有価証券報告書-第31期(2025/03/01-2026/02/28)

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2026/05/29 14:49
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有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」をミッションに掲げ、時代のニーズに合ったオリジナルのパッケージソフトウエアやサービスを開発・販売しています。社会の変化や顧客のニーズを捉え、最新の技術を活用しながら社員の自由な発想を活かし、新しい製品・サービスを事業化しています。自社で製品・サービスを開発することにより、市場ニーズの変化にすばやく対応し、高度な独自技術を蓄積することで収益性の高い事業とすることができます。
また、昨今の生成AIの急速な進化は、ソフトウエア業界に根本的な問いを突きつけています。「操作させるだけのソフトウエア」や「言われたことを正確にこなす仕事」が急速に価値を失いつつあり、旧来のビジネスモデルに依存し続けることは許されません。一方で、この変化は当社グループにとり大きなチャンスでもあります。製造業の業務プロセスに深く入り込み、上流工程から課題を本質的に解決する当社グループの強みは、AIが容易に代替できるものではなく、むしろAIを組み合わせることで付加価値がさらに高まると確信しています。
このような経営環境において、当社グループは「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作り、みんなが働きやすい雰囲気の中で創造力、技術力を常に磨き、品質の高いソリューションを提供し続ける。」ことを経営方針とし、働きやすい環境作りを目指しています。
当社グループが位置する業界では「人」が唯一の資産です。昨今、ITエンジニアの採用は競争が激しく非常に困難な状況が続いていますが、入社後の人材育成と早期戦力化が最も重要な成功要因です。当社グループでは、人材教育を積極的に行うとともに、社員が働きやすい環境作りに力を入れています。ヒトやコトに高い関心を持ち、良いものを評価し、相互に尊重し、自身の創造力や技術力をさらに磨くことで、優れた発想やアイデアを生むことができると考えています。また、そのためには自律・自立した社員の一人ひとりが働きやすい職場環境を創り出していくことが理想と考え、そのような仕組み作りが会社の責務だと認識し、これを経営方針としています。
(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在の世界経済は、依然として不安定な要素が散見されますが、IT業界においてはAIやクラウド、SaaSなどの最先端テクノロジーの活用が進み、デジタル化及び自動化の動きが加速しています。このため、企業システムの再構築や機能追加に対する需要が高まり、IT投資は引き続き増加傾向にあります。これらの新しいテクノロジーは、開発効率を飛躍的に向上させる一方で、顧客ニーズの高度化や多様化、さらには急増する需要が影響し、業界全体で深刻なエンジニア不足が顕在化しています。
当社グループは、「ものつくり企業のビジネスプロセスをITの力で本質的に変革する」という長期ビジョンを掲げ、「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」「プロダクト指向からの脱皮、課題解決のためのシステムインテグレーション」を実現するため、2033年2月期に売上高120億円、営業利益20億円(営業利益率16.6%)を目指しています。
また、当社グループは、この長期ビジョン達成に向けた当面の短期目標を「2年経営計画」として策定しております。前「2年経営計画」(2025年度~2026年度)では、当社グループは既存事業の成長と収益力の改善を着実に進めてまいりました。一方で、生成AIの急速な進化により、当業界及び顧客企業の業務変革のスピードは一段と加速しております。こうした環境認識のもと、現「2年経営計画」(2026年度~2027年度)では、今後2年間を過去の延長線上での事業運営ではなく、将来の成長軌道を明確に切り替えるための重要な移行期間と位置付けております。なお、2026年度は売上高63億円、営業利益7億円(営業利益率11.1%)、2027年度は売上高71億円、営業利益8億円(営業利益率11.3%)を数値目標としております。
①事業戦略
a. 収益基盤の多軸化とクロスセルによる成長加速
当社グループは、これまでの「GRANDIT」中心の収益構造から一歩進み、グローバル標準ERPである「SAP」及び製造業特化型ソリューションである「mcframe」を次なる成長の柱として育成してまいります。これにより、グローバル展開を進める企業や製造現場のDX需要を着実に取り込むとともに、ERP、製造業向けソリューション、AIソリューション、開発ツールを組み合わせたクロスセルを強化し、顧客単価及び顧客接点の拡大を図ってまいります。収益基盤の多軸化とクロスセルの推進により、「2年経営計画」を実現してまいります。
