有価証券報告書-第12期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/13 17:06
【資料】
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【項目】
80項目

業績等の概要

(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、デフレからの脱却と経済再生を目指して、日本経済再生戦略の加速・強化及び好循環の実現に向けた成長政策パッケージと大胆な金融緩和の持続の効果が発現するなかで、個人消費の増加及び企業投資の持ち直しを中心とする底堅い内需に支えられ、緩やかながら着実な景気回復基調のうちに推移いたしました。
この間、介護業界においては、高齢社会の進行に伴う介護ニーズの増大を背景として、介護市場は着実な成長の基調を維持いたしました。また、制度・行政面においては、2025年を展望したわが国の社会福祉体制の基本的設計図としての「地域包括ケアシステム」の構築に向けての積極的な取り組みが進行しております。
このような状況のもと、当社は介護保険法の基本精神に立脚して、介護を要する高齢者の「尊厳の保持」を肝に銘じつつ、ご利用者との心の「つながり」と「安全・安心」を特に重視したサービスの提供により、ご利用者及びご家族のご満足と信頼をさらに増進することを通じて、介護サービスの商品としての品質向上と事業成長の達成に注力しております。
さらに、「地域包括ケアシステム」の構築という国家的重要施策を踏まえた、事業変革を通じて、高齢社会の多様なニーズに対応できる社会インフラとして機能する「福祉拠点」の役割を担い、「豊かな高齢社会」の創造に貢献する社会的責務を果たすことに取り組んでおります。
その一環としての、サービス付き高齢者向け住宅事業につきましては、平成25年6月に「なごやかレジデンス」の稼働を開始し、当事業年度期間中に合計14箇所を開設いたしました。
この間、直営通所介護事業については、上記サービス付き高齢者向け住宅に併設した「デイサービスセンターなごやか」を14箇所開設し、単独の施設を1箇所開設いたしました。
一方、経営効率の改善向上を目的として、既存施設のデイサービスセンターのうち3箇所を、他の施設にそれぞれ統合いたしました。
この結果、当事業年度末において90箇所の直営デイサービスセンターを展開しております。
また、通所介護のフランチャイズ事業においては、当事業年度中に「ホームケアセンター」が17施設増加したため、当事業年度末におけるフランチャイズによるデイサービス事業所は41箇所となっております。
さらに、当事業年度中に株式会社やまねライフを設立し、介護保険外の給食事業等介護・医療周辺サービスの新規事業展開を試験的に開始いたしました。
次に収益面については、既存の通所介護事業においては、人員の適正配置を中心とするコストコントロールを徹底して実行したことが奏功し、当該事業の収益は順調に推移いたしました。しかしながら一方、サービス付き高齢者向け住宅及び併設通所介護施設について、当事業年度中開設分に係る初期赤字及び次期第1四半期の集中的な開設に係る開業前費用が、当事業年度の第4四半期に集中して発生したことに加え、新規事業展開に係る先行投資コストの負荷が重なりました。
このような状況のもと、営業収入は若干の減収にとどまりましたものの、営業利益、経常利益及び当期純利益はいずれも、前年度業績を大幅に下回る減益となりました。
また、当期純利益の赤字には、税効果会計基準に従った繰延税金資産の取り崩しによる一時的な要因が大きく作用しております。
以上の結果、当事業年度における当社の営業収入は5,275,596千円(前期比1.6%減)、営業利益は51,950千円(同51.5%減)、経常利益は24,614千円(同76.2%減)、当期純損失は77,044千円(前年同期は当期純利益45,748千円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,702,809千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、37,817千円(前期比59,104千円減)となりました。
これは主に、法人税等の支払35,846千円(同21,056千円減)等の資金減少要因がありましたが、減価償却費計上88,405千円(同12,606千円減)及びその他の資金増加要因により、資金が増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、263,499千円(前期比220,925千円増)となりました。
これは主に、敷金差入れによる支出190,806千円(同169,394千円増)や関係会社株式の取得による支出30,000千円(同30,000千円増)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、750,535千円(前期比737,454千円増)となりました。
これは主に、社債償還150,200千円(同375,000千円減)、長期借入金返済328,666千円(同177,966千円増)、配当金の支払32,850千円(同76,795千円減)等の支出がありましたが、長期借入金借入1,150,000千円(同550,000千円増)、社債発行100,000千円(同126,180千円減)等の収入があり、資金が増加したものであります。