有価証券報告書-第16期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/29 15:35
【資料】
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【項目】
91項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績及び財政状況等に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する項目は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものでありますが、本記載は将来発生しうる全てのリスクを網羅したものではありません。
①借入金について
当連結会計年度末(平成27年12月末日)現在、銀行からの借入金の合計残高25,973千円と社外取締役からの借入金185,000千円を合わせ、当社グループの社外からの借入金の合計額は210,973千円となっております。
社外取締役である河端繁氏からの借入れ総額185,000千円は、その元本返済を平成36年6月30日まで猶予を受けた劣後債務であり、その返済猶予の条件として、同氏を割当とする新株予約権を平成26年8月1日に発行しております。
銀行からの借入金は、返済期限が平成31年2月までとなっております。将来的な金利市場の変動が生じた場合、当社が締結している借入に係る金銭消費貸借約定書に付されている財務制限条項を行使された場合又は河端繁氏との関係に不測の事態が生じた場合は、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
②デジタルコンテンツ市場動向について
当社グループが属するデジタルコンテンツ業界におきましては、デジタルコンテンツが利用される携帯端末の機能がスマートフォン等に変化したことにより、コンテンツラインナップが拡充し、デジタルコンテンツの制作需要も高まっております。今後、ユーザーニーズの更なる複雑化及び多様化が予想されます。当社グループでは、デジタルコンテンツ市場環境の変化を的確に把握し、きめ細やかに対応していく予定であります。
しかしながら、以下のような場合においては当該収益モデルが毀損される可能性があると認識しております。
ⅰ)デジタルコンテンツ市場の成長鈍化、競合企業の伸長、コンテンツ制作単価の下落を含む、何らかの市場変動要
因が発生した場合
ⅱ)景気動向の影響を受け、コンテンツ運営会社の開発・制作等の費用の予算を縮小させた場合
ⅲ)現在コンテンツ素材を供給しているコンテンツ配信会社の営業戦略及び営業力等に変化が生じた場合
ⅳ)サービスの安全性・健全性が損なわれること等により当社グループの運営するサイトに不測の事態が生じた場合
ⅴ)ユーザーの嗜好やニーズ、ライフスタイルの変化に伴って、ユーザーから見た場合の当社の魅力が低下した場合
以上のような事態が発生した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③新規事業への取り組みについて
当社グループは、クリエイター向けの技術支援サービスを強化し、当社グループの業務サービスに留まるクリエイターを増やすことで、業界の競争に巻き込まれにくく、当社が目指すクリエイタービジネスの拡大につながるものと認識しております。このため、新規事業として、さまざまなクリエイター支援を目的としたサービスに取り組んでおります。現在、eラーニングサービスの「イラスト学校」、イラスト制作のノウハウを凝縮した動画コンテンツを配信するサービス行なうことにより、クリエイター登録の拡大及びクリエイターのアサイン業務の効率化につなげております。当社グループは、制作に携わるクリエイターをより多く募集することにより、デジタルコンテンツ事業の発展に寄与する新たな事業を創造することが可能になると考えております。クリエイターを支援するビジネスは、将来当社グループの事業の柱になることが期待されますが、当社グループの予測どおり推移しなかった場合、当社グループの事業戦略及び企業成長に影響を及ぼす可能性があります。
④事業内容悪化による減損について
当社グループは、各事業を展開するうえで、ソフトウェア等の固定資産を所有しておりますが、個別の事業の収益が悪化した場合に減損損失が発生する場合があります。当連結会計年度において、コンシューマー向けゲームサービスのソフトウェアを営業活動における収益性の低下により、回収可能額まで減額し、14,786千円の減損損失を計上しております。
⑤個人情報の保護について
当社グループが提供するウェブサイト上で一部サービスを利用するにあたり、氏名・住所・電話番号・メールアドレス等の個人情報の登録等が必要となる場合があります。また、契約する外部クリエイターの個人情報及び特定個人情報を保有しております。こうした情報は当社グループにおいて守秘義務があり、個人情報及び特定個人情報の取扱いについては、データへのアクセス制限を定める他、外部からの侵入防止措置等の対策を施しております。しかし、このような対策にもかかわらず、外部からの不正アクセス等により当社が保有する個人情報が社外に漏洩した場合には、損害賠償、社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑥知的財産権について