b. 「AIネイティブ」組織への進化と人的資本の最大化
当社グループは、全社員のAI活用能力を高め、「AIファースト」から、提案、設計、開発、品質管理などの業務そのものをAI前提でゼロから再設計する「AIネイティブ」な組織への進化を進めてまいります。具体的には、職種別AIスキルモデルの整備、社内AIアシスタントの活用、業務プロセスの見直し等を通じて、社員一人ひとりの生産性と付加価値創出力の向上を図ります。このような取り組みを通じ、収益成長を支える実行力と利益率向上の基盤を強化してまいります。
c. AIを軸にした新規事業の創出とアライアンスを通じた飛躍的な成長
当社グループは、既存事業による安定的な収益基盤を維持しつつ、将来の新たな収益の柱を構築するため、AIを軸とした新規事業の立ち上げを推進してまいります。また、合弁事業やM&Aを含むアライアンスを機動的に活用し、自社単独では獲得が難しい技術・顧客基盤・市場機会を取り込むことで、中長期的な成長余地の拡大を目指してまいります。「2年経営計画」では、このような将来成長に向けた種まきと事業化の加速を重点的に進めてまいります。
②人材戦略
当社グループは、個人の成長と企業価値向上を両立させるため、一人ひとりが自ら考え、行動し、価値を創出できる「未来型人材」の育成を進めてまいります。問題発見力、予測力、創造力を備えた人材を育成するため、教育制度の整備と継続的な人材投資を実施するとともに、AIを実務で使いこなせる「一流の技術者」としての高度人材育成に取り組みます。
このように、人的資本経営として当社の成長に寄与して活躍する「未来型人材」の育成に投資を行い、「社員全員が一流の技術者」となることにより、社員が付加価値の高いサービスを高い生産性で提供できるようになることが、持続的な利益成長を実現する強固な収益基盤の構築、ひいては長期ビジョン達成の基盤になると考えております。
③グループ戦略
当社グループは、親会社と子会社を単なる上下関係ではなく、それぞれが自立した競争力を持ちながら相互に知見を循環させる「自立型グループモデル」として進化させてまいります。当社が保有するERP技術、AI技術、業界業務知見をグループ各社へ展開し、グループ各社はそれを基盤として独自のナレッジやビジネスモデルを強化してまいります。
これにより、グループ全体として市場開拓力と収益力を高め、連結売上高及び利益の拡大につなげてまいります。
④資本戦略
当社は、「業務システム×AI×開発ツール」の領域に経営資源を集中し、事業活動により獲得したキャッシュを、必要に応じて負債も活用しながら、次の成長に向けた戦略投資へ配分してまいります。具体的には、新規事業・製品開発、人材育成、業務効率化のための社内システムやオフィス環境の整備、並びに機能補完やシナジー創出が見込まれるM&Aに対し、継続的に投資を行ってまいります。投資判断にあたっては、資本コスト(WACC)を意識した投資効率(ROIC)の向上と、一株当たり利益(EPS)の持続的改善を重視いたします。
また、株主還元については、連結配当性向30%を下限とすることを基本方針としつつ、中長期的には累進配当を志向し、配当性向を35%、さらに40%の水準へ引き上げていくことを目指してまいります。
⑤サステナビリティへの取り組み
当社グループは、企業の社会的責任を果たすため、さいたま、大阪、福岡の各拠点における地域社会への貢献活動への取り組みを推進します。サステナビリティへの取り組みに関する詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。
⑥経営の透明性確保と適切なガバナンス体制の構築
当社グループは、社内の各種データを整備し、データ駆動経営を強化します。事業活動を定量化し、俯瞰的かつ客観的にモニタリングしております。社外役員による監督のもと少数株主の利益にも配慮しながら、適時適切な意思決定を行ってまいります。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、成長性と収益性を重視しており、それぞれの指標として売上高成長率及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けています。これらの指標をバランスよく伸ばしながら企業価値を向上させることを経営課題としています。
また、事業別の運営実態や業績状況を視るものとして、主に次のような指標を注視しています。
・事業別の売上高、売上総利益(率)及び事業利益(率)の推移
・事業別の従業員一人当たり売上高及び売上総利益
・事業別、部門別の稼働率
さらに、健全性や安定性を表すものとして、次のような指標も重視しています。
・プロジェクト利益の計画・実績の推移
・プロジェクト失敗件数の推移
・販売費比率、管理費比率の推移
・離職率、社員満足度の推移
