有価証券報告書-第18期(平成26年9月1日-平成27年8月31日)

【提出】
2015/11/25 15:24
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【項目】
107項目

事業等のリスク

以下に当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。
また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断において重要な影響を及ぼすと考えられる事項については、積極的に開示しております。
当社グループではこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生した際の対応に努力する所存でございますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社グループの事業または当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。現時点で、重要ではないと考えているリスクや認識していないリスクが当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性もありますのでご注意ください。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成27年8月31日)現在において当社が判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
(1) 当社グループの事業内容について
①当社グループが提供している占いコンテンツの趣味嗜好について
当社グループが提供している占いコンテンツは、日常生活における消費財を取り扱うビジネスとは異なり、個人の趣味嗜好に訴求するものであると考えられます。個人の趣味嗜好は多種多様で変化が早く、人気があるものでも短期間で飽きられるという特徴もあります。そのため当社グループでは、占いの種類を充実させ、多彩なメニューの提供に努めると同時に、リニューアルについても積極的に行っております。このように個人の趣味嗜好に合ったコンテンツを数多く提供し続けることが当社グループの成長には必要ですが、個人の趣味嗜好に訴求できるコンテンツを提供し続けることができない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、趣味嗜好の影響が大きいマーケットであるため、事前の予測と相違した未確定の要素が発生することも多く、制作活動に大きな費用を投じたからといって大きな売上高を獲得できるとは限りません。将来的に当社グループが大きな制作活動費を投じるようなコンテンツの制作を行う場合には、そのコンテンツの販売状況が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②占い師との関係について
当社グループは、占い師に占いコンテンツの監修を委託しております。占術を駆使して導き出される鑑定結果の解釈は、占い師それぞれに解釈の独自性を有していることから、当社グループのコンテンツ制作過程で監修を行う占い師の特性は、コンテンツ制作において重要な要素のひとつとなっており、その対価としてコンテンツの売上高の一定割合をロイヤリティとして占い師に支払っております。また、著名な占い師が監修するコンテンツは、ユーザーへの訴求力といった点で優位性を有していると考えられることから、販売面においても当該占い師の位置付けは重要なものとなっております。このような点で、コンテンツの監修を依頼している占い師の人気が低下した場合やイメージダウンに繋がる事が起きた場合には、監修するコンテンツの売上高に悪影響を与え、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、これまで数名の著名な占い師へ相当程度のコンテンツの監修を依頼してきましたが、様々な占い師の監修によるコンテンツのラインナップ拡充策が当社グループのコンテンツ事業の成長には必須であるとの認識のもと、監修の依頼先である占い師数の拡充に注力しております。今後も監修の依頼先である占い師とは安定的な関係の維持・向上に努める方針であります。しかし、当該占い師と当社グループとの間の契約継続が困難になったり、あるいは占い師との新たな契約締結ができなかった場合や、または占い師との支払ロイヤリティに関する契約内容に変更が生じた場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
③コンテンツ制作にかかる人材について
当社グループは、コンテンツの制作活動において、表現の方法や創作力など個人の才能に依存する部分も大きく、人材が大きな役割を占めるものと考えております。このような認識のもと、当社グループは設立以来、業容の拡大に合わせて積極的に人材の採用活動を行ってきております。また、コンテンツの制作においては、社内で一貫して制作できる体制を構築してきたため、外部に制作委託する割合が低くなっております。今後も必要な人材の確保及び育成に注力する所存でありますが、デジタルコンテンツビジネスにおいては、技術の変化のスピードが早く、また人材の流動性も高いため当社グループが事業展開に必要とする人材を確保できなかったり、あるいは必要な人材が当社グループから流出したりする場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
