有価証券報告書-第39期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/25 13:13
【資料】
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【項目】
145項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
コーポレート・ガバナンスの重要性が高まっている中、当社は、株主および利害関係者の方々に対し、経営の効率性と透明性を高めていくことをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。
効率性の観点では、迅速かつ正確な経営情報の把握と、公正かつ機動的な意思決定を実行する事によって企業価値の最大化に取り組み、透明性の観点についてはタイムリーディスクロージャーにより重要情報の適正な開示を実行し、積極的なIR情報の開示とニュースリリースの展開を図ってまいります。
② 企業統治の体制
イ.企業統治の体制とその体制を採用する理由
当社は取締役会の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、監査等委員会設置会社を採用し、コーポレート・ガバナンス体制を以下のように構築しています。
取締役会は、本報告書提出日現在において、監査等委員である取締役3名を含む取締役9名(内社外取締役4名)で構成されており、原則として月1回の定時取締役会の他、必要に応じて臨時取締役会を開催し、会社法等の法令、または当社定款にて取締役会で決議することが定められている議案および会社経営上重要な議案につき意思決定を行っています。また、取締役会の経営監督機能をより高めるため、執行役員制度を導入しています。
業務執行の体制は、取締役会より業務執行を委任された代表取締役、取締役、執行役員を中心として構築されており、各メンバー間でグループ会社の業務執行の諸問題に関する情報の共有化等も行っています。
また、監査等委員会は、本報告書提出日現在において、監査等委員である取締役3名(内社外取締役3名)で構成されており、原則として、月1回の定時監査等委員会の他、必要に応じて臨時監査等委員会を開催し、定期的に内部監査室、会計監査人との情報交換を行い、連携を図りつつ、監査の実効性を高め、コーポレート・ガバナンスの強化を図ってまいります。
機関ごとの構成員は次のとおりです。(◎は議長を表す。)
役職名氏名取締役会監査等委員会
代表取締役小野 文明
常務取締役河野 寿子
取締役太田 聡
取締役渡辺 一博
取締役松本 正登
社外取締役中村 亨
社外取締役
(常勤監査等委員)
根本 豊
社外取締役
(監査等委員)
大原 達朗
社外取締役
(監査等委員)
鈴木 真紀

当事業年度にかかる取締役会の活動状況は、⑪取締役会の活動の状況に記載のとおりです。なお、当社は任意の委員会の設置を行っていません。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要図は、以下のとおりです。
0104010_001.jpgロ.内部統制システムの整備の状況
当社は取締役会において、「内部統制システムの整備に関する基本方針」を決議し、この基本方針に基づいて内部統制システムを整備しています。なお、基本方針についても、経営環境の変化等に対応して不断の見直しを行い一層実効性のある内部統制システムの整備・運用に努めます。
1.取締役・使用人の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制
・当社は、「経営理念」に基づき、グローバル社会の一員としてコンプライアンスを全ての事業活動の基本とし、当社グループの取締役、社員(以下、役職員という)の行動指針として「nms ホールディングスグループ行動規範」を定め、当社グループの役職員が経営理念、行動規範に則り、事業活動のあらゆる場面においてコンプライアンスを最優先とすることを社内会議、社員教育ほか、様々な場面において、周知徹底・浸透させる。
・当社は、取締役の中から、当社グループのコンプライアンス推進に関する責任者を定め、これにあたらせるほかコンプライアンスの観点から当社グループの事業活動を監査するための組織として、代表取締役直属の組織として内部監査室を設置し、当社グループにおけるコンプライアンス状況を逐次監査する仕組みを構築する。加えて公益通報者保護法に準拠した「内部通報規程」を定め、役職員の不正を事前に発見するための体制を整えるとともに、是正等の対応を的確に行う。
・当社グループは、反社会的勢力とは一切の関わりを持たない。反社会的勢力との関係遮断にかかる社内体制を整えるとともに社内規程を制定し、反社会的勢力からの不当要求に対しては断固として毅然たる態度で臨むものとする。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
・取締役の職務執行に係る情報の保管・管理について定める規程を制定し、法令および社内諸規程に準拠して適正に保管、管理を行うとともに、取締役、監査等委員会等から要請があった場合に備え、適時閲覧が可能な状態を保持する。
・「情報セキュリティーポリシー」を制定し、電磁的な情報環境における情報管理のあるべき姿を明確に定め、役職員に対して情報管理の行動指針として提示する。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・当社グループは、会社におけるリスクが保有経営資源の滅失であると捉え、人、モノ、金、情報に対する損失を最小限に留める体制を構築する。特に各種情報に関わるレピュテーションリスクは、他の経営資源の損失に対しても多大な影響を及ぼすものとの認識から、一層厳格な管理を実施する。
