訂正有価証券報告書-第18期(平成28年12月1日-平成29年11月30日)

【提出】
2019/01/28 11:36
【資料】
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【項目】
107項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、堅調な雇用情勢に支えられて個人消費に持ち直しの動きが見られ、また、海外経済の緩やかな回復を背景とした輸出の伸びが成長をけん引し、国内景気については着実な拡張傾向にあります。その雇用情勢は期初から一段と改善が進み、厚生労働省が発表した平成29年11月の全国の有効求人倍率は1.56倍と、およそ44年ぶりの高水準となっております。従来から人手不足感の強いサービス業に加え、運輸・郵便業や製造業でも求人が増加してきております。
当社グループにおいても、上記のような雇用情勢を背景に人材派遣サービスが大きく拡大したほか、稼働農園数が増加した障がい者雇用支援サービスの売上が伸長しております。一方、損益面においては、コーポレート部門強化のために人件費を中心に販売費及び一般管理費が増加したものの、前述の人材派遣サービスや障がい者雇用支援サービスの増収効果により、営業利益が増加しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,696,248千円(前連結会計年度比26.6%増)、営業利益は674,529千円(前連結会計年度比32.8%増)、経常利益は687,548千円(前連結会計年度比38.4%増)と、大幅な増収を達成し過去最高の売上高、営業利益、経常利益を計上いたしました。また、受注キャンセルに伴う違約金収入27,300千円を特別利益に、請負契約に基づく損害賠償金41,755千円、固定資産除却損11,201千円を特別損失に計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は423,383千円(前連結会計年度比3.8%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント業績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。
(ビジネスソリューション事業)
ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者雇用を希望する企業に対し、同社が運営する農園を貸し出し、主に知的障がい者を企業が直接雇用し、収穫した野菜を従業員の健康促進に役立てる福利厚生プログラムの提供を行っています。また、株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを、企業の経営課題や業務課題の解決に役立てるプロフェッショナル人材サービスを提供しています。
後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販企業の商品の発送代行サービスや海外販売を支援する越境ECサービスを提供しています。また、株式会社エスプールエンジニアリングでは、通信や電気・ガスなどインフラ関連のフィールド調査業務や、スマートメーターの設置や交換に関する業務、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得や加入促進等のセールスプロモーション業務、キャンペーンやラウンダー等の販売促進業務を行っています。その他、株式会社エスプールでは、主にアルバイトやパートの採用募集に対する応募者対応を代行する採用代行支援サービスを行っております。
当連結会計年度においては、契約更新により計画工事数が縮小したスマートメーター設置業務において売上が減少しておりますが、障がい者雇用支援サービスの参画企業数の増加とそれに伴う農園事業の管理料収入の拡大による売上増加により、この減少分を補っております。また、通販発送代行サービスが堅調に推移したロジスティクスアウトソーシングや大型案件を受託したセールスプロモーションのアウトソーシングの売上も増加しました。損益面においては、事業が拡大している障がい者雇用支援サービス部門を中心に販売費及び一般管理費が大幅に増加しておりますが、前述の増収効果により増益を確保しました。その結果、当連結会計年度の売上高は3,998,690千円(前連結会計年度比16.2%増)、営業利益は728,054千円(前連結会計年度比24.7%増)となりました。
(人材ソリューション事業)
人材ソリューション事業は、人材派遣、人材紹介サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンターや事務センター等のオフィスサポート業務と、スマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務に関する人材サービスを展開しております。
当連結会計年度においては、前述の通り企業の人材不足感が継続しており、主力のコールセンター業務、特に首都圏や九州のヘルプデスクやサービスセンター業務のコールセンターにおいて定着率向上を支援するグループ型派遣の需要が好調に推移しております。損益面においては、昨年10月の社会保険対象者の適用拡大により社会保険料負担が増加し売上総利益率が低下したほか、業容拡大に対応した組織面の強化により人件費が増加しておりますが、新規登録者の確保が順調に進み募集費の増加をある程度抑えることができました。その結果、当連結会計年度の売上高は7,722,597千円(前連結会計年度比32.4%増)、営業利益は680,769千円(前連結会計年度比28.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は165,573千円増加し、1,240,337千円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比75,675千円増加の801,467千円の収入(前連結会計年度は725,792千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比較し177,402千円増加して661,943千円であったことに加え、減価償却費が220,547千円、賞与引当金の増加が45,096千円、並びに法人税等の支払額が156,974千円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比97,133千円増加の577,287千円の支出(前連結会計年度は480,153千円の支出)となりました。これは、主に、株式会社エスプールプラスが運営する農園の増設・開設のための設備投資等による有形固定資産の取得による支出489,596千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、58,607千円の支出(前連結会計年度は138,079千円の収入)となりました。主な内訳は、短期借入金の増加による収入100,000千円及び長期借入金の返済による支出159,836千円であります。