④特定分野のコンテンツへの依存について
当社グループは、占いコンテンツの売上高が総売上高に対して、第18期で93.3%と大きな比率となっております。このように特定分野への依存度が高い状況となっており、コンテンツジャンルの拡大や新規事業の展開を進めることでより安定した事業運営を行っていく必要があると認識しており、積極的に推進していく所存であります。しかしながら、コンテンツジャンルの拡大や新規事業の展開が進まず当社グループの収益構造が変化しない場合は、依然として占いコンテンツへの依存度が高い状況が継続することになります。
そのため、占いコンテンツの成長が鈍化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤プラットフォーム提供事業者等への販売の依存について
当社グループは、プラットフォーム提供事業者等との契約などに基づいてコンテンツを複数提供しております。現在、プラットフォーム提供事業者等との関係は良好と認識しておりますが、将来的にプラットフォーム提供事業者等がコンテンツの内製化やコンテンツの数あるいはリニューアルの制限等をサイト運営管理上行うなど政策の変更を行うことも想定されます。当社としましては、ISPや移動体通信事業者以外のプラットフォームの拡大及び自社ポータルサイトの開設などを行うことにより、リスクの低減を図って参りますが、プラットフォーム提供事業者等の政策の変更、契約の終了、契約内容の変更等が生じた場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、現在、従来型の携帯電話であるフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進展しております。当社グループの携帯電話向けコンテンツ利用者が、フィーチャーフォンからスマートフォンへ機種を変更する場合、継続して、当社グループのコンテンツが利用される保証はなく、機種変更後にコンテンツ利用者の獲得がなされない場合、利用者の減少に繋がり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥利用料金の徴収について
プラットフォーム提供事業者等のうち、一部のISPや移動体通信事業者とは、コンテンツ利用料金の回収代行を委託する契約を締結し回収を委託しております。その利用料金の回収代行に関する契約では、一定期間その代金の回収に対し契約した所定の手続きをとれば回収責任を果たし、未回収代金については免責されることになっております。
各社から報告される利用料回収代金の通知に基づき試算すると、利用料未回収率は約0.85%と思われますが、将来的に回収システムの変更や代金未納者が増加した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦新規事業の展開について
当社グループはより一層の成長を志向し、今後も新規事業を展開していく方針であります。しかしながら、新規事業の展開に当たっては、マーケットの分析やサービスの開発等に時間を要したり、必要な資源の獲得に予想以上のコストがかかるなど、必ずしも計画が順調に進行しないことも想定されます。また、新規事業がスタートした後、軌道に乗った展開ができるとは限らず、方針の変更や事業の見直し、事業からの撤退など何らかの問題が発生する可能性も想定されます。新規事業の展開が収益獲得に至らず損失が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧特定人物への依存及びその影響力について
当社代表取締役社長であり発行済株式総数の59.0%を所有(平成27年8月31日現在)する長沢一男は、当社代表取締役就任から現在に至るまで事業の推進者であり、当社グループの経営方針及び経営戦略の決定、事業展開、株主総会での承認を必要とする全ての事項等に多大な影響力を持っており、当社グループは同氏の判断力、企画力、実行力等の属人的経営手腕に大きく依存しております。一方で、当社グループでは有効な牽制が働く体制の整備及び各事業担当者への権限委譲等を進めております。現状において、同氏が当社グループ業務から離脱することは想定しておりませんが、何らかの理由により同氏が当社グループにおける業務遂行を継続することが困難になった場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 業績の推移について
当社グループは、平成10年4月より現在の事業の柱であるデジタルコンテンツの制作・提供を開始し、その後インターネットの普及や通信環境の変遷等の外部環境を背景に業容を拡大して参りました。
第13期以降は、コンテンツ事業において積極的なプロモーション活動や制作コストの効率化など、社内体制の整備を進めたことが奏功し、ほぼ増収増益基調となっておりますが、コンテンツの販売状況等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、連結売上高に占める移動体通信事業者向けコンテンツ、ISP及びポータルサイト運営事業者向けコンテンツ並びにコンテンツ制作受託業務の売上高等の推移は、下表のとおりであります。
回 次第15期第16期第17期第18期
決算年月平成24年8月平成25年8月平成26年8月平成27年8月