・当社グループにおけるリスク管理を担う部門を定め、重要な損失につながる可能性のあるリスク情報を集約し、リスクに対し適切かつ迅速な対応を行う。
・各種業務におけるリスクを軽減すべく業務の標準化を担保するために基本規程を制定し、これを随時見直し、適宜整備する。
・定款・規程に準拠し業務が適正に遂行されているかについて、内部監査室の監査活動を通じてモニタリングすることでリスク発生の未然防止を図るとともに、内部監査担当は、内部監査活動を通じて把握したリスク情報を定期的に代表取締役および監査等委員会に報告する。
4.取締役の職務の執行が効率的に行なわれることを確保するための体制
定時取締役会を毎月1回開催するとともに、必要に応じて臨時取締役会を開催することで法令にて要請される事項、会社が意思決定すべき重要事項を遺漏なく決議するとともに、経営上の意思決定および監査等委員以外の取締役の業務執行状況の監督等を行う。定時取締役会は、年度毎に1年間の開催スケジュールを事前に定め、全取締役が全ての取締役会に出席できるようにする。
5.当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
・当社は、当社グループにおける業務の適正を確保するために「関係会社管理規程」を制定し、事業セグメントごとに子会社、関係会社を管理する者を選任し、さらにこれら管理者を統括する統括責任者を当社の取締役の中から選任し、子会社、関係会社を適正に管理するために経営方針、戦略等を周知徹底するとともに子会社、関係会社の業績の向上、事業の成長に努めることをその役割としその任務にあたらせる。また、当社の取締役は、主要な子会社の取締役や監査役に1名以上が就任し、各会社の取締役会、経営会議に出席する体制とし、企業グループ全体としての業務の適正を確保する。
・当社グループ各社に対し、定期、臨時に内部監査室が監査活動を行なうとともに、経理、財務、経営管理、総務、人事、情報システムといった業務毎に当社の各主管部門が業務の適正性を日常業務の中でチェックする体制をとる。
6.監査等委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性に関する事項
・監査の実効性を高め、かつ監査等委員会の職務遂行を効率的に行なうため、監査等委員会は、社員に、監査業務に必要な補助を依頼することができ、会社は監査等委員会の意向を尊重して、適切な知識・能力を有するものをこれに当たらせる。
・当該社員は、監査等委員会の職務を補助する際には、監査等委員会の指揮命令に従うものとし、他の業務に優先してこれを遂行する。
7.監査等委員会の職務を補助すべき取締役および使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性に関する事項
監査等委員会の補助を行う社員の異動、人事考課、給与、褒賞および懲戒については、あらかじめ監査等委員会(監査等委員会が特定の監査等委員を指名した場合には、当該監査等委員)の同意を得て行なうこととする。
8.取締役および使用人が監査等委員会に報告するための体制および監査等委員会へ情報提供をした使用人に不利益な取扱いをしないようにするための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制
・取締役および社員(子会社の取締役および社員を含む)は、監査等委員会または監査等委員が指名した監査等委員から業務執行に関する事項について報告を求められたときは、速やかに適切な報告を行うものとし、また、当社グループの業務または財務の状況に重大な影響を及ぼすおそれのある事項を発見したときは、その内容について、迅速かつ適切に監査等委員会または監査等委員が指名した監査等委員に報告を行うものとする。
・監査等委員は、当社の取締役会以外にも、重要な議事事項の含まれる会議(子会社における会議を含む)へ出席し、適宜、取締役、社員から説明・報告を受けることができるものとする。
・当社は、監査等委員会または監査等委員が指名した監査等委員に報告をした者に対して、当該報告をしたことを理由として不利益な取り扱いをすることを禁止する。また、「内部通報規程」においても、内部通報システム等を通じて報告した者に対し、いかなる不利益も行わないことを定め、適切に運用することとする。
・管理管掌取締役は、内部通報制度の運用状況について、定期的に監査等委員会に報告を行うものとする。
9.監査等委員の職務の執行について生ずる費用の処理に係る方針に関する事項
監査等委員がその職務の執行について生ずる費用または債務の処理等の請求をしたときは、発生時期の事前、事後に関わらず、一定の手続きに従い、適時適切に会社の負担において処理するものとする。
10.その他監査等委員会の監査が実効的に行なわれることを確保するための体制
・監査等委員会は、監査の実効性を確保するため、業務執行に関する文書を閲覧し、取締役および社員に説明を求めることができるほか、必要に応じ、当社グループの各拠点(海外および国内子会社の事業所、工場等)に対して往査を実施することができる。また、会計監査人、内部監査室と連携を密に取り、相互の監査品質向上に繋がる有効な情報交換を適宜実施する。特に四半期決算、年度決算においては、会計監査人、内部監査室との意見交換会を開催し、会社の業務執行状況、計算書類等に対して相互意見交換を経てより適切に状況を把握することとする。なお、監査等委員会は、調査の実施や、内部監査計画の策定その他に関して必要かつ具体的な指示を行うなど、内部監査部門に対する指示を行うことができるものとする。