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2032年度に向けた長期ビジョンとして「ものつくり企業のビジネスプロセスをITの力で本質的に変革する」ことを掲げ、時間を奪うのではなく時間を与えるソフトウエアを創り続け、日常の課題解決のためのシステムインテグレータとなることを目指しております。また、「2年経営計画」(2026年度~2027年度)の数値目標の達成に向け、エンタープライズ領域をターゲットとし、「業務系システム」「AI」「開発ツール」の3つの事業ドメインに経営資源を集中し、以下の各項目を重要課題と認識して解決に向けて取り組んでおります。
①AIネイティブ経営への転換
AIの急速な進化により、「操作させるだけのソフトウエア」や「言われたことを正確にこなす仕事」は急速に価値を失いつつあります。これは当社事業そのものが問い直される変化であり、過去の延長線上にある対応では不十分です。当社は、業務の発想をゼロから再設計する「AIネイティブ」な組織体制への転換を、この2年間の最重要課題と位置づけます。
全従業員がAIを自らの武器として使いこなし、提案・設計・開発・品質管理・顧客対応のあらゆる領域で業務を再設計します。職種別AIスキルモデルの導入と社内AIアシスタントの整備により、一人ひとりの生産性と付加価値を飛躍的に高めます。また、当社製品にAIを組み込んで顧客への提供価値を高めるとともに、AI活用を前提とした新しいビジネスモデルの創出を推進してまいります。
②ERP事業の多軸化と新規事業の創出
当社の収益は特定製品への依存度が高く、業績が事業年度により大きく変動しやすい構造的課題を抱えてきました。今後の持続的な成長のためには、GRANDIT依存からの脱却と複数の収益軸の確立が不可欠です。
SAP・mcframe・KENZなどへの多軸展開を進め、ものつくり企業のビジネスプロセス全体を支えるERPポートフォリオを構築します。また、保守・運用・クラウドサービスによるストック型収益の比率を高め、単発プロジェクト依存からの脱却を図ります。これにより、外部環境の変化に左右されにくい、継続的で再現性の高い収益モデルを確立し、安定的な経営基盤を実現してまいります。
③AI時代を見据えた新規事業の創出
当社グループの持続的成長のためには、現在の基盤事業に加え、AI時代に競争優位を持てる新たな収益の柱を育てることが必要です。ECM-SCM業務支援AI(検図AI)、図面・BOM・調達変更の自動化、ERP+AIを融合した設計ハブや経営管理ツールなど、製造業の現場課題をAIで解決する新規事業の立ち上げを加速します。
独自のステージゲート制度により、小規模実証から段階的に投資判断を行う規律あるプロセスを徹底し、リスクを管理しながら新規事業の成功確率を高めます。また、合弁事業やM&Aを機動的に活用し、社内リソースだけに頼らない事業展開を進めてまいります。
④人材の採用・育成と早期戦力化
当社の事業競争力は、エンジニアをはじめとする人材の質と量に直接依存しています。AI時代においても、業務を深く理解し、顧客の課題を本質から解決できる「一流の技術者」を育て続けることが当社の最大の差別化要因です。
事業成長に合わせた計画的な採用を進めるとともに、採用した人材の早期戦力化をAIで加速します。AIによるコードレビューや技術スキル診断、パーソナライズされた学習プラン自動生成など、最先端の人材育成システムを構築し、若手社員の成長スピードを高めます。また、「挑戦して失敗した人を評価する」文化の醸成に加え、女性活躍をはじめとする人材の多様性の向上や、働きやすい環境づくりを推進します。こうした取り組みによる社員エンゲージメントの継続的な向上により、優秀な人材が定着し、会社とともに持続的に成長できる環境を整えてまいります。
⑤計画的な資本政策と株主価値の向上
AI時代において事業上のポジションを確立するためには、機を逸せず積極的な成長投資を行うことが不可欠です。一方で、財務健全性を維持しながら株主への安定的な還元を続けることも経営の責任です。当社は、成長投資と株主還元を両立させる計画的な資本政策を推進してまいります。
合弁事業やM&Aへの投資、新規事業への種まき投資を戦略的に実行しつつ、事業投資効率(ROIC)の向上と継続的な1株当たり利益(EPS)の成長により株式価値の向上を図ります。配当性向30%以上を継続することを基本方針とし、投資と還元のバランスを投資家に対して透明性高く開示してまいります。
⑥顧客中心の営業・提案力の強化
当社が持続的に成長するためには、製品を売るプロダクト志向から、顧客の経営課題を起点に最適なソリューションを提案する顧客中心のアプローチへの転換が必要です。業務プロセス理解・ERP実装力・AI技術の三位一体による差別化提案を実現し、顧客とともに成長するパートナーとしての地位を確立します。
顧客管理・営業支援ツールとAIを組み合わせ、マーケットと顧客動向の分析に基づく効果的な営業戦略を立案するとともに、AI活用による提案書作成や案件管理の効率化により、営業力と企画提案力を強化してまいります。

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