売上高(千円)2,640,6412,445,3732,482,2892,427,821
うち、移動体通信事業者向けコンテンツ(千円)1,904,5731,985,0352,011,4571,915,717
うち、ISP及びポータルサイト運営事業者向けコンテンツ(千円)418,011376,515381,006354,062
うち、コンテンツ制作受託業務(千円)50,57964,97253,05839,340
経常利益(千円)635,995689,483633,085216,307
当期純利益(千円)346,983398,537327,47486,188

(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
(3) 占いのコンテンツ市場について
従来、占いの提供の手法としては、占い師と対面鑑定や書籍による占いの提供の形態が中心でした。そのような中、携帯電話利用者向け及びPC利用者向けに占いをプログラム化し、デジタルコンテンツとしてネットワークで提供し、かつユーザーが属性入力することによって占い結果の表示が多岐にわたって出来るようになったことが、当社グループのビジネスが成立する基盤となっております。
将来的に利用者のニーズの変化や占い市場規模そのものが変化した場合、またはネットワーク上において無料占いの利用が中心となり課金形態のマーケットが縮小した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他
①システムの管理について
当社グループは、主たる事業でコンピューターシステム及びネットワークによりサービスを提供しており、サービスを提供するシステムは二重化並びにデータのバックアップ等想定されるトラブルに対して策を講じております。しかしながら、地震等の自然災害や事故等の不測の事態や予測できない外部からの侵入による不正行為、当社役員や従業員の過誤操作等が原因となって障害が発生し、サービスが提供できない恐れがある場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
②技術革新への対応について
当社グループのコンテンツは、インターネットを介して携帯電話及びPCで利用されるものが中心となっております。それらのハードウェアやネットワークの技術革新の変化のスピードは著しく、今後もコンテンツの提供手段として利便性を増しながら進化していくものと想定されます。しかしながら、今後の技術革新の進化の中で、コンテンツで利用される技術が大きく変化した場合、当社グループの技術等が陳腐化し、それに対応するためのコストが増加した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③法的規制について
当社グループが第8期より始めたインターネットでの通信販売は、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の規制対象となっております。当社グループは、これらの法令の考えに則りインターネット上での雑貨類の販売において消費者が適正な選択が行えるようにサイト運営をし、消費者の適正な選択を歪めることのないように価格、機能、効果等の表示について十分検討するよう努め、サイト上の表記義務事項等を遵守しております。しかしながら、将来的に当社グループの事業に関連する分野において、規制の改廃や新たな法律等の制定・施行によって当社グループの行う事業が制約を受けたり、新たな対応を余儀なくされたりする可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
④個人情報保護に関するリスクについて
当社グループのデータベースには、当社グループのコンテンツ利用者や物販の利用者の個人情報が蓄積されております。これらの情報に関しては当社に守秘義務があり、当社が知り得た情報については、データベースへのアクセス制限、不正侵入防止のためのシステムの採用や外部データセンターの利用等、個人情報の流出を防止するための諸施策を講じるとともに、プライバシーマークの認定を受ける等、情報管理体制の整備強化に努めております。
しかしながら、社内管理体制の問題や社外からの侵入等によりこれらのデータが外部に漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償の請求や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤新株予約権の付与及び株式の希薄化について
当社グループでは、役員、従業員、顧問、社外協力者を対象として、業績向上に対する意欲や士気及び当社グループへのロイヤリティを高めるとともに、優秀な人材の確保等を目的にストック・オプション制度を採用しております。今後も同様の理由によりストック・オプション制度を活用していくことを考えており、これらのストック・オプションが権利行使された場合には、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。この株式価値の希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社の平成27年8月31日現在における新株予約権の目的となる株式の数は252,000株であり、発行済株式総数11,300,000株に対する割合は2.2%となっております。