・代表取締役は、監査等委員会または監査等委員が指名した監査等委員と定期的に意見交換会を開催し、経営方針、当社グループが対処すべき課題、当社グループを取り巻く重大なリスク、監査等委員会監査の環境整備、内部統制システムの運用、監査上の重要課題等について意見交換を行うものとする。
ハ.リスク管理体制等について
当社は、自社を取り巻く事業等のリスクが多岐にわたっている経営環境を鑑み、リスク管理体制の一層の強化が経営上重要であると認識しています。こうした状況下、当社はnms ホールディングスグループ行動規範を定め、社員のコンプライアンス意識の醸成に努めています。その上で適時開示体制、内部通報制度、緊急事態発生時の報告制度等、リスクを初期段階で発見、把握する仕組みを構築し、早期対策を打てるリスク管理体制をとっています。
③ 責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。
当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としています。
④ 取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、取締役(取締役であった者を含む)の会社法第423条第1項の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除することができる旨を定款に定めています。
⑤ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で役員等賠償責任保険契約を締結しており、当社取締役を含む個人被保険者が、その地位に基づいて行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求された場合の、法律上の損害賠償金および争訟費用を填補するものとなります。ただし、被保険者が法令違反を認識しながら行った行為等に起因する損害等は対象外とすることにより、職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています。なお、当該保険契約にかかる保険料は、全額当社が負担しています。
⑥ 取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く)は、6名以内、監査等委員である取締役は4名以内とする旨を定款に定めています。
⑦ 取締役の選任決議要件
当社は、株主総会での取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めています。
⑧ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。
⑨ 自己株式取得の決定機関
当社は、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、自己株式を取締役会の決議で市場取引等により取得することができる旨を定款に定めています。
⑩ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
⑪ 取締役会の活動の状況
1)当事業年度における活動状況は次のとおりです。
役職名氏名取締役会出席状況(出席率)
代表取締役小野 文明17回/17回(100%)
常務取締役河野 寿子17回/17回(100%)
取締役太田 聡17回/17回(100%)
取締役渡辺 一博17回/17回(100%)
取締役松本 正登17回/17回(100%)
社外取締役中村 亨16回/17回(94.1%)
社外取締役(常勤監査等委員)根本 豊17回/17回(100%)
社外取締役(監査等委員)大原 達朗17回/17回(100%)
社外取締役(監査等委員)鈴木 真紀(注1)13回/13回(100%)
社外取締役(監査等委員)永田 典宏(注2)4回/ 4回(100%)

(注)1.鈴木真紀氏は、2023年6月22日開催の第38期定時株主総会において取締役(監査等委員)に選任されており、当事業年度において同氏が出席すべき取締役会の回数は13回となります。
2.永田典宏氏は、2023年6月22日開催の第38期定時株主総会終結の時をもって退任しており、当事業年度において同氏が出席すべき取締役会の回数は4回となります。
2)当事業年度における具体的な検討内容は以下のとおりです。
・2023年度事業計画の進捗および施策実行状況確認、必要施策の検討を実施
・2023~2025年度中期経営計画に基づく事業計画およびKPIの進捗状況確認を実施
・グループガバナンス強化に向けたコーポレート施策の実行および外部経営アドバイザリーの起用など重要な契約締結について審議
・為替相場の変動、在庫調整・生産調整等による生産計画の変更等、外部環境変化における事業影響および必要施策の検討を実施
・グループ経営基盤の強化に向けた施策の審議、特に資金効率および財務体質改善施策として、各事業における運転資本圧縮およびグループキャッシュマネジメント強化策、これに基づく資金計画および調達方法を審議、為替エクスポージャー圧縮等の施策について検討を実施
・グループ経営効率の改善を目的とし、セグメント間における資本関係の整流化を審議
・北米EMS事業の黒字化に向けた基盤再構築施策を審議、中期的事業展望およびこれに基づく事業戦略に関し協議、EMS事業全体の財務基盤強化施策について審議
・グループ会社の取締役など、グループ会社重要人事事項を審議
・企業価値向上の推進力として人的資本政策の推進やサステナビリティへの取り組みとして現存する各種方針・指針の整理・整備(高度化、同期化、一元化)について審議
上記以外に、定例の議案として、取締役の業務執行状況や監査等委員会の監査活動内容の報告、内部監査室による監査報告、四半期ごとの決算承認等がなされています。