有価証券報告書-第14期(平成25年3月1日-平成26年2月28日)

【提出】
2014/05/29 14:45
【資料】
PDFをみる
【項目】
97項目

事業等のリスク

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本資料中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが独自に判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。
(1)事業環境悪化リスク
①特定事業への依存によるリスク
当社グループは、従来から提供してきた主要事業である情報資産プラットフォーム事業の他、広告事業及びソリューション事業を加えた3つの事業を行なっております。現在のところ、当社グループの売上高及び利益は、情報資産プラットフォーム事業に多く依存しております。
当社グループは、特定事業に過度に依存している状態を好ましいと考えてはおらず、社会・事業環境の変化等に対して柔軟で強い事業基盤を持つ必要を認識しております。したがって、新規事業としてスタートした広告事業及びソリューション事業については、早期に収益貢献を目指しつつ、加えて新たな当社の柱となる新規事業の創出・育成に積極的に取り組んでまいります。
しかしながら、新規事業のすべてが収益に貢献するとは限らず、また新規事業による収益貢献の効果が現れるより前に、現在の主要事業である情報資産プラットフォーム事業について不測の環境変化等が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②特定サービスへの依存によるリスク
当社グループは、主要事業である情報資産プラットフォーム事業の中でも、クラウドで提供する「スパイラル(R)」(以下、「当サービス」という。)が主力サービスであり、当連結会計年度における情報資産プラットフォーム事業の売上高のほとんどは、当サービス及び当サービスに附帯するものであります。
当社グループは、当サービスが法人または個人事業者等に広く普及し、より多く活用されることが、事業規模拡大の基本的な前提条件であると考えており、引き続き当サービスの普及・拡大に積極的に取り組んでまいります。
一方、当サービスに連携又は関連する新規サービスの開発・提供等を通して、サービスの多様化と高付加価値化に取り組みつつ、当サービス単体への過度の依存を解消する取組を継続的に展開してまいります。
しかしながら、当社グループが予測しない技術革新、社会情勢の変化、経営判断の誤謬等によって、想定するように当サービスの普及が進まない、あるいは、新規サービスが利用されないなどにより、当社グループの業績が計画通りに進捗しない可能性があります。
③技術革新によるリスク
インターネットにおいては絶え間なく技術革新が起こっており、当サービス分野でも新しい技術やデバイスを利用したシステムが登場し続けています。これら新しいシステムは、従来は不可能であった機能や、より高度な機能を実装したサービスとして提供することが可能です。
当社グループでは、常に最新の技術動向へ目を向け、新機能の開発や新サービスの提供に新しい技術等を積極的に導入することにより、当サービスの技術的優位性を維持する努力をしております。
しかしながら、インターネットの技術革新に追随しながら新機能や新サービスを提供し続けるためには、それを可能にする従業員の確保や育成など、開発体制の強化と維持を欠かすことができず、何らかの要因により当社グループがそれに耐えうる開発体制の強化と維持が困難になる場合は、技術的優位性を発揮できなくなり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④競合との競争激化によるリスク
当サービスの技術的な側面からみた参入障壁は、著しく高いものとは言えず、したがって、資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社が参入し、類似サービスを提供する事業者の増加が予想されます。この場合、価格競争など市場競争が一層激化することが予想され、当社グループは、当サービス価格の引き下げを強いられる、または市場シェアが低下するなどにより、業績に悪影響を与える可能性があります。あるいは、全く新しい発想や技術を活用した競合サービスが登場し、かつそれが市場に支持されることにより、当サービスの相対的な優位性が低下した場合、当社の事業及び業績に悪影響を与える可能性があります。
⑤法令等改定によるリスク
当社は、事業上の特性及び必要性から、電気通信事業者の届出をしており(届出番号A-13-4621)、「電気通信事業法」の適用を受けております。また、当社がサービスを提供する場合、又はサービス提供の全部又は一部を他の事業者に委託する場合に、深く関与する法律の一例として、以下のような法律があります。
「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」
「特定商取引に関する法律」
「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」
「個人情報の保護に関する法律」
「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」
「下請代金支払遅延等防止法」
当社は、以上の法律を遵守するために必要な社内体制の整備、当サービスの利用規約の整備等を行っておりますが、法律改正等により当社の整備状況に不足が生じ、または当社が受ける規制や責任の範囲が拡大した場合、その後の当社事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)業績悪化リスク
①SLA(サービスレベルアグリーメント)賠償適用によるリスク
