有価証券報告書-第22期(令和3年6月1日-令和4年5月31日)

【提出】
2022/08/30 15:30
【資料】
PDFをみる
【項目】
132項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「世界中を楽しくするエンターテイメントを世に送り出す」という理念のもと研究開発を核に、他タイトル展開、多国展開、マルチプラットフォーム対応を進めております。また、自社開発・自社サービスという強みを最大限に活用し、新規タイトルのサービスを素早く提供できる体制を確立し積極的な開発・事業拡大と収益性の確保・向上に努め、企業価値を高めていくことでユーザーや当社株主及びステークホルダーの満足度向上や信頼構築に繋がると考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループが属するオンラインゲーム業界につきましては、引き続き安定的な成長が見込まれる市場ではあるものの、新規参入企業の増加に伴い厳しい競争環境となっております。
このような状況のもと、当社グループは、当社グループの得意技術を活用して手がけてきた3Dオンラインゲームに加え、斬新な発想力と独自の開発力を活かし、新たなジャンルでのゲームを提案してまいります。また、当社グループはグローバル規模で変化を続けるオンラインゲーム業界の経営環境に適応し、海外市場にも通用するゲームタイトルの開発・運営に取り組んでまいります。
(3)目標とする経営指標
当社グループでは、収益力を計る指標として、売上高経常利益率を重視するとともに、株主価値の向上のために1株当たり当期純利益(EPS)を重要な経営指標として位置づけております。
(4)経営環境及び経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
A.「オンラインクレーンゲーム・トレバ」を主力とした複数タイトルの運営による収益性の改善及び強化
昨今における他社参入の競争の激化、新型コロナウイルス感染症の長期における経済の低迷が続く中で、今後の当社グループが更なる成長を目指していくためには、既存サービスの抜本的な見直しによる収益性の改善を進めると共に引き続きユーザーの満足度を意識したサービス体制の構築を図り、新たな付加サービスと顧客層の開拓が重要課題であると考えております。「オンラインクレーンゲーム・トレバ」においては、固定費の大幅な削減を図り収益化を強化するほか、オリジナル景品の開発や様々なプロモーション媒体の活用、既存サービスにおきましても定期的なキャンペーンや快適さを意識した機能の改善及び追加等サービスの満足度の向上に努めてまいります。また、他社参入による市場の顧客獲得が進む中、今までのような新規ユーザーの獲得に力を入れるだけではなく、既存サービスのサブスクリプション化など新たな顧客層拡大を目的とし提案の幅を広げる為の開発などを進めております。
B.新規タイトルの開発体制の増強及び収益拡大
一般的に、ゲームタイトルは開発したもの全てが十分な収益をあげられるとは限らず、今後はオンラインゲーム市場の更なる発展とともに、競合となるゲームタイトルがさらに増加し、同時にゲームタイトルの入れ替えサイクルも早くなることが予想されます。当社グループとしては、事業の安定化を図るためには、常に新しいゲームタイトルの開発を、複数同時並行で行えるような体制を構築することが必要です。これにより、新しいゲームタイトルのリリースに要する期間が短縮され、収益の安定化につながるものと考えております。また、新たなテクノロジーを有する企業との戦略的連携を図るとともに、自社ヒットタイトルと掛け合わせた新規タイトルの開発を行うことで市場の拡大が見込まれる事業領域において早期収益化を図ってまいります。
C.自社でのオンラインゲームサービス提供
当社グループはオンラインゲーム開発に主眼を置いて事業を展開してまいりました。自社でゲーム開発を行うことは、開発完了からサービス開始までの期間を短縮することができ、かつ、ユーザーの声を既存タイトル及び新規タイトルへすばやく反映させることが可能となるため、メリットが非常に大きいと考えております。
日本及びアジア・欧米地域におけるオンラインゲームの一般的な認知は、スマートフォンやタブレット等、情報端末の普及によって大きく広がってきましたが、情報端末の高性能化や、ユーザーに新たなリアル体験を提供するNFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)など経済活動に通ずるゲーム分野が認知されてきているなど新しい市場の発展もあり、今後も拡大していくものと考えております。当社グループは、今後も既に他タイトルを利用しているユーザーの獲得はもちろんのこと、オンラインゲーム市場が拡大していくことに伴う潜在顧客をいかに獲得するかにおいても日本及びアジア・欧米地域における自社開発及び運営サービスの課題であると認識しております。当社グループではライセンス契約を締結したアジア各国の運営会社へのサポート経験をベースに、自社でのオンラインゲームサービス提供を通じてユーザーのニーズを的確に把握し、ゲーム開発やユーザーサポートにタイムリーに反映し、当社グループのファンとなっていただけるユーザーの獲得に努め、今後の事業展開に活かしていく所存であります。
D.人的資源の確保
当社グループが今後も継続的に成長していくためには、ゲーム開発プランナー、プログラマー、デザイナー、ネットワーク技術者、ゲームマスター、マーケティング担当者及び拡大する組織に対応するための管理者等の優秀な人材を確保していくことが非常に重要であります。また日本ではオンラインゲーム市場の成熟化が示唆される中、競合企業の増加に相反しオンラインゲームビジネスに長年関与し経験のある人材の絶対数が限られており、人材をいかに教育していくかも非常に重要であると認識しております。
E.新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢等による経営環境変化への対応
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大は、わが国の経済活動や事業運営に対して深刻な影響を与えております。また、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻は収束せず、資源高を起点とするインフレや円安の加速など景気失速の懸念が急速に拡大しつつあり、景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社グループにおいても、「オンラインクレーンゲーム・トレバ」における景品仕入数の減少や、個人消費の減退による業績への影響を予測しております。また、現段階では今後の収束時期を見通すことは困難であり、その対応策について早急に実施していくことを重要な課題と認識しております。その対応策においては、人員のオペレーション教育の徹底・強化に努めつつ、仕入先及び配送業務提供先等多くのパートナー企業との協力関係を強固にしていくことで、事業活動への影響を最小限にするよう努めてまいります。