当社グループが扱うコンテンツは知的財産権である著作物であり、これに関わる権利保護については、法的並びに技術的な対策に万全を期しております。当社グループは著作物についての著作に隣接するあらゆる権利に対して弁護士及び弁理士に相談し、当社グループと著作者・使用者の権利や契約など法的な整備を行っております。今後も、著作分野においては、時代の要求に応じ、常に現状より高次な体制整備を行うことが当社グループの事業性質上必要不可欠なため、著作権を含む知的財産分野での法務体制のさらなる強化を図ってまいります。しかしながら、これまで顕在化していない課題の発生やユーザーの不正使用、コンテンツ提供者の虚偽申告等の事由によって、当社グループがユーザー及びコンテンツ提供者、もしくは第三者等から訴訟を提起された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦プログラム不良について
当社グループが提供するウェブサイト上のサービスについては、多くのサーバープログラム及びソフトウェアによって維持されています。これらサーバープログラム及びソフトウェアに障害が発生した場合は、該当のサービスの中断・停止やコンテンツ及びユーザーデータの破損が生じる可能性があります。当社グループでは、サービス開始前はもちろんのこと、日々入念にチェックを行っておりますが、このような事態が発生した場合、損害賠償や信用低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧システムダウンについて
当社グループが提供するウェブサイト上のサービスについては、パソコンやサーバー機器及び通信ネットワーク機器によって維持されています。これらハードウェアに関しては、自然災害・事故・外部からの不正な進入等の犯罪・一時的なアクセス集中によるサーバー機器での情報処理負担の増加等により、システムダウンが生じる可能性があります。当社では、情報システム統括部を設置し、システム障害が生じた場合に迅速なシステム復旧に備える体制を整えるとともに、アウトソーシングによる24時間監視体制など適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めております。しかし、このような対策にもかかわらず、何らかの事態により重要なデータが消失又は漏洩した場合、又はサービスが利用できなかった場合、損害賠償や信用低下等によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑨不正行為等によるリスクについて
当社グループのサービスでは、サイト内で利用可能な各種アイテムとの交換等を目的として、「スターコイン」を発行しております。これを悪質なユーザーがアイテム等を不正な方法で入手して利用及び譲渡するといった不正行為が発生することが想定されます。このような不正行為の存在は当社の意図しているところではなく、システム面での防止策のみならず利用規約での禁止やユーザーへの啓発を積極的に行うと共に、違反者には利用停止や強制退会を含む厳正な措置を行う等の対策を取っております。万が一、当社グループのサービスを利用した不正行為が発生した場合には、当社グループの信頼性やブランドが毀損すること等により、当社グループのコンシューマー向けサービスの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑩法的規制について
インターネット市場においては、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」いわゆるプロバイダ責任法が施行され、また、「不正アクセス行為の禁止などに関する法律」、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」及び「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」などの法制度が整備されてきております。しかしながら、インターネットに関連する法規制が現在のところ未整備であることは各方面から指摘されており、今後、社会情勢の変化によってこれらの法令等の解釈が変更される場合または新たな法令等の制定がなされた場合には、当社グループの事業が制約を受け、その遵守のため更なる対応及び費用を要する可能性があります。
さらに、インターネットは国内のみならず国境を越えたネットワークであり海外諸国の法規制による影響を受ける可能性があることから、将来的に当社グループの事業分野において何らかの法的規制等が発生した場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪人材の確保及び育成について
当社グループの事業展開において、グローバルな展開を視野に入れたコンテンツ企画における豊かな経験を有する人材及び外部クリエイターの確保が当社グループの成長を支える重要な要素となっております。当社グループでは、人事の担当者を選任して、優秀な人材の採用及び雇用維持に努めておりますが、当社グループが計画した人材の採用及び雇用継続ができない場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、外部クリエイターにつきましても、担当者を選任することで、当社グループとクリエイターとの間に密接な関係を保ち、事業の認知度向上を図ります。これに伴って、クラウドゲートグループのプレゼンスを高める方針ですが、計画どおりいかない場合は当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である藤田一郎は、平成22年3月に代表取締役に就任し、経営再建、事業推進において重要な役割を担って参りました。同氏は、平成23年12月期に旧経営陣の行った過去の不正を暴くなど、当社の企業成長の阻害要因を徹底的に洗い出し、その排除又は是正に努めております。また、経営者として、経営方針や事業戦略の決定ならびにその遂行において重要な役割を果たしております。当社は、取締役会や事業戦略会議等において役員及び社員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。