当社は、当サービスの月間の稼働時間(操作画面、登録機能及び配信機能のいずれかの機能が停止せずに稼動した時間)及び一定時間あたりの電子メールの配信速度等の技術的なサービス提供能力について、クライアントに対して一定の保証水準を設けており、「スパイラルサービス品質保証制度(SLA)」に定め、あらかじめこれを提示しております。当社は、SLAに定める保証水準を達成できなかった場合には、SLAの賠償条項に基づき、月次利用料金の範囲内で利用料金を減額しなければならず、かかる減額が多額になった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
②知的財産権の侵害によるリスク
当社グループは、提供しているサービスの名称について商標登録をしております。一方、自社開発のシステムや当社ビジネスモデルのうち、特許権や実用新案権などの対象となる可能性のあるものについては、技術情報の流出の恐れがある等の理由から特許権等の申請をしておりません。過去もしくは現時点におきましては、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、当社グループの事業分野で当社の認識していない特許等が成立した場合又は競業他社が特許等を取得した場合、その内容によっては競争の激化又は当社グループへの損害賠償やロイヤリティの支払要求、差止請求等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③システム障害によるリスク
当社グループは、当サービスをクラウドで提供しているため、当サービスの提供だけでなく、システムの保守・運営・管理についても、インターネットの通信ネットワークに大きく依存しております。したがって、以下のようなシステム障害が発生した場合、当サービスの提供が一時的に停止する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。
ⅰ)自然災害や事故等によって、インターネットの通信ネットワークが切断された場合。
ⅱ)当サービスを提供しているサーバーへの急激なアクセスの増加や電力供給の停止等予測不可能な要因によって、サーバーまたは周辺機器がダウンした場合。
ⅲ)外部からの不正な手段によるサーバーへのアクセス等によって、コンピュータウィルスに感染するなどサーバーまたは周辺機器が正常に機能しない場合。
ⅳ)その他当社の予測不能な要因または通常の予測範囲を超えるシステムトラブルによって、システムが正常に機能しない場合。
④災害等によるリスク
当社グループは、当サービスの安定的な提供を維持するため、当サービス提供に必要なサーバー等の保管を外部のデータセンターに委託しております。
当社グループは、外部のデータセンターを、地震、落雷、火災等の災害に対して十分な耐性を有すると判断される施設に限定し、慎重に検討した上で選定しております。
しかしながら、当社の選定したデータセンターは、現状、首都圏に集約されており、当社グループの想定を超える自然災害等の発生により、データセンターが壊滅する、またはサーバー等に保存する情報が消失するなど、当サービスの提供維持が困難な事態が生じた場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3)投資失敗リスク
①新規顧客獲得に係る投資によるリスク
当社グループは、主に取引先候補を訪問して当サービスを案内、提案する直接販売方法を採用しております。当社グループは、国内のすべての地域を営業の対象としており、本社を東京に置き、大阪、福岡及び札幌には支店を開設しております。顧客へ丁寧かつきめ細かいサービスを提供するために、必要に応じて他の地域にも販売拠点としての支店を開設することを検討してまいります。
しかしながら、販売拠点等の展開には、人員の確保、育成や施設の整備など運転資金及び設備投資が必要であり、選定場所や設置時期の誤謬、または販売拠点における営業成績が思うように進捗しない等の要因により、計画どおりに事業が進まなかった場合、投下資金を回収できなくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②研究開発に係る投資によるリスク
当社グループでは、新機能の開発及び新サービスの提供を目的として、積極的に研究開発活動を実施しております。
しかしながら、予測不能な外部環境の変化により、開発した新機能や新サービスが期待どおりの成果をあげられない可能性があり、この場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
③M&Aや業務提携に係る投資によるリスク
当社グループは、今後の事業成長や業容拡大にとって有効な手段であると判断した場合には、M&Aや業務提携を積極的に推進してゆくつもりです。
M&Aや業務提携の実施に際しては、十分な情報収集と検討を実施しますが、当社の予期し得ない経済情勢、環境変化等により、当初意図した成果が得られない場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(4)信用不安リスク
①プログラム不良によるリスク
開発したプログラムの不具合を原因として、システムに動作不良等が発生し、当社グループの提供するサービスが中断または停止する可能性があります。
当社グループでは、システムの開発にあたり、綿密な開発計画の策定からテストの実施まで十分な管理を行っており、可能な限りこのような事態の発生を未然に防ぐための開発体制の構築に努めております。さらに当社グループは、このような事態が発生した場合でも、SLAによる一定の保証水準を設けており、クライアントが安心して当サービスを利用できる措置を講じております。
しかしながら、このような事態が頻繁に発生した場合には、当サービスに対する信頼性が失われ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②法令等違反によるリスク
当社グループは、継続的に事業活動をしてゆくためには、コンプライアンス体制の構築と維持が不可欠であると認識しております。当社グループ内において、役職員のコンプライアンスに対する意識を向上させるため、内部統制システムの整備及び運用、教育や業務プロセスをチェックし改善につなげるマネジメントシステムの採用など、より実効的な内部管理体制を構築、維持する活動を積極的に推進しております。
