続きスマートフォンの普及が拡大し、スマートフォン向けコンテンツ市場における競争の激化が予想されます。そうした環境下、当社グループは市場の急速な変化に対応し、多様化するユーザニーズを捉えたアプリおよびサービスの開発に努めるとともに、既存サービスの運用、新規事業開発の両面において、各事業領域間の連携を促進し、それぞれの有する強みを融合させることでシナジーを高め、事業の拡大に引き続き注力してまいります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,068,905千円減少し、1,206,906千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは54,173千円の収入となりました。主な要因は税金等調整前当期純損失の計上額577,144千円、減価償却費の計上額460,290千円、減損損失の計上額359,176千円、未払消費税等の減少額169,498千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは548,747千円の支出となりました。主な要因は無形固定資産の取得による支出515,861千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは574,229千円の支出となりました。主な要因は長期借入金による収入250,000千円、長期借入金の返済による支出566,662千円、社債の償還による支出275,000千円であります。