しかしながら、役職員の故意または過失による法令等違反が発生し、それが当社グループの管理体制の不備に基づく場合には、当社グループはその責を免れることはできず、当社の信用失墜等により、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③クライアントのサービス利用上の紛争によるリスク
当社は、クライアントが当サービスを利用して作成する電子メール等の表示に、法令の定めに違反する表示または第三者の権利を侵害する表示等をしてはならない旨を当サービスの利用規約に定めており、これに違反する事実を発見した場合、当該電子メールの配信停止等の措置をとります。
しかしながら、クライアントが電子メール等に当該利用規約に違反する表示を行った場合、当サービスの社会的信用が低下する可能性がある他、クライアントと第三者との紛争に当社グループが巻き込まれ、当社の業績に影響を与える可能性があります。
④個人情報保護管理の不備によるリスク
当サービス内に格納されたクライアントが保有する個人情報等のデータについては、その閲覧、編集、削除等の一切の管理をクライアントが自ら行うものとし、当社グループは、これらの情報資産を安全にかつ効率的に管理するためのプラットフォームをクライアントに提供するのみで、当社が自らクライアントのデータの閲覧、編集、削除等の管理を行うことはありません。
しかしながら、当社は、あらかじめクライアントの同意を得て、その依頼に基づき、一時的にクライアント保有の個人情報等を預かり、編集等を行うことがあります。
また、当社は、クライアントの担当者情報を自ら保有し、人材採用時には、応募者の個人情報を取得することがあるため、個人情報取扱事業者に該当し、個人情報の保護に関する法律の適用を受けます。
当社は個人情報の取扱いに関する重要性、危険性を十分に認識し、個人情報の適切な管理を実現するために、個人情報保護規程を整備しております。さらに、当社のホームページに個人情報保護方針を公開し、これら規程及び方針に準拠した行動指針やガイドラインを制定するとともに、役職員への教育、研修を通じて、個人情報を適正に管理する体制の構築に注力しております。
なお、当社は、平成13年7月にプライバシーマーク制度(企業の個人情報保護体制がJISQ15001に準拠しているか否かを一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が認証する制度)の認証を受けております。
しかしながら、個人情報の収集や管理の過程等において、不測の事態により個人情報の漏洩等が発生した場合、当社への多額の損害賠償請求やプライバシーマークの認証取消処分または罰金等が課されるなど、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。⑤情報セキュリティ対策の不備によるリスク
当社は、当サービスを提供することで、クライアントが保有する多くの情報資産を安全かつ効率的に管理することができるプラットフォームを提供しております。
また当社も事業運営に必要なさまざまな情報資産を保有しており、情報資産を安全に管理することは、重要な経営課題として認識し、適切なセキュリティ対策を講じるよう努めております。
当社では、情報セキュリティマネジメントシステムを整備しており、当社ホームページに情報セキュリティ基本方針を公開し、当該方針に準拠した行動指針やガイドラインを制定すると共に、教育、研修を通じて、適切な情報セキュリティの実現をはかっております。
なお、当社は情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格である「ISO/IEC 27001:2005」及び「JIS Q 27001:2006」(平成17年3月にBS7799:PART2:2002及びISMS Certification Criteria(Ver.2.0)を取得、平成19年1月に現認証規格へ移行)の認証を受けております。
しかしながら、当社の予測を超える当サービスのシステムへの不正アクセス、盗難、紛失等により、または情報セキュリティ対策の不備により、情報資産の漏洩、紛失、改竄等があった場合、当社への多額の損害賠償請求や認証資格の取消処分または罰金等が課される可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤財務報告の修正又は開示の遅延によるリスク
当社は、法令及び証券取引所の規則に基づき、有価証券報告書や決算短信等の財務報告を行っております。現在のところ、当該財務報告の適正性を確保するために充分な内部管理体制を整備しているものと考えております。
しかしながら、今後の事業拡大や各種法令等の変化等に対して、適切かつ充分な内部管理体制の整備拡充を行うことができなかった場合、財務報告の修正または遅延が生じ、当社の信用及び株価、業績並びに事業に影響を与える可能性があります。
(5)株価形成リスク
新株予約権等行使によるリスク
当社は、株主価値の向上を意識した経営を推進するとともに、当社の業績向上に対する役職員の就業意欲を一層高めること等を目的として、新株予約権を発行しております。
当社は、今後も役職員に対して新株予約権の付与を行うことを検討しておりますが、これらの新株予約権が行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化し、当社株価の形成に影響を与える可能性があります。
(6)その他リスク
配当政策によるリスク
当社では、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要な課題の一つとして位置付けております。配当政策につきましては、株主価値の向上を目指して、将来の業容拡大の為の再投資と株主の皆様への利益還元のバランスを図りながら、利益剰余金を処分することを基本方針とし、配当性向の目標を30%程度としております。しかし、事業環境の急激な変化などにより、目標とする配当性向を変更する可能性があります。